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19章:建国祭ラブステップ
15話:一年が過ぎまして(アルフォンス×ベリアンス)
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女装姿のまま宿舎の中を歩くのは気恥ずかしく、夜気が生足に冷たく感じる。女性というのはこんなにも心許ないのだろうか。股の辺りがスースーする。
「寒くないか?」
「あぁ、いや……」
「……そのスカートは短すぎるな」
ほんの少し赤い顔でアルフォンスが視線を外す。その直前、確かに彼はベリアンスの足を見た。
……生足、好きなんだろうか?
男の、しかもそこそこ筋肉質な足だと思う。筋肉の形が浮き出したりはしていないが、女性的というには丸みも柔らかさも足りないと思うのだが。
「とりあえず、部屋に行こう」
「あぁ」
それとなく手が背中へと伸びてきて、促される。たったこれだけで心臓が少し五月蠅いのは、宿舎の、しかも人目につく場所で恋人らしいふれ合いをされているからだろうか。
料理府長室へと入り、アルフォンスは暖炉に火を入れる。そしてベリアンスを座らせると、その膝にブランケットをかけてくれた。
「有難う」
「いや……」
素直に礼を言うと、アルフォンスはほんの少し赤くなって目を逸らす。首を傾げるベリアンスに、彼は決まり悪そうに困った顔をした。
「俺が、見るに忍びないんだ。その……刺激が強いというか」
「刺激が、強い?」
生足が?
言ってはなんだが、お互い体の関係を含めた恋人関係を一年続けてきた。当然、互いに求める事もある。生足どころか全裸で抱き合うのだから、今更この程度の露出で刺激が強いというのは、何故なのだろうか?
「俺の裸は、見慣れていると思うが」
「それはそうなんだがな」
「? 俺は全裸の方が恥ずかしいと感じるのだが……違うのか?」
「確かに君はいつも恥ずかしそうだな」
苦笑したアルフォンスが近づいて、触れるだけのキスをする。心地よい、甘やかすようなキスは気恥ずかしくもあるが嬉しくもある。最初は戸惑ってしまったが、今はこれに従えるようになってきた。
「なんというか、見えそうで見えないというか……出ているのに隠れているというか。これがチラリズムかと思い知らされた気分なんだよ」
「チラ……リズム?」
また難しい言葉が出てきた。自分の足下を見てみるが、確かに見えそうな短さだ。少しドキドキする。別に男に見られたからといって何でもないのだろうが、妙に隠さなければいけない気もする。
スカートとは、そういうものなのだろうか。
「……アルフォンスは、そのチラリズムが好きなのか?」
「言わないでくれ。俺も今日まで自分がこんな事に興奮するとは知らなかったんだ」
素直に認めた彼は白旗を振る。そしてベリアンスはいまいち理解はしていないが、恋人がこんな姿で興奮してくれるなら悪くないと思い、笑った。
「今日はこのまましよう」
「だが、汚してはいけないだろ?」
「破損しなければいいそうだ。後、ワインのシミも厳禁だと。後日回収して、こうした衣装を専門に扱うクリーニング屋に持って行くと言っていた。恋人なら、いつもとは違う姿に刺激されて汚す事もあるだろうと」
「オリヴァーも下世話か」
アルフォンスは眉根を寄せたが、ベリアンスは笑っていられる。こんな姿をして、正直嫌がられるのではないかと心配したが、どうやら杞憂であったようだ。
「オペラは、期間中ならいつでもいいそうだ」
「凄いプレゼントだな。チケットはちゃんと確認したかい?」
「そういえば、していない」
アルフォンスに促され、ベリアンスは封筒の中を改める。そして、出資者招待券の詳細を読んで二人でアワアワした。
特別ボックス席、ワインがついている。お好きな公演日に利用が可能で、見る前か後に劇場内のレストランで食事までついている。
「ボックス席って……バカ高いだろ」
「ワインに、食事までついている……」
「投資家アレックスの力を見誤っていた」
後方の観客席だって一人一フェリスくらいする。これがボックス席ともなれば、五フェリスは下らないだろう。
とても、「ちょっと貰い物で」という気軽さではない気がする。
「どうしよう、アルフォンス。こんな高い物とは思っていなかった」
今からでも返すべきだろうか。オロオロするベリアンスに、アルフォンスは苦笑して肩に触れた。
「有り難く貰っておこう。あいつも今更返しても受け取らないだろう。何よりこれは、ベリアンスが戦って勝ち取った物だ。貰う権利がある」
「そう、なのか?」
確かにかなりの勇気を振り絞り、恥を承知で参加した。その後も秘密がバレたと心配し、オロオロしたが。
「明日か、明後日の夜に行かないか?」
「明日か、明後日? そんなに休みを貰えるのか?」
「スコルピオが朝を、ジェイクが昼を担当してくれるそうだ。二人とも今年は予定がないと言っていてな。そのかわり、連休最終日は朝と昼の両方を俺が持つ事になった」
「では、本当に二連休なんだな」
料理府は三班体制で回している。だから休みも少なく、とても不規則なのだ。そんなアルフォンスが二連休も取れる。奇跡みたいだ。
「付き合い始めたのはもう少し前だが、ちゃんと恋人として関係を持って一年だからな。今日はどうしても君と過ごしたくて頼み込んだ。二人とも恋人のいる身だから、分かってくれたよ」
優しく微笑むアルフォンスを見ていると胸の奥が熱くなる。この変化が”愛しい”という事なんだと、この一年で学んだ。熱くて、苦しくて、少し泣きそうになるこの感情の根元にあるのが、愛しているということなんだ。
「改めて一年だ。ベリアンス、幸せな時間を有難う」
甘く蕩けるように優しい笑みで言うアルフォンスに、ベリアンスは首を横に振った。愛しているが深くて、苦しい。なぜか目頭がジンと熱くなってしまう。
「ベリアンス」
「俺の方こそ、お礼が言いたい。こんな俺が、こんなにも幸せな気持ちを得られたのはアルフォンスのおかげだ。お前がいなかったら俺は…………俺は、今も俯いていた。何も進まず、ずっと己を責め続け、妹や、奪ってしまった命や、犯した罪の大きさに押しつぶされていた」
