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浦島太郎外伝5 老いても変わらぬ愛を誓い
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最近、竜宮は賑やかな声が響いている。竜王の子と亀の子、二人の子供がきゃっきゃとはしゃいで走り回る声や音は、思えばどのくらいか。
騒々しくも微笑ましい様子を、竜宮の者達は皆笑顔で受け入れている。勿論、庭を預かる蛸もだ。
今日必要なものを広い庭先に出していると、小さな影が二つ近づいてくる。彼らは必ず前を公子が、その後を亀の子の那亀がついてくる。公子の方が利発なようで、亀はそれについてくるのだ。
「蛸ー」
「公子、那亀、あまり走ると危ないぞ」
珊瑚礁の多い庭は案外足下が凸凹しているし、段差もある。特に公子は足下がズルズルと長い服を着ている為に危なく思えるのだが……。
「いた!」
「那亀! だいじょーぶ?」
「うぅ……」
転ぶのはなぜか、いつも那亀だったりする。
南海王に似た小さな子は表情豊かで少し泣き虫。中身は亀にそっくりで、そこが少し表情に困る。南海王の外見をした亀を見ている、というちぐはぐさがあるのだ。
蛸は腰に手を当てて溜息をつき、近づいて逞しい腕で那亀を抱き上げた。
「わぁ!」
「血は出ていないな?」
「うん」
「あー、ずるい! 蛸、私もー」
「はいはい」
空いている方の腕に公子を抱き上げると、彼はきゃっきゃと楽しげに笑う。このくらいの子供二人を肩に乗せるなど大した重みなどない。そのまま用意していた荷物の所までいくと、公子は不思議そうな顔をした。
「今日は何をするの?」
「今日は菜園に行き、昆布やわかめなどを植えます。その後で収穫もいたしますよ」
「植えるの? 私もやる!」
「僕も、やりたい」
「えぇ、お手伝いをお願いしますよ」
「任せて! ねー」
「ねー」
二人を地面に下ろすと物珍しそうに荷物を見ている。それがまた可愛らしくて、強面な蛸の表情も優しく緩んでいく。
そしてふと、自分の子供の小さな頃を思い出して、とても微笑ましく温かい気分になった。
必要な荷物を両手に持ち、小さな子達を連れて、蛸は菜園へと向かった。
美しい竜宮の庭だが、外れの一角には菜園を作っている。昆布やひじき、わかめなどをここで育て、必要な食材を確保している。
が、見た目にはいまいちである。
緑色の背の高い海草郡なのだが、それでも公子や那亀には物珍しいらしく、自分よりも大きな海藻を見上げて「おー」と声を上げている。
「こちらに昆布を植えていきますよ」
「はーい!」
用意した岩を適当に組み、そこに昆布の受精させた胞子を密になりすぎないように振りかけていく。その様子を公子と那亀は物珍しく見つめ、声を上げている。
「これが大きくなるの?」
「そうですよ」
「食べるんだよ、公子」
「食べるね」
子供達がうろうろしている間にここの作業はお終いになる。が、次は手入れだ。
「さて、公子様、那亀、二人に手伝ってもらいたい事があるのだが」
「手伝う!」
「やる!」
「では、昆布についているウニを取ってこちらの籠に」
「ウニ?」
首を傾げる二人を前に、蛸は辺りを見回して大きなトゲトゲの丸い物を差し出す。それを見た二人はそれだけでも大騒ぎだ。
「痛そうだよ、公子」
「大丈夫だよ、那亀。私が守ってあげるよ」
「ははっ、大げさですな。強く握ったり、踏んづけたりしなければ大丈夫ですよ。これは昆布を沢山食べてしまうので、ある程度間引いてしまわなければならないのです」
「食べちゃめ! 私が食べるの」
