119 / 178
119「大丈夫です、先生の方が強いですし」
しおりを挟む
「先生、この鍋はどうしましょうか、今後も講義で使いますか?」
初講義を終えたエイダールが、名簿に受講生の第一印象をざっくり書き記していると、机から鍋を持ち上げたスウェンに問われる。
「講義で使う予定はないな」
今日は、魔法紋様では水から火が出せます、という魔法陣を作動させるために水が必要で入れ物として持ってきたが、本来の講義に鍋は要らない。
「では、ご自宅にお持ち帰りになりますか?」
「いや、家でも使ってなかったやつだから、このまま準備室のどっかに適当に片付けておいてくれ」
講義で使う予定はないが、エイダールは持ち帰るのも面倒だった。
「こんな大きなもの、どこに……」
ぶつぶつ言いながらも、スウェンは鍋を持って準備室に向かい、片付けられそうな空間を探す。
「ギルシェ先生、掃き掃除終わりました。カーテンは閉めておいた方がいいんでしょうか?」
講義室の床を掃いていたシビラが、箒を抱えてエイダールの許へやってくる。
「ああ、窓の鍵が掛かってるか確認してから、カーテンも閉めておいてくれ」
「シビラさん、講座助手の大体の流れは分かりましたか?」
「はい」
スウェンに向かってシビラは大きく頷く。
「私一人だったらおたおたしてたと思いますけど、スウェンさんが傍でお手本を見せてくださったので、よく分かりましたし助かりました」
ありがとうございます、とシビラは頭を下げる。
「先生は基本的に一人で出来る方なので、構えず気楽にしてて大丈夫ですよ」
何か特別に準備するものや運ぶものがある場合などを除き、エイダールは一人で講義に赴いている。スウェンは研究所で留守番である。
「えー、折角講座助手として雇ったんだから俺に楽をさせろよ……初回にしてはまあまあ良くできてたと思うぞ。自己紹介の時に噛んでたけどな」
「やだ先生、それは忘れてくださいっ」
締めで噛んだので、ぐだぐだに崩れはしなかったが、思い出したくない。
「いいんだよ、完璧じゃなく、ちょっと失敗するくらいの存在のほうが他の学生からは親しみやすいだろう」
物は考えようである。
「そういや、捕まえたいような奴はいたのか?」
エイダールの質問に、シビラの瞳がきらりと光る。
「いました! 女の子二人組の一年生がいて、一人は付き合いって感じでしたけどもう一人は熱心な感じで、お鍋に釘付けだったんですよね」
正確には、鍋から次々に浮かび上がる炎に見惚れていた。
「その言い方だとすげー食いしん坊みたいに聞こえるぞ」
「とにかく、あの子とは仲良くなれる気がします。明日のお昼を一緒に食べる約束を取り付けましたからね」
楽しみですとシビラはにこにこしている。
「凄い行動力だな……何だ?」
準備室の扉が叩かれ、アカデミーの職員が顔を出す。
「失礼します。ギルシェ教授、お客さまがいらっしゃっていて……えっ、応接室でお待ちくださいと」
エイダールに告げた職員は後ろから押されて振り向く。
「あんなところでだらだら待ってられるか。案内御苦労、行っていいぞ」
恐ろしく体格がいい上に、帯剣した男が、職員を押し退けて入って来た。警戒したスウェンがシビラを隠すように立つ。
「行っていいぞ、知り合いだから心配は要らない」
「は、はいっ」
エイダールに促され、職員は逃げるように立ち去った。
「先生、お知り合いなのですか?」
スウェンが小声で確認する。
「ああ。冒険者ギルドのギルドマスターだよ……で? 何の用だよこんなところまで来て」
「文句を言いに来たに決まってるだろうがっ」
ギルドマスターは、手近な机をどんと叩いた。
「ひっ」
机の天板が割れたのではと思うくらいの大きな音に、シビラが小さく悲鳴を上げる。
「とりあえず座れよ。うちの助手を怯えさせるな」