そのつもりで、この国にきた。
味方などない場所でハンデを負ったまま呵責されつづける事が、取り返しのつかない罪を犯した自分には相応しいのだと思ってきた。
だが実際は、色んな人が優しかった。何よりもアルフォンスが側にいてくれた。許されていいのだと、繰り返し何度も言われる。諦めた剣の道は、今少しずつ開けてきた。知らなかった愛情を知り、進み出したいと思い始めている。
大きな手が頬を拭って、優しく触れるキスが唇に落ちる。甘く優しく、どこか切なく、アルフォンスはこちらを見つめる。確かめるように頬を撫でる手が心地よい。
「君の背負うものの僅かでも、俺が負いたいと思っている」
「え?」
「過去はどうする事もできないが、未来ならどうにかできる。二人なら、頑張れると思わないかい?」
それは、ずっとだろうか。そうであればいい。そうなって欲しい。
ベリアンスの目からまた新しい涙が落ちたが、心からの笑みで頷く事ができた。
伸びた腕の中で、寄り添う心地よさと暖かさに瞳を閉じる。今でも、心の奥底で罪の意識は常にベリアンスを責める。「罪人が幸せになっていいのか」「妹を死なせたくせに、自分は幸せになろうとしている」と。安息の地を得る事すらも罪であるような気さえする。
だが、この腕ばかりは離せそうにない。他のどんなものを手放しても構わないが、この腕だけは誰にも渡せない。アルフォンスだけは、譲ることができない。
「愛している、ベリアンス。これからもずっと、君の側に置いてくれないか?」
「俺の方こそ、側にいてほしい。可能なかぎりずっと」
他の全てはいらないから、どうか命ある限り彼の側に。その願いを、ベリアンスは僅かだが口にした。
触れるキスは、僅かに舌が触れあう。促されるように唇を舐められ、反射的に開いた部分からそっと確かめるようにされる。もどかしいような、くすぐったい始まりの時間。これは、アルフォンスからのお伺いだ。
そこにベリアンスも遠慮がちだが自ら舌を絡めていく。徐々に深くなるキスが名残惜しく終わる頃にはほんのりと、体は熱を持ち始めている。
「構わないだろうか」
「勿論、そのつもりできているが。その前にコルセットを外してもらえないだろうか」
背中の紐はベリアンスでは少し難しい。ジャケットを脱ぎ、ワイシャツも脱ぐと体を締め付けるコルセットが現れる。
アルフォンスが後ろに回り、紐を解いて徐々に緩めてくれると途端に体が楽になり、言い知れぬ開放感が気持ち良く感じた。
「女性というのは、大変なんだな。こんなにも窮屈な思いを毎日しなければならないのか」
「そのようだが、骨格の違いもある。男の体は硬く、骨も硬い。女性よりも強く締め付けを感じるのだろう」
妹セリシアも年頃になってこのような物をつけていたが、それでもこんなに窮屈そうにはしていなかった。何か、違うのだろうか?
何にしても二度と付ける事はないだろう。ベリアンスは脱いだワイシャツを前を開けたまま着直し、ブーツの紐を解いて脱ぐ。靴下も脱ぎ、ガーターベルトも外した。
だが、ワイシャツとスカートは脱がなかった。これに、アルフォンスは驚いたようだった。
「脱がないのか?」
問われ、頷く。静かに寄り添ったベリアンスはそのままそっとキスをした。
「チラリズム、なんだろ? こんな機会はそうないから、このままでいいと思った」
アルフォンスが興奮したり、喜んでくれるならこの格好にも意味がある。多少恥ずかしいが、その羞恥心に興奮を覚えている自分もいると思う。
アルフォンスは恥ずかしそうにしながらもしっかり反応はしていた。嫌いではないのなら、よいことだと思う。
「あまり煽られると抑えがきかなくなってしまう。君にあまり無体な事はしたくないのだが」
「? 気持ち良すぎて分からなくなる事もあるし、翌日足や腰が辛い事もあるが、無体まではいかないだろ。それよりも、二人で気持ち良くなる瞬間が俺は好きなのだが……アルフォンスは違うのか?」
「……君は本当に無自覚に俺を煽るね」
「?」
「このままで、させてくれないか? なんだかいけない事をしている気分だが、それに興奮するのも確かだ」
困った顔で笑ったアルフォンスが手を取ってその甲に口づけをする。丁寧なその扱いに照れたベリアンスは、それでも嬉しくて頷いた。
丁寧にベッドに寝かされ、改めてキスから始まる夜はとても穏やかだ。肌の上を滑る唇が心地よく、時折吸われるとヒクッと反射的に反応する。くすぐったくて、心臓を五月蠅くさせる感覚は落ち着かないのに心地よい。そんな矛盾を、徐々に受け入れている。
「大丈夫かい?」
「え?」
「いつもより反応しているから」
「……いつもより、ドキドキするが」
興奮しているということだろう。そういえば、着衣のままこのような事をした覚えがない。
アルフォンスの手が胸の上にそっと置かれ、そこに耳を当てられる。妙に恥ずかしくて、更に鼓動が早くなった気がする。
「本当に、いつもよりも鼓動が早いね。興奮している?」
「多分」
「非日常に煽られたのは、俺だけじゃないんだね」
楽しそうに笑われて頷いた。体の中からジンと熱くなる感じがする。
胸元を大きな手が撫でて、揉まれる。平らな部分が徐々に反応して、中心が硬く尖りだした。そこを押しつぶされ、摘ままれて、ベリアンスは息を乱してシーツを握った。
「気持ちいいなら、声を聞かせてくれないか?」
「あっ、すまない」
頭の中が痺れてしまえば気にもならない。というか、気にする余裕がなくなるのだが、それまでは声を殺してしまう癖がある。アルフォンスに言われて、声でも興奮するのだと言われて出すように意識はしているのだが、指摘されないと忘れがちだ。
手が頬に伸びて、唇に触れる。困った子を見るような柔らかな苦笑に、申し訳なさと安堵が混じる。
「声を殺すと苦しいだろ?」
「そう、かもしれない。どうも、癖になっている」
「この部屋は他の隊員の部屋から離れていて、独立している。誰にも聞こえない」
「分かってはいるんだが……」
