【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

120．結婚の申し込み

「リア大丈夫？」
「リアちゃん大丈夫？」

アリシア夫人とマレリア夫人が同時に話しかける。
後から叔父とダニーとマリーベル夫人に宰相とルドも入ってくる。

「はい大丈夫です。」

『良かった～』

「皆様ご心配おかけいたしました。それで、皆様にお伝えしたい事が２つ程ありまして…」

「フィア伝えたい事って何？」

「実は今回の怪我なんですが…」

「私を庇って負った事？守れないどころか守ってもらうなんて…ごめんフィア…。」

「それなんだけど…違うの。」

「何が違うの？」

部屋に集まった皆も静かに私達の話を聞いている。

「それが…大変お恥ずかしいのですが私ジークを助けたわけではないんです。」

『どういう事？』

「あの話ますが怒らないで下さいませ。」

「分かった。怒らないから言って。」

「スゥーハァーあの時キラデル侯爵はジークに向かって襲ってきていて私ジークより前にいたから危ないと思って…」

「思って？」

「その…逃げようとして…慌ててたから…ドレスの裾を踏んでしまって…キラデル侯爵のナイフが刺さってしまいまして…」

そこまで言って上目遣いでチラッとこちらを伺い見るフィア…は可愛いけど…どういう事だ？
皆を見てもポカンとした顔で呆気に取られている。

「どういう事？」

「ですから、自分のドレスを踏んで転んで刺されました！…のです。」

「それこそ私を庇って言ってる？」

「かばってません！信じないならもういいです。」

「あっ、いや信じる！信じるから‼︎」

「怒ってません？」

「怒ってない！」

ーあっ。これじゃあ…もうこの事を掘り返す事もこの件でフィアに無茶をするなと怒る事も出来ないのでわ？こんなに証人もいるしな。

してやったりなのか、にんまりと笑うフィアにやられたと思った。

(今のは上手ね。)
(ジークよりリアちゃんの方が策士ね。)
(私もリア様から学ばなきゃ。)
(オリヴィア夫人私と一緒に学びましょう！)

ー小声で話していても聞こえてますよ夫人方？マリーベル夫人はあまり学ばない方が…ダニーが青ざめてるので程々にしてあげて下さいね。

「はぁ、それで？もう一つの話は？」

私は諦めて次の話に移る事にした。

「はい。それが本題でして…ジークフリート・ギル・ラディウス様。」

真剣な顔で私の名を呼ぶフィアに私の背筋も自然と伸びる。

「はい。」

「私と今すぐ結婚して下さい。」

「は…い？」

動揺からキョロキョロと見回してしまう。
夫人達はニコニコと嬉しそうにしていた。
逆に宰相達は狼狽している。
この場合、私が取るべき選択は何が正しいのかな？

「もう、私だって緊張しているんだからね！私はジークが愛しくて仕方ないの。なのに自分の不注意で怪我して心配かけて…眠ってる間もジークが私を守れなかったって自分を責めてたらどうしようって不安だった。でもジークは国王だからそんな事これからもあると思うの。だったら私はジークに"私は大丈夫よ"って言い続けるしかない。婚約者のままでも出来るけど、ジークにも皆さんにも結婚して正式な家族になった私が言う方が説得力が増すかなって思うのよ。あと単純に私がジークと早く本当の家族になりたいの！だからジーク私と結婚して…お願い。」

私と家族になりたいとはっきり言ったフィアの言葉に喜びが込み上げる。

「ジーク聞いてるの？今すぐ結婚しましょう‼︎」

ー良いのかな？良いかな？良いよな！私も家族が…フィアと家族になりたい‼︎

「はい。オフィーリア・ロサ・オーウェン、私と結婚して下さい。」

「はい。よろしくお願いします。」

夫人達は拍手しているが、宰相達は頭を抱えていたた。