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僕と試練と想い出2
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「埋めた場所……確か、公園だったはず」
茜と僕が初めて会った場所。
そしていつも遊んでいたあの公園に埋めたはずだ。
だけど、その公園の場所がどこだったか、思い出せない。
その公園は昔住んでた家の近くだった。
それは覚えている。
でも、家の場所を覚えていない。
……もう戻ることはないと思っていた。
茜に必ず戻るとは言っていたけれど。
約束しておきながら本当はその約束を守ろうとはしていなかったのかもしれない。
だけど。今は違う。
思い出すんだ。どこだったか、どうしたかったのか。
とりあえず、進む方を決めないと。
「こっちかな……?」
足を一歩踏み出した時。
[ガタッ]
[ガラガラガラッ]
「……え?」
僕がたっていた道の、今まさに僕が進もうとしていた方の道においてあった工事用の物が落ちて道を塞いでいる。
この道は1本の道だ。
つまり今の状態では僕は塞がれていない方の道に進むしかない。
途中で分かれる道はだいぶ先にある。
しばらくは行く先に悩まないだろう。
もしかしたら思い出すかもしれないし。
「あ、この道……」
通ったことがある気がする。
なんとなく懐かしい感じ。
こっちの道で合ってたのかな……?
昔公園に行く時に通ってた道、なのかも
でも……思い出せてはいない。
「どうしよう……どっちに行けば……?」
道が分かれている。
ついに分岐路に来てしまった。
どちらの道に進もう……。
どっちを見てもあまり変わらないように見える。全くもって分からない。
[ガサッ]
「にゃーお」
[ガサガサッ]
「ふみゃあー!」
「…………」
猫が道を歩いて茂みの方へ向かった。
そしたら何かに引っかかってつまづき、それに襲いかかったらしい。
こっちの道に進んでみよう。
なんだか気になるし。
それにしてもさっきから僕が悩んでいる時に限って何か起こるな。
誰かが手助けしてくれてるみたいだ。
この道もしばらくは分岐がないようだ。
……ん? なんかあれ見覚えがあるな……。
なんだろう。あの置き物。
「あ、思い出した……」
この道は通ったことがある。
ここには変な置き物が置いてあった。
誰かの家の前においてあるんだけど、なんの置き物かよく分からない。
そして、その事を茜に話したことがあった。
公園に向かう途中にあるんだと。
ということは。
この道は僕が公園に向かう道で、今通ってる道はその公園に続いている。
茜と僕が初めて会った場所。
そしていつも遊んでいたあの公園に埋めたはずだ。
だけど、その公園の場所がどこだったか、思い出せない。
その公園は昔住んでた家の近くだった。
それは覚えている。
でも、家の場所を覚えていない。
……もう戻ることはないと思っていた。
茜に必ず戻るとは言っていたけれど。
約束しておきながら本当はその約束を守ろうとはしていなかったのかもしれない。
だけど。今は違う。
思い出すんだ。どこだったか、どうしたかったのか。
とりあえず、進む方を決めないと。
「こっちかな……?」
足を一歩踏み出した時。
[ガタッ]
[ガラガラガラッ]
「……え?」
僕がたっていた道の、今まさに僕が進もうとしていた方の道においてあった工事用の物が落ちて道を塞いでいる。
この道は1本の道だ。
つまり今の状態では僕は塞がれていない方の道に進むしかない。
途中で分かれる道はだいぶ先にある。
しばらくは行く先に悩まないだろう。
もしかしたら思い出すかもしれないし。
「あ、この道……」
通ったことがある気がする。
なんとなく懐かしい感じ。
こっちの道で合ってたのかな……?
昔公園に行く時に通ってた道、なのかも
でも……思い出せてはいない。
「どうしよう……どっちに行けば……?」
道が分かれている。
ついに分岐路に来てしまった。
どちらの道に進もう……。
どっちを見てもあまり変わらないように見える。全くもって分からない。
[ガサッ]
「にゃーお」
[ガサガサッ]
「ふみゃあー!」
「…………」
猫が道を歩いて茂みの方へ向かった。
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こっちの道に進んでみよう。
なんだか気になるし。
それにしてもさっきから僕が悩んでいる時に限って何か起こるな。
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「あ、思い出した……」
この道は通ったことがある。
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誰かの家の前においてあるんだけど、なんの置き物かよく分からない。
そして、その事を茜に話したことがあった。
公園に向かう途中にあるんだと。
ということは。
この道は僕が公園に向かう道で、今通ってる道はその公園に続いている。
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