実は夜間、時折押し殺した喘ぎ声が聞こえる事がある。一般隊員の部屋は壁がそれほど厚くはなく、密集しているために聞こえるのだろう。皆お互い様という部分もあるから多少ならば聞かないフリをするらしいのだ。
当初、もの凄く戸惑った事の一つだ。
「んぅ!」
唇の端にアルフォンスの指を咥えたまま、硬くなりだした乳首を捏ねられる。ジンと痺れた感覚に思わず声が出て、ベリアンスはカッと恥ずかしさに熱くなった。
「大丈夫だから、声を聞かせてくれ。君の声、俺は好きなんだ」
「……善処、する」
人間、分かっていても上手に出来ない事がある。だから、出来るとは言えないのが申し訳ない。
「はぁ……あっ、んぅ……ふぅ」
ぴちゃりと舌が硬い部分を刺激し、わざとだろう水音が聞こえる。遠慮がちだが、ベリアンスは少しずつ声を出した。少しずつ痺れて、腰の辺りもジワジワ響いてくる。前だけを開けたワイシャツの胸元に吸い付き、手でも弄るアルフォンスを見ると興奮する。
いつも以上に、セックスをしているという気持ちが強いのかもしれない。秘め事という言葉がしっくりくるような、決して外に漏らしてはいけない事のような。
そしてこの変化は間違いなく、この服も一役買っていると思う。スカートの前が僅かに盛り上がっているのがチラチラと見える。見られてはいけない気分がするのだ。
なのに、アルフォンスの手が生足に触れ、少しずつ上へと登ってくる。一つずつ確かめるような触り方はゾクゾクするし、暴かれる羞恥心や、死守しなければいけないような気持ちに追い上げられる。手が、湿り気を帯びた足の付け根に触れて、確かめてくる。スカートはめくらないまま、手の感触だけで探られている。
「はぁ……はぁ……っ!」
「いつも以上に感じているのは、俺の気のせいかい?」
「わから、ない……。だが、見られちゃいけない気が、して……」
「すっかり濡れて、蒸れてしまいそうだ。それに」
「っ!!」
不意に指がぐっと、後孔を押し込む。初めての時は硬く狭かったそこは、この一年でしっかりとアルフォンスを受け入れる事を覚えたように柔らかい。
日を置くこともあるが、柔らかく保ちたいなら時々でいいので後ろで自慰をしたらいいとランバートが教えてくれたのでそうしている。癖になってはいけないと思いながら、これは次が辛くないようにと言い聞かせてしっかり快楽を貪ってしまう。
そういう日々の鍛錬もあり、指の一本は簡単に飲めるようになった。
「欲しそうだね、ベリアンス。こんなに柔らかいというのが多少解せないのだが?」
「準備、してあるっ!」
「しなくていいよ、まったく。これも俺の楽しみなんだと言えば、やらせてくれるのかな?」
「! 分かった」
面倒だから、手間のないようにと思っていたのだが。
だが何故か、今とても嬉しい気持ちでもあるのだ。
後ろを指が解す、その感触に最初は慣れなかった。だが徐々に指の動きを追えるようになると、今度は気持ち良くて腰が浮くようになった。一番最初は何やら細工があったようで、そのせいで気持ち良かったらしいのだが、二度目以降は違和感と時折感じる痛みがあったというのに。
「あっ、玉はやめてくれっ! うっ」
ふにふにと玉を転がされるとぞくぞくする。体温も上がっている感じがして、たまらない。頭の中がふやける感覚は、今でも少し怖いのだ。
「感じているんだがな。後ろも締まるし」
「あっ、やだっ」
拒めば名残惜しそうでもやめてくれる。だから安心して身を預けられる。離れた手に安心していると、その手が今度は昂ぶりに伸びてゆっくりと上下に扱き始めた。
「んぅ! あっ、はぁ……」
スカートの下で手が悪戯をしている。その様子を見ると、妙に恥ずかしい。先走りでスカートの内側がぬるっとしている。シミが出来てしまいそうだが、めくってしまうのも恥ずかしい。逆に手を伸ばしてスカートの裾を掴み、見えないように下にひっぱった。
「恥ずかしいのかな?」
「おかしいと、思うのだがっ! 見られてはいけない気がして」
布一枚でこんなに翻弄されている。けれど、抗う事もできない。顔が熱くてたまらない。
アルフォンスが苦笑して、スカートをめくり上げる。その下でしっかりと育っている部分がスカートからはみ出して堂々といきり立っているのは、なんとも異質で異様な光景だ。
「俺も興奮しているから、おかしくはない」
「……スカート、好きなのか?」
この姿に興奮しているなら、そういうことなのだろうか?
思って問うと、アルフォンスはやや考えて、困ってしまった。
「好きかは分からないが、君だからだよ」
「え?」
「君の事が好きだから、君の恥ずかしそうな様子に煽られている。スカートは日常から少し逸脱した、スパイスみたいなものだろうな。たまにならよいものだと思う」
「……俺も、アルフォンスが好きだ」
結局そこにいきつく。分かったら、見られる事に少し耐えられるようになってきた。
めくり上げられ露出した昂ぶりを、アルフォンスの大きな口が咥えこむ。それだけで腰が重く、思わず出てしまいそうだった。
それをアルフォンスも感じたのだろう、奥まで咥えて筋の辺りやカリを舌でくすぐっていく。頭の中が浮かされて、理性が揺らいでしまう。これをされると、ベリアンスは陥落してしまうのだ。
料理人の彼は次の日が仕事だと、フェラはしてくれない。舌も臭いも翌日は少し違和感があるからだ。その辺、ストイックなのだ。
そんな彼がたまにしてくれるフェラは、ベリアンスをもの凄く気持ち良くさせる。
「もっ、出そうだから! 口!」
離して。そう訴えたし、言葉が足りなくても察していると思う。なのにアルフォンスは離してくれなくて、逆にしっかりと奥まで入れられ吸い上げられた。同時に玉の方まで揉み込まれたら、刺激に弱いベリアンスでは抵抗のしようもない。
口の奥の方で出てしまった白濁を、アルフォンスは躊躇いもなく飲み干していく。料理人の彼にこんなものを飲ませてしまったと申し訳なく、ベリアンスは慌てて抜くと水差しの水を彼に渡した。
「飲んだらダメだろ!」
「したかったんだよ。明日も明後日も休みだしね」
「美味しくないし、舌がバカになったらどうするんだ」
「心配しすぎだ。まぁ、美味しくないのは確かだが、そうしたいといつも思うんだ」
いつも?
