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19章:建国祭ラブステップ
1話:デート大作戦1(ボリス×フェオドール)
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街は建国祭一色。今年はカールに子が生まれた事もあって、お祝いムードが凄い。
そんな街中の一角、外が見えるオシャレなカフェに座る一組の男女を離れた所からボリスは見ていた。
「お兄さん、いい雰囲気だな」
「まっ、ヘタレの兄貴にしたら頑張ってるよね」
これまでのマイスイートハニーの中では一番の美人。というよりは、あまりに真逆なスレンダー美女過ぎてボリスはちょっと引いている。
相手の女性は兄オルトンよりも年下。綺麗な黒髪を丁寧に結った、白い肌が美しい女性。今日は暖かそうなヴィロードの深いグリーンのドレスを着ている。顔立ちもキリッとした女性で、青い瞳がとても強く自信に満ちている。
何がってこの女性、実は上官の実妹だった。
オーレリア・アベルザード。近衛府団長オスカルの実妹だ。何故こんな美女をヘタレ兄貴が引き当てたのか分からないが、けっこう順調らしい。手紙のやり取りや社交界での交友。時々誘われて買い物に行くとか。
そんな兄貴に「一生のお願い!」と相談を持ち込まれたのは、建国祭の飾りがまだない十一月の事だった。
「お願いボリス! デート手伝って!」
「はぁ??」
実家の母と昨年やらかしてからちょっと避けがちだったが、実は兄オルトンとはそれなりに交友があった。とはいえ、まさか好きな女性がいるとか、そういうプライベートな話はしていなかった。
それによると、ボリスに言われて社交界に出て知り合ったそうで、勇気を出してランチに誘ってから親しくしているとか。
彼女曰く、「貴方、イイお店知ってるのね」だそうだ。当然だ、この兄はゴリラ彼女にメシを食わせるのにもの凄くリサーチしているんだから。
「あの、デートって手伝ってもらうものじゃないだろ?」
「そうなんだけど。でも俺、困ってて。実は彼女に告白したくて。でも、その……食事以外の場所、どこに連れて行っていいか分からなくて」
男にしては可愛らしい丸い緑の瞳が頼りなく揺れている。これがわざとならあざといのだが、残念な事にこの兄にそんな駆け引きはできない。マジで泣きたい五秒前だ。
「まぁ、前の彼女を考えるとそうなるよな」
「美術館とか、食べられないからいらないって言われて」
「そっちが異常だっての」
難儀な兄だ。
ボリスは少し考える。そしてもの凄く当然のことを口にした。
「ってか、今まで一緒にでかけたならさ、彼女の好きな場所とか知らないの?」
「……あ」
「もう、しっかりしなよ」
がっくりと肩を落としたボリスに、オルトンは恥ずかしげに頬を染めながらも意気込んだ。
「でも、でも! 俺が誘うならいつもと少し違う場所にも誘いたいなって」
「誘えばいいんじゃない? 兄貴の好きな所って?」
「……図書館」
「デートって雰囲気でもねーな」
でもまぁ、この人の仕事を考えるとそうなるような気がした。
ボリスの父は翻訳の仕事をしていて、オルトンも同じ仕事をしている。
最近はラン・カレイユからの書籍や、ジェームダルからの書籍も入ってくる。これら二国は古い本だとそれぞれの言語で書かれているので帝国の言葉に直さなければならない。それらを翻訳し、帝国の言葉に直すのが父と兄の仕事だ。
他にも古文書などは古語で書かれているため、翻訳が必要。
他にも原本を写本したり、古くなった装丁を直したりしている。
当然お勤めは帝国中央図書館だ。
「そのお相手の女性って、兄貴の仕事知ってるの?」
「知ってる」
「なんて?」
「真面目な貴方らしいわね。似合ってるわよって」
「へぇ、いいじゃん」
図書館勤務はもの凄く地味な仕事で、仕事が大変なわりに給料は安い。十分生活はできるが、贅沢ができるほどではないのが現状だ。
