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107.夜会❹

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王太子を産んでもグロリアは私に会いに来ることはなかった。
私はグロリアが産んだ子に爵位を継がせると決めていたためサラエンの養子を取ると言った提案は保留にしていた。
グロリアが私の所に子供と来られないのはジェイドのせいだ。
だから私が助けなくては…

リズベットとの体の関係は終わった。
彼女が嫁いだ家の夫の子を妊娠したからだ。
だが彼女からは定期的にカルディナの様子を伝える連絡が来ていたからそれには応えていた。
産まれた子は今度は私の子ではなかった。
その子が産まれてもリズベットの地獄は続いていると手紙に書いてあった。
産まれたのはまたしても女児であったため跡取りが産まれるまで彼女は解放されないという。
その後に産んだ子が男児だったため、やっと解放されたと喜んでいた。
また私との関係を望まれたが今の私はグロリアを迎えるためリズベットとの関係は表に出したくなかった。
どこからグロリアの耳に入るか分からないから。
だから体の関係は拒んだ。
グロリアはその後懐妊しなかったことから夫婦の関係は終わっていると確信していた。
そして8年の時が過ぎ、遂にグロリアが私のものになる日が来た。

バンガス侯爵家・マホーティス侯爵家・そして我がキラデル侯爵家の視察のため国王夫妻が視察に来る。
グロリアと私達の子だけ来れば良いのにジェイドまで来るなんて…
今回の視察は家族旅行を兼ねているなんて噂まである。
公私を混同し私のグロリアと私の子を束縛しているのだと思うと苛立たしい。
それにマホーティス侯爵家はリズベットの嫁いだ家だ。
視察となるとリズベットの想い人であるネイトも来るだろうか…と思ったが彼はジェイドが王位を継いだのお同時に若くして宰相職に就いたそうだから国王であるジェイドがここに来るなら彼は来ないだろうか……。

ーそうか…優秀な側近は王都に置いてきているか。この機会にジェイドを亡き者にする事も出来るかもしれないな…。


1ヶ月後…。
我が侯爵家に国王夫妻がやって来る。
グロリアはあの頃よりも大人っぽくなり更に美しくなっていた。
グロリアに話しかけている男の子の髪は濃紺。
グロリアの子供だと一目でわかる。
子供の瞳の色は一瞬しか見えなかった。
金色に見えたが光が強かったためにそう見えたのだろう。
間違いなく彼の瞳は私に似た深緑なのだから。
私が見ているのにグロリアはジェイドと仲睦まじく話している。

ーそうか…私に嫉妬してほしんだね。私が他の女性と結婚したことを怒っているんだね。でも君と一緒だよ?無理やり政略結婚をさせられただけなんだ。サラエンの事なら気にしなくていい。君が私の側に来た暁には直ぐに離縁するからね。でも君はジェイドとは離縁する事は難しいだろうね…だから私がジェイドを亡き者にしてあげるからね。だからその時は私の下に安心して来るんだよ。

にっこりと笑みを浮かべると、それを見たジェイドが私からグロリアと子供を庇う様に動いた。

ー本当に小賢しい男だ…あと僅かな命を大事にしたら良い…。
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