妙に恥ずかしくなって、ベリアンスは顔を隠す。その手を取られ顔から引きがされ、キスをされる。水を飲んでひんやりとした唇と舌が、熱い口内に心地よく感じた。
「アルフォンス」
「どうした?」
「今日は俺も、したいんだが……」
「ん?」
「……口で、したい。ダメだろうか?」
途端、アルフォンスはとても驚いた顔をした。それもそうだ、今まで経験がない。したい気持ちはあったのだが、流されて気持ち良くてタイミングを逃がし続けた。
だが、今日だけは頑張って伝えようと心に決めてきた。されて気持ち良いんだ、返したい。
「無理をしなくていいんだぞ?」
「無理なんてしていない。ずっと、思っていた。流されて、タイミングを逃し続けていたが。その、嫌か?」
「まさか! 好きな人にしたいと言われて拒む理由はない。が……大丈夫か?」
「……多分」
一応これも、予習をしてきた。
この騎士団には、団長の恋人(嫁)達が集まるお茶会がエリオットの診察室でたまにある。エリオットに誘われて参加しているが、最近はベリアンスの恋愛相談が多い。何せ未経験とは恐ろしい。それ故に知識を求めてしまうのだ。
フェラについても相談した。歯を立てたら痛いとか、舌も使うといいとか、口の全部を使うとか言われたが、いまいちピンとこない。
そこでラウルが「未使用です」と言って、張り型を貸してくれた。ちょっとリアルで引いた。だが、これを使って自分で予習をしてみたのだ。難しかった。
「させて、欲しい」
真摯に伝えると、アルフォンスは顔を赤くして頭を一つ撫で、頷いてくれた。
ズボンや下着をベリアンスが下ろして、その間にアルフォンスは上を脱いでしまう。逞しい体をしていると思う。聞けば「年齢的にも弛むのは避けたい」ということで、筋力トレーニングをしているらしい。ジェイクもそうだとか。
そのせいか、胸板も厚く引き締まっているし、腕は相変わらず硬い。思わず見惚れてしまうくらいだ。
ベッドに座った彼の股ぐらに顔を近づけ、雄々しい部分にまずは手で触れる。手の中で熱く、ドクドクと脈打つそれはやはり張り型とは違って肉感的だ。
それに、けっこう大きい。口に入るだろうか……。
まずは舐めてみる。筋の辺りを舐められると気持ちいいというのを思い出しながらしてみると、アルフォンスのそこもピクッと反応する。これが案外嬉しい。自分がすることに感じてくれている。それがベリアンスを夢中にさせる。
思い切って先端を口腔に含み、上下に扱くように動いてみる。口の中に広がる青臭さは、確かに慣れない。けれど嫌ではない。むしろ……ドキドキする?
「ベリアンス、そろそろ離せ」
「んぅ?」
「これ以上されると困る」
出してしまってもいいのだが。
だが、困った顔をされてしまうと弱い。口を離すと、アルフォンスは苦笑して手を伸ばし、頬を撫でていく。
「練習したな?」
「浮気はしていない。張り型を貸してくれた人がいる」
「それは返しなさい。君も熱心で困るな」
「困るのか?」
「俺が君に教えていきたいんだよ。それとも、俺色に染まるのは嫌かい?」
「返す」
つまり今後は、アルフォンス自身を使って練習と本番ができるのだろう。それならそれがいいに決まっている。
快諾するベリアンスに、アルフォンスは困ったように微笑んだ。
「アルフォンス、もう一つしたいことがある」
「今度はなんだい?」
「俺が上に乗りたい」
「まさか、これも予習したりは……」
「流石にそれはできなかった。だが、したいと思っていた。ダメだろうか」
騎乗位、というらしい。
アルフォンスはもの凄く困った顔をした。だが、大人しくベッドに仰向けに寝転がってくれる。体重をかけないように移動して、彼の体を跨いだ。そして彼の昂ぶりを支え、その上に自らの後孔をあてがった。
ドキドキする。おそらく痛みなんてほとんどないだろう。先ほどアルフォンスがしっかりと解してくれたから。
念のために香油を塗り込み、更にアルフォンスにも塗り込み、腰を落としていく。くちりと後孔が開かれ、熱いものが入り込んでくる。痛みはあまりなく、焼けるような熱さと質量が身を穿つだけでぞくぞくしてくる。
「無理するなよ」
「んっ、ふ……あっ、ぁ……っ」
突っ張っている腕から力が抜けてしまいそうだ。少しずつ腰を落としているが、それは快楽が長引くことでもあって、膝も全部震えそうだ。
アルフォンスの手が太ももに触れ、内側にも触れる。それすらも気持ち良くて恥骨の辺りがむずむずしてくる。
「あっ、触る、のは……!」
一瞬の気の緩みというか、不意を突かれたというか。力が抜けて肘がカクンと落ち、支えを失った体が一気に落下する。ズズズッと肉襞を擦りつけた熱い楔が最奥をどちゅっと突き上げ、更に自重まで加わって挿入が深くなった。
「――――っっ!!」
一瞬で頭の中が真っ白になり、腰から全部痺れ、声にならない嬌声が反射的に上がった。射精を伴わない絶頂は一瞬でベリアンスの理性を焼き切ってしまう。中が、アルフォンスをきつくきつく締め上げた。
「っ! ベリアンス大丈夫か!」
慌てたアルフォンスが腰を支えるように手を添えるが、それすらも感じる。少し腰を浮かそうとしてくれるのに、内壁を擦られて一緒に気持ちいい部分も擦ってゾクゾクが止まらない。
「あっ、あっ、イク……イッ!」
「あっ、こら!」
「ひぐっ、ふ、ぁあぁああ!」
腰に力が入らなくて落ちたら、また最奥をゴリゴリと突き上げられてまた達した。ずっと肉襞が違う生き物のように蠢いて吸い上げている感じがして、それがベリアンスも気持ち良くてダメになる。
涙が伝って、気持ちよさに串刺しにされてチカチカする。すると言ったのに、動けない。
「っ! ベリアンス、少し落ち着け」
「あっ、もっ、イッ……るのに……また、イッ……ちゃうぅ」
「!」
動いてないのに、ほんの少し抉れたり擦れたりするだけでおかしくなりそうだ。腰骨が痺れて溶けてしまいそう。背骨に雷が走っている。足が震えて立たない。弓なりに震えたまま、倒れないようにするのがやっとだ。
アルフォンスは辛そうな顔をする。こんなに締め付けては痛いだろう。申し訳なくて、なんだか泣きたくなる。
「ごめ、こんな、俺!」
「泣くな、平気だから。だが……辛かったらすまない」
「へ? あぅ! あぁあ!」
グッと手を握られ、固定されて下から突き上げられた瞬間、また真っ白になった。ビリビリして、頭の中まで痺れて、何も考えられなくなってしまう。ただ、気持ちよくて愛しいのだ。
「あっ! あっ、気持ちぃ、アルフォンス」
「あぁ、俺もだ」
「うぅ、アル……アルぅ!」
甘え声で泣きながら受け止めていると、中でアルフォンスが一気に質量を増した。その先が深く最奥を抉った瞬間、ベリアンスの昂ぶりから熱い白濁が吐き出され、二人の腹を汚した。
一緒に、深い部分でアルフォンスの熱を受け止めている。何度も叩きつけるように行き止まりのその先にまで熱を送り込もうという勢いに、愛しさと悦びがこみ上げてくる。
「ふぅ…………大丈夫か、ベリアンス」
そっと聞いて、顔に張り付く髪を大きな手で払って、アルフォンスは体勢を変えてベリアンスを寝かせ、そっと抜き去る。それにすら感じて、ベリアンスは小さく喘ぎながら寂しさを感じた。
「どこか痛い所はないか?」
「……アルフォンス」
「ん?」
「俺はお前になら、孕まされてもいいと思った」
「思わなくていい!」
真っ赤になったアルフォンスが恥ずかしそうに叫ぶのに、ベリアンスは小さく幸せそうに笑った。
「寒くないか?」
「あぁ、いや……」
「……そのスカートは短すぎるな」
ほんの少し赤い顔でアルフォンスが視線を外す。その直前、確かに彼はベリアンスの足を見た。
……生足、好きなんだろうか?
