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39.アルバート・ラグ・マホーティスの告白②
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「一瞬でした。見えたのは一瞬だったのに今でも鮮明に思い出せます。それぐらい僕には衝撃的だったんです。鞭で打たれていたのは、あの少女の様でしたがはっきり姿は見えませんでした。でも、あの時と同じ羽が見えました。だからあの子だと思いました。扉が閉まって中の様子は見えなくなりましたが鞭の音だけ聞こえてきて怖くなって逃げました。でも出口が分からなくなって、飛び込んだ部屋がセシリア姉さんの部屋でした。姉さんは驚いた顔をしてました。」
「私はアルバートが急に現れた事に驚いたわけではありません。アルバートも見たのかと思ったのです。私も学園に入学前、自分の部屋に隠し扉がある事に気付いて確認した時に見てしまったので。ても私は学園に入学する不安から、ありもしない夢を見たと思う事にしました。でも青ざめた顔で私の部屋に現れたアルバートを見て現実なんだと実感してしまいました。」
「すまないセシリア嬢に確認だが君にも光の羽が見えるのか?」
「はい。私にも見えます。アルバートには羽に見える様ですが私には光のベールに見えます。」
「そうか。すまない続けてくれ。」
「僕達は話し合いました。あの羽に護られている少女を助けられないか…と。でも僕達は母とカルディナ姉さんが怖くて結局何も出来ませんでした。僕は恐怖心からあの部屋に近づけませんでした。それから1年経って姉さん達が帰って来て僕とセシリア姉さんであの部屋に向かいました。母とカルディナ姉さんは出かけていると聞いたので助けるなら今だと思いました。でも、部屋について知りました。2人は出掛けたのではなく、この部屋に来ていたということに。」
「その日は扉が開いてました。母達に見つからない様に2人で隠れました。彼女は虐げられていても気丈でした。でも母達はそれが気に入らなかったのか彼女に食事を…食事と呼ぶには粗末なものを無理矢理食べさせました。少しすると彼女が苦しみ出しました。倒れた彼女と目が合いました。彼女は驚き駆け寄ろうとした私に首を振りました。その後扉が閉められ中の様子は分かりませんでした。私達は見つからない様に私の私室に戻りました。」
「待て。アルバートは姿を見ていないと言っていたがセシリア嬢は彼女を見たのか?」
「はい。私はお姿を見たことがあります。」
「僕は苦しむ彼女の姿が余りにも辛くて、目を瞑っていたのでお顔を見る事は出来なかっんです。」
「そうか。セシリア嬢、その女性の容姿を聞いても?」
「はい。彼女はプラチナピンクの髪にアメジストとアクアマリンの瞳をしていました。光のベールを纏われているので実は私は天使様と呼んでいました。」
セシリア嬢の言う外見の女性がこの国にどれだけいるかと問われればフィアだけだ。
アメジストの瞳とアクアマリンの瞳のオッドアイを持つのはフィアだけだった。
私はそれをこの7年という時間をかけ知っていた。
それは私の側近達も同じだ。
『リア?』
「間違いない。フィアだ。」
「ジーク!リアが見つかったのになんでそんな冷静なんっ…」
ー私はルドが言う様には冷静なんかじゃなかった。冷静でいられるはずがなかった。恐らくフィアは恒常的に虐待行為を受けているのだろう。もしかしたら今も…
それが顔に滲み出ていたのだろうルドが息を飲む。
ウィルは膝から崩折れ嗚咽をもらし泣いている。
アルバートとセシリア嬢が困惑しているのが分かっても私達は暫く声を出せなかった。
「私はアルバートが急に現れた事に驚いたわけではありません。アルバートも見たのかと思ったのです。私も学園に入学前、自分の部屋に隠し扉がある事に気付いて確認した時に見てしまったので。ても私は学園に入学する不安から、ありもしない夢を見たと思う事にしました。でも青ざめた顔で私の部屋に現れたアルバートを見て現実なんだと実感してしまいました。」
「すまないセシリア嬢に確認だが君にも光の羽が見えるのか?」
「はい。私にも見えます。アルバートには羽に見える様ですが私には光のベールに見えます。」
「そうか。すまない続けてくれ。」
「僕達は話し合いました。あの羽に護られている少女を助けられないか…と。でも僕達は母とカルディナ姉さんが怖くて結局何も出来ませんでした。僕は恐怖心からあの部屋に近づけませんでした。それから1年経って姉さん達が帰って来て僕とセシリア姉さんであの部屋に向かいました。母とカルディナ姉さんは出かけていると聞いたので助けるなら今だと思いました。でも、部屋について知りました。2人は出掛けたのではなく、この部屋に来ていたということに。」
「その日は扉が開いてました。母達に見つからない様に2人で隠れました。彼女は虐げられていても気丈でした。でも母達はそれが気に入らなかったのか彼女に食事を…食事と呼ぶには粗末なものを無理矢理食べさせました。少しすると彼女が苦しみ出しました。倒れた彼女と目が合いました。彼女は驚き駆け寄ろうとした私に首を振りました。その後扉が閉められ中の様子は分かりませんでした。私達は見つからない様に私の私室に戻りました。」
「待て。アルバートは姿を見ていないと言っていたがセシリア嬢は彼女を見たのか?」
「はい。私はお姿を見たことがあります。」
「僕は苦しむ彼女の姿が余りにも辛くて、目を瞑っていたのでお顔を見る事は出来なかっんです。」
「そうか。セシリア嬢、その女性の容姿を聞いても?」
「はい。彼女はプラチナピンクの髪にアメジストとアクアマリンの瞳をしていました。光のベールを纏われているので実は私は天使様と呼んでいました。」
セシリア嬢の言う外見の女性がこの国にどれだけいるかと問われればフィアだけだ。
アメジストの瞳とアクアマリンの瞳のオッドアイを持つのはフィアだけだった。
私はそれをこの7年という時間をかけ知っていた。
それは私の側近達も同じだ。
『リア?』
「間違いない。フィアだ。」
「ジーク!リアが見つかったのになんでそんな冷静なんっ…」
ー私はルドが言う様には冷静なんかじゃなかった。冷静でいられるはずがなかった。恐らくフィアは恒常的に虐待行為を受けているのだろう。もしかしたら今も…
それが顔に滲み出ていたのだろうルドが息を飲む。
ウィルは膝から崩折れ嗚咽をもらし泣いている。
アルバートとセシリア嬢が困惑しているのが分かっても私達は暫く声を出せなかった。
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