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第四章 野いちご
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気色の悪い息が吹き掛かった後不快な湿りを帯びた唇がオレに合わさり、不気味な生き物にしか感じない舌がこじ開けようと執拗に這い回る。
歯を食いしばり頭を振って、絶対にクチを開けない。
両手をガッチリと掴まれて、押し付けられるカラダと棚の間に挟まれ身動きが出来ない。
棚にある物が、さっきからバサバサと床に落ちていた。
シマダの兄の時と同じ。
いや、今回はもっとヤバそうだ。逃げる事が出来ない。
その内に当時しばらく耳に残って悩まされたそれと同じ、変な息づかいが聞こえて来た。
怖くて怖くて仕方がなかったソレは、自分から抜けるまでしばらく時間が掛かった。
その〝人から出る音〟を聞いただけでカラダが震え出し、チカラが出なくなる。
オレの中では、ずっと声を荒げるように叫んでる。
「やめてください!離してください!」
何度も何度も。
けれどそれを声に出しているのか、言ったつもりになっているだけなのか、もう自分で分からない。
けど知ってる。言った所で止めはしない。
あの時思った〝自分が壊れてでも逃げないと〟。
もうこんなのはたくさんなのに……どうして……。
暴れて棚から落ちた物に今度は足を取られ、体勢を崩してしまった所をそのまま床に押し倒される。
少しの隙でも見つけたら、それに縋ってここから抜け出す事をずっと考えている。
なのにカラダが震えて思うように動かない。
忘れていた嫌な出来事は消えずに自分の中にしつこく残っていて、それがまたオレの邪魔をする。
簡単に足を掴まれて、また引き戻された。
「だれかっ!・・・クッ」
仰向けにひっくり返されて、クチを塞がれた。
「声は出さないでね せっかく見えない所にいるんだ本を借りに来たわけじゃないんだよ 知ってた?」
そう言って、必死に逃げ道を探してるオレを嘲笑った。
跨がって来たヤツに、クチを塞がれながらワイシャツを捲り上げられ、ボタンが弾け飛んだような音が床に散り響いたのが聞こえた。
「や!やめろ!」
「うわ~もっと、オッパイ大きかったらな」
振り回せるだけ振り回した腕も、脚も、全身でも、全部撥ね返され全く逃げる事も出来ない。
全身全霊の抵抗が全くの無意味。
抵抗しただけ、コイツはオレの手脚の動きを全部奪いやがった。
サイアクだ・・・・・
このヤロー許さないからな 絶対許さないからな!
気色の悪い息が吹き掛かった後不快な湿りを帯びた唇がオレに合わさり、不気味な生き物にしか感じない舌がこじ開けようと執拗に這い回る。
歯を食いしばり頭を振って、絶対にクチを開けない。
両手をガッチリと掴まれて、押し付けられるカラダと棚の間に挟まれ身動きが出来ない。
棚にある物が、さっきからバサバサと床に落ちていた。
シマダの兄の時と同じ。
いや、今回はもっとヤバそうだ。逃げる事が出来ない。
その内に当時しばらく耳に残って悩まされたそれと同じ、変な息づかいが聞こえて来た。
怖くて怖くて仕方がなかったソレは、自分から抜けるまでしばらく時間が掛かった。
その〝人から出る音〟を聞いただけでカラダが震え出し、チカラが出なくなる。
オレの中では、ずっと声を荒げるように叫んでる。
「やめてください!離してください!」
何度も何度も。
けれどそれを声に出しているのか、言ったつもりになっているだけなのか、もう自分で分からない。
けど知ってる。言った所で止めはしない。
あの時思った〝自分が壊れてでも逃げないと〟。
もうこんなのはたくさんなのに……どうして……。
暴れて棚から落ちた物に今度は足を取られ、体勢を崩してしまった所をそのまま床に押し倒される。
少しの隙でも見つけたら、それに縋ってここから抜け出す事をずっと考えている。
なのにカラダが震えて思うように動かない。
忘れていた嫌な出来事は消えずに自分の中にしつこく残っていて、それがまたオレの邪魔をする。
簡単に足を掴まれて、また引き戻された。
「だれかっ!・・・クッ」
仰向けにひっくり返されて、クチを塞がれた。
「声は出さないでね せっかく見えない所にいるんだ本を借りに来たわけじゃないんだよ 知ってた?」
そう言って、必死に逃げ道を探してるオレを嘲笑った。
跨がって来たヤツに、クチを塞がれながらワイシャツを捲り上げられ、ボタンが弾け飛んだような音が床に散り響いたのが聞こえた。
「や!やめろ!」
「うわ~もっと、オッパイ大きかったらな」
振り回せるだけ振り回した腕も、脚も、全身でも、全部撥ね返され全く逃げる事も出来ない。
全身全霊の抵抗が全くの無意味。
抵抗しただけ、コイツはオレの手脚の動きを全部奪いやがった。
サイアクだ・・・・・
このヤロー許さないからな 絶対許さないからな!
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