「……ああ」
怯えさせようと思っていた訳ではないギルドマスターは、決まり悪そうな顔で手近な椅子に腰を下ろす。
「シビラさん、お茶を淹れてみましょうか。お客さまがいらしたらおもてなしするのも仕事のうちですよ。道具はこっちの戸棚に入っています」
スウェンがシビラをエイダールたちから離し、壁際に移動する。
「スウェンさん、誰か呼んで来たほうがいいんじゃ……」
ちらっちらっとエイダールとギルドマスターを見ながら、シビラがスウェンに囁く。
「大丈夫です、先生の方が強いですし」
「でも冒険者ギルドのギルドマスターなんでしょう? あんな大きな体で、武器だって持ってますよ?」
研究所とアカデミーにいるエイダールしか知らないシビラは、エイダールのほうが強いと言われても信じられず、不安そうに瞳を揺らす。
「だから何だというんですか」
スウェンも本気で戦うエイダールを目の当たりにしたことはないのだが、聞こえてくる武勇伝から推測は出来る。体格も武器の有無もおそらく関係ない。
「で、でも」
ひそひそひそ。
「あんたに文句を言われる心当たりが全くないんだが」
長いひそひそ話の末に出てきたお茶を飲みながら、エイダールはギルドマスターを見る。
「ない訳ないだろ、鳥型の魔獣の件と言えば分かるよな?」
「分からないな。感謝されるなら分かるが、何で文句になるんだよ」
冒険者ギルド側の不手際で、四人パーティで百五十体の鳥型魔獣と戦うという状況になっていたのである。一人の死者も出さずに鳥型の魔獣を捕獲したというのに文句を言われる理由はない。
「お前、わざと俺が出向かないと処理できないようにしただろうが」
ギルドマスターの持つ炎の魔剣でしか溶かせないという条件付けで氷が生成されていたため、二日間、現場に泊まり込む羽目になった。ちなみにまだ半分ほどしか片付いていないので、また出向かなければならない。
「ああ。現場で直接状況を確認してもらいたかったからな」
エイダールは悪びれる様子もない。
「俺がたまたま同行してなかったら、あのパーティ全滅してたぞ。単純な数の書き間違いか意図的なものかくらいは調べてるんだろうな」
「当然調べている」
「巣の方は? ブレナンに伝言を頼んでおいただろ」
「ああ、あの数が発生してるのはおかしいから巣の方も調べろって奴だな。調べてるよ。ちょっと妙なものが見つかったから、魔術師団に連絡を入れに行くところだ」
そのために一度現場から戻ってきたのである。
「じゃあさっさと入れて来いよ」
エイダールは追い出すように手を振る。
「こっちに来るついでにお前に文句を言ってやろうと思ったんだよ。魔弓を作ってるって話も聞いたしな。強い武器は気軽に人に渡すなと注意しておいた筈だが」
注意を聞かないなら、エイダールを野放しにはしておけない。
「問題を起こしそうな奴には回さないよ。本人にしか使えないようにもするし」
気軽に作ってはいるが、ユラン以外の誰かに渡すときはそこそこ慎重である。
「妙なのに目を付けられないように大人しくしとくんだな。よし、じゃあ話はそれだけだ……驚かせて悪かったな、お嬢ちゃん」
立ち上がったギルドマスターは、去り際にシビラにそう声を掛けた。
「え、結構いい人……?」
ギルドマスターが準備室を出ていくのを見送ったシビラが、もしかして、と呟く。
「いや、見たまんまの危ないおっさんだから」
人望はあるが、いい人というだけではギルドマスターは務まらない。
初講義を終えたエイダールが、名簿に受講生の第一印象をざっくり書き記していると、机から鍋を持ち上げたスウェンに問われる。
「講義で使う予定はないな」
今日は、魔法紋様では水から火が出せます、という魔法陣を作動させるために水が必要で入れ物として持ってきたが、本来の講義に鍋は要らない。
