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82.オフィーリアの作戦会議
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フィアの作戦を伝える為に王城にあの時の面々を招集する。
ベザルデ侯爵だけはリズベットの移送を行っており領地に帰還しているので不参加である。
リズベットを移送する目処が立つのに随分時間がかかってしまったのは誤算だった。
理由はベザルデ侯爵がフィアと過ごす時間をかなり長くとったからだ。
そのおかげでベザルデ侯爵は機嫌よく帰還して行った。
私はフィアを伴い会議室に行く。
扉を開くと厳つい顔の面々が席を立ちそのままフィアを見る。
「今日は急な呼びかけにも関わらず、よく集まってくれた。それから、お前達の厳つい顔で私の婚約者を睨むな。」
その言葉の後に続いてフィアは美しいカーテシーを披露すると淑やかな笑顔で挨拶をする。
美しいカーテシーは体を支える力が必要だという。
つまりフィアはこの礼からも自身の体が順調に回復している事を場に集まった者達に伝えているのだ。
「ご機嫌よう皆様。お初にお目にかかります方々、初めまして私ジークフリート陛下の婚約者のオフィーリア・ロサ・オーウェンと申します。今回はお忙しい皆様の御時間を割いて頂いた事、私の提案した案についてたご検討いただける機会を設けて頂いた事を誠に感謝致します。また件の折においては皆様にお骨折り頂いたと陛下より聞き及んでおります。重ねて御礼申し上げます。」
この面々に堂々と挨拶する姿を見ると、思っていたよりもフィアは強いのだなと思う。
「ほぉ、これはこれは…」
「何だ?ガウェイン公爵。」
「陛下、王国議会での非礼をお詫びします。御令嬢にこうまで威圧的な眼で見られたのは久々でございますよ。前に私をその様に見たのはグロリア妃でしたな。懐かし事です。」
「母が?一体何をしたんだ。」
「まぁあの頃も色々ありましたからね。ところで陛下…私も歳をとりましたそろそろ座っても?」
「随分と元気な老人だな。まぁいい皆掛けてくれ。」
私がフィアをエスコートし席に着くのを確認し皆も席に着く。
「それにしてもオフィーリア様、なぜ私を睨まれたのですか?」
「ガウェイン公爵様だけではございませんわ。」
「お認めになられるのですな?」
「ガウェイン公爵様がそう仰ったじゃないですか。それに陛下のお母様とお揃いなんて嬉しいですわ。」
「……そうですか。あの王妃と同じで嬉しいとは陛下は良き方を選ばれましたな。」
「ありがとうございます。ガウェイン公爵様。それでは皆様、私の作戦について説明させていただいてもよろしいですか?」
皆が頷きフィアに先を促す。
「私が考えた作戦はジークフリート陛下と私の婚約式を行うというものです。」
『????』
「フィア…説明が全く足りてないよ。」
「やはりお分かりいただけないのですね?お母様もマレリア様もすぐにご理解してくださったのに。」
「アリシア夫人だけでなくマレリア夫人にも話したの?」
大公と宰相を見るも2人も顔を振って否定しているのを見ると知らなかったようだ。
「はい。お茶会の時に。だって2人にも協力していただかなければなりませんもの。」
「うん。私にも分かるように説明してくれるかな?」
ベザルデ侯爵だけはリズベットの移送を行っており領地に帰還しているので不参加である。
リズベットを移送する目処が立つのに随分時間がかかってしまったのは誤算だった。
理由はベザルデ侯爵がフィアと過ごす時間をかなり長くとったからだ。
そのおかげでベザルデ侯爵は機嫌よく帰還して行った。
私はフィアを伴い会議室に行く。
扉を開くと厳つい顔の面々が席を立ちそのままフィアを見る。
「今日は急な呼びかけにも関わらず、よく集まってくれた。それから、お前達の厳つい顔で私の婚約者を睨むな。」
その言葉の後に続いてフィアは美しいカーテシーを披露すると淑やかな笑顔で挨拶をする。
美しいカーテシーは体を支える力が必要だという。
つまりフィアはこの礼からも自身の体が順調に回復している事を場に集まった者達に伝えているのだ。
「ご機嫌よう皆様。お初にお目にかかります方々、初めまして私ジークフリート陛下の婚約者のオフィーリア・ロサ・オーウェンと申します。今回はお忙しい皆様の御時間を割いて頂いた事、私の提案した案についてたご検討いただける機会を設けて頂いた事を誠に感謝致します。また件の折においては皆様にお骨折り頂いたと陛下より聞き及んでおります。重ねて御礼申し上げます。」
この面々に堂々と挨拶する姿を見ると、思っていたよりもフィアは強いのだなと思う。
「ほぉ、これはこれは…」
「何だ?ガウェイン公爵。」
「陛下、王国議会での非礼をお詫びします。御令嬢にこうまで威圧的な眼で見られたのは久々でございますよ。前に私をその様に見たのはグロリア妃でしたな。懐かし事です。」
「母が?一体何をしたんだ。」
「まぁあの頃も色々ありましたからね。ところで陛下…私も歳をとりましたそろそろ座っても?」
「随分と元気な老人だな。まぁいい皆掛けてくれ。」
私がフィアをエスコートし席に着くのを確認し皆も席に着く。
「それにしてもオフィーリア様、なぜ私を睨まれたのですか?」
「ガウェイン公爵様だけではございませんわ。」
「お認めになられるのですな?」
「ガウェイン公爵様がそう仰ったじゃないですか。それに陛下のお母様とお揃いなんて嬉しいですわ。」
「……そうですか。あの王妃と同じで嬉しいとは陛下は良き方を選ばれましたな。」
「ありがとうございます。ガウェイン公爵様。それでは皆様、私の作戦について説明させていただいてもよろしいですか?」
皆が頷きフィアに先を促す。
「私が考えた作戦はジークフリート陛下と私の婚約式を行うというものです。」
『????』
「フィア…説明が全く足りてないよ。」
「やはりお分かりいただけないのですね?お母様もマレリア様もすぐにご理解してくださったのに。」
「アリシア夫人だけでなくマレリア夫人にも話したの?」
大公と宰相を見るも2人も顔を振って否定しているのを見ると知らなかったようだ。
「はい。お茶会の時に。だって2人にも協力していただかなければなりませんもの。」
「うん。私にも分かるように説明してくれるかな?」
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