81 / 127
81.オフィーリアが考える作戦
しおりを挟む
王国議会から5ヶ月程が過ぎてもキラデル侯爵を捕らえる案は誰からも浮かばなかった。
行き詰まった私は気分転換をするためフィアと午後のティータイムをしていた。
最近のフィアは正直に言って物凄く目の毒だ。
食事も普通に食べることが出来るようになったためか、体つきも女性のそれになってきている。
7年という時間を取り戻してきているのは間違いない。
これから先もっと綺麗になっていくかと思うと…私の精神状態が心配だ。
「ジークとこの時間にお茶できるなんて嬉しい。」
「私もだよフィア。最近では淑女教育もかなり順調に進んでいるんだってね。学ぶのは楽しい?」
「えぇ。すごく楽しいわ。出来ればもっと多くの事を学んで早くジークの手助けができたら良いのにと思っているわ。」
「フィアが手伝ってくれるなら仕事が捗りそうだな。」
「あら本当?嬉しいわ。それなら、ジークフリート陛下発言しても宜しくて?」
「ははっ。何の遊びだいフィア。」
「遊びではなくてよ陛下。」
「…フィア?」
「ジークフリート陛下は最近何を悩んでいらっしゃるのかしら?」
「………。」
「悩んでいるのよね?あの王国議会の日以降から思いつめた顔してるもの。」
「そんな顔フィアの前でしてた?」
「私の前ではいつも通りだったわ。でも側にいない時には難しい顔してたもの。いくら私でも気付くわよ。私には言えない事?それなら仕方ないと思ってるの。でも、私はジークの支えになっていきたい。今はまだ頼りないと思うし心配させている事は分かっているわ。ただ私が力になりたいと思っている事を…私もジークを心配している事を知って欲しかったのよ。私達…夫婦になるんだから。」
「フィア…」
「それで?私には言えない事?」
「言える事だよ。」
そして私はキラデル侯爵を捕らえる案がないか頭を悩ませている事を正直に話した。
「そう。そんな事を悩んでいたのね。」
「そんな事⁉︎」
「私はてっきり……何でもないわ。」
ー何だ?フィアは私が何を悩んでいると思っていたんだ?真剣に考えているフィアには申し訳ないが気になってしまう。でも今は聞いてはいけない。後で聞けたら聞こう…
「ジークはキラデル侯爵を捕らえたい。でも、その証拠はない。まずは公の場にキラデル侯爵を呼び出す事から始めなければならないわよね。」
「そうだね。」
「あの男もキラデル侯爵もジークのお母様であるグロリア妃に執着しているのよね?」
「あぁ。」
「おの男がキラデル侯爵だとしたら………」
ー真剣に考えているフィアは可愛いな…
「あの男はジークを自分の子供だと思っているのよね……」
「不本意だがな。」
「そうよね…それなら…」
「何か良い案でも浮かんだ?」
「ジーク‼︎婚約式しましょう‼︎」
「ん?今の流れで何でそうなったの?」
「むしろ何でこの案でいこうと思わないの?」
「待ってフィア?私達の大事な婚約式が案なの?」
「そうよ!」
「何で?」
「何でって…あの男とキラデル侯爵が同一人物ならジークの父親だと思っている訳でしょ?なら息子だと思っている子の婚約式には参加するはずよね?婚約式は公式の場でしょ?そこでジークを息子だと言ったり不穏な発言をすれば問い詰めつること出来るわよね?」
「ここまで用意周到な奴が尻尾を出すかな?」
「ジーク!しっぽは出させるのよ!」
もの凄く良い笑顔のフィアをこの日、初めて怖いと思ったのは絶対に言わない。
行き詰まった私は気分転換をするためフィアと午後のティータイムをしていた。
最近のフィアは正直に言って物凄く目の毒だ。
食事も普通に食べることが出来るようになったためか、体つきも女性のそれになってきている。
7年という時間を取り戻してきているのは間違いない。
これから先もっと綺麗になっていくかと思うと…私の精神状態が心配だ。
「ジークとこの時間にお茶できるなんて嬉しい。」
「私もだよフィア。最近では淑女教育もかなり順調に進んでいるんだってね。学ぶのは楽しい?」
「えぇ。すごく楽しいわ。出来ればもっと多くの事を学んで早くジークの手助けができたら良いのにと思っているわ。」
「フィアが手伝ってくれるなら仕事が捗りそうだな。」
「あら本当?嬉しいわ。それなら、ジークフリート陛下発言しても宜しくて?」
「ははっ。何の遊びだいフィア。」
