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武闘大会編
017話 第3回新制オスロウ武闘大会開催
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-オスロウの都 コロシアム-
5万人程度収容可能な巨大な石造りの円形闘技場には多くの観客が集まっていた。
大きさ的には東京ドーム位だろうか?
魔法技術で映し出される大型ビジョンが設置されたコロシアムは少し異質な感じがする。
無駄に中世ヨーロッパ風に魔法と近代技術を組み込んだゲームならではの設定って感じだ。
以前は殺しは厳禁のスポーツ色の強い武闘大会が行われていたらしいが、今では国王の指示で殺人や危険行為等何でも有りの本当の武闘大会になっている。
逆に観客は過激で刺激的な戦闘が生で見れると言う事で、貴族や一般市民も高い入場料を支払い観客席が満席になる程人気が高いらしい。
今回はルール改正が行われてから3回目の大会となる。
歴史有る大会で実際には100回以上開催されていると聞いた。
当然この大会で対戦相手を殺すと犯罪者印を背負う事になるが、現在の国王は生き残った上位入賞者は漏れなく国の特別兵士として雇うらしい。
経歴さえ気にしなければ犯罪者印は強さの象徴として扱われている様だ。
今日のサクラは勝負下着・・・では無く勝負武装に着替えていた。
普段は名前にちなんだコーディネートに拘り桜色で桜吹雪が鮮やかに刺繍された防御力よりも見た目重視の装備だが、今回は鎖帷子の上に侍でも装備可能な軽重量の小型鎧に黒鉄の手甲を付けている。
敏捷・回避よりも防御力を特化した装備になっている。
そして鎖帷子の隙間から見える素肌と、ヘソや脇、普段よりアップ気味のポニーテールから見えるうなじ等エロさが普段より際立っている。
もしかして男性人気を狙っているんじゃないかと勘繰ってしまう衣装だ。
以前盗賊の首領と戦った際にメチャクチャ痛い腹パンを食らったとか言って、強敵を警戒している様だった。
確実に優勝して頂かないといけないので、慎重になる位が丁度良いけどね。
「犯罪者印がOKならさ、私も飛び入り参加出来るんじゃない?」
「飛び入り参加は認められないとルールブックに書いて有ったでござる。それに一般人は冒険者登録してSランク冒険者にならないと選ばれないから、今回は諦めるでござる。」
チッ、駄目か。
使い魔としてサポート出来るじゃない?と言ったら、先日の老婆みたいに見破る人が居たら失格になるかも知れないと言う結論に至り断念する。
やはり今回はセコンドに徹しよう。
私は改めて先程配られた参加者名簿とトーナメント表を確認してみる。
①スカウト:カイゼル 労働組合特別枠
②ナイト:セアス 王国衛兵長
③ソーサラー:ラウル 王国魔法省長
④侍:SAKURA 労働組合特別枠
⑤サモナー:フォト 労働組合特別枠
⑥パラディン:シグ 王国聖騎士団長
⑦ウォーリアー:クリス 王国近衛兵士長
以前大臣の話に出た近衛兵士長クリス君を見かけ、軽く挨拶を交わす。
現在国王の監視役となっている人物で前々回、前大会の優勝者で対戦相手を殺すこと無く完全勝利して来た無敗の強者と言うゲーム設定のNPCだ。
重剣の使い手で高レベルに加え、ボス級の能力と強力な特殊技能を所有している。
見た目は金髪の優男だが自分の身長と同じ位の重剣を振り回す筋力が有る。
いわゆる特殊才能を持った脳筋と言う設定だ。
実際に出会った感じは紳士的な好青年だったので、第一印象は好感触だった。
実物はゲーム内より顔立ちが良く見え好みだった。
ゲームでは彼に勝つ事がイベントを進める条件なので、過去に私もゲーム内で倒した事が有る。
ゲームではイベント戦闘扱いだったのでクリス君は死なないのだが、こちらの世界ではどうなるのだろうか?最高レベルのサクラなら余裕で勝てると思う。
「大丈夫!余裕で勝つでござるよ。」
「犯罪者にならない様に気を付けていかないとね。それと優勝賞品はギャルのパンティーでよろしく!ちゃんと私が履くから。」
「見せてくれるなら御要望を叶えるでござる。」
「それはお断りだ。」
馬鹿な軽口を叩ける位リラックスしているので大丈夫そうだ。
間もなく1回戦が始まる。
観客席は魔法結界が張って有る王族・貴族専用のVIP席と一般席が有り、その全てが満席となっている。
VIP席の中央、厳重な警備と多重結界に守られている場所にこの国の偽国王が鎮座している。
豪華な装飾の施された指輪を多数はめ、ザ・国王と言わんばかりの服装をして玉座に座り大あくびをしているデブの男だ。
王妃と王子2人は3年前に死去、現在お世継ぎは居ないとダンネル大臣が話していた。
そう言う細かいゲーム設定は覚えていないが、国王の性格が3年前に急変したのは王妃が死んだからと冒険者の間で話題になっていた。
多分それは逆だろう。
レイドボスモンスターが王と王妃と王子2人を殺害し偽国王が成り済ました感じじゃないかな?