むっとした公子が唇を尖らせても愛らしいだけだ。思わず笑った蛸は、温かく懐かしく子供達を見る。説明を聞いて散っていく二人の合間を蛸も行く。二人が届かない所のウニを取っていく。これは今日の夕飯に烏賊に渡すのだ。
そうして一時間も作業をしていただろうか。誰かが近づいてくる足音がする。蛸が海藻の林を抜けるとそこには籠を持った烏賊がいて、蛸を見て動きを止めた。
「ここにいたのか、ハチ」
「トシ、収穫か?」
近づいてくる烏賊は、蛸とあまり背丈や体格が違わない。どちらも多少強面で、初対面の相手に怖がられてしまう。どちらも無闇に誰かを攻撃することなどないのに。
「わかめと昆布を少しもらいたい」
「あぁ、待っててくれ」
鎌を手にして林の中に戻る蛸が、素早く目的のものを収穫していく。身の厚い、美味しそうな物を優先して収穫する目利きは普段からここを管理する者だからこその事だ。
「これで足りるか?」
「あぁ、十分だ。いい品だな」
嬉しそうに烏賊が籠の中を覗く。その笑顔を見るのが嬉しくて、菜園の管理は毎日のようにしているのだ。
「あっ、烏賊さんだ!」
「烏賊!」
菜園でウニを駆除していた子供達も声に気づいたのか出てくる。そして、両手にウニを持って駆け寄っていく。足下にじゃれついて自分の持っているウニが大きいとか、色々言う子供達を相手に烏賊もふと表情を和らげている。
子供が、好きだったな。
そんな事を思い出し、蛸はほっこりとした気分でそのやり取りを見ていた。
その夜、夫婦に割り当てられた部屋で先に蛸が休んでいると、翌朝の仕込みを終えた烏賊が戻ってくる。そして徐に、蛸の隣にどっかりと腰を落ち着けた。
「お疲れ様、トシ」
「あぁ」
「? どうかしたのか?」
なんだかいつもと様子が違う。そんな気がして問いかけると、烏賊はジッと蛸を見てくる。何か言いたい事があるのか? 不満があるのか? とにかく言い出してもらわない事には分からない。見ていると、烏賊は真っ直ぐに見つめたまま口を開いた。
「ハチ、子供好きか」
「え? あぁ、勿論」
唐突な話に答えると、何故かそのまま押し倒される。体格的には同じくらいで、体力なども同じくらい。気を抜いていれば大柄な蛸だって簡単に倒れてしまう。
が、あまりに急でどういう意味か計りかねる。目を丸くして見ていると、烏賊はやたらとその気の顔をした。
「よし、仕込むぞ」
「いやいや、ちょっと待て! 仕込むもなにも薬を貰わねば受け入れる部分がない!」
「ちっ、面倒だな」
彼は舌打ちをすると蛸の上からどけてくれる。それにとりあえず安堵の息を吐きつつ、蛸は乱れた服を正した。
「どうした、トシ?」
「お前とやりたくなった」
「それは構わないが。だが、この年で子供というのは」
お世辞にも若いとは言えない。烏賊はまだギリギリだろうが、彼よりも年上の蛸は立派な中年だ。そんな自分が今更子を成して腹を膨らませ、子を産むというのはなんとも気恥ずかしいものがある。それでなくても顔が怖い自覚があるのだ。そんな、顔が怖くて背がでかくてがたいのいい大人が妊娠なんて……流石に少し遠慮したい。
だが、烏賊の意見は違うようだ。ぶすくれた子供のような顔で拗ねている。
「どうした?」
「べつに。ただ最近、竜宮も落ち着いてきた。毎日賑やかな子供の声もしているし、多少そういう気にもなるだろ」
「それは、まぁ……」
公子も那亀も可愛いし、懐いてくれている事は嬉しい。だが、それで十分な気もしている。
「もう一人くらい、いてもいいと思っただけだ」
「お前も子供が好きだからな、トシ」
「あぁ。だというのにウチのクソガキ、独り立ちしたら帰ってきやしねぇ」