「では、ご自宅にお持ち帰りになりますか?」
「いや、家でも使ってなかったやつだから、このまま準備室のどっかに適当に片付けておいてくれ」
講義で使う予定はないが、エイダールは持ち帰るのも面倒だった。
「こんな大きなもの、どこに……」
ぶつぶつ言いながらも、スウェンは鍋を持って準備室に向かい、片付けられそうな空間を探す。
「ギルシェ先生、掃き掃除終わりました。カーテンは閉めておいた方がいいんでしょうか?」
講義室の床を掃いていたシビラが、箒を抱えてエイダールの許へやってくる。
「ああ、窓の鍵が掛かってるか確認してから、カーテンも閉めておいてくれ」
「シビラさん、講座助手の大体の流れは分かりましたか?」
「はい」
スウェンに向かってシビラは大きく頷く。
「私一人だったらおたおたしてたと思いますけど、スウェンさんが傍でお手本を見せてくださったので、よく分かりましたし助かりました」
ありがとうございます、とシビラは頭を下げる。
「先生は基本的に一人で出来る方なので、構えず気楽にしてて大丈夫ですよ」
何か特別に準備するものや運ぶものがある場合などを除き、エイダールは一人で講義に赴いている。スウェンは研究所で留守番である。
「えー、折角講座助手として雇ったんだから俺に楽をさせろよ……初回にしてはまあまあ良くできてたと思うぞ。自己紹介の時に噛んでたけどな」
「やだ先生、それは忘れてくださいっ」
締めで噛んだので、ぐだぐだに崩れはしなかったが、思い出したくない。
「いいんだよ、完璧じゃなく、ちょっと失敗するくらいの存在のほうが他の学生からは親しみやすいだろう」
物は考えようである。
「そういや、捕まえたいような奴はいたのか?」
エイダールの質問に、シビラの瞳がきらりと光る。
「いました! 女の子二人組の一年生がいて、一人は付き合いって感じでしたけどもう一人は熱心な感じで、お鍋に釘付けだったんですよね」
正確には、鍋から次々に浮かび上がる炎に見惚れていた。
「その言い方だとすげー食いしん坊みたいに聞こえるぞ」
「とにかく、あの子とは仲良くなれる気がします。明日のお昼を一緒に食べる約束を取り付けましたからね」
楽しみですとシビラはにこにこしている。
「凄い行動力だな……何だ?」
準備室の扉が叩かれ、アカデミーの職員が顔を出す。
「失礼します。ギルシェ教授、お客さまがいらっしゃっていて……えっ、応接室でお待ちくださいと」
エイダールに告げた職員は後ろから押されて振り向く。
「あんなところでだらだら待ってられるか。案内御苦労、行っていいぞ」
恐ろしく体格がいい上に、帯剣した男が、職員を押し退けて入って来た。警戒したスウェンがシビラを隠すように立つ。
「行っていいぞ、知り合いだから心配は要らない」
「は、はいっ」
エイダールに促され、職員は逃げるように立ち去った。
「先生、お知り合いなのですか?」
スウェンが小声で確認する。
「ああ。冒険者ギルドのギルドマスターだよ……で? 何の用だよこんなところまで来て」
「文句を言いに来たに決まってるだろうがっ」
ギルドマスターは、手近な机をどんと叩いた。
「ひっ」
机の天板が割れたのではと思うくらいの大きな音に、シビラが小さく悲鳴を上げる。
「とりあえず座れよ。うちの助手を怯えさせるな」
「……ああ」
怯えさせようと思っていた訳ではないギルドマスターは、決まり悪そうな顔で手近な椅子に腰を下ろす。
「シビラさん、お茶を淹れてみましょうか。お客さまがいらしたらおもてなしするのも仕事のうちですよ。道具はこっちの戸棚に入っています」
スウェンがシビラをエイダールたちから離し、壁際に移動する。
「スウェンさん、誰か呼んで来たほうがいいんじゃ……」
