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その頃の談話室④ 公爵視点
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「貴族のフリ?」
「正確にいうとニコラス・レナイト侯爵の子供のフリだろ?」
ハルには遊び心が足りないね…
「正確に言えばそうだね。残念な事に母親は今はまだ貴族だから。」
「侯爵の子供のフリ?」
「当の子供は知らないでしょうね…だって侯爵の子供として出生したと虚偽の報告を出したのは親なのだから…」
「それって証明できるの?」
「父親である侯爵が証言しているからな。」
「どういう事?虚偽の報告をしたと侯爵が言ってるって事?つまりイオの父親が罪を犯したって事?」
ダニーもハルと同じでイオを守りたいと言う気持ちは本物かな?真っ先にイオの事を心配しているんだから。
「現夫人とは閨をともにした事がないと証言した。つまり現夫人とは白い結婚なんだよ。」
「白い結婚なのに子供が産まれるのはおかしくねぇ?」
う~んエドはもう少し色々と学ばなくてはいけないね…いくらトラウマがあるとはいえこれからはイザベル嬢を守っていかなくてはいけないのだから…
「いや、その前に父親が王族を裏切ったことの方が問題だろ!」
大切にしたい相手が違うから気になるところも違うということかな?
「エド白い結婚なら子供は産まれない。それでも子供が産まれたという事は夫人が侯爵を裏切って不貞行為を行ったという事だ。それからダニー喚くな。少しは大人しく冷静に話を聞け。」
「なっ!」
こういった話の時はハルの冷静さが助かるな…でもダニーの事を挑発したのはいただけないかな…
「国王への報告を行ったのは夫人だが侯爵は最近まで事実を明かさなかった。彼にも罪がないとは言えないね。だから彼にはジェダイナ公爵家を潰す手伝いをしてもらっているよ。」
「それだけ分かっているならジェダイナ公爵家に牽制はできるんじゃないの?」
確かにダニーの言う通り牽制は出来るだろう…
「だがどれではイザベル嬢に危害が及ぶかもしれない。」
「どういう事だよ‼︎」
「うん。順を追って説明しよう。こちらで把握していない部分もあるからそれについては私達の見解として話すね。質問があればその都度聞いてくれてもいい。話に差し支えない範囲で答えよう。」
「「分かった。」」
「先ずはニコラス・レナイトはイオの母親パトリシア・バーナバス伯爵令嬢と恋人同士だった。でもね私達の父親で前国王陛下の王命でイザベル嬢の母親であるクリスティーン・ジェダイナ公爵令嬢と結婚した。」
「ちょっと良い?イオの母親は婚約者じゃなかったの?」
ダニーの疑問はもっともだね。
「婚約者じゃなかった。侯爵は何度もバーナバス伯爵に申し入れしたそうだが受け入れてもらえなかったと聞いている。」
「伯爵位が侯爵位のある者の申し入れを断ったの?そんな事ありえないと思うんだけど?」
「そうだね。普通は認められない。だがそれも父の…当時の国王陛下がお認めになった事なんだよ。」
「そこまで国王に目を掛けてもらえるバーナバス家って何?正直に言って社交界でもそんなに聞かない名前だよね?」
「国王の子飼いの者だよ。」
「は?」
「いわゆる何でも屋かな?」
「何でも屋?」
「そう国王の為なら何だってするし、何だって受入れる者達だよ。」
「今でも?」
私は肯定も否定もせずに笑って流した。
「正確にいうとニコラス・レナイト侯爵の子供のフリだろ?」
ハルには遊び心が足りないね…
「正確に言えばそうだね。残念な事に母親は今はまだ貴族だから。」
「侯爵の子供のフリ?」
「当の子供は知らないでしょうね…だって侯爵の子供として出生したと虚偽の報告を出したのは親なのだから…」
「それって証明できるの?」
「父親である侯爵が証言しているからな。」
「どういう事?虚偽の報告をしたと侯爵が言ってるって事?つまりイオの父親が罪を犯したって事?」
ダニーもハルと同じでイオを守りたいと言う気持ちは本物かな?真っ先にイオの事を心配しているんだから。
「現夫人とは閨をともにした事がないと証言した。つまり現夫人とは白い結婚なんだよ。」
「白い結婚なのに子供が産まれるのはおかしくねぇ?」
う~んエドはもう少し色々と学ばなくてはいけないね…いくらトラウマがあるとはいえこれからはイザベル嬢を守っていかなくてはいけないのだから…
「いや、その前に父親が王族を裏切ったことの方が問題だろ!」
大切にしたい相手が違うから気になるところも違うということかな?
「エド白い結婚なら子供は産まれない。それでも子供が産まれたという事は夫人が侯爵を裏切って不貞行為を行ったという事だ。それからダニー喚くな。少しは大人しく冷静に話を聞け。」
「なっ!」
こういった話の時はハルの冷静さが助かるな…でもダニーの事を挑発したのはいただけないかな…
「国王への報告を行ったのは夫人だが侯爵は最近まで事実を明かさなかった。彼にも罪がないとは言えないね。だから彼にはジェダイナ公爵家を潰す手伝いをしてもらっているよ。」
「それだけ分かっているならジェダイナ公爵家に牽制はできるんじゃないの?」
確かにダニーの言う通り牽制は出来るだろう…
「だがどれではイザベル嬢に危害が及ぶかもしれない。」
「どういう事だよ‼︎」
「うん。順を追って説明しよう。こちらで把握していない部分もあるからそれについては私達の見解として話すね。質問があればその都度聞いてくれてもいい。話に差し支えない範囲で答えよう。」
「「分かった。」」
「先ずはニコラス・レナイトはイオの母親パトリシア・バーナバス伯爵令嬢と恋人同士だった。でもね私達の父親で前国王陛下の王命でイザベル嬢の母親であるクリスティーン・ジェダイナ公爵令嬢と結婚した。」
「ちょっと良い?イオの母親は婚約者じゃなかったの?」
ダニーの疑問はもっともだね。
「婚約者じゃなかった。侯爵は何度もバーナバス伯爵に申し入れしたそうだが受け入れてもらえなかったと聞いている。」
「伯爵位が侯爵位のある者の申し入れを断ったの?そんな事ありえないと思うんだけど?」
「そうだね。普通は認められない。だがそれも父の…当時の国王陛下がお認めになった事なんだよ。」
「そこまで国王に目を掛けてもらえるバーナバス家って何?正直に言って社交界でもそんなに聞かない名前だよね?」
「国王の子飼いの者だよ。」
「は?」
「いわゆる何でも屋かな?」
「何でも屋?」
「そう国王の為なら何だってするし、何だって受入れる者達だよ。」
「今でも?」
私は肯定も否定もせずに笑って流した。
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※作者都合のご都合主義です。
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※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
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