これについてはもう、苦笑しかない。
蛸が子を産んだのはまだ若い頃だ。何百年も前。当然その子は成人し、今は北海王の所で武官をしている。どうやら仕事が楽しいらしく、頑張っていると人づてに聞いた。蛸としてはそれを聞けるだけでもいいのだが……確かにもう、数百年顔を見ていない。
少しだけ寂しくなってもきた。確かに子供は好きだし、育てる事も可能だろう。ここは他の種族でも皆が面倒を見てくれる。皆で育ててくれる。
踏み切れないのは……羞恥や世間体、そして己の年齢への不安だけだ。
「甲は今頃、どうしているだろうな」
「どうだか。手紙の一つくらい書けっての」
「便りが無いのは元気な証拠とも言うだろ?」
「あいつの場合、ある日突然帰ってきたかと思えば子供こさえてる可能性も捨てきれんぞ」
「……あり得るから止めてくれ」
自由奔放に育てすぎたか、あるいは性欲が有り余っているか、とにかく活発に動き、気に入った相手にはとにかく声を掛けまくる奴だった。それでも独り立ちする頃には落ち着いて、蛸に「俺も母さんみたいな相手を見つけたい」と、少し嬉しい事を言ってくれた。まぁ、「母さん」という呼び方は止めてもらいたかったが。
「ハチ、少し考えてみねぇか?」
「子供か?」
「あぁ」
「…………考えてはみる」
できるなら応えてやりたい。この竜宮ではもう何百年も子作りの時期が来ていない。というよりは、自粛状態になっていた。苦しんでいる竜王を差し置いて恋だ子供だなんて気分に皆がなれなかったのだ。
ようやく落ち着いた。優しく素直な浦島を妃に迎え、可愛い子供も産まれた竜王の心は昔のあの人に戻ったか、それ以上に穏やかだ。海にいい潮が巡り、魚も住み心地がよく、海は平和に治められている。
それに、周囲の魚も今年は子が多いようだ。
これにあやかってみても罰は当たらないだろう。烏賊も喜んでくれる。
ただ、やはり蛸は踏み切れずに答えを先延ばしにした。男としての小さな矜持が、蛸を現状に留めているのだった。
騒々しくも微笑ましい様子を、竜宮の者達は皆笑顔で受け入れている。勿論、庭を預かる蛸もだ。
今日必要なものを広い庭先に出していると、小さな影が二つ近づいてくる。彼らは必ず前を公子が、その後を亀の子の那亀がついてくる。公子の方が利発なようで、亀はそれについてくるのだ。
「蛸ー」
「公子、那亀、あまり走ると危ないぞ」
珊瑚礁の多い庭は案外足下が凸凹しているし、段差もある。特に公子は足下がズルズルと長い服を着ている為に危なく思えるのだが……。
「いた!」
「那亀! だいじょーぶ?」
「うぅ……」
転ぶのはなぜか、いつも那亀だったりする。
南海王に似た小さな子は表情豊かで少し泣き虫。中身は亀にそっくりで、そこが少し表情に困る。南海王の外見をした亀を見ている、というちぐはぐさがあるのだ。
蛸は腰に手を当てて溜息をつき、近づいて逞しい腕で那亀を抱き上げた。
「わぁ!」
「血は出ていないな?」
「うん」
「あー、ずるい! 蛸、私もー」
「はいはい」
空いている方の腕に公子を抱き上げると、彼はきゃっきゃと楽しげに笑う。このくらいの子供二人を肩に乗せるなど大した重みなどない。そのまま用意していた荷物の所までいくと、公子は不思議そうな顔をした。
「今日は何をするの?」
「今日は菜園に行き、昆布やわかめなどを植えます。その後で収穫もいたしますよ」
「植えるの? 私もやる!」
「僕も、やりたい」
「えぇ、お手伝いをお願いしますよ」
「任せて! ねー」
「ねー」
二人を地面に下ろすと物珍しそうに荷物を見ている。それがまた可愛らしくて、強面な蛸の表情も優しく緩んでいく。
