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プロローグ~また夢を見た~

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    また、あの夢を見てしまった。
    
    あの別れをしてから、この季節になると何度か見る同じ夢。

    私は身動きが出来ない。

    いや、出来ないのではなく、したくないのか。

    相手の気持ちを受け入れる事に対しての不安。

    でも、その不安の裏側ではそれを打ち消してしまうほどの期待と悦びを求めている。

    だから、私は身動きをせず、それを受け入れようとしている。

    私は自らの意志を込めて瞳を閉じる。

   相手が意志を固める数瞬の後。

    私の唇に温かい同じ質感のものが触れる。

    ピピピピッピ……

    スマホの目覚ましが夢の終わりを告げた。

   
       
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