男の、しかもそこそこ筋肉質な足だと思う。筋肉の形が浮き出したりはしていないが、女性的というには丸みも柔らかさも足りないと思うのだが。
「とりあえず、部屋に行こう」
「あぁ」
それとなく手が背中へと伸びてきて、促される。たったこれだけで心臓が少し五月蠅いのは、宿舎の、しかも人目につく場所で恋人らしいふれ合いをされているからだろうか。
料理府長室へと入り、アルフォンスは暖炉に火を入れる。そしてベリアンスを座らせると、その膝にブランケットをかけてくれた。
「有難う」
「いや……」
素直に礼を言うと、アルフォンスはほんの少し赤くなって目を逸らす。首を傾げるベリアンスに、彼は決まり悪そうに困った顔をした。
「俺が、見るに忍びないんだ。その……刺激が強いというか」
「刺激が、強い?」
生足が?
言ってはなんだが、お互い体の関係を含めた恋人関係を一年続けてきた。当然、互いに求める事もある。生足どころか全裸で抱き合うのだから、今更この程度の露出で刺激が強いというのは、何故なのだろうか?
「俺の裸は、見慣れていると思うが」
「それはそうなんだがな」
「? 俺は全裸の方が恥ずかしいと感じるのだが……違うのか?」
「確かに君はいつも恥ずかしそうだな」
苦笑したアルフォンスが近づいて、触れるだけのキスをする。心地よい、甘やかすようなキスは気恥ずかしくもあるが嬉しくもある。最初は戸惑ってしまったが、今はこれに従えるようになってきた。
「なんというか、見えそうで見えないというか……出ているのに隠れているというか。これがチラリズムかと思い知らされた気分なんだよ」
「チラ……リズム?」
また難しい言葉が出てきた。自分の足下を見てみるが、確かに見えそうな短さだ。少しドキドキする。別に男に見られたからといって何でもないのだろうが、妙に隠さなければいけない気もする。
スカートとは、そういうものなのだろうか。
「……アルフォンスは、そのチラリズムが好きなのか?」
「言わないでくれ。俺も今日まで自分がこんな事に興奮するとは知らなかったんだ」
素直に認めた彼は白旗を振る。そしてベリアンスはいまいち理解はしていないが、恋人がこんな姿で興奮してくれるなら悪くないと思い、笑った。
「今日はこのまましよう」
「だが、汚してはいけないだろ?」
「破損しなければいいそうだ。後、ワインのシミも厳禁だと。後日回収して、こうした衣装を専門に扱うクリーニング屋に持って行くと言っていた。恋人なら、いつもとは違う姿に刺激されて汚す事もあるだろうと」
「オリヴァーも下世話か」
アルフォンスは眉根を寄せたが、ベリアンスは笑っていられる。こんな姿をして、正直嫌がられるのではないかと心配したが、どうやら杞憂であったようだ。
「オペラは、期間中ならいつでもいいそうだ」
「凄いプレゼントだな。チケットはちゃんと確認したかい?」
「そういえば、していない」
アルフォンスに促され、ベリアンスは封筒の中を改める。そして、出資者招待券の詳細を読んで二人でアワアワした。
特別ボックス席、ワインがついている。お好きな公演日に利用が可能で、見る前か後に劇場内のレストランで食事までついている。
「ボックス席って……バカ高いだろ」
「ワインに、食事までついている……」
「投資家アレックスの力を見誤っていた」
後方の観客席だって一人一フェリスくらいする。これがボックス席ともなれば、五フェリスは下らないだろう。
とても、「ちょっと貰い物で」という気軽さではない気がする。
「どうしよう、アルフォンス。こんな高い物とは思っていなかった」
今からでも返すべきだろうか。オロオロするベリアンスに、アルフォンスは苦笑して肩に触れた。
「有り難く貰っておこう。あいつも今更返しても受け取らないだろう。何よりこれは、ベリアンスが戦って勝ち取った物だ。貰う権利がある」
「そう、なのか?」
確かにかなりの勇気を振り絞り、恥を承知で参加した。その後も秘密がバレたと心配し、オロオロしたが。
「明日か、明後日の夜に行かないか?」
「明日か、明後日? そんなに休みを貰えるのか?」
「スコルピオが朝を、ジェイクが昼を担当してくれるそうだ。二人とも今年は予定がないと言っていてな。そのかわり、連休最終日は朝と昼の両方を俺が持つ事になった」
「では、本当に二連休なんだな」
料理府は三班体制で回している。だから休みも少なく、とても不規則なのだ。そんなアルフォンスが二連休も取れる。奇跡みたいだ。
「付き合い始めたのはもう少し前だが、ちゃんと恋人として関係を持って一年だからな。今日はどうしても君と過ごしたくて頼み込んだ。二人とも恋人のいる身だから、分かってくれたよ」
優しく微笑むアルフォンスを見ていると胸の奥が熱くなる。この変化が”愛しい”という事なんだと、この一年で学んだ。熱くて、苦しくて、少し泣きそうになるこの感情の根元にあるのが、愛しているということなんだ。
「改めて一年だ。ベリアンス、幸せな時間を有難う」
甘く蕩けるように優しい笑みで言うアルフォンスに、ベリアンスは首を横に振った。愛しているが深くて、苦しい。なぜか目頭がジンと熱くなってしまう。
「ベリアンス」
「俺の方こそ、お礼が言いたい。こんな俺が、こんなにも幸せな気持ちを得られたのはアルフォンスのおかげだ。お前がいなかったら俺は…………俺は、今も俯いていた。何も進まず、ずっと己を責め続け、妹や、奪ってしまった命や、犯した罪の大きさに押しつぶされていた」
そのつもりで、この国にきた。
味方などない場所でハンデを負ったまま呵責されつづける事が、取り返しのつかない罪を犯した自分には相応しいのだと思ってきた。
だが実際は、色んな人が優しかった。何よりもアルフォンスが側にいてくれた。許されていいのだと、繰り返し何度も言われる。諦めた剣の道は、今少しずつ開けてきた。知らなかった愛情を知り、進み出したいと思い始めている。
