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【後編/R18】ただゲームをして、やるだけ

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パスタのお皿を片付け、望はパソコンの傍にある箱を取り出す。それは一見すると何の変哲も無いただの段ボール箱。大きさは非常に小さい。しかし、その中身はエロゲーなのである。
「さ、本命のプレイ時間よ!」
「いや待て。まだ心の準備が出来てな……」
「つべこべ言わずにさっさと始めるわよ!」
そう言って望は育人の言葉を遮り、その箱を開封する。そして中に入っていたディスクを取り出すと、そのままゲーム機に挿入した。
そこからはインストールの時間が待っている。その間、二人はテレビを見ながら待つことにした。
(それにしても、女の子とエロゲーって……なんか気まずいな)
望は楽しそうにテレビを見ているが、育人の方は気が気でない。
そしてようやくインストールが終わると、二人はいよいよプレイすることになった。
「さぁ、始めるわよ!」
「あぁ……」
育人は未だに心の準備が出来ていないと言った感じだが、望はお構いなしだ。
そして、ゲームが始まる。
「くっくっく。さぁ、私のプレイに酔いしれるがいい!」
「いや、エロゲーで酔うってなんだよ」
「うるさいわね! 黙ってプレイしなさい!」
育人の言葉に耳を貸すことなく、望はゲームを進めていく。そしてそのまま物語を読み進めていった。
しかし、物語は中盤に差し掛かった頃、ゲームは当然そういう行為のシーンに入る。
「うっ……ごほん!」
望はわざとらしく咳払いをすると、少し恥ずかしそうにする。
「こ、これはそういうゲームだからしょうがないのだけれど、やっぱり気恥ずかしいわね……」
「あぁ……」
「……」
「……いや、なんでお前が恥ずかしがるんだ?」
「べ、別に恥ずかしくなんてないわよ!ただちょっとその……あれよ!」
そんな会話をしていると場面は進み、いよいよクライマックスのシーンになる。
そこで育人はふと疑問に思ったことを口にした。
「……なぁ」
「待って、今良いシーンだから」
そう言われては育人も黙るしかない。そして、画面の中では主人公とヒロインがキスをしていた。
それから遂に二人は裸になり、行為に及ぶ。そしてそのまま喘ぎ声が部屋に響き渡る空間と沈黙が支配する。

そうしてシーンが終わり章が終わると、望の視線は育人の下半身に向く。
そこには、ズボン越しに勃起したのが分かるシルエットが浮かび上がっていた。
「……」
「……」
お互い何も言えずに気まずい雰囲気が漂う中、先に口を開いたのは望だ。
「えっと……その……た、溜まってたの?」
「あんなシーンを見せられたら、男なら誰でもこうなる」
「そ、そう……」
望は少し恥ずかしそうにしながらも、どこか嬉しそうにしている。
そしてそのまま立ち上がると育人の手を取り自分の胸に押し当てた。
「ちょ!? おま……」
「ほら……触ってみてよ……」
望は顔を赤くしながら言う。育人は一瞬躊躇したが、恐る恐る彼女の胸に触れた。すると彼女は体をビクッと震わせる。
「んっ……はぁ……どう? 柔らかいでしょ?」
「……あぁ」
「もっと強く揉んでもいいわよ?」
「って、何をしてるんだ!?」
一瞬流されそうになったが、育人も望も付き合っているわけではない。
あくまでゲーム研究会の会員と会長でしかなく、友達以上恋人未満の関係だ。
「ごめん……つい、興奮しちゃって」
「いや、お前な……」
望は顔を真っ赤にしながら俯く。そんな望の姿を見て、育人は思わずドキッとしてしまった。
(まずいな……このままじゃ歯止めが効かなくなるかもしれない)
そんな危機感を覚えた育人は、慌てて話題を逸らそうとした。
だが、望はまるで意を決したかのように育人によると、上目遣いで尋ねる。
「……ねぇ育人。本当は興味があるの、エロゲーを買ったのもそれが理由。育人とエロゲーを一緒にやったのも、それが目的」
「何を言ってるんだ……?」
「くっくっく……まんまと策略にかかったな。……男の子の、それも若い男の子の性欲を舐めすぎていたわ。さぁ、私を好きにするがいい……」
「演技下手くそだな」
「うるさいわね!……いいからさっさと続きをするわよ!」
そう言って望は育人のズボンに手をかけると、そのまま下ろす。そしてパンツ越しの勃起したペニスを優しく撫で始めた。
「うっ……お、おい……」
「……ねぇ、これ脱がして良い?」
「逆強姦だと!?」
「違うわよ! ただ、その……直接触ってみたいの……」
「いや、それは流石に……」
「……ダメ?」
望は潤んだ瞳で上目遣いで育人を見つめる。その仕草に思わずドキッとしてしまう。
