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【4章】私が邪魔なんじゃない?

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【4章】私が邪魔なんじゃない?

「あー···リオ、ごめん···」
 
 絵里は、リオに握られている手を払いのける。彼女の真摯な瞳が、とても気まずい。

 でも、ちゃんと言わねばなるまい。

「あたしはリオのこと、そーいう目で見れない。本当、ごめんね」

 告白を断るって、初めてかもしれない。自分は男から告白を受ければ、恋人もしくはセフレになってもらっている。

 絵里が本当に好きなのは、まどかなのだ。

本命が手に入らないのならば、その寂しさを誰かで埋めてもらいたい。

「···絵里さん、たくさん恋人いらっしゃるでしょう?前に、誰でもいいから相手してほしい時があると仰ってたじゃないですか。···私が女だからダメですか?」
「リオ···」
「私はセフレからでも構いません。伊達に何年も片思いしてませんから、絵里さんがノンケだろうと口説いてみせますよ」

ちょっ、ちょっとーーーグイグイとくるじゃない。

(あたし、女性は試したことないのよね···)

 もう何人の男に抱かれたかわからないほど性には奔放なつもりだが、女性とは関係を持ったことはない。
 
「一晩も、試していただけないのですか?」

 若くて美人な彼女と、関係を持つこと。
 きっと男よりも肌触りが良さそうだ。

(でも···)
 

 どうしても、彼女の後ろに情けないまどかの姿を思い出してしまう。


「···リオ、やっぱり無理よ···ごめんなさい」


 絵里はリオから目を背け、言い放った。
 人の傷つく顔を、これ以上見ていられなかった。

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