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43「よし、声が出るようになったな」
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「それにしても、話が大きくなってきた気がするな。枢機卿まで巻き込まれてるとか、どう始末付けるんだよこれ」
はああっと、エルディは溜息をつく。
「とにかくユランくん、君は外に出て、このことを騎士団に知らせてくれ」
ユランは頷きかけたが、思い出したように喉に手をやる。
「”声” ”出ない”」
ユランに掛けられた沈黙の魔法は、未だに解けていない。
「そうだな、それをまず解除しないとだな。追跡班に魔術師がいるといいんだが……とりあえず一筆書くから、それを渡してもらえれば。あ」
不意に部屋の扉が開き、入ってきた男と目が合い、エルディはしまったと思う。あまりの警備の緩さに油断し過ぎた。
「え、お前たち、誰だ!?」
ユランもフードを脱いでいたので、仲間の魔術師の振りも出来ない。
「し、侵入者なのか?」
分かりやすい狼狽っぷりからすると、荒事には慣れていないようだが。
「今日入ったばかりの新しい魔力供給者だけど?」
歓迎してくれないのか? と両手を広げるエルディの笑顔が胡散臭い。
「あ、ああ、確かに一人新しいのが来るって聞いてるけど……」
男は、エルディとユランを交互に見遣る。
「そっちの男はなんなんだよ、二人なんて聞いてないぞ! こっちに来るな!」
歩み寄ろうとしたエルディから離れようと後退る。
「それ以上近付くなら攻撃する! 『熱き炎よ、我が手に宿りて……』ぐあっ」
炎の攻撃魔法を放とうとした男は、呪文を唱えきる前にユランに喉を掴まれた。やっと、エイダールに言われたように魔術師を制圧出来て、ユランは満足気である。
「初級魔法の呪文を略さずにきっちり唱えるやつがいるんだな……」
一瞬で男の前に到達したユランの跳躍力にも驚いたが、それよりもエルディは、男の魔法の発動方法に驚いた。普通の魔術師なら、初級魔法は魔法の名前を唱えるだけで発動出来る。呪文を最初から唱えるのは、初心者かよほどの制御下手である。
「離れから誰か出てきました!」
見張りからの連絡を受けて、侯爵邸を囲んでいた騎士団がざわめく。
「犯人が動いたのか?」
「窓から出てきたので違うと思います」
一階の腰高の窓からするりと抜け出して、離れの建物近くの木の陰に滑り込んだ。
「囮役か?」
「暗いので顔は分かりませんが、囮役とは少し体格が違うように見えました。敷地外に向かって、辺りを警戒しながら移動しているように見えましたが……申し訳ありません、途中で見失いました」
見張り場所は高い木の上だが、侯爵邸の敷地をすべて見渡せる訳ではない。しかももう日が落ち、闇が濃くなってきている。
「伝達! 敷地の出入り口を注視し、敷地から出てきた時点で身柄を確保しろ」
「あんなところから……?」
伝達を受けて、侯爵邸の外塀沿いに移動した騎士たちは、二人一組で指示された出入り口近くの木陰に身を潜めた。出入り口を注視していたのだが、目の端で何かが動いた気がしてそちらを見ると、高い塀の上に人影が見える。
「………………落ちた!?」
一瞬、落ちたのかと錯覚するほどの躊躇いのない動きで、塀から滑り落ちるように降りた人影は、危なげなく着地し、そのまま走り出す。
「俺が追う! 報告を頼む!」
騎士の一人が人影を追って駆け出した。
「待てっ」
足の速さにも持久力にも自信のあった騎士だが、距離が開いていくことに焦る。
「ここは騎士団に囲まれている、逃げても無駄だ!」
侯爵邸から少し離れ、ここなら大きな声を出しても侯爵邸には届かないだろうと、前を走る人影に叫ぶ。
「……?」
ユランは、騎士団と聞いて僅かに速度を緩めた。塀を飛び降りたところから追われたので、屋敷の警備かと思って逃げていたが、首だけ回して後ろを見てみれば、追ってくる男は確かに騎士服姿だ。
「止まれって……うわあっ」
素直に急停止したユランに、騎士が激突した。
「ユラン! 良かった無事で……えっと、何やってんの?」
他の騎士団員たちと一緒に駆けつけて来たカイが、ユランの姿を認めて嬉しそうに名を呼び、その後、騎士ともつれあって倒れているユランを、呆れたように見下ろす。
「(カイ!)」
ユランも嬉しそうに口をぱくぱくとさせるが、声は出ていない。