「遊びではなくてよ陛下。」
「…フィア?」
「ジークフリート陛下は最近何を悩んでいらっしゃるのかしら?」
「………。」
「悩んでいるのよね?あの王国議会の日以降から思いつめた顔してるもの。」
「そんな顔フィアの前でしてた?」
「私の前ではいつも通りだったわ。でも側にいない時には難しい顔してたもの。いくら私でも気付くわよ。私には言えない事?それなら仕方ないと思ってるの。でも、私はジークの支えになっていきたい。今はまだ頼りないと思うし心配させている事は分かっているわ。ただ私が力になりたいと思っている事を…私もジークを心配している事を知って欲しかったのよ。私達…夫婦になるんだから。」
「フィア…」
「それで?私には言えない事?」
「言える事だよ。」
そして私はキラデル侯爵を捕らえる案がないか頭を悩ませている事を正直に話した。
「そう。そんな事を悩んでいたのね。」
「そんな事⁉︎」
「私はてっきり……何でもないわ。」
ー何だ?フィアは私が何を悩んでいると思っていたんだ?真剣に考えているフィアには申し訳ないが気になってしまう。でも今は聞いてはいけない。後で聞けたら聞こう…
「ジークはキラデル侯爵を捕らえたい。でも、その証拠はない。まずは公の場にキラデル侯爵を呼び出す事から始めなければならないわよね。」
「そうだね。」
「あの男もキラデル侯爵もジークのお母様であるグロリア妃に執着しているのよね?」
「あぁ。」
「おの男がキラデル侯爵だとしたら………」
ー真剣に考えているフィアは可愛いな…
「あの男はジークを自分の子供だと思っているのよね……」
「不本意だがな。」
「そうよね…それなら…」
「何か良い案でも浮かんだ?」
「ジーク‼︎婚約式しましょう‼︎」
「ん?今の流れで何でそうなったの?」
「むしろ何でこの案でいこうと思わないの?」
「待ってフィア?私達の大事な婚約式が案なの?」
「そうよ!」
「何で?」
「何でって…あの男とキラデル侯爵が同一人物ならジークの父親だと思っている訳でしょ?なら息子だと思っている子の婚約式には参加するはずよね?婚約式は公式の場でしょ?そこでジークを息子だと言ったり不穏な発言をすれば問い詰めつること出来るわよね?」
「ここまで用意周到な奴が尻尾を出すかな?」
「ジーク!しっぽは出させるのよ!」
もの凄く良い笑顔のフィアをこの日、初めて怖いと思ったのは絶対に言わない。
0
お気に入りに追加
122
あなたにおすすめの小説
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
七年間の婚約は今日で終わりを迎えます
hana
恋愛
公爵令嬢エミリアが十歳の時、第三王子であるロイとの婚約が決まった。しかし婚約者としての生活に、エミリアは不満を覚える毎日を過ごしていた。そんな折、エミリアは夜会にて王子から婚約破棄を宣言される。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
大嫌いな幼馴染の皇太子殿下と婚姻させられたので、白い結婚をお願いいたしました
柴野
恋愛
「これは白い結婚ということにいたしましょう」
結婚初夜、そうお願いしたジェシカに、夫となる人は眉を顰めて答えた。
「……ああ、お前の好きにしろ」
婚約者だった隣国の王弟に別れを切り出され嫁ぎ先を失った公爵令嬢ジェシカ・スタンナードは、幼馴染でありながら、たいへん仲の悪かった皇太子ヒューパートと王命で婚姻させられた。
ヒューパート皇太子には陰ながら想っていた令嬢がいたのに、彼女は第二王子の婚約者になってしまったので長年婚約者を作っていなかったという噂がある。それだというのに王命で大嫌いなジェシカを娶ることになったのだ。
いくら政略結婚とはいえ、ヒューパートに抱かれるのは嫌だ。子供ができないという理由があれば離縁できると考えたジェシカは白い結婚を望み、ヒューパートもそれを受け入れた。
そのはず、だったのだが……?
離縁を望みながらも徐々に絆されていく公爵令嬢と、実は彼女のことが大好きで仕方ないツンデレ皇太子によるじれじれラブストーリー。
※こちらの作品は小説家になろうにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる