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最悪な1週間の始まり⑥
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4日目の朝は泣きすぎて頭が痛く、床の上で寝てしまったために体が痛かった。
気持ちは憂鬱なまま今日はどうしようかと考える。
でも何も思い浮かばないし何も手につかない。
ボーッとしているとあっという間にお昼になる。
父は断ってくれただろうかと思っていると使用人が私を呼ぶ。
今度は応接間に呼ばれる。
嫌な予感がした。
応接間に入るとサミュエル公爵と父が居た。
「ネイオウミ嬢。先日の返事を聞きにきたよ。」
「ご機嫌様サミュエル公爵様。先日のお話はお断りしましたよね?」
「ん?私は今日レナイト侯爵にいい返事がもらえると聞いていたのだが?」
「何か行き違いがあったのではないでしょうか?」
「行き違い…レナイト侯爵どういう事かな?」
「問題ありません。ネイオウミは御子息と結婚させていただきます。」
「お父様?」
「良いんだね?レナイト侯爵。」
父は私の話をきかず公爵様と話を進める。
〔父の言う約束って何だろう?父にとって私は要らない子だと知っている。関心なんてない事も知っている。でも…こんなの酷すぎる。結局話を勝手に進めるなら何で昨日私と話したのよ…何で余計に辛い思いをさせるのよ…〕
「それではネイオウミ嬢、どの息子にする?」
「……………………………………。」
話すと涙が流れそうで何も言えずにいると公爵様が更に話しかけてくる。
「3人の息子のうち誰と結婚する?」
「……………………………………。」
「困ったな選んでくれないと…。」
「何故…何故私なんですか?」
「そうだね。理由を知りたいなら私の息子を早く選んでくれないかな?」
「選べません。」
「選べない?それでは困るんだよ。あぁでもそうだね。息子達のことを知らなかったら選びようがないもんね。それじゃあ3日後にうちに来てくれないかな?息子達に会わせるよ。」
「私は…」
「必ずネイオウミを3日後公爵家に向かわせます。」
私は父を睨んだが、そんな事を気にする人ではなかった。
公爵様は父からそう聞くと機嫌よくお帰りになった。
公爵様が帰った後で父の書斎に行く。
「もう用はないぞ。」
「お父様…私はお断りして下さいと言いましたよね?」
「公爵相手に断れないことはお前だって分かっていただろう?」
「では初めから断るつもりは無かったと?」
「そうだ。言っただろう悪いようにはしないと。良い縁談がまとまりそうで良かったな。」
私は拳を握りしめた。
きつくきつく握りしめたから爪が掌に食い込む。
後で見たらうっすら血が滲んでいた。
「良い縁談というのは何をもって言っているのですか?」
「公爵家に嫁げるなら良い縁と言えるだろう?」
「それはお父様にとってですか?」
「何を言っている?」
「もういいです。公爵様の御子息達が私を気に入られるとは限りませんからね。今度、婚約解消になったらその時はレナイト侯爵家から出て行きますから。」
父にそう宣言し部屋を出る。
その時、父は顔はどんな顔をしていたのだろうか?
気持ちは憂鬱なまま今日はどうしようかと考える。
でも何も思い浮かばないし何も手につかない。
ボーッとしているとあっという間にお昼になる。
父は断ってくれただろうかと思っていると使用人が私を呼ぶ。
今度は応接間に呼ばれる。
嫌な予感がした。
応接間に入るとサミュエル公爵と父が居た。
「ネイオウミ嬢。先日の返事を聞きにきたよ。」
「ご機嫌様サミュエル公爵様。先日のお話はお断りしましたよね?」
「ん?私は今日レナイト侯爵にいい返事がもらえると聞いていたのだが?」
「何か行き違いがあったのではないでしょうか?」
「行き違い…レナイト侯爵どういう事かな?」
「問題ありません。ネイオウミは御子息と結婚させていただきます。」
「お父様?」
「良いんだね?レナイト侯爵。」
父は私の話をきかず公爵様と話を進める。
〔父の言う約束って何だろう?父にとって私は要らない子だと知っている。関心なんてない事も知っている。でも…こんなの酷すぎる。結局話を勝手に進めるなら何で昨日私と話したのよ…何で余計に辛い思いをさせるのよ…〕
「それではネイオウミ嬢、どの息子にする?」
「……………………………………。」
話すと涙が流れそうで何も言えずにいると公爵様が更に話しかけてくる。
「3人の息子のうち誰と結婚する?」
「……………………………………。」
「困ったな選んでくれないと…。」
「何故…何故私なんですか?」
「そうだね。理由を知りたいなら私の息子を早く選んでくれないかな?」
「選べません。」
「選べない?それでは困るんだよ。あぁでもそうだね。息子達のことを知らなかったら選びようがないもんね。それじゃあ3日後にうちに来てくれないかな?息子達に会わせるよ。」
「私は…」
「必ずネイオウミを3日後公爵家に向かわせます。」
私は父を睨んだが、そんな事を気にする人ではなかった。
公爵様は父からそう聞くと機嫌よくお帰りになった。
公爵様が帰った後で父の書斎に行く。
「もう用はないぞ。」
「お父様…私はお断りして下さいと言いましたよね?」
「公爵相手に断れないことはお前だって分かっていただろう?」
「では初めから断るつもりは無かったと?」
「そうだ。言っただろう悪いようにはしないと。良い縁談がまとまりそうで良かったな。」
私は拳を握りしめた。
きつくきつく握りしめたから爪が掌に食い込む。
後で見たらうっすら血が滲んでいた。
「良い縁談というのは何をもって言っているのですか?」
「公爵家に嫁げるなら良い縁と言えるだろう?」
「それはお父様にとってですか?」
「何を言っている?」
「もういいです。公爵様の御子息達が私を気に入られるとは限りませんからね。今度、婚約解消になったらその時はレナイト侯爵家から出て行きますから。」
父にそう宣言し部屋を出る。
その時、父は顔はどんな顔をしていたのだろうか?
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