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潜入と出会い
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しおりを挟む「今日は、魔騎士実践の授業です。担当の行宗(ゆきむね)と言います。みなさんには魔騎士がどのように戦っているのかを身に付けていただき、将来に役立てていただきたいます」
昨日と打って変わって線の細い眼鏡の教師は、風花たち四隊の面々を見回して説明した。
「魔騎士には、大きく分けて前衛後衛、喩術の三つがあります。今日と明日の二日間で、みなさんには自分に合った武器を見つけていただきます」
魔騎士となったら、大小の歪みと戦わねばならない。
魔騎士は己の素養を駆使して戦うが、武器の使用も重要であった。
先日の体技実技では直接的な身体強化格闘技を習い、それを踏まえてこの授業では総合的な戦い方を学ぶのだ。
魔力の素養が桁外れな人材であれば、攻撃魔術や精霊の召喚で十分戦えるが、普通の魔騎士はそうもいかない。
実際、風花は魔騎士として歪みと対峙するとき、物理的な武器は使用していなかったが、歪みの中には魔術の通りにくい個体もいる。
そして、武器は攻撃だけでなく、身を守ることにも重要であった。
「この中に、入学前から使用している武器を持ってきた生徒はどのくらいいますか?」
行宗の問いに数人が手を挙げた。
意外にもスィールも含まれている。
スィールは喩術専攻だ。
喩術士が武器を持つことは然程珍しいことではない。治療中に歪みに襲われる心配もあるため、護身として持つものが多いからだ。
ただ、スィールが既に武器を持っているのには、少し意外性を抱かざるを得ない。
「今年の初学年は武器持ちが多いですね。学園で用意している武器は一般的なものが多いですから、手に馴染んだ武器を持つことは良いことです。他の生徒と共用にもなりますし。自分の武器を持つと、自分専用に改良やメンテナンス出来ますから、持っていないみなさんは、この授業で使いやすい武器を見つけたら、のちのち自分専用の武器を購入して持ち込んでも構いませんよ」
行宗は、四隊の面々を武器庫に案内した。
そこからは自由時間となる。
思い思いの武器を手に持ち、性能を確かめ、種類を変え、手に馴染むものを選ぶのだ。
教師に使い方を指南してもらうことも出来るし、もちろん模擬戦で試すことも出来た。
スィールは既に自分の武器を持つため、武器庫には入らなかった。
風花も外で待機する。
しばらくしてカルネが細身の槍を持って出てきた。
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