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72.赤ちゃんについて
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宰相以外は和やかな食事の後、フィアの家族は王都内の邸に帰っていった。
湯浴みを終え就寝の時間になりいつも通りフィアと同じベッドに入ろうかという所でフィアから先程の話の続きを求められた私は…明日の朝ではダメか聞いていた。
「朝はジークも時間ないじゃない。」
「今日みたいに早く起きたら話せないかな?」
「大事な話だから早く話しておきたい…」
ーここは聞いておかなければならない場面だと思う。ダニーや宰相の様になる気がする…
「分かったよ。でも、話すならあっちの部屋に行こう?」
「……?何故ですの?」
「私の事情だよ。」
「……‼︎分かりましたわ!」
フィアをベッドから抱き上げ談話室のソファに座らせる。
私は紅茶を淹れてからフィアの向かい座った。
「なぜ隣に座らないの?」
「……大事な話だから顔を良く見て話したい。」
「………‼︎ジークの男の事情って事ですね!分かりましたわ‼︎」
「フィア⁉︎」
「私、日中はお母様や姉様達にそういう事も教わってますのよ!その時はもちろんランスとイラには聞かせてませんわ。」
ー待て待て待て待て‼︎何を教わってるって⁉︎
「それに最近ではマナーや教養についても学び始めてるのですからね!無理するなと言われても…私は1人で歩き回る事もまだ出来ませんから、何もせず不安でいるよりずっと安心できますもの。」
ーマナーや教養と同レベルの話なのか⁉︎
「そう…だったの?私は何も報告受けてないから驚いたよ。」
「ジークを心配させたくなくて、もう少し元気になったら言おうと思ってましたの。だから皆にも言わないよう協力してもらいました。黙っててごめんなさい。」
「無理はしていないんだね?」
「はい!それで赤ちゃんの事なんですが…何故ジークは大丈夫だと思われますの?」
ー何だろう…フィアから赤ちゃんの事って言われると…気恥ずかしい…
「それはね私に加護与えてくれている光の妖精ルクスは今日説明があった様に国王の血統なる者に加護を与えるんだ。今は私と叔父上が受けている。でも叔父上の子供であるダニーとゼノスは受けていないんだ。ラディウスを継いでルクスの加護がある私が王になるのは叔父上にとっても当然のことだった。だから私は子供だったが王になった。ここまではいい?」
「はい。」
「だからね、フィアが私の子供を産めないとしたら」ダニーかゼノスがルクスの加護を受けるはずなんだ。2人にも確認はしたけど受けていないそうだ。だから私はフィアとの間に…その…子供を授かる事が出来ると思っている。」
「よ…良かった…」
ポロポロと涙を流しながらフィアが喜ぶ。
「ジークの家族を作ってあげられるのね。私達の家族を作れるのね!」
ーフィアは私が思っている以上に私達の未来を考えていたんだ…
「ありがとうフィア…」
震える声でそう言うのが精一杯だった。
「ジーク…私が元気になるまで待っててね。」
「はい待ちます。」
ーフィアに言われたら我慢します…って
「あのねフィア?一応ね順序ってものがあってね、まずは婚約してはいるけど婚約式をして、私の婚約者としてフィアを社交界でお披露目して、それで結婚してから…その…子供の事になるかな…」
「王族には決まり事があるのですね。分かりましたわ。」
「王族っていうか一般的に貴族は皆そうだと思うけど?まぁ婚約式は王族だけだけど…」
「そうなのですの?でもお母様はそうは仰ってなかったのですが…」
「ねぇフィアさん。今日私が来る前にその話をアリシア夫人としていたのかい?」
「はい…」
ーアリシア夫人…何話してるんですか⁉︎ってその話からいくとお2人は…って。というかアリシア夫人は推奨派ですか⁉︎
その日の私は隣でスヤスヤと眠るフィアとは反対に眠ねぬ夜を過ごした。
湯浴みを終え就寝の時間になりいつも通りフィアと同じベッドに入ろうかという所でフィアから先程の話の続きを求められた私は…明日の朝ではダメか聞いていた。
「朝はジークも時間ないじゃない。」
「今日みたいに早く起きたら話せないかな?」
「大事な話だから早く話しておきたい…」
ーここは聞いておかなければならない場面だと思う。ダニーや宰相の様になる気がする…
「分かったよ。でも、話すならあっちの部屋に行こう?」
「……?何故ですの?」
「私の事情だよ。」
「……‼︎分かりましたわ!」
フィアをベッドから抱き上げ談話室のソファに座らせる。
私は紅茶を淹れてからフィアの向かい座った。
「なぜ隣に座らないの?」
「……大事な話だから顔を良く見て話したい。」
「………‼︎ジークの男の事情って事ですね!分かりましたわ‼︎」
「フィア⁉︎」
「私、日中はお母様や姉様達にそういう事も教わってますのよ!その時はもちろんランスとイラには聞かせてませんわ。」
ー待て待て待て待て‼︎何を教わってるって⁉︎
「それに最近ではマナーや教養についても学び始めてるのですからね!無理するなと言われても…私は1人で歩き回る事もまだ出来ませんから、何もせず不安でいるよりずっと安心できますもの。」
ーマナーや教養と同レベルの話なのか⁉︎
「そう…だったの?私は何も報告受けてないから驚いたよ。」
「ジークを心配させたくなくて、もう少し元気になったら言おうと思ってましたの。だから皆にも言わないよう協力してもらいました。黙っててごめんなさい。」
「無理はしていないんだね?」
「はい!それで赤ちゃんの事なんですが…何故ジークは大丈夫だと思われますの?」
ー何だろう…フィアから赤ちゃんの事って言われると…気恥ずかしい…
「それはね私に加護与えてくれている光の妖精ルクスは今日説明があった様に国王の血統なる者に加護を与えるんだ。今は私と叔父上が受けている。でも叔父上の子供であるダニーとゼノスは受けていないんだ。ラディウスを継いでルクスの加護がある私が王になるのは叔父上にとっても当然のことだった。だから私は子供だったが王になった。ここまではいい?」
「はい。」
「だからね、フィアが私の子供を産めないとしたら」ダニーかゼノスがルクスの加護を受けるはずなんだ。2人にも確認はしたけど受けていないそうだ。だから私はフィアとの間に…その…子供を授かる事が出来ると思っている。」
「よ…良かった…」
ポロポロと涙を流しながらフィアが喜ぶ。
「ジークの家族を作ってあげられるのね。私達の家族を作れるのね!」
ーフィアは私が思っている以上に私達の未来を考えていたんだ…
「ありがとうフィア…」
震える声でそう言うのが精一杯だった。
「ジーク…私が元気になるまで待っててね。」
「はい待ちます。」
ーフィアに言われたら我慢します…って
「あのねフィア?一応ね順序ってものがあってね、まずは婚約してはいるけど婚約式をして、私の婚約者としてフィアを社交界でお披露目して、それで結婚してから…その…子供の事になるかな…」
「王族には決まり事があるのですね。分かりましたわ。」
「王族っていうか一般的に貴族は皆そうだと思うけど?まぁ婚約式は王族だけだけど…」
「そうなのですの?でもお母様はそうは仰ってなかったのですが…」
「ねぇフィアさん。今日私が来る前にその話をアリシア夫人としていたのかい?」
「はい…」
ーアリシア夫人…何話してるんですか⁉︎ってその話からいくとお2人は…って。というかアリシア夫人は推奨派ですか⁉︎
その日の私は隣でスヤスヤと眠るフィアとは反対に眠ねぬ夜を過ごした。
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