「彼がユラン・グスタフなのか?」
騎士の問いに、カイは頷く。
「はい、そうです。ほら、ユランも自分で名乗れって……あれ、どうしたんだ? 喋れなくなってる?」
カイは、ユランの様子がおかしいことに気付いた。ユランは頷いて立ち上がると、懐からエルディから預かった紙を取り出す。
「沈黙の魔法か……魔術師のところへ連れて行くぞ。いろいろ聞かせてもらわないとだからな」
紙にざっと目を通した騎士は、話はそれからだとユランを促した。
「沈黙の魔法を解けと? えっと……『無効』」
ユランよりも若そうな魔術師が、戸惑いながら魔法を使った。明らかに場慣れしていない新人だ。
「(まだ話せないよー?)」
ユランは、何でだろうという顔で首を傾げる。
「あれ、違うのかな、じゃあ『却下』」
若い魔術師も、何でだろうという顔で、次の呪文を唱えるが、変化は起こらない。
「これも違う? 継続的な状態異常に使うのって……『破棄』」
相変わらずユランは声が出ず、若い魔術師は泣きそうになった。まだまだ魔術師としては未熟で、今回は紙鳥が飛ばせればそれでいい、ということで任務に就いたが、状態異常の一つも解除できないとは、自分が情けない。
「ユラン!」
そこへ、神殿から駆けつけてきた騎士団の第三陣が到着した。目敏くユランを見つけたエイダールが、転がるように馬から降りて走ってくる。
「(先生! 先生! 先生!)」
ユランはぴょんぴょんと跳ねるように出迎えて、ぎゅっと抱きつく。
「ん? これは沈黙の魔法か?」
抱きつかれながら、ユランの体に異常がないかあちこち確認していたエイダールは、魔法の痕跡に気付く。
「『解除』」
痕跡の多い口元で囁くように呪文を唱える。
「せ、せせせせせ、先生!」
唇の端にエイダールの息がかかり、ユランは真っ赤になった。
「よし、声が出るようになったな」
軽くキスをしたも同然なのに、エイダールの方はまったく気にしていない。
「そうか、『解除』か!」
若い魔術師が、正解を目にして小さく叫ぶ。
「『解除』以外にないだろう?」
エイダールに不思議そうな目を向けられた若い魔術師は、しょんぼりと申告する。
「言われてみればそうなんですけど、『無効』も『却下』も『破棄』もだめで、どうしようかと思って……」
「ああ、それはどっちかって言うと、掛けられそうになった時に使う奴だな」
既に掛かっている魔法には効きが薄かった。
はああっと、エルディは溜息をつく。
「とにかくユランくん、君は外に出て、このことを騎士団に知らせてくれ」
ユランは頷きかけたが、思い出したように喉に手をやる。
「”声” ”出ない”」
ユランに掛けられた沈黙の魔法は、未だに解けていない。
「そうだな、それをまず解除しないとだな。追跡班に魔術師がいるといいんだが……とりあえず一筆書くから、それを渡してもらえれば。あ」
不意に部屋の扉が開き、入ってきた男と目が合い、エルディはしまったと思う。あまりの警備の緩さに油断し過ぎた。
「え、お前たち、誰だ!?」
ユランもフードを脱いでいたので、仲間の魔術師の振りも出来ない。
「し、侵入者なのか?」
分かりやすい狼狽っぷりからすると、荒事には慣れていないようだが。
「今日入ったばかりの新しい魔力供給者だけど?」
歓迎してくれないのか? と両手を広げるエルディの笑顔が胡散臭い。
「あ、ああ、確かに一人新しいのが来るって聞いてるけど……」
男は、エルディとユランを交互に見遣る。
「そっちの男はなんなんだよ、二人なんて聞いてないぞ! こっちに来るな!」
歩み寄ろうとしたエルディから離れようと後退る。
「それ以上近付くなら攻撃する! 『熱き炎よ、我が手に宿りて……』ぐあっ」
炎の攻撃魔法を放とうとした男は、呪文を唱えきる前にユランに喉を掴まれた。やっと、エイダールに言われたように魔術師を制圧出来て、ユランは満足気である。
「初級魔法の呪文を略さずにきっちり唱えるやつがいるんだな……」
一瞬で男の前に到達したユランの跳躍力にも驚いたが、それよりもエルディは、男の魔法の発動方法に驚いた。普通の魔術師なら、初級魔法は魔法の名前を唱えるだけで発動出来る。呪文を最初から唱えるのは、初心者かよほどの制御下手である。
「離れから誰か出てきました!」
見張りからの連絡を受けて、侯爵邸を囲んでいた騎士団がざわめく。
「犯人が動いたのか?」
「窓から出てきたので違うと思います」
一階の腰高の窓からするりと抜け出して、離れの建物近くの木の陰に滑り込んだ。