大きな手が頬を拭って、優しく触れるキスが唇に落ちる。甘く優しく、どこか切なく、アルフォンスはこちらを見つめる。確かめるように頬を撫でる手が心地よい。
「君の背負うものの僅かでも、俺が負いたいと思っている」
「え?」
「過去はどうする事もできないが、未来ならどうにかできる。二人なら、頑張れると思わないかい?」
それは、ずっとだろうか。そうであればいい。そうなって欲しい。
ベリアンスの目からまた新しい涙が落ちたが、心からの笑みで頷く事ができた。
伸びた腕の中で、寄り添う心地よさと暖かさに瞳を閉じる。今でも、心の奥底で罪の意識は常にベリアンスを責める。「罪人が幸せになっていいのか」「妹を死なせたくせに、自分は幸せになろうとしている」と。安息の地を得る事すらも罪であるような気さえする。
だが、この腕ばかりは離せそうにない。他のどんなものを手放しても構わないが、この腕だけは誰にも渡せない。アルフォンスだけは、譲ることができない。
「愛している、ベリアンス。これからもずっと、君の側に置いてくれないか?」
「俺の方こそ、側にいてほしい。可能なかぎりずっと」
他の全てはいらないから、どうか命ある限り彼の側に。その願いを、ベリアンスは僅かだが口にした。
触れるキスは、僅かに舌が触れあう。促されるように唇を舐められ、反射的に開いた部分からそっと確かめるようにされる。もどかしいような、くすぐったい始まりの時間。これは、アルフォンスからのお伺いだ。
そこにベリアンスも遠慮がちだが自ら舌を絡めていく。徐々に深くなるキスが名残惜しく終わる頃にはほんのりと、体は熱を持ち始めている。
「構わないだろうか」
「勿論、そのつもりできているが。その前にコルセットを外してもらえないだろうか」
背中の紐はベリアンスでは少し難しい。ジャケットを脱ぎ、ワイシャツも脱ぐと体を締め付けるコルセットが現れる。
アルフォンスが後ろに回り、紐を解いて徐々に緩めてくれると途端に体が楽になり、言い知れぬ開放感が気持ち良く感じた。
「女性というのは、大変なんだな。こんなにも窮屈な思いを毎日しなければならないのか」
「そのようだが、骨格の違いもある。男の体は硬く、骨も硬い。女性よりも強く締め付けを感じるのだろう」
妹セリシアも年頃になってこのような物をつけていたが、それでもこんなに窮屈そうにはしていなかった。何か、違うのだろうか?
何にしても二度と付ける事はないだろう。ベリアンスは脱いだワイシャツを前を開けたまま着直し、ブーツの紐を解いて脱ぐ。靴下も脱ぎ、ガーターベルトも外した。
だが、ワイシャツとスカートは脱がなかった。これに、アルフォンスは驚いたようだった。
「脱がないのか?」
問われ、頷く。静かに寄り添ったベリアンスはそのままそっとキスをした。
「チラリズム、なんだろ? こんな機会はそうないから、このままでいいと思った」
アルフォンスが興奮したり、喜んでくれるならこの格好にも意味がある。多少恥ずかしいが、その羞恥心に興奮を覚えている自分もいると思う。
アルフォンスは恥ずかしそうにしながらもしっかり反応はしていた。嫌いではないのなら、よいことだと思う。
「あまり煽られると抑えがきかなくなってしまう。君にあまり無体な事はしたくないのだが」
「? 気持ち良すぎて分からなくなる事もあるし、翌日足や腰が辛い事もあるが、無体まではいかないだろ。それよりも、二人で気持ち良くなる瞬間が俺は好きなのだが……アルフォンスは違うのか?」
「……君は本当に無自覚に俺を煽るね」
「?」
「このままで、させてくれないか? なんだかいけない事をしている気分だが、それに興奮するのも確かだ」
困った顔で笑ったアルフォンスが手を取ってその甲に口づけをする。丁寧なその扱いに照れたベリアンスは、それでも嬉しくて頷いた。
丁寧にベッドに寝かされ、改めてキスから始まる夜はとても穏やかだ。肌の上を滑る唇が心地よく、時折吸われるとヒクッと反射的に反応する。くすぐったくて、心臓を五月蠅くさせる感覚は落ち着かないのに心地よい。そんな矛盾を、徐々に受け入れている。
「大丈夫かい?」
「え?」
「いつもより反応しているから」
「……いつもより、ドキドキするが」
興奮しているということだろう。そういえば、着衣のままこのような事をした覚えがない。
アルフォンスの手が胸の上にそっと置かれ、そこに耳を当てられる。妙に恥ずかしくて、更に鼓動が早くなった気がする。
「本当に、いつもよりも鼓動が早いね。興奮している?」
「多分」
「非日常に煽られたのは、俺だけじゃないんだね」
楽しそうに笑われて頷いた。体の中からジンと熱くなる感じがする。
胸元を大きな手が撫でて、揉まれる。平らな部分が徐々に反応して、中心が硬く尖りだした。そこを押しつぶされ、摘ままれて、ベリアンスは息を乱してシーツを握った。
「気持ちいいなら、声を聞かせてくれないか?」
「あっ、すまない」
頭の中が痺れてしまえば気にもならない。というか、気にする余裕がなくなるのだが、それまでは声を殺してしまう癖がある。アルフォンスに言われて、声でも興奮するのだと言われて出すように意識はしているのだが、指摘されないと忘れがちだ。
手が頬に伸びて、唇に触れる。困った子を見るような柔らかな苦笑に、申し訳なさと安堵が混じる。
「声を殺すと苦しいだろ?」
「そう、かもしれない。どうも、癖になっている」
「この部屋は他の隊員の部屋から離れていて、独立している。誰にも聞こえない」
「分かってはいるんだが……」
実は夜間、時折押し殺した喘ぎ声が聞こえる事がある。一般隊員の部屋は壁がそれほど厚くはなく、密集しているために聞こえるのだろう。皆お互い様という部分もあるから多少ならば聞かないフリをするらしいのだ。
当初、もの凄く戸惑った事の一つだ。
「んぅ!」
