神々のストーリーテラー

みん

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神々の本

神々の本

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その《神々の本》は、力を欲した人間の前に現れる。





《神々の本》
それは、神の過ごした物語が綴られた本である。

遥か昔からこの世界に存在した神々は、各々の歴史のもと、様々な逸話を残した。

今は語り継がれぬその物語は、《神々の本》の中に、たしかに存在する。

人智を超えた力。
まさに神の能力。

それらを克明に記したその物語が、世間に知られることとなったのは、遥か数百年も前のことであった。

ある日訪れた世界の終焉。
日常に溢れ出る見たこともない怪物たち。
多くの人々は逃げ惑い。
そして、ある日人々は力を求めた。

怪物を倒せる力を。
大切なものを守れる力を。
世界を救える力を。

その時、一冊の本が、彼らの前に現れる。

《神々の本》
それは力を求める人々に、神の力を与えた。

神の物語は告げた。
《神の物語を継承せよ》
《さすれば、神の力を与えよう》
《しかし、それには対価が伴う》
《得た力に相応しき対価を》

そして力を求めた人々は、《対価》の代わりに神の力を得た。

その力は怪物を屠り。
その力は大切なものを守った。
しかし、神の物語は終わらない。
世界は救われなかった。

やがて、神の物語は継承者の物語を引き継ぎ、更なる歴史を刻む。

そうして神の物語を継承することで神の能力を得た《物語の継承者》は、現代に至るまでに次々と現れては消えていった。

神々の物語は、その神が存在した証であり、その継承者が神となって生きた証。
神が終焉を迎えるまで、その物語は終わらない。

《物語の継承者》は、今もなお、本から抜け出した、《躾られた悪意》と戦い続ける。

特殊部隊、《ストーリーテラー》。

《物語の継承者》で作られたその組織は、いつか迎える終焉を夢見て、今日もまた神の物語を紡ぎ続ける。

物語は、今もなお、《継承者》の中に生き続けていた。
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