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36.2人の夫人のはなし
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翌朝 マレリア大公夫人とアリシア侯爵夫人が約束通り王城にやって来る。
応接室で待ってもらっていた2人に声をかける。
「ご婦人方、朝早くから呼び立ててすまないな。」
「陛下の御用命とあらばいつ何時でも馳せ参じますわ。」
「ありがとうマレリア夫人」
「陛下、本日はリズベット・サンノ・マホーティス侯爵夫人のことが聞きたいと伺ったのですが?」
「あぁそうなんだアリシア夫人。ここに控えるレオン以外は大公も侯爵も今日は同席させない。夫人方の正直な話が聞きたい。気遣い無用で話してくれ。」
『御意に』
「でわ先ずは私がお話しさせていただきます。」
「マレリア夫人よろしく頼む。」
「私から見たリズベット夫人は執念深く激情型の性格と感じます。一見すると人当たりが良さそうに見えますが、その実は男女で対応を変えていますし彼女が気に入らないと思った者への対応には嫌悪を覚えます。男爵家であるためか権力への渇望を感じます。ですがそれは全て一つの事に対しての執着によるものです。」
「その執着とは?」
「はい。それには私がお答えします。リズベット夫人は私の夫ネイトと昔馴染みです。リズベット夫人は昔からネイトに恋心を抱いていた様です。私はネイトと婚約してから彼女から謂れのない暴言を言われ続けてきました。彼女は盲信的にネイトを想い続けています。それは紛れもない執着です。でも大人になり私はネイトと彼女はマホーティス侯爵と結婚し子供も授かりました。それでも未だに彼女はネイトを想っている様なのです。」
「ネイト侯爵はリズベット夫人の気持ちを知っているのか?」
「どうでしょうか…ネイトは気付いていないかと…あの人そういうのすごく鈍いんです。」
「アリシア…ネイト侯爵はあなたの事しか見えてないのよ。鈍いというかあなた以外に興味がないのよ。」
「私もマレリア夫人に同意です。だからこそ侯爵に言えばリズベット夫人との関わりは限りなく無くなるでしょうね。」
「陛下の仰る通りだと思います。でもその後の彼女がどういう行動に出るか…私はそれが怖いです。思い込みが激しい彼女のことだから何かしてくるのではと…」
「それなんですが…私は今までフィアの事でマホーティス家とリズベット夫人を調査してきました。今までの調査で不審な点は見つかりませんでした。けれどマホーティス家の嫡男であるアルバートが先日私に助けを求めてきました。マホーティス家で雇われている侍女を助けて欲しいと。」
「陛下?」
「アリシア夫人。私はその侍女がオフィーリアではないかと考えています。」
「……⁉︎」
「これはまだ誰にも伝えていません。ですが確信しています。今日午後からアルバートに詳しく話を聞きます。その後で私はマホーティス侯爵領に向かおうと思っています。」
「陛下は何故そんなに冷静でいらっしゃるのですか?」
「冷静ではありません。でも確実に犯人を仕留めるために努めて冷静である様に振る舞っているだけです。アリシア夫人、必ずフィアを助け出します。フィアに何が起きていても気を確かに持っていて下さいね。」
「はい陛下。どうか娘をオフィーリアをよろしくお願いします。」
応接室で待ってもらっていた2人に声をかける。
「ご婦人方、朝早くから呼び立ててすまないな。」
「陛下の御用命とあらばいつ何時でも馳せ参じますわ。」
「ありがとうマレリア夫人」
「陛下、本日はリズベット・サンノ・マホーティス侯爵夫人のことが聞きたいと伺ったのですが?」
「あぁそうなんだアリシア夫人。ここに控えるレオン以外は大公も侯爵も今日は同席させない。夫人方の正直な話が聞きたい。気遣い無用で話してくれ。」
『御意に』
「でわ先ずは私がお話しさせていただきます。」
「マレリア夫人よろしく頼む。」
「私から見たリズベット夫人は執念深く激情型の性格と感じます。一見すると人当たりが良さそうに見えますが、その実は男女で対応を変えていますし彼女が気に入らないと思った者への対応には嫌悪を覚えます。男爵家であるためか権力への渇望を感じます。ですがそれは全て一つの事に対しての執着によるものです。」
「その執着とは?」
「はい。それには私がお答えします。リズベット夫人は私の夫ネイトと昔馴染みです。リズベット夫人は昔からネイトに恋心を抱いていた様です。私はネイトと婚約してから彼女から謂れのない暴言を言われ続けてきました。彼女は盲信的にネイトを想い続けています。それは紛れもない執着です。でも大人になり私はネイトと彼女はマホーティス侯爵と結婚し子供も授かりました。それでも未だに彼女はネイトを想っている様なのです。」
「ネイト侯爵はリズベット夫人の気持ちを知っているのか?」
「どうでしょうか…ネイトは気付いていないかと…あの人そういうのすごく鈍いんです。」
「アリシア…ネイト侯爵はあなたの事しか見えてないのよ。鈍いというかあなた以外に興味がないのよ。」
「私もマレリア夫人に同意です。だからこそ侯爵に言えばリズベット夫人との関わりは限りなく無くなるでしょうね。」
「陛下の仰る通りだと思います。でもその後の彼女がどういう行動に出るか…私はそれが怖いです。思い込みが激しい彼女のことだから何かしてくるのではと…」
「それなんですが…私は今までフィアの事でマホーティス家とリズベット夫人を調査してきました。今までの調査で不審な点は見つかりませんでした。けれどマホーティス家の嫡男であるアルバートが先日私に助けを求めてきました。マホーティス家で雇われている侍女を助けて欲しいと。」
「陛下?」
「アリシア夫人。私はその侍女がオフィーリアではないかと考えています。」
「……⁉︎」
「これはまだ誰にも伝えていません。ですが確信しています。今日午後からアルバートに詳しく話を聞きます。その後で私はマホーティス侯爵領に向かおうと思っています。」
「陛下は何故そんなに冷静でいらっしゃるのですか?」
「冷静ではありません。でも確実に犯人を仕留めるために努めて冷静である様に振る舞っているだけです。アリシア夫人、必ずフィアを助け出します。フィアに何が起きていても気を確かに持っていて下さいね。」
「はい陛下。どうか娘をオフィーリアをよろしくお願いします。」
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