雲一つ無い開けた青空の中、開会を知らせる銅鑼が響き渡り金管楽器によるファンファーレが鳴り響き白い鳩が大空に放たれ飛び立つ。
第3回新制オスロウ武闘大会の開催だ。
5万人程度収容可能な巨大な石造りの円形闘技場には多くの観客が集まっていた。
大きさ的には東京ドーム位だろうか?
魔法技術で映し出される大型ビジョンが設置されたコロシアムは少し異質な感じがする。
無駄に中世ヨーロッパ風に魔法と近代技術を組み込んだゲームならではの設定って感じだ。
以前は殺しは厳禁のスポーツ色の強い武闘大会が行われていたらしいが、今では国王の指示で殺人や危険行為等何でも有りの本当の武闘大会になっている。
逆に観客は過激で刺激的な戦闘が生で見れると言う事で、貴族や一般市民も高い入場料を支払い観客席が満席になる程人気が高いらしい。
今回はルール改正が行われてから3回目の大会となる。
歴史有る大会で実際には100回以上開催されていると聞いた。
当然この大会で対戦相手を殺すと犯罪者印を背負う事になるが、現在の国王は生き残った上位入賞者は漏れなく国の特別兵士として雇うらしい。
経歴さえ気にしなければ犯罪者印は強さの象徴として扱われている様だ。
今日のサクラは勝負下着・・・では無く勝負武装に着替えていた。
普段は名前にちなんだコーディネートに拘り桜色で桜吹雪が鮮やかに刺繍された防御力よりも見た目重視の装備だが、今回は鎖帷子の上に侍でも装備可能な軽重量の小型鎧に黒鉄の手甲を付けている。
敏捷・回避よりも防御力を特化した装備になっている。
そして鎖帷子の隙間から見える素肌と、ヘソや脇、普段よりアップ気味のポニーテールから見えるうなじ等エロさが普段より際立っている。
もしかして男性人気を狙っているんじゃないかと勘繰ってしまう衣装だ。
以前盗賊の首領と戦った際にメチャクチャ痛い腹パンを食らったとか言って、強敵を警戒している様だった。
確実に優勝して頂かないといけないので、慎重になる位が丁度良いけどね。
「犯罪者印がOKならさ、私も飛び入り参加出来るんじゃない?」
「飛び入り参加は認められないとルールブックに書いて有ったでござる。それに一般人は冒険者登録してSランク冒険者にならないと選ばれないから、今回は諦めるでござる。」
チッ、駄目か。
使い魔としてサポート出来るじゃない?と言ったら、先日の老婆みたいに見破る人が居たら失格になるかも知れないと言う結論に至り断念する。
やはり今回はセコンドに徹しよう。
私は改めて先程配られた参加者名簿とトーナメント表を確認してみる。
①スカウト:カイゼル 労働組合特別枠
②ナイト:セアス 王国衛兵長
③ソーサラー:ラウル 王国魔法省長
④侍:SAKURA 労働組合特別枠
⑤サモナー:フォト 労働組合特別枠
⑥パラディン:シグ 王国聖騎士団長
⑦ウォーリアー:クリス 王国近衛兵士長
以前大臣の話に出た近衛兵士長クリス君を見かけ、軽く挨拶を交わす。
現在国王の監視役となっている人物で前々回、前大会の優勝者で対戦相手を殺すこと無く完全勝利して来た無敗の強者と言うゲーム設定のNPCだ。
重剣の使い手で高レベルに加え、ボス級の能力と強力な特殊技能を所有している。
見た目は金髪の優男だが自分の身長と同じ位の重剣を振り回す筋力が有る。
いわゆる特殊才能を持った脳筋と言う設定だ。
実際に出会った感じは紳士的な好青年だったので、第一印象は好感触だった。
実物はゲーム内より顔立ちが良く見え好みだった。
ゲームでは彼に勝つ事がイベントを進める条件なので、過去に私もゲーム内で倒した事が有る。
ゲームではイベント戦闘扱いだったのでクリス君は死なないのだが、こちらの世界ではどうなるのだろうか?最高レベルのサクラなら余裕で勝てると思う。
「大丈夫!余裕で勝つでござるよ。」
「犯罪者にならない様に気を付けていかないとね。それと優勝賞品はギャルのパンティーでよろしく!ちゃんと私が履くから。」
「見せてくれるなら御要望を叶えるでござる。」
「それはお断りだ。」
馬鹿な軽口を叩ける位リラックスしているので大丈夫そうだ。
間もなく1回戦が始まる。
観客席は魔法結界が張って有る王族・貴族専用のVIP席と一般席が有り、その全てが満席となっている。
VIP席の中央、厳重な警備と多重結界に守られている場所にこの国の偽国王が鎮座している。
豪華な装飾の施された指輪を多数はめ、ザ・国王と言わんばかりの服装をして玉座に座り大あくびをしているデブの男だ。
王妃と王子2人は3年前に死去、現在お世継ぎは居ないとダンネル大臣が話していた。
そう言う細かいゲーム設定は覚えていないが、国王の性格が3年前に急変したのは王妃が死んだからと冒険者の間で話題になっていた。
多分それは逆だろう。
レイドボスモンスターが王と王妃と王子2人を殺害し偽国王が成り済ました感じじゃないかな?
雲一つ無い開けた青空の中、開会を知らせる銅鑼が響き渡り金管楽器によるファンファーレが鳴り響き白い鳩が大空に放たれ飛び立つ。
第3回新制オスロウ武闘大会の開催だ。
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