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幼年期編
宰相閣下と一緒
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俺は、連日のように宰相を訪問して、神託を書き起こしてもらっている。物語1冊分はかなり手応えがある。その上、分岐までしているのだから、かなりの日数がかかった。
「後継者争いね。確かに起こらないとは言えない」
「ネルロワイエは、王妃様から国王はあなたよっていう言葉をずっと聞かされて育てられたんだ。だから、自分が王太子だと思い込む。国王になれば、周りが全てあなたのいいように取り計らってくれる。あなたは何もしなくていい。あなたの意向を汲めない無能は必要ない。そう言われて育ってきたから、勉学も魔法も剣術も人並み以下。努力が嫌いで、褒めて煽ててくれる人しか周りに置かない。ミナレア王女はそこをうまく利用して取り入る。苦言を呈するアンジェリーナは疎ましくて仕方ない存在だけど、レンディールに対して優越感を味わいたいからそばに置くんだ」
「ああ。既にそんな感じだな。何だかんだ理由をつけて、気に入らない教師を首にしている」
「レンディールは、自分が望んでいると知っていながら、父親がアンジェリーナをネルロワイエに与えたことで捻くれてしまう。国王派の重鎮オーシャック侯爵の忘れ形見であり、跡取りのルナベールを婚約者にされたことで、父親から国王に相応しくないと突き付けられたと思い込んでしまう。追い打ちをかけられちゃった感じ。国王派の取り込みと暗殺対策には必須だったんだろうけど、跡取りっていうのがねぇ。お家存続のために差し出された生け贄と思っちゃうんだよ。加えて、可愛がっていたマリーテレーズが亡くなっていることも大きくて、俺がマリーテレーズを池に突き落として殺したと恨まれる。家族を含め周りは敵ばかりだと心を閉ざしてしまうんだ。1番はやっぱり、アンジェリーナの存在だよね」
「それでどうやってミナレア王女はレンディールを落とすんだ?」
「レンディールにミナレア王女が囁くんだ。トロピール王国の王配になった後、あの国を乗っ取ればいいと。そして、王族を殺すときにアンジェリーナだけ別人にすり替えて、自分のそばで軟禁すれば手に入ると。わたくしは、跡継ぎさえ得ることが出来て、あなたが王配としての務めを全うしてくれるならそれで構わないと。その悪魔の囁きに耳を貸すほどレンディールからの信頼を得ているのが重要になるけど。王女のその健気さ?に絆されれば、王女を唯ひとりの人として愛し、アンジェリーナは処刑。絆されずに提案を受け入れれば、王配としての役割を完璧にこなしつつ、アンジェリーナは軟禁」
「軟禁って・・・・」
驚いているけど、レンディールは、実際腹黒いし、緻密な計画力もそれを実行するだけの機動力もある。
「レンディールとネルロワイエの後継者争いは絶対に避けなければならない」
「だよなぁ。何かいい案は?神託の中になかったのか?」
あるわけないだろ?物語にならないだろうが!
「取り敢えず、俺は、王族から早いうちに離脱する。同母の兄弟なんだから、ルナベール嬢と俺が婚約すれば、国王派はレン兄様につくことになる。俺も婿入り出来れば安泰だし。あとは、レン兄様はこの国を乗っ取れるほどの切れ者になる予定だから、アンジェリーナ嬢とレン兄様がうまくくっつけばこの国は安泰。ネルロワイエ異母兄様をどうやって穏便にこの国から追い出すか。トロピール王国のミナレア王女の王配になってもらうのが1番良いんだけど。ビクリアール王国とは、この国を挟んで反対に位置するし、ネルロワイエ異母兄様とミナレア王女の手腕次第では属国にも出来る」
「最初からネルロワイエの婚約者をミナレア王女にすればいいんじゃないか?」
それじゃあ、多分ダメなんだよな。
「ネルロワイエ異母兄様が選んだ真実の愛の女性っていうのが重要なんだ」
「なんだ、その、真実の愛、ってのは?」
言っておいて何だが、真実の愛?そんなもの知るか!
