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【番外編】唐突に例の部屋にぶち込んでみた
シウス×ラウル編
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強力媚薬十本を飲まないと出られない部屋。
不可解な状況に置かれながらもラウルは僅かに期待していた。
これをシウスに飲ませたら、激しく求めてくれるかもしれない!
普段に不満があるわけではない。旦那が淡泊だというのは付き合いも長いので知っている。
だが! たまには激しく求められるのもいいと、ラウルは常々思っている。
それというのも周囲にそうした情熱的な夫婦が多い。ランバートしかり、ゼロスしかりだ。
そういうのを知っていると、ちょっと羨ましかったりする。
「ラウル、怪しげな薬に触れるでないよ。時が経てば開くやもしれぬ」
周囲を調べていたシウスはそういうが、ラウルはこの瞬間を利用する事を考えていた。
「ですが、そんなに長い間ここに留まるのは、他の方々が心配しませんか?」
「うん……確かに、一晩くらいならば問題ないが数日ともなれば流石にの」
「それなら、確実に出られるという方法を試してみませんか?」
ラウルは瓶を一つ手に取って言う。だがシウスは渋面を作り腕を組んでしまった。
「だが、危険ではないかえ?」
「大丈夫ですよ。この作者、色々と言いたい事はありますが一応僕達に愛情はありますから」
「そうかえ? とてもそうは見えぬがの。エロい事ばかりを考えておるではないか」
「それも否定できませんが……少なくとも、命の危険はないと思いますよ」
苦笑して説得するラウルに、シウスは困ったように笑う。そして隣に腰を下ろした。
「まぁ、乗せられてみるとしようか」
「はい。早く戻りましょう」
互いに一本ずつ持ち、栓を抜く。甘い香りがするそれを、互いに少しずつ飲んでいった。
数十分後――
急激に喉が渇いて切なく体が疼く。肌に服が擦れるだけでゾクゾクした感覚が全身を走り震える。
ラウルは四本目を飲んだ所で動けなくなっていた。
「無理はするでないよ」
「どうして、シウスは平気なんですか」
本当はこの人にこそ乱れてもらいたかった。なのに平然としている。何故!
シウスは苦笑していった。
「耐性があるのであろう。そう深くは効いておらぬな」
「耐性!」
なんでそんなもの。ラウルだって毒耐性をつけるために多少食べたり飲んだりはしている。だがばっちり効いている。
「エルは幼き頃より森の物を食らって生きる故、時に妙な物を口にして倒れる事もあった。そうした物が今、この毒を抑えておるのだろうよ」
「そんな……」
では全て無駄だったということか? 一人で期待して、馬鹿みたいじゃないか。
思ったら涙が込み上げる。切ない熱に焦がれて、自分を抱く手にすら反応して、小さくなってしまった。
「ラウル!」
「シウスに、沢山愛されたいです」
「!」
小さな涙声に潤んだ瞳で見つめたラウルに、シウスは一気に動揺した。顔は赤くなり、アワアワしている。
「ダメですか?」
「ダメなわけがなかろう!」
「沢山、ですよ?」
いつもは互いに一度くらい果ててしまったらそれまで。でももっと、と思う事もある。ぐちゃぐちゃに求められて、求めて翌日起き上がる事もままならない。なんて事に憧れを持ってしまうのだ。
見上げるラウルの目にシウスはしばし耐えていた。
だが次には残る媚薬を全て掴み、流しこんでラウルを抱き上げると、そのまま自室へと姿を変えた部屋をつっきりベッドへと上げ、上に陣取りネクタイを緩めた。
「其方の願い一つ叶えられぬ、情けない男ではいられぬよ」
「だって、シウスはいつも理性的で、沢山は求めないから」
「抑えておるだけよ。可愛い其方を前に私は我慢しておる。それでなくても暗府は激務じゃ。負担をかけ、何かあってはならぬ」
分かっている答えではあった。でも、いつも嬉しい。大切にされていることを感じるとそれはそれで幸せだ。
ふっと熱い息を吐き出したシウスは少し熱の見える目で微笑んだ。
「さて、今日は良いのかな?」
「はい」
ギュッと首にだきついたラウルを抱きしめて、シウスは小さく笑った。
「あのような薬よりも、其方の可愛いお誘いの方がよほど私の欲を暴き出す。いけない子じゃの、ラウル」