ちらっちらっとエイダールとギルドマスターを見ながら、シビラがスウェンに囁く。
「大丈夫です、先生の方が強いですし」
「でも冒険者ギルドのギルドマスターなんでしょう? あんな大きな体で、武器だって持ってますよ?」
研究所とアカデミーにいるエイダールしか知らないシビラは、エイダールのほうが強いと言われても信じられず、不安そうに瞳を揺らす。
「だから何だというんですか」
スウェンも本気で戦うエイダールを目の当たりにしたことはないのだが、聞こえてくる武勇伝から推測は出来る。体格も武器の有無もおそらく関係ない。
「で、でも」
ひそひそひそ。
「あんたに文句を言われる心当たりが全くないんだが」
長いひそひそ話の末に出てきたお茶を飲みながら、エイダールはギルドマスターを見る。
「ない訳ないだろ、鳥型の魔獣の件と言えば分かるよな?」
「分からないな。感謝されるなら分かるが、何で文句になるんだよ」
冒険者ギルド側の不手際で、四人パーティで百五十体の鳥型魔獣と戦うという状況になっていたのである。一人の死者も出さずに鳥型の魔獣を捕獲したというのに文句を言われる理由はない。
「お前、わざと俺が出向かないと処理できないようにしただろうが」
ギルドマスターの持つ炎の魔剣でしか溶かせないという条件付けで氷が生成されていたため、二日間、現場に泊まり込む羽目になった。ちなみにまだ半分ほどしか片付いていないので、また出向かなければならない。
「ああ。現場で直接状況を確認してもらいたかったからな」
エイダールは悪びれる様子もない。
「俺がたまたま同行してなかったら、あのパーティ全滅してたぞ。単純な数の書き間違いか意図的なものかくらいは調べてるんだろうな」
「当然調べている」
「巣の方は? ブレナンに伝言を頼んでおいただろ」
「ああ、あの数が発生してるのはおかしいから巣の方も調べろって奴だな。調べてるよ。ちょっと妙なものが見つかったから、魔術師団に連絡を入れに行くところだ」
そのために一度現場から戻ってきたのである。
「じゃあさっさと入れて来いよ」
エイダールは追い出すように手を振る。
「こっちに来るついでにお前に文句を言ってやろうと思ったんだよ。魔弓を作ってるって話も聞いたしな。強い武器は気軽に人に渡すなと注意しておいた筈だが」
注意を聞かないなら、エイダールを野放しにはしておけない。
「問題を起こしそうな奴には回さないよ。本人にしか使えないようにもするし」
気軽に作ってはいるが、ユラン以外の誰かに渡すときはそこそこ慎重である。
「妙なのに目を付けられないように大人しくしとくんだな。よし、じゃあ話はそれだけだ……驚かせて悪かったな、お嬢ちゃん」
立ち上がったギルドマスターは、去り際にシビラにそう声を掛けた。
「え、結構いい人……?」
ギルドマスターが準備室を出ていくのを見送ったシビラが、もしかして、と呟く。
「いや、見たまんまの危ないおっさんだから」
人望はあるが、いい人というだけではギルドマスターは務まらない。
1
お気に入りに追加
159
あなたにおすすめの小説
幼い精霊を預けられたので、俺と主様が育ての父母になった件
雪玉 円記
BL
ハイマー辺境領主のグルシエス家に仕える、ディラン・サヘンドラ。
主である辺境伯グルシエス家三男、クリストファーと共に王立学園を卒業し、ハイマー領へと戻る。
その数日後、魔獣討伐のために騎士団と共に出撃したところ、幼い見た目の言葉を話せない子供を拾う。
リアンと名付けたその子供は、クリストファーの思惑でディランと彼を父母と認識してしまった。
個性豊かなグルシエス家、仕える面々、不思議な生き物たちに囲まれ、リアンはのびのびと暮らす。
ある日、世界的宗教であるマナ・ユリエ教の教団騎士であるエイギルがリアンを訪ねてきた。
