上 下
2 / 11

2

しおりを挟む
中村と佐藤には経緯を説明した。2人は、この無謀なチャレンジに興味津々であった。早速、放課後、蓮の家で作戦会議が行われた。

秋晴れの太陽が少し眩しく感じた。蓮の家に行くと、3人は既に集まっていた。

「まずは、簡単に自己紹介から。俺は、橋本連。このプロジェクトの企画担当だ。よろしく。」

「2組の佐藤澪です。カーデザイン担当です。よろしく」

「同じく2組の中村晴信。モデリング担当。よろしく」

中村は、大人しそうでいつも仏頂面だ。

蓮がお茶を飲みながら、言う。

「圭太には、クラファンの管理と部品発注をお願いしたい」

「わかった」

俺も同じようにお茶を一口飲む。クラファンの担当ということはすなわち経理担当だ。これなら俺もプロジェクトの一員としてここに居る意味が出来た。ナイスプレイ蓮、と内心思った。

中村が手を上げる。そして表情を変えずに仏頂面のまま言い出す。

「あと一人、総合監督が必要なんじゃない。免許もない車も運転したことない俺らにまともに車が作れるとは思えない」

「賛成だな。俺の親父に総合監督になってもらう」

これで合計5名のプロジェクトメンバーが決まった。

「問題は、どこまで自作するかじゃないでしょうか。デザイン担当から言わせてもらうと、保安基準に適合する車を作るのであれば、今市場に出ている車のパーツを積極的に流用すべきだと思います」

佐藤は、メンバーの中で一番冷静な考えを持ってる奴に見えた。純正パーツの流用は自動車メーカーの中では珍しくもなく、極当たり前に行われている事だというのは、俺もよく知っていた。

「賛成」と、3人同時に答える。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

とあるおっさんのVRMMO活動記

椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。 念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。 戦闘は生々しい表現も含みます。 のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。 また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり 一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。 また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や 無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという 事もございません。 また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。

前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。

夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。 陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。 「お父様!助けてください! 私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません! お父様ッ!!!!!」 ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。 ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。 しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…? 娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)

アシュターからの伝言

あーす。
SF
プレアデス星人アシュターに依頼を受けたアースルーリンドの面々が、地球に降り立つお話。 なんだけど、まだ出せない情報が含まれてるためと、パーラーにこっそり、メモ投稿してたのにパーラーが使えないので、それまで現実レベルで、聞いたり見たりした事のメモを書いています。 テレパシー、ビジョン等、現実に即した事柄を書き留め、どこまで合ってるかの検証となります。 その他、王様の耳はロバの耳。 そこらで言えない事をこっそりと。 あくまで小説枠なのに、検閲が入るとか理解不能。 なので届くべき人に届けばそれでいいお話。 にして置きます。 分かる人には分かる。 響く人には響く。 何かの気づきになれば幸いです。

DUEL [デュエル]

ケイ・ナック
SF
未来の交通戦争を描いたSFアクション。 交通ルールが変更された近未来。 信号無視の歩行者は、車で轢(ひ)いても罪に問われなくなった。 運転者としてのプライドを持つドライバー。 それに対抗するのは、歩行者としてのプライドを持つウォーカー。 両者の我慢が限界を超えた時、ドライバーとウォーカーは骨肉の争いに発展した! 『走る凶器』でウォーカーを狩るドライバーたち。 それに対抗するウォーカーの真の目的とは? 運転者と歩行者の戦争が大きな渦となって、世界を巻き込んでいく! いま、二大勢力のDUEL が始まった! DUEL : 決闘

ケモ耳少女は剣を振るう〜TSしたけど刀があれば大丈夫〜

Kamomen
SF
友人に誘われてVRMMO通称アナザーワールドをプレイすることになった高千友也はサービスが開始される前にアバター作成していたのだか、性別を変えることができないはずなのに女子のアバターになっていた。 バクだろと思い、自分好みにアバターを作っていき最後の項目に種族というのがあった。獣人(狼)と人間の2つから選ぶことが出来た。 悩んで獣人を選び決定を押すと頭痛に襲われ意識を手放した。 目が覚めると違和感を感じ鏡の前に立つとそこには美少女がいた…!? 女子になってしまった友也とその友人たちの攻略物語…のはずだったが!?

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

処理中です...