(くっ……こいつ、分かっててやってるな)
そんな望に対して育人は抵抗を試みるが、やはり彼女の魅力の前には無力だった。
そして結局、望の押しに負けてしまうことになるのだった。
「わかったから……自分で脱ぐ」
「えへへ、ありがと」
望は嬉しそうに育人のパンツを下ろす。すると中から勃起したペニスが勢い良く飛び出してきた。
「きゃっ!?」
「……見るのは初めてか?」
「初めて……。男の人の、ってこんなに大きくなるんだ……。私でこんなに大きくしてくれたのなら嬉しいけど、ゲームの力だから……」
「いいからもう黙っててくれ」
「はーい♪」
望は嬉しそうにしながら育人のペニスに顔を近づける。
そしてそのまま舌を伸ばし先端に触れた。その瞬間、育人は思わず声を上げる。
「んっ……」
「えへへ……可愛い反応ね」
それから望はゆっくりと口を近づけていく。そして遂に亀頭が彼女の唇に触れた瞬間、育人は我慢出来ずに腰を動かしてしまった。
「きゃっ!?」
突然動かされたため驚いて声を上げてしまう。しかしすぐに嬉しそうな声で続けた。
「もう……いきなり動いちゃうなんて、せっかちなのね」
望はそう言いながらもどこか嬉しそうだ。そしてそのままゆっくりと口をすぼめて、育人のペニスを口に含んでいく。
(なんだこれ……)
温かく柔らかい感触に包まれながら上下に動く舌の刺激が、育人の興奮をさらに高めていった。
ねっとりとした唾液が絡みつき、それがまた快感となって育人のペニスに伝わってくる。
やがて望は口を離すと、今度は手で優しく扱き始めた。
そしてもう片方の手で玉袋を優しく揉んだり撫でたりする。その絶妙な力加減に育人は限界を迎えそうになるが、そこで望は手を止めてしまった。
そしてそのまま立ち上がるとスカートを脱ぎ下着姿になる。その姿はとても煽情的で美しいものだった。
そんな望の姿に見惚れていると彼女は再び育人の上に跨り、自分の秘部に育人のペニスをあてがう。
そしてそのまま腰を落としていった。
ずぶずぶっと音を立てながら、育人のモノが望の中に入っていくのが分かる。
そして根元まで入ったところで、二人は見つめ合ったまま動きを止めるのだった。
(やばいな……これは)
今まで経験したことのない感覚に戸惑いながらも、同時に快感を感じている自分がいた。それは望も同じらしく、彼女は少し苦しそうな表情をしているものの、どこか幸せそうな目をしていた。
(くっくっく……どうだ?私の中は。気持ちいいだろう?)
そう思いながら、望は腰をゆっくりと動かし始めた。
最初はゆっくりだった動きが徐々に早くなっていく。それに合わせて育人も自然と腰を動かしていた。
パンッ!パァンッ!と肉同士がぶつかり合う音が部屋中に響き渡る中、二人は絶頂を迎えようとしていた。
(くっ……まずいな)
このままでは本当に歯止めが利かなくなりそうだ。
まだ育人も望も付き合っていない。そんな状態で一線を越えるのは望の将来に傷をつけることになる。
(エロすぎるだろ、望のやつ、普段は頭のおかしい厨二病キャラのくせに、なんでこんなにエロいんだ)
心の中で文句を言いながらも、望が与えてくれる快感に抗えず流されていく。そしてついにその時が訪れた。
ドクッ!ドクンドクン!ビュルルルーッ!ビューッ!ビューッ!ビュウウウー……
勢いよく飛び出した精液は、そのまま望の膣内を満たしていった。それと同時に彼女も絶頂を迎えたのか一際高い声で叫ぶと全身を痙攣させるようにして果てる。
そしてそのままぐったりと倒れ込んできた。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
お互い呼吸を整えるために肩で呼吸を繰り返す。そしてしばらくしてようやく落ち着いたところで、望は育人に尋ねた。
それは、このゲームのエンディングについてだ。
ゲームはここで終わりではない。むしろここからが始まりなのだ。
「育人。これ、気持ち良いな貴方とこうして一緒に出来るなら、私、貴方の彼女になっても良い」
「なんで上から目線なんだ……」
「だめ、かな……?」
「………。……断る理由も無い。けど、お前俺の事好きなのか?」
「くっくっく。永久(とわ)に誓おうぞ、そなたを愛し、そなたと共に常世の果てまで歩むことを。……だが、私はまだそなたを好きとは言えぬ。だから……」
そこで望は一度言葉を切り、真剣な表情で育人を見つめながら続けた。
その言葉は、今までの彼女からはとても想像できないほど真っ直ぐで純粋な想いが込められていたのだった。
「部室以外でも、デートをしていきましょ♪」
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