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1章

8.天気は曇り

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 今日の天気は曇りだった。
 
「よし、今日は、天気が悪いまた明日にしよう!」

 何気なく冗談のつもりで行ったのだが、シュシルには通じなかったようで、普通に怒られた。

「天気が悪いからと言って狩りを休もうとしてはいけません。ちゃんと食糧確保してきなさい」

「さてとシュシルが、これ以上機嫌が悪くならない内に行ってくるかな。それじゃいってきます」

「本和、いってらっしゃいませ。」
 
 目がちょっと怖かったな。冗談だと分かってさらに怒ったようだ。

 さて、今日はどうするかな、雨降ったら、枯れた牧草使えなくなるし大目に確保してから、狩効率が良かった川にいくか。

 道中獲物に当たらずに牧草地帯に到着し枯れてる牧草を集め、目新しいものがないか鑑定し続けても変わったものがなくがっかりした。

「ポミも見当たらないし。代わりの果物でもあればいいんだが、やっぱり村に行かないと見つからないのかな。とりあえず、川に行くか」

 道中、やっとラビを見つけたのだがそこには、二匹いたのだった。
 すぐに隠れて、二匹を相手にできるのかを考えた。
 接近戦は、恐らく無傷では無理かな、手傷を負うとこの後の狩りにも影響するため、その選択肢は無くした。
 投擲ならどうだろう、一回目を投げたのが当たったところで、何かがあったと気づかれる為、連続で同じラビに投げるのと、もう一匹がすぐに俺のところに向かってくるだろう。
 それだと、的が小さいから向かってきたラビに三回目を当てるのは、厳しいか・・・
 よし決めた、一回目と二回目別々のラビに投げよう。
 もし逃げたら追わずに、向かってきたやつだけ相手にすれば、なんとかなるかもしれない。
 目標を定め、出来るだけ背後か横向きで、投げられるように気配遮断して近づいた。
 両手に、掌サイズの石を持ち、一回目を横向きのラビに投げて、二回目を後姿のラビに、投げた。
 一回目は、横顔に直撃し倒れこんだ、二回目が俺の気配に気づいて振り向いた為、横腹に当たった。
 三回目と四回目を、急いで取り出し、横腹に当たったラビが怒ってこっちに向かってきたので、顔に向かって投げたが、避けて左前脚に当たり転んだところを見て、もう投げる余裕が無いので、石を捨てて剣を抜いたところで、二匹目が向かってきたので来たので、転んでる一匹目を、二匹目目掛けて、右足で蹴り飛ばした。

「ピギュ」
 
 二匹目は、それを避けたが走ってきた勢いが弱まり動きが分かりやすく、そのまま、おなか付近に頭突きしてきたが、両手でもった剣で防ぎ、地面に着地した時を狙い、足を横に薙ぎ払い足を斬り飛ばした。

「ピギャー」
 
 足を斬り飛ばされた痛みで鳴いていたが、二匹目に止めを刺し、一匹目は蹴られた時に、気絶したようで動けなくなっていたので止めを刺した。
 周囲に気配が無いのを確認して、気が抜けたのかそこに座り込んだ。

「なんとか、無傷で倒せたな。はーさすがにちょっと無茶したな。余裕がある時以外は、やらないようにしよう」

 血抜きをして回収してから、別の場所に移動して休息をとった。
 十分に休憩を取って、一応体に異常がないかも確認してから、川に移動した。
 川に着くまでに、特に獲物の気配も無く、目的地に到着したので、まず最初に枯れ木集めをした。
 とりあえず、肉を焼くのに必要な木をできるだけ多く集め、どんどんアイテムボックスに詰め込んだ。

 「収集は楽しいな、病み付きになりそう。命の遣り取りは神経使うからな。こっちの方が気が楽だ。」

 夢中になると人って時間を忘れるよね・・・一時間以上は取ってたんじゃないかな多分。
 周囲には警戒してたが、ひたすら木だけ拾ってた。
 俺はこっちの方が、向いてるんだろうな、まあさすがに、ここまでにして獲物がちらほらといるみたいだから、狩を開始しますか。

 水を飲んでいた、一匹の角の無いカシーを見つけ、気配遮断して近づき、両手に石を出して、一回目を投げた。

「キュー」

 石が当たったことによって、驚いたようで、二本足で立ちあがった。一回目は横顔に直撃したが、思ったよりも効いてなく、カシーはその場から逃げようとしたので、二回目で後ろ脚の尻あたりを狙った。
 うまく命中し、後ろ脚を引きづり片足で走っていた。
 すぐに石を取り出し、三回目、もう一本の後ろの太ももあたりに命中し、座り込んでしまった。

