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ハルの看病①
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今日から2日間、俺がネイオウミ嬢の看病という名の相手をする。
最初の2日間は楽しく過ごしたとエド本人から話を聞いた。
エドはネイオウミ嬢は本が好きだと言っていたから今日は色んな種類の本を用意した。
本を読んでいれば話す事なく時間は過ぎるからな。
彼女の過去を聞いて絆されるとしたらダニーかな…
そんな事を考えていたらネイオウミ嬢の部屋に到着する。
ノックをし部屋の中に入るとエドから聞いていた通りネイオウミ嬢はソファに座っていた。
「今日から2日間は俺だから。」
「宜しくお願いします。それから、先日はハロルド様が助けてくださったと聞きました。本当にありがとうございました。」
「いや…今はどうだ?少しは痛みはひいたか?」
「はい。まだ時々痛むことはありますが良くなりました。ハロルド様が助けてくださったおかげです。本当にありがとうございました。」
「ヘンリー医師にはまだ暫く安静にしているように言われているんだろう?無理はするなよ。」
「はい。気を付けます。」
「まぁまだ暫くは動き回れないだろうから本を持ってきた。エドから本が好きだって聞いたから。気になるものがあれば読んだら?」
そう言ったら瞳を輝かせて喜んだ所を見ると、相当本が好きなんだな。
俺も本好きだからか、せっかくなら好きな本を持ってきてやってもいいかと思ってしまう。
「どんな種類の本が好きか分からなかったから今日は適当に持ってきたけど、希望があれば明日は言ってくれたジャンルの本を持ってくるよ。」
「本なら何でも好きです。」
「何で?何で本が好きなの?」
「えっ⁉︎あ~…お恥ずかしい話なんですが、あの私…貴族令嬢なのに家庭教師をつけてもらえなくて…だから独学で学んでいたんです。私にとって本は先生なんです。だから本が好きなんです。」
本が先生とか…本当に独学で学んできたんだな。
エドだってあんなことがなければ学ぶ事が出来たと思うと…過程は何にせよ俺は恵まれていたんだな。
「そう。それでも特に好きなジャンルくらいはないの?」
「物語が…好きなんて…子供っぽいですよね…」
恥ずかしそうにそう話す。
「そうか?俺も好きだけどな。物語なら何でも良いの?」
「楽しい話が良いです。」
「ハッピーエンドで終わるとか?」
「はい‼︎想像すると楽しくなるので好きです。」
想像すると…つまり自分に置き替えるとって事か?
現実逃避だよな…俺もやったから良く分かる。
「ハロルド様も本がお好きなんですよね?」
「ん?あぁエドに聞いたのか。」
「はい。エド様がハロルド様は本に詳しいと仰っていましたので。」
エド様ね…確かエドもイオって呼んでいたか。
愛称で呼び合うなんて随分仲良くなったんだな。
「ハロルド様はどんな本が好きなんですか?」
「俺?俺も何でも読むけど…好きなジャンルは…歴史書や人体学とか医学書好かな。物語だと俺は冒険ものが好きかな。」
「冒険ものの物語もハラハラして面白いですよね。人体学や医学書は専門書なので図書館では見れなかったので読んだ事はないのですが、歴史書は色んな解釈が合ってつい読み比べてしまいました。」
「そうなんだよな。歴史書はそれが面白いんだよな。」
今まで本の話を誰かとした事がなかったからだろうか、気がつくと持ってきた本も読まずに話に夢中になってしまっていた。
最初の2日間は楽しく過ごしたとエド本人から話を聞いた。
エドはネイオウミ嬢は本が好きだと言っていたから今日は色んな種類の本を用意した。
本を読んでいれば話す事なく時間は過ぎるからな。
彼女の過去を聞いて絆されるとしたらダニーかな…
そんな事を考えていたらネイオウミ嬢の部屋に到着する。
ノックをし部屋の中に入るとエドから聞いていた通りネイオウミ嬢はソファに座っていた。
「今日から2日間は俺だから。」
「宜しくお願いします。それから、先日はハロルド様が助けてくださったと聞きました。本当にありがとうございました。」
「いや…今はどうだ?少しは痛みはひいたか?」
「はい。まだ時々痛むことはありますが良くなりました。ハロルド様が助けてくださったおかげです。本当にありがとうございました。」
「ヘンリー医師にはまだ暫く安静にしているように言われているんだろう?無理はするなよ。」
「はい。気を付けます。」
「まぁまだ暫くは動き回れないだろうから本を持ってきた。エドから本が好きだって聞いたから。気になるものがあれば読んだら?」
そう言ったら瞳を輝かせて喜んだ所を見ると、相当本が好きなんだな。
俺も本好きだからか、せっかくなら好きな本を持ってきてやってもいいかと思ってしまう。
「どんな種類の本が好きか分からなかったから今日は適当に持ってきたけど、希望があれば明日は言ってくれたジャンルの本を持ってくるよ。」
「本なら何でも好きです。」
「何で?何で本が好きなの?」
「えっ⁉︎あ~…お恥ずかしい話なんですが、あの私…貴族令嬢なのに家庭教師をつけてもらえなくて…だから独学で学んでいたんです。私にとって本は先生なんです。だから本が好きなんです。」
本が先生とか…本当に独学で学んできたんだな。
エドだってあんなことがなければ学ぶ事が出来たと思うと…過程は何にせよ俺は恵まれていたんだな。
「そう。それでも特に好きなジャンルくらいはないの?」
「物語が…好きなんて…子供っぽいですよね…」
恥ずかしそうにそう話す。
「そうか?俺も好きだけどな。物語なら何でも良いの?」
「楽しい話が良いです。」
「ハッピーエンドで終わるとか?」
「はい‼︎想像すると楽しくなるので好きです。」
想像すると…つまり自分に置き替えるとって事か?
現実逃避だよな…俺もやったから良く分かる。
「ハロルド様も本がお好きなんですよね?」
「ん?あぁエドに聞いたのか。」
「はい。エド様がハロルド様は本に詳しいと仰っていましたので。」
エド様ね…確かエドもイオって呼んでいたか。
愛称で呼び合うなんて随分仲良くなったんだな。
「ハロルド様はどんな本が好きなんですか?」
「俺?俺も何でも読むけど…好きなジャンルは…歴史書や人体学とか医学書好かな。物語だと俺は冒険ものが好きかな。」
「冒険ものの物語もハラハラして面白いですよね。人体学や医学書は専門書なので図書館では見れなかったので読んだ事はないのですが、歴史書は色んな解釈が合ってつい読み比べてしまいました。」
「そうなんだよな。歴史書はそれが面白いんだよな。」
今まで本の話を誰かとした事がなかったからだろうか、気がつくと持ってきた本も読まずに話に夢中になってしまっていた。
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