リアンは次代の世界樹の精霊である。そのため、次のシンボルとして教団に居を移してほしい、と告げるエイギル。
だがリアンはそれを拒否する。リアンが嫌なら、と二人も支持する。
その判断が教皇アーシスの怒髪天をついてしまった。
数週間後、教団騎士団がハイマー辺境領邸を襲撃した。
ディランはリアンとクリストファーを守るため、リアンを迎えにきたエイギルと対峙する。
だが実力の差は大きく、ディランは斬り伏せられ、死の淵を彷徨う。
次に目が覚めた時、ディランはユグドラシルの元にいた。
ユグドラシルが用意したアフタヌーンティーを前に、意識が途絶えたあとのこと、自分とクリストファーの状態、リアンの決断、そして、何故自分とクリストファーがリアンの養親に選ばれたのかを聞かされる。
ユグドラシルに送り出され、意識が戻ったのは襲撃から数日後だった。
後日、リアンが拾ってきた不思議な生き物たちが実は四大元素の精霊たちであると知らされる。
彼らとグルシエス家中の協力を得て、ディランとクリストファーは鍛錬に励む。
一ヶ月後、ディランとクリスは四大精霊を伴い、教団本部がある隣国にいた。
ユグドラシルとリアンの意思を叶えるために。
そして、自分達を圧倒的戦闘力でねじ伏せたエイギルへのリベンジを果たすために──……。
※一部に流血を含む戦闘シーン、R-15程度のイチャイチャが含まれます。
※現在、改稿したものを順次投稿中です。
詳しくは最新の近況ボードをご覧ください。
恋した貴方はαなロミオ
須藤慎弥
BL
Ω性の凛太が恋したのは、ロミオに扮したα性の結城先輩でした。
Ω性に引け目を感じている凛太。
凛太を運命の番だと信じているα性の結城。
すれ違う二人を引き寄せたヒート。
ほんわか現代BLオメガバース♡
※二人それぞれの視点が交互に展開します
※R 18要素はほとんどありませんが、表現と受け取り方に個人差があるものと判断しレーティングマークを付けさせていただきますm(*_ _)m
※fujossy様にて行われました「コスプレ」をテーマにした短編コンテスト出品作です
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
影の薄い悪役に転生してしまった僕と大食らい竜公爵様
佐藤 あまり
BL
猫を助けて事故にあい、好きな小説の過去編に出てくる、罪を着せられ処刑される悪役に転生してしまった琉依。
実は猫は神様で、神が死に介入したことで、魂が消えかけていた。
そして急な転生によって前世の事故の状態を一部引き継いでしまったそうで……3日に1度吐血って、本当ですか神様っ
さらには琉依の言動から周りはある死に至る呪いにかかっていると思い━━
前途多難な異世界生活が幕をあける!
※竜公爵とありますが、顔が竜とかそういう感じては無いです。人型です。
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
すべてはあなたを守るため
高菜あやめ
BL
【天然超絶美形な王太子×妾のフリした護衛】 Y国の次期国王セレスタン王太子殿下の妾になるため、はるばるX国からやってきたロキ。だが妾とは表向きの姿で、その正体はY国政府の依頼で派遣された『雇われ』護衛だ。戴冠式を一か月後に控え、殿下をあらゆる刺客から守りぬかなくてはならない。しかしこの任務、殿下に素性を知られないことが条件で、そのため武器も取り上げられ、丸腰で護衛をするとか無茶な注文をされる。ロキははたして殿下を守りぬけるのか……愛情深い王太子殿下とポンコツ護衛のほのぼの切ないラブコメディです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる