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108.夜会❺
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キラデル侯爵家で王太子夫妻を歓迎するパーティを開く。
グロリアはその全身をジェイドの色に纏われている。
ー可哀想なグロリア…。早くそのドレスを脱がせて私色に染めてあげるからね?ジェイドが怖くて私の目が見れないのかい?あぁ可哀想に…憎きジェイドのせいでグロリアに何かされてはいけないと思いダンスにも誘えない。それすらも我慢しなくてはいけないなんて……
ジェイドとダンスをするグロリアを見つめる。
その頬が紅く染まっているように見える。
グロリアも同じ気持ちだと思っていたがこの8年で気持ちが変わったなんて事はないよね?
ジェイドに耳元で囁かれ顔を真っ赤に染めるグロリアに初めて苛立ちを覚える。
ダンスを終えた後の2人が私の側に来る。
「侯爵とサラエン夫人も一緒に踊られたらいかがです?」
サラエンが側にいたことに言われるまで気付かなかった。
横目に見ると「どうする?」と聞いてくる。
「気分じゃない」と答えると「残念。」と軽く言ってくる。
政略結婚をした割に私達の関係が良好に見えるのはサラエンの明るい性格のせいだろう。
「それじゃあ私が夫人とお話ししていても良いですか?ジェイドは侯爵と公務に関する話もしたいでしょうしね。サラエン夫人宜しいですか?」
「えぇ光栄ですわ。」
「それじゃあジェイド私達はあちらで話しているわね。」
「いってらっしゃい。」
そう言いながらグロリアに短い口づけをするジェイドへの怒りに我を忘れそうになる。
グロリアも受け入れている様に見えて…奥歯を強く噛み締める。
そんな私をサラエンが見つめていたことにも気付かずに…
「いってきます。」
遠ざかるグロリアの背をじっと見ているとジェイドに声を掛けられる。
「もう諦めたかと思っていたが、まだグロリアを想っていたのか。グロリアは俺の妻だ。諦めろ‼︎」
「分かっていたんだね。なら返してよ。グロリアと私は想いあっているんだよ。私の子も返してくれる?」
「グロリアは俺の妻だ。それにジークフリートは俺とグロリアの子だ。」
「証拠は?」
「証拠か…お前も貴族なら知っているだろう?ラピスラズリの誓いを。」
「それが?」
「俺とグロリアは学生の頃にその誓いをした。王城に戻ればその記録もある。」
「嘘だ‼︎」
「本当だ‼︎俺達の腕にはラピスラズリの紋章が刻まれている。誓いの内容は知っているだろう?想い合っている者同士でしか誓いをする事は出来ない。俺達は互いが唯一の伴侶であり互いとしか子をなせない。グロリアが学園に通うのを途中でやめたのはこの誓いをしたからだ。無為に貴族の男を凍てつかせる訳にはいかないからな。」
「そんな…グロリアが私を裏切るなんて…。」
「裏切ってない。初めからグロリアはキラデル侯爵を想っていなかった。ただそれだけだ。」
「信じられない…私達は想い合っているんだ…」
「キラデル侯爵…サラエン夫人がいながらマホーティス家のリズベット夫人と関係を持っていたよな?マホーティス家の第一子は貴方の子だろ?お前の家は以前、弟が不貞を働いて大変な目にあったよな?あれもお前が画策した事だったか?お前が2人に何かするなら俺はお前を潰す。グロリアとジークフリートを守るためなら俺は持てるその全てを使って不穏な者を排除する。」
「グ…ロリアも…全て知…っているのか?」
「さぁ。私は言っていない。でもグロリアも王家に連なる家の者だ。私は知っていても不思議ではないと思っている。」
「そんな…。」
グロリアはその全身をジェイドの色に纏われている。
ー可哀想なグロリア…。早くそのドレスを脱がせて私色に染めてあげるからね?ジェイドが怖くて私の目が見れないのかい?あぁ可哀想に…憎きジェイドのせいでグロリアに何かされてはいけないと思いダンスにも誘えない。それすらも我慢しなくてはいけないなんて……
ジェイドとダンスをするグロリアを見つめる。
その頬が紅く染まっているように見える。
グロリアも同じ気持ちだと思っていたがこの8年で気持ちが変わったなんて事はないよね?
ジェイドに耳元で囁かれ顔を真っ赤に染めるグロリアに初めて苛立ちを覚える。
ダンスを終えた後の2人が私の側に来る。
「侯爵とサラエン夫人も一緒に踊られたらいかがです?」
サラエンが側にいたことに言われるまで気付かなかった。
横目に見ると「どうする?」と聞いてくる。
「気分じゃない」と答えると「残念。」と軽く言ってくる。
政略結婚をした割に私達の関係が良好に見えるのはサラエンの明るい性格のせいだろう。
「それじゃあ私が夫人とお話ししていても良いですか?ジェイドは侯爵と公務に関する話もしたいでしょうしね。サラエン夫人宜しいですか?」
「えぇ光栄ですわ。」
「それじゃあジェイド私達はあちらで話しているわね。」
「いってらっしゃい。」
そう言いながらグロリアに短い口づけをするジェイドへの怒りに我を忘れそうになる。
グロリアも受け入れている様に見えて…奥歯を強く噛み締める。
そんな私をサラエンが見つめていたことにも気付かずに…
「いってきます。」
遠ざかるグロリアの背をじっと見ているとジェイドに声を掛けられる。
「もう諦めたかと思っていたが、まだグロリアを想っていたのか。グロリアは俺の妻だ。諦めろ‼︎」
「分かっていたんだね。なら返してよ。グロリアと私は想いあっているんだよ。私の子も返してくれる?」
「グロリアは俺の妻だ。それにジークフリートは俺とグロリアの子だ。」
「証拠は?」
「証拠か…お前も貴族なら知っているだろう?ラピスラズリの誓いを。」
「それが?」
「俺とグロリアは学生の頃にその誓いをした。王城に戻ればその記録もある。」
「嘘だ‼︎」
「本当だ‼︎俺達の腕にはラピスラズリの紋章が刻まれている。誓いの内容は知っているだろう?想い合っている者同士でしか誓いをする事は出来ない。俺達は互いが唯一の伴侶であり互いとしか子をなせない。グロリアが学園に通うのを途中でやめたのはこの誓いをしたからだ。無為に貴族の男を凍てつかせる訳にはいかないからな。」
「そんな…グロリアが私を裏切るなんて…。」
「裏切ってない。初めからグロリアはキラデル侯爵を想っていなかった。ただそれだけだ。」
「信じられない…私達は想い合っているんだ…」
「キラデル侯爵…サラエン夫人がいながらマホーティス家のリズベット夫人と関係を持っていたよな?マホーティス家の第一子は貴方の子だろ?お前の家は以前、弟が不貞を働いて大変な目にあったよな?あれもお前が画策した事だったか?お前が2人に何かするなら俺はお前を潰す。グロリアとジークフリートを守るためなら俺は持てるその全てを使って不穏な者を排除する。」
「グ…ロリアも…全て知…っているのか?」
「さぁ。私は言っていない。でもグロリアも王家に連なる家の者だ。私は知っていても不思議ではないと思っている。」
「そんな…。」
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