そしてふと、自分の子供の小さな頃を思い出して、とても微笑ましく温かい気分になった。
必要な荷物を両手に持ち、小さな子達を連れて、蛸は菜園へと向かった。
美しい竜宮の庭だが、外れの一角には菜園を作っている。昆布やひじき、わかめなどをここで育て、必要な食材を確保している。
が、見た目にはいまいちである。
緑色の背の高い海草郡なのだが、それでも公子や那亀には物珍しいらしく、自分よりも大きな海藻を見上げて「おー」と声を上げている。
「こちらに昆布を植えていきますよ」
「はーい!」
用意した岩を適当に組み、そこに昆布の受精させた胞子を密になりすぎないように振りかけていく。その様子を公子と那亀は物珍しく見つめ、声を上げている。
「これが大きくなるの?」
「そうですよ」
「食べるんだよ、公子」
「食べるね」
子供達がうろうろしている間にここの作業はお終いになる。が、次は手入れだ。
「さて、公子様、那亀、二人に手伝ってもらいたい事があるのだが」
「手伝う!」
「やる!」
「では、昆布についているウニを取ってこちらの籠に」
「ウニ?」
首を傾げる二人を前に、蛸は辺りを見回して大きなトゲトゲの丸い物を差し出す。それを見た二人はそれだけでも大騒ぎだ。
「痛そうだよ、公子」
「大丈夫だよ、那亀。私が守ってあげるよ」
「ははっ、大げさですな。強く握ったり、踏んづけたりしなければ大丈夫ですよ。これは昆布を沢山食べてしまうので、ある程度間引いてしまわなければならないのです」
「食べちゃめ! 私が食べるの」
むっとした公子が唇を尖らせても愛らしいだけだ。思わず笑った蛸は、温かく懐かしく子供達を見る。説明を聞いて散っていく二人の合間を蛸も行く。二人が届かない所のウニを取っていく。これは今日の夕飯に烏賊に渡すのだ。
そうして一時間も作業をしていただろうか。誰かが近づいてくる足音がする。蛸が海藻の林を抜けるとそこには籠を持った烏賊がいて、蛸を見て動きを止めた。
「ここにいたのか、ハチ」
「トシ、収穫か?」
近づいてくる烏賊は、蛸とあまり背丈や体格が違わない。どちらも多少強面で、初対面の相手に怖がられてしまう。どちらも無闇に誰かを攻撃することなどないのに。
「わかめと昆布を少しもらいたい」
「あぁ、待っててくれ」
鎌を手にして林の中に戻る蛸が、素早く目的のものを収穫していく。身の厚い、美味しそうな物を優先して収穫する目利きは普段からここを管理する者だからこその事だ。
「これで足りるか?」
「あぁ、十分だ。いい品だな」
嬉しそうに烏賊が籠の中を覗く。その笑顔を見るのが嬉しくて、菜園の管理は毎日のようにしているのだ。
「あっ、烏賊さんだ!」
「烏賊!」
菜園でウニを駆除していた子供達も声に気づいたのか出てくる。そして、両手にウニを持って駆け寄っていく。足下にじゃれついて自分の持っているウニが大きいとか、色々言う子供達を相手に烏賊もふと表情を和らげている。
子供が、好きだったな。
そんな事を思い出し、蛸はほっこりとした気分でそのやり取りを見ていた。
その夜、夫婦に割り当てられた部屋で先に蛸が休んでいると、翌朝の仕込みを終えた烏賊が戻ってくる。そして徐に、蛸の隣にどっかりと腰を落ち着けた。
「お疲れ様、トシ」
「あぁ」
「? どうかしたのか?」
なんだかいつもと様子が違う。そんな気がして問いかけると、烏賊はジッと蛸を見てくる。何か言いたい事があるのか? 不満があるのか? とにかく言い出してもらわない事には分からない。見ていると、烏賊は真っ直ぐに見つめたまま口を開いた。
「ハチ、子供好きか」
「え? あぁ、勿論」
