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最終章 混線の処女
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俺のカラダの下に隠れて、時々ノックして来るお前が愛おしい。
溢れる雫まで愛おしい。もっと愛してあげたい。
俺の全身でお前を愛してあげたい。
揺れよう揺れよう一緒に。一緒に光りの中に行こう。
合間に薄ら目を開け視線を合せた彼の瞳は、自分の全てを俺に預けたように安らいだ微笑み。
俺は彼に再び射貫かれたように胸が痺れた。
男に言う言葉でも、幼い頃からを知る相手に使う言葉としても不似合いだとは思う。
それでも息が止まりそうに美しかった。
俺はまた彼に惹き寄せられる。
彼は言葉の代わりに笑顔で返してくれる。
ずっと変わらない愛おしい相手の名前を
体温を感じながら 包み包まれながら呼び合う
何度も 何度も……
・・・……
ナナ……
お前の……中…… こんなの初め て……だ よ… ………
ナナッ…………・・・・・
・・・・・・・
木漏れ日のようなやわらかな微笑み
解ける前に見えた彼の顔を 俺は一生忘れない
俺の初めてがお前で良かった
ありがとう虹生 大好きだよ――
こんなカラダの繋がりが、ただの快楽を求め得るだけではなかったと そんな軽い事ではなかったと
彼と繋がって知る事が出来た。
あたたかさが溢れて、自分の中から溢れて―
言葉で言い表す事も出来ない気持ちは、ただ彼の事を自分の全てで愛していると――
そのひとつが計れないくらい大きくて 抱えきれないくらい大きくて
だから余計にお前の事をカラダごとで、全身で、愛したくなる。
ずっとはるか上を吹いてる風
周りの音を弾かせ、打ち消すほどの水の粒。
風が雨粒を吹き払い、しなり擦れて奏でる木々の葉音。
陰も作らせない厚い雲は陽を隠し、射し込む陽もない。
肌寒い部屋でも、今はふたりの体温だけでそれだけでいい。
――どこで何が起きていても 今の俺たちだけはこのままでいさせて欲しい
部屋の静けさは、いつからか。
鳥のさえずりが聞こえる。昼はとっくに過ぎていた。
全て夢だったのではと、不思議な時間の中にいるように別の自分が目を覚ます。
今日は袖を通さなかった、ハンガーに掛けられている学ランをボンヤリと見ていた。
ついこの前までは、俺とお前はただの〝幼馴染み〟そして同性。
なのに、ハダカじゃないお前に感じる不思議な距離感は、今は感じない。
どちらでも、お前を好きだという気持ちは絶対で、そこから全部始まってそしてここに辿り着く。
お前とカラダだけになる事が出来た。
お前が俺からも溢れ、この空間の全てがお前になった。
カラダだけになって、ただの生き物になって愛し合う事が出来た。
俺たちは、カラダを超える事が出来ただろうか……。
溢れる雫まで愛おしい。もっと愛してあげたい。
俺の全身でお前を愛してあげたい。
揺れよう揺れよう一緒に。一緒に光りの中に行こう。
合間に薄ら目を開け視線を合せた彼の瞳は、自分の全てを俺に預けたように安らいだ微笑み。
俺は彼に再び射貫かれたように胸が痺れた。
男に言う言葉でも、幼い頃からを知る相手に使う言葉としても不似合いだとは思う。
それでも息が止まりそうに美しかった。
俺はまた彼に惹き寄せられる。
彼は言葉の代わりに笑顔で返してくれる。
ずっと変わらない愛おしい相手の名前を
体温を感じながら 包み包まれながら呼び合う
何度も 何度も……
・・・……
ナナ……
お前の……中…… こんなの初め て……だ よ… ………
ナナッ…………・・・・・
・・・・・・・
木漏れ日のようなやわらかな微笑み
解ける前に見えた彼の顔を 俺は一生忘れない
俺の初めてがお前で良かった
ありがとう虹生 大好きだよ――
こんなカラダの繋がりが、ただの快楽を求め得るだけではなかったと そんな軽い事ではなかったと
彼と繋がって知る事が出来た。
あたたかさが溢れて、自分の中から溢れて―
言葉で言い表す事も出来ない気持ちは、ただ彼の事を自分の全てで愛していると――
そのひとつが計れないくらい大きくて 抱えきれないくらい大きくて
だから余計にお前の事をカラダごとで、全身で、愛したくなる。
ずっとはるか上を吹いてる風
周りの音を弾かせ、打ち消すほどの水の粒。
風が雨粒を吹き払い、しなり擦れて奏でる木々の葉音。
陰も作らせない厚い雲は陽を隠し、射し込む陽もない。
肌寒い部屋でも、今はふたりの体温だけでそれだけでいい。
――どこで何が起きていても 今の俺たちだけはこのままでいさせて欲しい
部屋の静けさは、いつからか。
鳥のさえずりが聞こえる。昼はとっくに過ぎていた。
全て夢だったのではと、不思議な時間の中にいるように別の自分が目を覚ます。
今日は袖を通さなかった、ハンガーに掛けられている学ランをボンヤリと見ていた。
ついこの前までは、俺とお前はただの〝幼馴染み〟そして同性。
なのに、ハダカじゃないお前に感じる不思議な距離感は、今は感じない。
どちらでも、お前を好きだという気持ちは絶対で、そこから全部始まってそしてここに辿り着く。
お前とカラダだけになる事が出来た。
お前が俺からも溢れ、この空間の全てがお前になった。
カラダだけになって、ただの生き物になって愛し合う事が出来た。
俺たちは、カラダを超える事が出来ただろうか……。
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