「俺が翻訳した本を見せたら、これをどうやって本にするのかって聞かれて。話したら、装丁に興味がある。綺麗な布張りも捨てがたいし、皮もいい。表の文字だって素敵なデザインがいいって」
「興味示したの! もう、兄貴その人捕まえておかないと! 金輪際もう現れないよそんなレア女性」
「俺もそう思う! 俺の仕事に興味を持ってくれた女性なんて初めてで。だから俺、彼女に告白したいんだ」
必死な兄の様子にボリスも真剣に悩んだ。話を聞くに今度の女性は悪くない。オルトンの口ぶりからもしっかりした女性そうだし。
例えこの彼女が過去の彼女のようなゴリ女性でも、この際は目を瞑ろう。何より食と筋トレ以外にも興味を示しているのがいい。同じゴリでも今の彼女は進化している。
ボリスは真面目に考えた。そして、ランチの後で美術館。その後買い物がてら古書店などを覗いて、最後はとっておきのディナーで告白というプランを提案した。
本の装丁に興味を示したなら、おそらく美術的な物は好きだろう。あと、女性は買い物とかが好きだと思う。例え買わなくても見ているだけでいいということが大いにある。母の買い物が長いのと同じだ。
オルトンはこのプランを受け入れ、具体的な店を選び始めた。
ここまでならよかった。だがヘタレ兄はとにかく自信がないのか、当日ボリスにこっそりついてきて欲しいと言い出したのだ。何かあったときのフォローに。
何が悲しくて他人のデートをこっそり盗み見るような事をしなければならないのか。そう言ったら、「そっちはフェオドールくんとデートしたらいいよ」と言われ…………乗ってしまった。
「こちら、建国祭記念デザートセットです」
「わぁ…………ボリス見て! 美味しそう」
「確かに可愛いよね」
フェオドールの前に出された皿には苺とメレンゲで作られた雪だるま、チョコレートで作られたお家、飴菓子の薔薇に、切り株を模して作られたブッシュドノエルがある。それらは薄らと粉砂糖の化粧をしていて、とても可愛らしいものだ。
一方ボリスの前には綺麗な正方形に小さな薔薇の砂糖菓子を乗せたガトーオペラがある。
「ボリスって、甘いの苦手だったか?」
ブッシュドノエルを一口大にしたフェオドールが問いかけるのに、ボリスは苦笑した。
「そういうわけじゃないけれど、食べ飽きるっていうか。苦い系の方が進むんだ」
「それ、苦手って言うんじゃないのか?」
そうなのかな? まぁ、確かに好んで食べるわけではないから、そうなのかもしれない。
「……今度、ガトーショコラ作ってみる」
一人で生活できるように頑張っているフェオドールは、最近料理の腕前も上げてきた。泊まりに行くと夕飯に色んな料理が出てくるようになって、キッチンには手書きのレシピ集が置かれるようになった。
「じゃ、今度期待しておく」
徐々に成長していくフェオドールがなんだか眩しいような、置いて行かれてしまいそうな、そんなちょっと苦い気持ちも含んだ笑みで、ボリスは目の前のケーキに口をつけた。
その後、あまりぴったりとついて行くと怪しまれるということでボリスはフェオドールを誘って建国祭の市を訪れた。美術館の側の公園にはいくつもの小さな出店が出ていて、ハンドメイドのお菓子や小物、アクセサリーや飾りが売っている。
フェオドールは案外こういう場所が好きなようで、目を輝かせている。
「帝国の建国祭は本当に煌びやかだな。こっちの飾り、キラキラして綺麗だ」
「好きだね、フェオドール」
「だって、見ているだけでワクワクしないか?」
白いコートを着た彼のほうがよほどキラキラしてみえる。雪の精だってできそうな、透き通る肌の色と綺麗な髪。
未だにこの子が自分の恋人だなんて信じられない時がある。
「ボリス?」
「なに?」
「何を考えているんだ」
「ん? フェオは可愛いなって」
「な!」
からかうように言ったボリスに、フェオドールは顔を赤くしてそっぽを向く。照れ顔、見たいかも。