お膝に乗せられ、一枚ずつ服を脱がされ、彼の前に裸体を晒す事も何処か恥ずかしい。媚薬によって既に染まった肌は恥ずかしい部分が色づき主張している。その肌に、シウスはぴたりと触れた。
「んぅ」
「これすらも気持ち良いか?」
「いい、です」
もっと触れられたい。そんな欲望が渦を巻く。のろのろと手を伸ばし、ラウルはシウスの服を脱がせていく。快楽に痺れる体でたどたどしくボタンを外すラウルの首に、シウスはそっと唇を寄せて強く吸った。
「んぅぅ」
普段はこんなことはしない。シウスは気遣って跡を残すなんて事はしないのだ。それが今日はしてくれる。自分のものだと主張するような行為に嬉しさが込み上げてくる。
「それ、嬉しいです」
「あぁ、私も欲が満たされる。着替えなどを考えるとそう簡単にはしてやれぬが、今日は止まらぬ。あの薬の効果は多少なりともあるようじゃの」
「嬉しい、ですっ」
触れてくる手が熱い。背に回った手があやすように優しく撫で、唇は肌を滑って胸元へ到達する。そこにある小ぶりな乳首は媚薬と衣擦れですっかり立ち上がってしまっている。
恥ずかしいと思う反面、触れて欲しくて仕方が無い。柔らかな唇が、熱い舌がそこに触れてくれたらどんなに気持ちいいのだろう。思うだけで息が漏れる。
「ううん、ふっ……っ」
シウスの気配を強く感じる。ようやく脱がせた上半身から衣服を落とすと惜しげもなく晒される白い肌。適度に引き締まって、綺麗な体。そこに顔を埋め、同じように肌を吸った。赤く咲く跡がくっきりとついて、それが妙にエッチに見えた。
「そこだけで良いのか?」
嬉しそうに笑われ、シウスは更に跡を付けていく。胸に、二の腕の内側に。それがあまりに切なくてラウルは声を上げた。
背がしなり、腰が揺れる。既に濡れそぼる昂ぶりから、とろりと透明な蜜が溢れてくる。
トンと後ろに押し倒されたラウルが見上げたのは、冬の湖のように冴え冴えとした水色の瞳が鋭く欲に光る姿だった。
あぁ、貪られてみたい。この人に、この目で見られて。体の隅々まで……。
太股を持ち上げたシウスが内側の柔らかな部分にも唇を寄せ、花を咲かせる。そこをうっとりと見つめ、愛しげに舐められて、ラウルは震えた声を上げた。
「癖になりそうじゃ、ラウル。愛しい子、私だけの跡を残して、私だけが愛でる淫らな其方を深く欲しておる。今にしてあの薬が効いてきたのやもしれぬ」
そんなこと……。
「もっと、欲しがって欲しいです。シウス」
手を広げ求めたラウルの腕の中に、シウスは幸せそうにおさまった。
不可解な状況に置かれながらもラウルは僅かに期待していた。
これをシウスに飲ませたら、激しく求めてくれるかもしれない!
普段に不満があるわけではない。旦那が淡泊だというのは付き合いも長いので知っている。
だが! たまには激しく求められるのもいいと、ラウルは常々思っている。
それというのも周囲にそうした情熱的な夫婦が多い。ランバートしかり、ゼロスしかりだ。
そういうのを知っていると、ちょっと羨ましかったりする。
「ラウル、怪しげな薬に触れるでないよ。時が経てば開くやもしれぬ」
周囲を調べていたシウスはそういうが、ラウルはこの瞬間を利用する事を考えていた。
「ですが、そんなに長い間ここに留まるのは、他の方々が心配しませんか?」
「うん……確かに、一晩くらいならば問題ないが数日ともなれば流石にの」
「それなら、確実に出られるという方法を試してみませんか?」
ラウルは瓶を一つ手に取って言う。だがシウスは渋面を作り腕を組んでしまった。
「だが、危険ではないかえ?」
「大丈夫ですよ。この作者、色々と言いたい事はありますが一応僕達に愛情はありますから」
「そうかえ? とてもそうは見えぬがの。エロい事ばかりを考えておるではないか」
「それも否定できませんが……少なくとも、命の危険はないと思いますよ」
苦笑して説得するラウルに、シウスは困ったように笑う。そして隣に腰を下ろした。
「まぁ、乗せられてみるとしようか」
「はい。早く戻りましょう」
互いに一本ずつ持ち、栓を抜く。甘い香りがするそれを、互いに少しずつ飲んでいった。
数十分後――
急激に喉が渇いて切なく体が疼く。肌に服が擦れるだけでゾクゾクした感覚が全身を走り震える。
ラウルは四本目を飲んだ所で動けなくなっていた。
「無理はするでないよ」
「どうして、シウスは平気なんですか」
本当はこの人にこそ乱れてもらいたかった。なのに平然としている。何故!
