【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

53．分からない事だらけ

甘い雰囲気が漂う中、ノックの音でレオンに飲み物を頼んでいたことを思い出す。
飲み物を受け取りオリヴィア医師を呼ぶように頼む。
すぐにオリヴィア医師が来たので私は部屋を出る。

「フィア、診察が終わったら一緒に朝食をとろう。」

「はい。」

満面の笑みを浮かべるフィアを抱きしめたい衝動に駆られるが我慢した。




診察が終わったフィアと起きてきたルドとウィルとフィアの休む部屋で食事をとる。
2人には私がフィアの身体を見たかどうかは内緒にすることにした。
フィアとイタズラをしている気分だった。
2人は不満気だったがフィアが笑うのを見て、やっぱり嬉しそうだった。

ルドとウィルは両親や姉達が結婚したことを話したり、双子の弟妹について話したりしている。
フィアはそれを嬉しそうに聞いている。
フィアの食事の量は少なく、これで足りるのか？と思うが今のフィアは食べれる量だけ食べて徐々に量を増やしていくしかないという。

「これからの事だけどフィアの体調が良くなったら王都に帰ろうと思う。フィアの家族も今は王都にいるからね。とにかく今フィアがする事は食事と睡眠かな？でも無理は禁物だよ？いい？」

「分かったわ。」

「日中は私とルドとウィルが交代でフィアの側にいる。」

「ありがとう。」

「それから私達には言い難いことはオリヴィア医師に言うんだよ。」

「はい。」

「本当に…夢じゃ…ないのね。」

嬉しそうなフィアに３人とも笑顔になる。
食事も済み和やかな時間を過ごすも、レオンに呼ばれる。
ダニーが到着したと報告され部屋に連れてくるよう指示する。
部屋に入ったダニーを見てフィアが警戒しているのが分かる。

「大丈夫だよフィア。さっき話していたフィアのお姉さんのご主人だ。」

「どっちの？」

「マリー姉さんだよ。」

「マリーお…姉様の…この様な…姿での挨…拶になり…ご無礼を…お許…し下さい。オーウェ…ン家の三女の…オフィー…リア・ロ…サ・オーウェ…ンです。」

「ご丁寧な挨拶ありがとうございます。私はダニエル・ジル・マーキスと申します。マリーベルと結婚しました。なのでオフィーリア様の義兄になります。宜しくお願いします。」

「マーキ…ス公爵…様？」

「ダニーはまだ爵位は継いでいない。私の片腕としてついてもらっている。」

「ジークと…会ったの…マーキス公…爵領…」

「ダニーは私の従兄弟になる。簡単に言えば先代王弟の子供だな。それから前にフィアが誤解した従姉妹のフロリスはダニーの妹で直にウィルの婚約者になる予定だ。」

「はぁ………ジーク…後で…ゆっくり教…えて。」

「あぁそうだね。それじゃあ私は少し席を外すよ。ルドも連れて行くからウィルを残していくね。ウィル私の婚約者を頼んだよ。」

「言われなくてもリアは俺の妹だから心配するな！！」

「ウィ…ル兄様⁉︎」

「あ～リア大丈夫だよ。私もウィルもジークの友人で側近でもある。仕事とプライベートは分けているから不敬にはならない。安心して。」

「何だか…分から…ないことだ…らけだわ…」

「焦らないでフィア。ゆっくり知っていこう。」

「はい。」

「それじぁあ、また後で。」

そう言い私達は部屋を出た。