「キューキュー」

 助けを呼んでいるようで、かなりの罪悪があったが、これも生きる為。
 カシーに近づきながら、剣を抜いて。

「恨みはないが、悪いが命をもらうよ」

 痛みを出来るだけ残さぬように、一気に首を突き刺した。
 カシーは死んだようで、DPが15入った。

「あれ、DP30じゃないのか?もしかして、自分のダンジョン外だからかな?まあ仕方ないか、外で狩りしてるダンジョンマスターなんて、希少中の希少だろうし」

 自分で言っていて、かなり悲しくなった。

「しかし、ラビも罪悪感あったが、カシーはさらに罪悪感が強いな・・・子供までは手だせないな・・・こいつに子供がいなければいいがいたらごめんな。そして、ちゃんと美味しくいただくよ」

 カシーの血抜きをして、アイテムボックスに収納した。
 カシーを突き刺したとき、骨に当たった感触があったので、剣を浄化する時に、剣先を見た。
 ゴブリンを、突き刺したときはあまり感じなかたんだけどな。
 刀は、刃が折れやすいく曲がりやすいし、刃も欠けると聞いたことがあった。
種類が違うのは分かってるし、こっちの剣は斬るには向いてないはず、だから出来るだけ、出来るだけ突きを使っていた。
 それに、何度か骨斬ってるからな、いつ刃かけてもおかしくないし。
 間違ってはいないと思うのだが、シュシルも分からないみたいだしな、やはり知識が無いのが痛いな。
 いつまでも、我流でやってると、変な癖つくしな、シュシルに相談して出来るだけ早く、村に行くかな。
 とりあえず狩の質を上げよう、
 現状では、鑑定眼と気配把握と気配遮断はひたすら使うしかない。
 そこで質を上げられるのが投擲。
 投擲ならそこら辺に石はあるし、威力と命中精度を上げてさらに遠くから狙ったところに当てることができれば、もっと有利になる。
 まあ、威力が筋力だからな・・・ひたすら何度も投げるか。
 威力は保留で、遠くから投げられても、威力が無くちゃ意味が無いからこれも保留。
 命中精度だな、これをさらに範囲を狭くしよう。
 いままでは、頭に当たればよかったが、今度は目に当てられるようにしよう。
 後は、動いてる敵にも当てられればいいがこれはまだ早いな。
 二発目で、武器を持ってる手や手首、足、喉などの細い部分を少しづつ狙い、目も当てられたらいいがそこまではちょっと厳しいかな。

 目標を立てて、次の獲物がいないか探して見つけたのがゴブリンだった。
 正面は気づかれやすいから、斜め横か横だな。
 一回目の石が、ずれて頬付近に当たり倒れる。
 それでも、起きて向かってくるので、二回目を、下半身の急所狙ったがお腹に当たった。
 三回目は、右の太もも狙って見事に当たり動きが鈍ったところに、四回目で小石を大量に顔目掛けて投げて、目にも当たったらしく蹲ってるところを後ろから背中を蹴りうつぶせにさせて、首の後ろを剣で止めを刺した。

「点を狙らうと、やっぱり当たらないなまだまだ練習が必要か。」

 さっさとゴブリンを回収して、剣を浄化して次の獲物を探した。
 今度は、ラビが水を飲みに来たらしい。
 川の水を飲んでいて、油断してるところを、横向きを狙えるよう移動し、狙える場所から、目を目掛けて一回目の石を投げた。
 顔自体が、小さいが目付近に当たり、一回で気を失ったのか動かなくなった。
 動かないので、近づいて剣で首を斬り、血抜きをして回収して、次に向かった。
 次がゴブリン、一回目で目を狙ったが顎に当たり、脳が揺れたのかふらふらしてた。
 余裕がありそうなので、二回目も、目を狙ったが額に当たり、方向感覚がなくなったらしく、千鳥足になっていた。
 丁度いいと思い、今度は武器を持ってる右腕を狙い、右手の親指に当たり武器を落とす。
 今度は左腕の関節部分を狙い、腕に掠っただけ。
 今度は顔の中心を狙い、右目に当たり、地面に転がった。
 さすがに、これ以上はかわいそうなので剣で首を突き刺した。
 ゴブリンを回収して、おなかがすいたので休憩とともに昼食を取った。

「焼肉の残りをいただきます。うーん美味い、アイテムボックスがあると味が落ちないのがいいねー、人前じゃ使えないのと持ってることを言えないのがつらいな。小物ならバックに入れるふりでボックスにいれられるけど、それを知られると面倒だからやはり人前じゃ使えないか。うーん残念」

 便利すぎるからこそ、使いづらいな。
 焼肉を十分堪能し、休憩もできたので、次の獲物を探しに行った。
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