「囮役か?」
「暗いので顔は分かりませんが、囮役とは少し体格が違うように見えました。敷地外に向かって、辺りを警戒しながら移動しているように見えましたが……申し訳ありません、途中で見失いました」
見張り場所は高い木の上だが、侯爵邸の敷地をすべて見渡せる訳ではない。しかももう日が落ち、闇が濃くなってきている。
「伝達! 敷地の出入り口を注視し、敷地から出てきた時点で身柄を確保しろ」
「あんなところから……?」
伝達を受けて、侯爵邸の外塀沿いに移動した騎士たちは、二人一組で指示された出入り口近くの木陰に身を潜めた。出入り口を注視していたのだが、目の端で何かが動いた気がしてそちらを見ると、高い塀の上に人影が見える。
「………………落ちた!?」
一瞬、落ちたのかと錯覚するほどの躊躇いのない動きで、塀から滑り落ちるように降りた人影は、危なげなく着地し、そのまま走り出す。
「俺が追う! 報告を頼む!」
騎士の一人が人影を追って駆け出した。
「待てっ」
足の速さにも持久力にも自信のあった騎士だが、距離が開いていくことに焦る。
「ここは騎士団に囲まれている、逃げても無駄だ!」
侯爵邸から少し離れ、ここなら大きな声を出しても侯爵邸には届かないだろうと、前を走る人影に叫ぶ。
「……?」
ユランは、騎士団と聞いて僅かに速度を緩めた。塀を飛び降りたところから追われたので、屋敷の警備かと思って逃げていたが、首だけ回して後ろを見てみれば、追ってくる男は確かに騎士服姿だ。
「止まれって……うわあっ」
素直に急停止したユランに、騎士が激突した。
「ユラン! 良かった無事で……えっと、何やってんの?」
他の騎士団員たちと一緒に駆けつけて来たカイが、ユランの姿を認めて嬉しそうに名を呼び、その後、騎士ともつれあって倒れているユランを、呆れたように見下ろす。
「(カイ!)」
ユランも嬉しそうに口をぱくぱくとさせるが、声は出ていない。
「彼がユラン・グスタフなのか?」
騎士の問いに、カイは頷く。
「はい、そうです。ほら、ユランも自分で名乗れって……あれ、どうしたんだ? 喋れなくなってる?」
カイは、ユランの様子がおかしいことに気付いた。ユランは頷いて立ち上がると、懐からエルディから預かった紙を取り出す。
「沈黙の魔法か……魔術師のところへ連れて行くぞ。いろいろ聞かせてもらわないとだからな」
紙にざっと目を通した騎士は、話はそれからだとユランを促した。
「沈黙の魔法を解けと? えっと……『無効』」
ユランよりも若そうな魔術師が、戸惑いながら魔法を使った。明らかに場慣れしていない新人だ。
「(まだ話せないよー?)」
ユランは、何でだろうという顔で首を傾げる。
「あれ、違うのかな、じゃあ『却下』」
若い魔術師も、何でだろうという顔で、次の呪文を唱えるが、変化は起こらない。
「これも違う? 継続的な状態異常に使うのって……『破棄』」
相変わらずユランは声が出ず、若い魔術師は泣きそうになった。まだまだ魔術師としては未熟で、今回は紙鳥が飛ばせればそれでいい、ということで任務に就いたが、状態異常の一つも解除できないとは、自分が情けない。
「ユラン!」
そこへ、神殿から駆けつけてきた騎士団の第三陣が到着した。目敏くユランを見つけたエイダールが、転がるように馬から降りて走ってくる。
「(先生! 先生! 先生!)」
ユランはぴょんぴょんと跳ねるように出迎えて、ぎゅっと抱きつく。
「ん? これは沈黙の魔法か?」
抱きつかれながら、ユランの体に異常がないかあちこち確認していたエイダールは、魔法の痕跡に気付く。
「『解除』」
痕跡の多い口元で囁くように呪文を唱える。
「せ、せせせせせ、先生!」
唇の端にエイダールの息がかかり、ユランは真っ赤になった。
「よし、声が出るようになったな」
軽くキスをしたも同然なのに、エイダールの方はまったく気にしていない。
「そうか、『解除』か!」
若い魔術師が、正解を目にして小さく叫ぶ。
「『解除』以外にないだろう?」
エイダールに不思議そうな目を向けられた若い魔術師は、しょんぼりと申告する。
「言われてみればそうなんですけど、『無効』も『却下』も『破棄』もだめで、どうしようかと思って……」
「ああ、それはどっちかって言うと、掛けられそうになった時に使う奴だな」
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