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私と願いと神様

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 私は潤と曖昧な関係のまま過ごしていた。
潤はあの頃と同じようにみんなに囲まれていた。笑顔で楽しそうに。
私は……変わっていない。人を信じれず、人を信じようともしないまま。なにもかわれていない。そんな私に近づこうとする人もいない。私はクラスで孤立したままで、それが当たり前のように過ごしていた。

 そして私が転校してきて1ヶ月。もう7月に入っていた。そのころには潤と話すことを諦めかけていた。
そんなある日、帰ろうと靴箱を開けたら手紙が入っていた。送り主は、潤から。内容は……

『今日の放課後、あの場所で待ってる。茜が僕のことを許してくれるなら、会ってほしい』

こう書いてあった。
……許す?もしかして潤はずっと自分のことを責めていたんじゃ……?
私は潤と再会してずっと彼が私のことを許してくれていないんだと思っていた。
私と、関わりたくないんだと。
でも……潤は他人を責めるよりも自分を責める性格だということを忘れていた。いや、私自身が潤に甘えていたのかもしれない。
 潤が私を許してくれないなら、と。
話すことを恐れていたから。久しぶりにあったとき、潤は子供の時より明るく好かれるように振舞っていた。なんとなく私には、別人のように感じられてしまっていて、少し、気が引けてしまった。
無理をしているような、それでいて、笑顔で相手を安心させるような感じに。
その表情は最後に別れた時と同じだったから。
私が感情に任せて言ってしまった、あの日から。あの言葉のせいで。
彼をそうさせてしまったのかもしれないと思ったら話しかけるのが、怖くなった。だから潤が私を責めていると、話したくないのだと。そう勝手に思い込もうとしていた。でも……

「ちゃんと話さなきゃ。会いに行かないと。」

今日会わないと潤ともう、向き合えない。場所はちゃんと分かる。
 あの場所……潤と一緒に遊んだ秘密の場所。
教えてくれたのは潤だったけど。彼はよく公園でみんなが帰ったあとにそこに行ってたらしい。そこは丘の上に桜の木が1本だけあるところだった。
今の時期は、咲いてないけど。
 そういえば教えてくれたのも今ぐらいの時期だったから、咲いたら一緒に見に行こうという約束もしていたな。

 こんなことを考えながらその場所に向かって歩いていたとき。
私に向かって大きなトラックが向かってきた。
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