唇の端にアルフォンスの指を咥えたまま、硬くなりだした乳首を捏ねられる。ジンと痺れた感覚に思わず声が出て、ベリアンスはカッと恥ずかしさに熱くなった。
「大丈夫だから、声を聞かせてくれ。君の声、俺は好きなんだ」
「……善処、する」
人間、分かっていても上手に出来ない事がある。だから、出来るとは言えないのが申し訳ない。
「はぁ……あっ、んぅ……ふぅ」
ぴちゃりと舌が硬い部分を刺激し、わざとだろう水音が聞こえる。遠慮がちだが、ベリアンスは少しずつ声を出した。少しずつ痺れて、腰の辺りもジワジワ響いてくる。前だけを開けたワイシャツの胸元に吸い付き、手でも弄るアルフォンスを見ると興奮する。
いつも以上に、セックスをしているという気持ちが強いのかもしれない。秘め事という言葉がしっくりくるような、決して外に漏らしてはいけない事のような。
そしてこの変化は間違いなく、この服も一役買っていると思う。スカートの前が僅かに盛り上がっているのがチラチラと見える。見られてはいけない気分がするのだ。
なのに、アルフォンスの手が生足に触れ、少しずつ上へと登ってくる。一つずつ確かめるような触り方はゾクゾクするし、暴かれる羞恥心や、死守しなければいけないような気持ちに追い上げられる。手が、湿り気を帯びた足の付け根に触れて、確かめてくる。スカートはめくらないまま、手の感触だけで探られている。
「はぁ……はぁ……っ!」
「いつも以上に感じているのは、俺の気のせいかい?」
「わから、ない……。だが、見られちゃいけない気が、して……」
「すっかり濡れて、蒸れてしまいそうだ。それに」
「っ!!」
不意に指がぐっと、後孔を押し込む。初めての時は硬く狭かったそこは、この一年でしっかりとアルフォンスを受け入れる事を覚えたように柔らかい。
日を置くこともあるが、柔らかく保ちたいなら時々でいいので後ろで自慰をしたらいいとランバートが教えてくれたのでそうしている。癖になってはいけないと思いながら、これは次が辛くないようにと言い聞かせてしっかり快楽を貪ってしまう。
そういう日々の鍛錬もあり、指の一本は簡単に飲めるようになった。
「欲しそうだね、ベリアンス。こんなに柔らかいというのが多少解せないのだが?」
「準備、してあるっ!」
「しなくていいよ、まったく。これも俺の楽しみなんだと言えば、やらせてくれるのかな?」
「! 分かった」
面倒だから、手間のないようにと思っていたのだが。
だが何故か、今とても嬉しい気持ちでもあるのだ。
後ろを指が解す、その感触に最初は慣れなかった。だが徐々に指の動きを追えるようになると、今度は気持ち良くて腰が浮くようになった。一番最初は何やら細工があったようで、そのせいで気持ち良かったらしいのだが、二度目以降は違和感と時折感じる痛みがあったというのに。
「あっ、玉はやめてくれっ! うっ」
ふにふにと玉を転がされるとぞくぞくする。体温も上がっている感じがして、たまらない。頭の中がふやける感覚は、今でも少し怖いのだ。
「感じているんだがな。後ろも締まるし」
「あっ、やだっ」
拒めば名残惜しそうでもやめてくれる。だから安心して身を預けられる。離れた手に安心していると、その手が今度は昂ぶりに伸びてゆっくりと上下に扱き始めた。
「んぅ! あっ、はぁ……」
スカートの下で手が悪戯をしている。その様子を見ると、妙に恥ずかしい。先走りでスカートの内側がぬるっとしている。シミが出来てしまいそうだが、めくってしまうのも恥ずかしい。逆に手を伸ばしてスカートの裾を掴み、見えないように下にひっぱった。
「恥ずかしいのかな?」
「おかしいと、思うのだがっ! 見られてはいけない気がして」
布一枚でこんなに翻弄されている。けれど、抗う事もできない。顔が熱くてたまらない。
アルフォンスが苦笑して、スカートをめくり上げる。その下でしっかりと育っている部分がスカートからはみ出して堂々といきり立っているのは、なんとも異質で異様な光景だ。
「俺も興奮しているから、おかしくはない」
「……スカート、好きなのか?」
この姿に興奮しているなら、そういうことなのだろうか?
思って問うと、アルフォンスはやや考えて、困ってしまった。
「好きかは分からないが、君だからだよ」
「え?」
「君の事が好きだから、君の恥ずかしそうな様子に煽られている。スカートは日常から少し逸脱した、スパイスみたいなものだろうな。たまにならよいものだと思う」
「……俺も、アルフォンスが好きだ」
結局そこにいきつく。分かったら、見られる事に少し耐えられるようになってきた。
めくり上げられ露出した昂ぶりを、アルフォンスの大きな口が咥えこむ。それだけで腰が重く、思わず出てしまいそうだった。
それをアルフォンスも感じたのだろう、奥まで咥えて筋の辺りやカリを舌でくすぐっていく。頭の中が浮かされて、理性が揺らいでしまう。これをされると、ベリアンスは陥落してしまうのだ。
料理人の彼は次の日が仕事だと、フェラはしてくれない。舌も臭いも翌日は少し違和感があるからだ。その辺、ストイックなのだ。
そんな彼がたまにしてくれるフェラは、ベリアンスをもの凄く気持ち良くさせる。
「もっ、出そうだから! 口!」
離して。そう訴えたし、言葉が足りなくても察していると思う。なのにアルフォンスは離してくれなくて、逆にしっかりと奥まで入れられ吸い上げられた。同時に玉の方まで揉み込まれたら、刺激に弱いベリアンスでは抵抗のしようもない。
口の奥の方で出てしまった白濁を、アルフォンスは躊躇いもなく飲み干していく。料理人の彼にこんなものを飲ませてしまったと申し訳なく、ベリアンスは慌てて抜くと水差しの水を彼に渡した。
「飲んだらダメだろ!」
「したかったんだよ。明日も明後日も休みだしね」
「美味しくないし、舌がバカになったらどうするんだ」
「心配しすぎだ。まぁ、美味しくないのは確かだが、そうしたいといつも思うんだ」
いつも?
