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してはいけない約束

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「そうなんだよ。ネイオウミ嬢はご家族と上手くいってなくてね。だから我が家で一緒に過ごしてもらう話があるんだ。今日会ったばかりではお互いの良さを知る時間が足りないだろうしね。だから1週間後にはこの邸に移ってもらうから宜しく。それから1週間のうち1人2日づつ彼女と過ごすこと。お互いをよく知る努力をしなさい。私の話を守らなければ縁を切るから。そのつもりで宜しくね。」

そんな事を公爵様は言われましたが、公爵邸で過ごすなんて聞いてません。
このままでは話が進んでしまうと思いつい声を出してしまいます。

「サミュエル公爵様!困ります。今日お会いしたらお断りして頂こうと思っていたんです。なのに公爵邸で暮らすなんて…」

「この話を断ってレナイト侯爵籍から抜けるつもりなんだってね?それで修道女になるんだったかな?ニコラス殿から聞いたよ。彼は認めてないんだろう?それじゃあ無理だよ。当主が認めてないのにできるわけないでしょ?それとも家出でもするのかな?」

「いざとなったらそのつもりです。」

「どういうことだ?ネイオウミ嬢は今回の話に前向きいじゃないということか?それなら話は早い。この話は無かったことにしよう。」

「宜しいのですか?」

「ダメだよ。ハルも勝手に話を進めるな。それに私とニコラス殿だけではこの話を止めることは出来ないんだよ。」

「伯父ですか…」

「そうだよ。私も話を聞いて是非にと思ったのは事実だが、兄がかなり乗り気でね。この話を無かったことにはもう出来ないよ。」

「公爵様のお兄様って…フレデリック国王陛下ですよね?」

「そう。この話はほぼ王命だと思ってくれていいいよ。」

その話を聞きハロルド様も黙ってしまわれました。
その表情から苛立っていらっしゃるのが分かります。
まさか国王陛下がこの話に関わっていらっしゃるなんて思っても見ませんでした。
どうしましょう……。
そう思っていた時でした。
エドガード様がとある提案をされました。

「分かった。とりあえず伯父が諦めるまでこの話は進めよう。だが俺はピヨ…貴女を妻にする事はない。だから私の事は選ばないと約束してくれ。」

ピヨ?

「エド⁉︎何を言ってる。そんな事認めれれるわけないだろう!」

「それいいなエド。俺もネイオウミ嬢を伴侶にすることはない。だから俺の事も選ばないと約束してくれ。」

「ハル‼︎」

「俺は別に好きなってもらっても構わないよ。でも俺が愛する事はないから結婚もしない。まぁ約束するのと変わらないと思うよ。」

「ダニー‼︎」

約束……皆様を選ばない……愛さない約束………
元々お断りして頂くつもりでしたもの。
その約束なら受けても良いのかもしれません。

「………分かりました。国王陛下が飽きられてくださるまで皆様と過ごします。そして皆様を愛さないと約束いたします。」

「ネイオウミ嬢まで⁉︎」

「契約成立。約束は守れよ!」

「はい。」

こうして約束嫌いな私は、してはいけない約束をしてしまったのです。
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