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94.男達の夜会③

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「7年です。ご存知の通り7年前の痛ましい事故からジークは王位につきました。王位についた当初のジークは弱っていました。そのジークを支えたのがオフィーリア様だと言っていました。2人の出会いは私達も知りませんでした。2人はただのジークフリートとオフィーリアとして出会ったんです。ですが2人が誓った直後にオフィーリア様は拐われ…7年…ジークはずっと王として国を支えながら探されていました。たった1人の花嫁を…たった1人の愛する者を…その事を知っていたのに…」

「父上…私も同罪です。ジークを心よりお支えしたく仕えてきたのに…ジークは…陛下はどんなに自分が辛くとも臣下にそれを見せず、常に自分を律してこられた。時に臣下を心配し慮ってくれた。愛する者を拐われてなお気高い王であってくれたのに…」

本当にそうだった。
陛下は私達家族を励まし、必ずリアを見つけるといつも前を向いていた。
そんな陛下ぎいたから私達は…特にウィルは希望を持ってリアを探し続けられたんだ。
今、会場にいる貴族達は王都にて仕事をしている者達だ。
つまり陛下の側で仕えている。
彼等の顔は陛下の強さとその優しさが分かっているのか黙ったまま何かをじっと考えている。

「陛下は本当にお強いですよね。陛下の側近は年の近い者が多いですが若くても父であるジェイドと同じ年、大半はそれより年上の人達ばかりだった。そんな中で渡り歩いてこられた。私は玉座に座る陛下を子供だと思った事はなかったな。だがそれもオフィーリア様と出逢われていたからなのですよね。」

レナトス公爵の言葉に会場いる者達が「そうだよな。」「陛下は本当にお強い。」と言い始める。

「そんな2人が7年耐え忍びやっと再開を果たす事が出来るのです。その2人の婚約式は先代に習った形にする予定だ。」

「ですが娘は陛下のご両親を多くは知りません。陛下もお二人の事を聞きたいと懐かしんでいらっしゃいます。どうか婚約式では先代国王夫妻の事を多く語らって頂きたい。それを陛下も娘も望んでいます。」

「私はそうしますよ。幼くして誓いを交わしたと聞きあの頃のジェイド達を思い出しました。本来なら両親と共に過ごし成長されるはずだった陛下に私の知る2人の事を話して差し上げたい。その機会を陛下が自ら望まれているのであれば尚のこと…協力しますよ大公、宰相。」

レナトス公爵は本当に良い形で話をまとめてくれるな。
会場に残った者達も口々に「私も話しましょう」とか「お懐かしいな」「陛下はご両親に本当に似ておいでなのですな」「さすが国王陛下だ」などと言っている。
陛下の事を支えようと思っている者達がこんなに沢山いるのだと改めて実感する。
そしてジークフリート陛下はこの者達を一人で守られるのだ。
私ももっと陛下に"任せた"と言ってもらえる様にしよう。
でも今日の事はきっちり苦情を入れさせて頂きますがね。



「…と言う感じで何とか計画は進みました。」

「そうか。報告ご苦労だったレオン。」

「陛下。今後ですが夫人方にお任せしたほうが良いと思います。今日は無事終わりましたが…」

「そうだな。そのように進めろ。」

「御意に。」

室内からレオンの気配が消えるのと同時にフィアがノックをし声をかけてきた。
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