俺が本当の愛を知るまでの物語

第四章

俺のせい､､､？

俺たちはあの日から迷いの森の中心部、泉があった場所に小屋を建て、幸せに暮らしていた。
王宮の者に身がバレぬよう、滅多に森の外へは出歩かず魔物の肉などで食料を確保していた。しかし、狩り過ぎてしまったせいか魔物の数が減り食料が尽きてしまう。
仕方なく俺はマントで顔を隠して城下町へ買い物に出かけた。

「エーデル！！！」

「あ､､､」

声をかけて来たのはセイデリアだった。
俺は逃げようとしたが手を取られ動けなくなってしまう。

「逃げないで」

「､､､」

「何で逃げたの」

きっと王宮から逃げ出した事を言っているのだろう。

「､､､ごめん」

俺のことを軽蔑するかのように向けられた視線に、俺はただ謝ることしかできなかった。
そしてセイデリアは淡々と語り出す。
俺たちがいなくなったあの日から現在までこの国で何が起きているのかを。






衝撃音がした地下を急いで確認しに来た騎士団の1人に、もぬけの殻となった部屋を発見され、俺が消えた事が国王の耳に入る。
アルカイトがいない事から、あいつが連れ出したのでは？と皆が考えた。
そして、アルカイトは『万物の神を誘拐した』と指名手配になり、王はアルの首を持ってきた者は褒美をやるとおふれを出した。
それでも見つからない俺たちに国王は、もしやアルカイトは他国の回し者で俺をすでに他国へ手渡したのではないかと恐れた。
他国のものに俺の力を取られてしまったら、今の国王もスカビオ国自体も立場が危うくなる。
そう考えた国王は他国に先制攻撃をしかけ、4カ国間で戦争が始まった。
城下町に住む男性や近隣の村に住む人々が大量に戦争に駆り出され命を落としている。
王宮のある都市は、あの頃の面影がないほど崩壊し、人々の叫び声が絶えぬ地獄と化している。

「そんな､､､
俺が逃げたから､､､？」

「そうよ。あなたのせいで大勢の人が死んだわ。
あなたが居なければこんな事は起きなかったし、アルカイト様は犯罪者になんてならずに幸せに暮らせたのよ。」

(そうだ
考えてみれば全部全部俺のせいだ
俺のせいで皆んな傷付いて、死んでいった､､､)

「このままじゃ、貴方のせいでこの戦争でアルカイト様まで死んでしまうわ！！」

(そんなの嫌だ､､､
どうすれば)

「そうよね嫌よね。
それなら、アルカイト様を守るために、今貴方がすべき事があるわよね？」

「するべき事､､､？」

「そう、それはね､､､」