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最悪な1週間の始まり④

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「お願いですか?公爵様が私に?」

「そうだよ。ネイオウミ嬢の婚約者は確か…お義姉さんの婚約者になったのだったかな?今はいないんだよね?」

「………公爵様は何処まで知っているのですか?」

「何処までというと?」

「確かに私の1人目の婚約者はお義姉様の婚約者になりました…」

「1人目というと…」

「その後、別の方と婚約しました。」

「では、今は婚約者がいると?」

「…その方は昨日付けで義妹の婚約者になりましたが…」

「ではやはり婚約者はいないという事だね?」

「…はい。」

「それなら良いんだ。ネイオウミ嬢に頼みというのはね君に私の息子と結婚して欲しいんだよ。」

「御子息と⁉︎」

「そう。知っているかもしれないけれど私には息子が3人にるんだが…どうにもね。誰も婚約者を作らないんだよ。だからネイオウミ嬢に3人の息子の誰とでも良いから結婚してもらいたいんだ。もちろん手順は踏むよ?まずは婚約者になってもらって、それから結婚してもらう。どうかな?」

「…………。」

〔サミュエル侯爵のご子息達って…あの人達よね?社交界では顔が良くて地位もあるから人気が高いけど確か…長男は頭が悪く脳筋でデリカシーの欠片もない傍若無人な悪魔で…次男は性格が悪く冷徹で血も涙もない極悪非道な魔王で…三男は女癖が悪く私利私欲を満たすために女の人に手を出す色欲魔神と言われている人で…どなたも私は絶対に関わり合いになりたくない人達だわ…その人達と生涯を約束するなんて無理よ…絶対にそんな約束守られるわけがないわ。〕

「う~ん。私の息子はネイオウミ嬢が思うよりもずっと人間らしいよ?」

「えっ?私、声に出してました?」

「声に出してなくても表情で分かるよ。社交界では結構人気があるんだけどね?ダメかな?」

「無理です。私はもう裏切られることに耐えられません。」

「それは…私の息子達が君を裏切ることが前提といいうことかな?」

「失礼なのは分かっています。でも私は…幼い頃から大切にしたい人達とした約束を守られたことがありません。婚約は結婚するという約束ですよね?そして結婚は生涯を誓い合う約束…果たされない約束をするなんて出来ません…」

「約束が守られたことが無いなんてそんな…」

「本当です。お父様は今と違い幼い私を少しは気にかけて下さっていました。だから私と出かける約束をして下さっていましたが、いつも“仕事が入った”“急用なんだ”と言い幾度となく約束を破られました。義姉と義妹とは出掛けるのに…。母だって…。それに2回も婚約し…2回ともその約束は破られたんです。もう嫌なんです。御子息達は社交界で人気があるのですから私ではなくても良いですよね?この上なく良いお話しなのでしょうがお断りいたします。」

「そんな…。ネイオウミ嬢ここで決めずにもう少し考えてくれないか?」

「申し訳ありません。」

そう言い私は失礼を承知で部屋を出た。
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