妙に恥ずかしくなって、ベリアンスは顔を隠す。その手を取られ顔から引きがされ、キスをされる。水を飲んでひんやりとした唇と舌が、熱い口内に心地よく感じた。
「アルフォンス」
「どうした?」
「今日は俺も、したいんだが……」
「ん?」
「……口で、したい。ダメだろうか?」
途端、アルフォンスはとても驚いた顔をした。それもそうだ、今まで経験がない。したい気持ちはあったのだが、流されて気持ち良くてタイミングを逃がし続けた。
だが、今日だけは頑張って伝えようと心に決めてきた。されて気持ち良いんだ、返したい。
「無理をしなくていいんだぞ?」
「無理なんてしていない。ずっと、思っていた。流されて、タイミングを逃し続けていたが。その、嫌か?」
「まさか! 好きな人にしたいと言われて拒む理由はない。が……大丈夫か?」
「……多分」
一応これも、予習をしてきた。
この騎士団には、団長の恋人(嫁)達が集まるお茶会がエリオットの診察室でたまにある。エリオットに誘われて参加しているが、最近はベリアンスの恋愛相談が多い。何せ未経験とは恐ろしい。それ故に知識を求めてしまうのだ。
フェラについても相談した。歯を立てたら痛いとか、舌も使うといいとか、口の全部を使うとか言われたが、いまいちピンとこない。
そこでラウルが「未使用です」と言って、張り型を貸してくれた。ちょっとリアルで引いた。だが、これを使って自分で予習をしてみたのだ。難しかった。
「させて、欲しい」
真摯に伝えると、アルフォンスは顔を赤くして頭を一つ撫で、頷いてくれた。
ズボンや下着をベリアンスが下ろして、その間にアルフォンスは上を脱いでしまう。逞しい体をしていると思う。聞けば「年齢的にも弛むのは避けたい」ということで、筋力トレーニングをしているらしい。ジェイクもそうだとか。
そのせいか、胸板も厚く引き締まっているし、腕は相変わらず硬い。思わず見惚れてしまうくらいだ。
ベッドに座った彼の股ぐらに顔を近づけ、雄々しい部分にまずは手で触れる。手の中で熱く、ドクドクと脈打つそれはやはり張り型とは違って肉感的だ。
それに、けっこう大きい。口に入るだろうか……。
まずは舐めてみる。筋の辺りを舐められると気持ちいいというのを思い出しながらしてみると、アルフォンスのそこもピクッと反応する。これが案外嬉しい。自分がすることに感じてくれている。それがベリアンスを夢中にさせる。
思い切って先端を口腔に含み、上下に扱くように動いてみる。口の中に広がる青臭さは、確かに慣れない。けれど嫌ではない。むしろ……ドキドキする?
「ベリアンス、そろそろ離せ」
「んぅ?」
「これ以上されると困る」
出してしまってもいいのだが。
だが、困った顔をされてしまうと弱い。口を離すと、アルフォンスは苦笑して手を伸ばし、頬を撫でていく。
「練習したな?」
「浮気はしていない。張り型を貸してくれた人がいる」
「それは返しなさい。君も熱心で困るな」
「困るのか?」
「俺が君に教えていきたいんだよ。それとも、俺色に染まるのは嫌かい?」
「返す」
つまり今後は、アルフォンス自身を使って練習と本番ができるのだろう。それならそれがいいに決まっている。
快諾するベリアンスに、アルフォンスは困ったように微笑んだ。
「アルフォンス、もう一つしたいことがある」
「今度はなんだい?」
「俺が上に乗りたい」
「まさか、これも予習したりは……」
「流石にそれはできなかった。だが、したいと思っていた。ダメだろうか」
騎乗位、というらしい。
アルフォンスはもの凄く困った顔をした。だが、大人しくベッドに仰向けに寝転がってくれる。体重をかけないように移動して、彼の体を跨いだ。そして彼の昂ぶりを支え、その上に自らの後孔をあてがった。
ドキドキする。おそらく痛みなんてほとんどないだろう。先ほどアルフォンスがしっかりと解してくれたから。
念のために香油を塗り込み、更にアルフォンスにも塗り込み、腰を落としていく。くちりと後孔が開かれ、熱いものが入り込んでくる。痛みはあまりなく、焼けるような熱さと質量が身を穿つだけでぞくぞくしてくる。
「無理するなよ」
「んっ、ふ……あっ、ぁ……っ」
突っ張っている腕から力が抜けてしまいそうだ。少しずつ腰を落としているが、それは快楽が長引くことでもあって、膝も全部震えそうだ。
アルフォンスの手が太ももに触れ、内側にも触れる。それすらも気持ち良くて恥骨の辺りがむずむずしてくる。
「あっ、触る、のは……!」
一瞬の気の緩みというか、不意を突かれたというか。力が抜けて肘がカクンと落ち、支えを失った体が一気に落下する。ズズズッと肉襞を擦りつけた熱い楔が最奥をどちゅっと突き上げ、更に自重まで加わって挿入が深くなった。
「――――っっ!!」
一瞬で頭の中が真っ白になり、腰から全部痺れ、声にならない嬌声が反射的に上がった。射精を伴わない絶頂は一瞬でベリアンスの理性を焼き切ってしまう。中が、アルフォンスをきつくきつく締め上げた。
「っ! ベリアンス大丈夫か!」
慌てたアルフォンスが腰を支えるように手を添えるが、それすらも感じる。少し腰を浮かそうとしてくれるのに、内壁を擦られて一緒に気持ちいい部分も擦ってゾクゾクが止まらない。
「あっ、あっ、イク……イッ!」
「あっ、こら!」
「ひぐっ、ふ、ぁあぁああ!」
腰に力が入らなくて落ちたら、また最奥をゴリゴリと突き上げられてまた達した。ずっと肉襞が違う生き物のように蠢いて吸い上げている感じがして、それがベリアンスも気持ち良くてダメになる。
涙が伝って、気持ちよさに串刺しにされてチカチカする。すると言ったのに、動けない。
「っ! ベリアンス、少し落ち着け」
「あっ、もっ、イッ……るのに……また、イッ……ちゃうぅ」
「!」
動いてないのに、ほんの少し抉れたり擦れたりするだけでおかしくなりそうだ。腰骨が痺れて溶けてしまいそう。背骨に雷が走っている。足が震えて立たない。弓なりに震えたまま、倒れないようにするのがやっとだ。
アルフォンスは辛そうな顔をする。こんなに締め付けては痛いだろう。申し訳なくて、なんだか泣きたくなる。
「ごめ、こんな、俺!」
「泣くな、平気だから。だが……辛かったらすまない」
「へ? あぅ! あぁあ!」
グッと手を握られ、固定されて下から突き上げられた瞬間、また真っ白になった。ビリビリして、頭の中まで痺れて、何も考えられなくなってしまう。ただ、気持ちよくて愛しいのだ。
「あっ! あっ、気持ちぃ、アルフォンス」
「あぁ、俺もだ」
「うぅ、アル……アルぅ!」
甘え声で泣きながら受け止めていると、中でアルフォンスが一気に質量を増した。その先が深く最奥を抉った瞬間、ベリアンスの昂ぶりから熱い白濁が吐き出され、二人の腹を汚した。
一緒に、深い部分でアルフォンスの熱を受け止めている。何度も叩きつけるように行き止まりのその先にまで熱を送り込もうという勢いに、愛しさと悦びがこみ上げてくる。
「ふぅ…………大丈夫か、ベリアンス」
そっと聞いて、顔に張り付く髪を大きな手で払って、アルフォンスは体勢を変えてベリアンスを寝かせ、そっと抜き去る。それにすら感じて、ベリアンスは小さく喘ぎながら寂しさを感じた。
「どこか痛い所はないか?」
「……アルフォンス」
「ん?」
「俺はお前になら、孕まされてもいいと思った」
「思わなくていい!」
真っ赤になったアルフォンスが恥ずかしそうに叫ぶのに、ベリアンスは小さく幸せそうに笑った。
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