「後継者争いね。確かに起こらないとは言えない」
「ネルロワイエは、王妃様から国王はあなたよっていう言葉をずっと聞かされて育てられたんだ。だから、自分が王太子だと思い込む。国王になれば、周りが全てあなたのいいように取り計らってくれる。あなたは何もしなくていい。あなたの意向を汲めない無能は必要ない。そう言われて育ってきたから、勉学も魔法も剣術も人並み以下。努力が嫌いで、褒めて煽ててくれる人しか周りに置かない。ミナレア王女はそこをうまく利用して取り入る。苦言を呈するアンジェリーナは疎ましくて仕方ない存在だけど、レンディールに対して優越感を味わいたいからそばに置くんだ」
「ああ。既にそんな感じだな。何だかんだ理由をつけて、気に入らない教師を首にしている」
「レンディールは、自分が望んでいると知っていながら、父親がアンジェリーナをネルロワイエに与えたことで捻くれてしまう。国王派の重鎮オーシャック侯爵の忘れ形見であり、跡取りのルナベールを婚約者にされたことで、父親から国王に相応しくないと突き付けられたと思い込んでしまう。追い打ちをかけられちゃった感じ。国王派の取り込みと暗殺対策には必須だったんだろうけど、跡取りっていうのがねぇ。お家存続のために差し出された生け贄と思っちゃうんだよ。加えて、可愛がっていたマリーテレーズが亡くなっていることも大きくて、俺がマリーテレーズを池に突き落として殺したと恨まれる。家族を含め周りは敵ばかりだと心を閉ざしてしまうんだ。1番はやっぱり、アンジェリーナの存在だよね」
「それでどうやってミナレア王女はレンディールを落とすんだ?」
「レンディールにミナレア王女が囁くんだ。トロピール王国の王配になった後、あの国を乗っ取ればいいと。そして、王族を殺すときにアンジェリーナだけ別人にすり替えて、自分のそばで軟禁すれば手に入ると。わたくしは、跡継ぎさえ得ることが出来て、あなたが王配としての務めを全うしてくれるならそれで構わないと。その悪魔の囁きに耳を貸すほどレンディールからの信頼を得ているのが重要になるけど。王女のその健気さ?に絆されれば、王女を唯ひとりの人として愛し、アンジェリーナは処刑。絆されずに提案を受け入れれば、王配としての役割を完璧にこなしつつ、アンジェリーナは軟禁」
「軟禁って・・・・」
驚いているけど、レンディールは、実際腹黒いし、緻密な計画力もそれを実行するだけの機動力もある。
「レンディールとネルロワイエの後継者争いは絶対に避けなければならない」
「だよなぁ。何かいい案は?神託の中になかったのか?」
あるわけないだろ?物語にならないだろうが!
「取り敢えず、俺は、王族から早いうちに離脱する。同母の兄弟なんだから、ルナベール嬢と俺が婚約すれば、国王派はレン兄様につくことになる。俺も婿入り出来れば安泰だし。あとは、レン兄様はこの国を乗っ取れるほどの切れ者になる予定だから、アンジェリーナ嬢とレン兄様がうまくくっつけばこの国は安泰。ネルロワイエ異母兄様をどうやって穏便にこの国から追い出すか。トロピール王国のミナレア王女の王配になってもらうのが1番良いんだけど。ビクリアール王国とは、この国を挟んで反対に位置するし、ネルロワイエ異母兄様とミナレア王女の手腕次第では属国にも出来る」
「最初からネルロワイエの婚約者をミナレア王女にすればいいんじゃないか?」
それじゃあ、多分ダメなんだよな。
「ネルロワイエ異母兄様が選んだ真実の愛の女性っていうのが重要なんだ」
「なんだ、その、真実の愛、ってのは?」
言っておいて何だが、真実の愛?そんなもの知るか!
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