唐突な話に答えると、何故かそのまま押し倒される。体格的には同じくらいで、体力なども同じくらい。気を抜いていれば大柄な蛸だって簡単に倒れてしまう。
が、あまりに急でどういう意味か計りかねる。目を丸くして見ていると、烏賊はやたらとその気の顔をした。
「よし、仕込むぞ」
「いやいや、ちょっと待て! 仕込むもなにも薬を貰わねば受け入れる部分がない!」
「ちっ、面倒だな」
彼は舌打ちをすると蛸の上からどけてくれる。それにとりあえず安堵の息を吐きつつ、蛸は乱れた服を正した。
「どうした、トシ?」
「お前とやりたくなった」
「それは構わないが。だが、この年で子供というのは」
お世辞にも若いとは言えない。烏賊はまだギリギリだろうが、彼よりも年上の蛸は立派な中年だ。そんな自分が今更子を成して腹を膨らませ、子を産むというのはなんとも気恥ずかしいものがある。それでなくても顔が怖い自覚があるのだ。そんな、顔が怖くて背がでかくてがたいのいい大人が妊娠なんて……流石に少し遠慮したい。
だが、烏賊の意見は違うようだ。ぶすくれた子供のような顔で拗ねている。
「どうした?」
「べつに。ただ最近、竜宮も落ち着いてきた。毎日賑やかな子供の声もしているし、多少そういう気にもなるだろ」
「それは、まぁ……」
公子も那亀も可愛いし、懐いてくれている事は嬉しい。だが、それで十分な気もしている。
「もう一人くらい、いてもいいと思っただけだ」
「お前も子供が好きだからな、トシ」
「あぁ。だというのにウチのクソガキ、独り立ちしたら帰ってきやしねぇ」
これについてはもう、苦笑しかない。
蛸が子を産んだのはまだ若い頃だ。何百年も前。当然その子は成人し、今は北海王の所で武官をしている。どうやら仕事が楽しいらしく、頑張っていると人づてに聞いた。蛸としてはそれを聞けるだけでもいいのだが……確かにもう、数百年顔を見ていない。
少しだけ寂しくなってもきた。確かに子供は好きだし、育てる事も可能だろう。ここは他の種族でも皆が面倒を見てくれる。皆で育ててくれる。
踏み切れないのは……羞恥や世間体、そして己の年齢への不安だけだ。
「甲は今頃、どうしているだろうな」
「どうだか。手紙の一つくらい書けっての」
「便りが無いのは元気な証拠とも言うだろ?」
「あいつの場合、ある日突然帰ってきたかと思えば子供こさえてる可能性も捨てきれんぞ」
「……あり得るから止めてくれ」
自由奔放に育てすぎたか、あるいは性欲が有り余っているか、とにかく活発に動き、気に入った相手にはとにかく声を掛けまくる奴だった。それでも独り立ちする頃には落ち着いて、蛸に「俺も母さんみたいな相手を見つけたい」と、少し嬉しい事を言ってくれた。まぁ、「母さん」という呼び方は止めてもらいたかったが。
「ハチ、少し考えてみねぇか?」
「子供か?」
「あぁ」
「…………考えてはみる」
できるなら応えてやりたい。この竜宮ではもう何百年も子作りの時期が来ていない。というよりは、自粛状態になっていた。苦しんでいる竜王を差し置いて恋だ子供だなんて気分に皆がなれなかったのだ。
ようやく落ち着いた。優しく素直な浦島を妃に迎え、可愛い子供も産まれた竜王の心は昔のあの人に戻ったか、それ以上に穏やかだ。海にいい潮が巡り、魚も住み心地がよく、海は平和に治められている。
それに、周囲の魚も今年は子が多いようだ。
これにあやかってみても罰は当たらないだろう。烏賊も喜んでくれる。
ただ、やはり蛸は踏み切れずに答えを先延ばしにした。男としての小さな矜持が、蛸を現状に留めているのだった。
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