シウスは苦笑していった。
「耐性があるのであろう。そう深くは効いておらぬな」
「耐性!」
なんでそんなもの。ラウルだって毒耐性をつけるために多少食べたり飲んだりはしている。だがばっちり効いている。
「エルは幼き頃より森の物を食らって生きる故、時に妙な物を口にして倒れる事もあった。そうした物が今、この毒を抑えておるのだろうよ」
「そんな……」
では全て無駄だったということか? 一人で期待して、馬鹿みたいじゃないか。
思ったら涙が込み上げる。切ない熱に焦がれて、自分を抱く手にすら反応して、小さくなってしまった。
「ラウル!」
「シウスに、沢山愛されたいです」
「!」
小さな涙声に潤んだ瞳で見つめたラウルに、シウスは一気に動揺した。顔は赤くなり、アワアワしている。
「ダメですか?」
「ダメなわけがなかろう!」
「沢山、ですよ?」
いつもは互いに一度くらい果ててしまったらそれまで。でももっと、と思う事もある。ぐちゃぐちゃに求められて、求めて翌日起き上がる事もままならない。なんて事に憧れを持ってしまうのだ。
見上げるラウルの目にシウスはしばし耐えていた。
だが次には残る媚薬を全て掴み、流しこんでラウルを抱き上げると、そのまま自室へと姿を変えた部屋をつっきりベッドへと上げ、上に陣取りネクタイを緩めた。
「其方の願い一つ叶えられぬ、情けない男ではいられぬよ」
「だって、シウスはいつも理性的で、沢山は求めないから」
「抑えておるだけよ。可愛い其方を前に私は我慢しておる。それでなくても暗府は激務じゃ。負担をかけ、何かあってはならぬ」
分かっている答えではあった。でも、いつも嬉しい。大切にされていることを感じるとそれはそれで幸せだ。
ふっと熱い息を吐き出したシウスは少し熱の見える目で微笑んだ。
「さて、今日は良いのかな?」
「はい」
ギュッと首にだきついたラウルを抱きしめて、シウスは小さく笑った。
「あのような薬よりも、其方の可愛いお誘いの方がよほど私の欲を暴き出す。いけない子じゃの、ラウル」
お膝に乗せられ、一枚ずつ服を脱がされ、彼の前に裸体を晒す事も何処か恥ずかしい。媚薬によって既に染まった肌は恥ずかしい部分が色づき主張している。その肌に、シウスはぴたりと触れた。
「んぅ」
「これすらも気持ち良いか?」
「いい、です」
もっと触れられたい。そんな欲望が渦を巻く。のろのろと手を伸ばし、ラウルはシウスの服を脱がせていく。快楽に痺れる体でたどたどしくボタンを外すラウルの首に、シウスはそっと唇を寄せて強く吸った。
「んぅぅ」
普段はこんなことはしない。シウスは気遣って跡を残すなんて事はしないのだ。それが今日はしてくれる。自分のものだと主張するような行為に嬉しさが込み上げてくる。
「それ、嬉しいです」
「あぁ、私も欲が満たされる。着替えなどを考えるとそう簡単にはしてやれぬが、今日は止まらぬ。あの薬の効果は多少なりともあるようじゃの」
「嬉しい、ですっ」
触れてくる手が熱い。背に回った手があやすように優しく撫で、唇は肌を滑って胸元へ到達する。そこにある小ぶりな乳首は媚薬と衣擦れですっかり立ち上がってしまっている。
恥ずかしいと思う反面、触れて欲しくて仕方が無い。柔らかな唇が、熱い舌がそこに触れてくれたらどんなに気持ちいいのだろう。思うだけで息が漏れる。
「ううん、ふっ……っ」
シウスの気配を強く感じる。ようやく脱がせた上半身から衣服を落とすと惜しげもなく晒される白い肌。適度に引き締まって、綺麗な体。そこに顔を埋め、同じように肌を吸った。赤く咲く跡がくっきりとついて、それが妙にエッチに見えた。
「そこだけで良いのか?」
嬉しそうに笑われ、シウスは更に跡を付けていく。胸に、二の腕の内側に。それがあまりに切なくてラウルは声を上げた。
背がしなり、腰が揺れる。既に濡れそぼる昂ぶりから、とろりと透明な蜜が溢れてくる。
トンと後ろに押し倒されたラウルが見上げたのは、冬の湖のように冴え冴えとした水色の瞳が鋭く欲に光る姿だった。
あぁ、貪られてみたい。この人に、この目で見られて。体の隅々まで……。
太股を持ち上げたシウスが内側の柔らかな部分にも唇を寄せ、花を咲かせる。そこをうっとりと見つめ、愛しげに舐められて、ラウルは震えた声を上げた。
「癖になりそうじゃ、ラウル。愛しい子、私だけの跡を残して、私だけが愛でる淫らな其方を深く欲しておる。今にしてあの薬が効いてきたのやもしれぬ」
そんなこと……。
「もっと、欲しがって欲しいです。シウス」
手を広げ求めたラウルの腕の中に、シウスは幸せそうにおさまった。
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