「ねぇ、その顔見せてよ」
「嫌だ」
「可愛いよ」
「いーやーだー!」
頑なに振り向かないフェオドールだけれど、どんな顔してるかなんてバレバレ。だって、耳まで赤くなっているから。
「ごめん、拗ねないでよ。ほら、マーケット見るんでしょ?」
「うっ……顔、見るなよ」
「はいはい」
隣に並んだボリスはこっそりと横目でフェオドールを見る。やっぱり、ちょっとムスッとしながらも頬が赤い。その意地っ張りな顔、好きなんだけれどな。
フェオドールはあちこちの店を覗いては考え、綺麗な飾りやクッキーを買っている。楽しそうな顔をして、ちょっと無邪気。クシュナートにいた時はこんな顔なんて想像できなかった。
「ボリス、こっち!」
「ん? なに?」
「これ、可愛くないか?」
頬を愛らしく紅潮させながら手招きをするフェオドールの側に行く。そこは手作りの陶器を売る店で、フェオドールは素朴な白い陶器を指さしている。
よく見ると側面に二匹の猫のシルエットが、浮き彫りになって寄り添っている。
「これ、買わないか?」
「フェオドールの家に?」
「うん。私の家でお茶を飲むときにペアのが欲しいなって……だめかな?」
上目遣いにこちらを伺うフェオドールのくりっとした目。多分無意識だろうけれど、ずるいな。これで「ダメ?」なんて言われてダメなんて言える恋人、いないでしょ。
「いいよ」
「本当に! やった!」
「俺が出そうか?」
「いや、これは私が払う。建国祭の贈り物に」
すっかり買い物にも慣れた手つきでペアのティーカップを店主に差し出すフェオドールを、ボリスはなんだかとても眩しく見てしまった。
そんな街中の一角、外が見えるオシャレなカフェに座る一組の男女を離れた所からボリスは見ていた。
「お兄さん、いい雰囲気だな」
「まっ、ヘタレの兄貴にしたら頑張ってるよね」
これまでのマイスイートハニーの中では一番の美人。というよりは、あまりに真逆なスレンダー美女過ぎてボリスはちょっと引いている。
相手の女性は兄オルトンよりも年下。綺麗な黒髪を丁寧に結った、白い肌が美しい女性。今日は暖かそうなヴィロードの深いグリーンのドレスを着ている。顔立ちもキリッとした女性で、青い瞳がとても強く自信に満ちている。
何がってこの女性、実は上官の実妹だった。
オーレリア・アベルザード。近衛府団長オスカルの実妹だ。何故こんな美女をヘタレ兄貴が引き当てたのか分からないが、けっこう順調らしい。手紙のやり取りや社交界での交友。時々誘われて買い物に行くとか。
そんな兄貴に「一生のお願い!」と相談を持ち込まれたのは、建国祭の飾りがまだない十一月の事だった。
「お願いボリス! デート手伝って!」
「はぁ??」
実家の母と昨年やらかしてからちょっと避けがちだったが、実は兄オルトンとはそれなりに交友があった。とはいえ、まさか好きな女性がいるとか、そういうプライベートな話はしていなかった。
それによると、ボリスに言われて社交界に出て知り合ったそうで、勇気を出してランチに誘ってから親しくしているとか。
彼女曰く、「貴方、イイお店知ってるのね」だそうだ。当然だ、この兄はゴリラ彼女にメシを食わせるのにもの凄くリサーチしているんだから。
「あの、デートって手伝ってもらうものじゃないだろ?」
「そうなんだけど。でも俺、困ってて。実は彼女に告白したくて。でも、その……食事以外の場所、どこに連れて行っていいか分からなくて」
男にしては可愛らしい丸い緑の瞳が頼りなく揺れている。これがわざとならあざといのだが、残念な事にこの兄にそんな駆け引きはできない。マジで泣きたい五秒前だ。
「まぁ、前の彼女を考えるとそうなるよな」
「美術館とか、食べられないからいらないって言われて」
「そっちが異常だっての」
難儀な兄だ。
ボリスは少し考える。そしてもの凄く当然のことを口にした。
「ってか、今まで一緒にでかけたならさ、彼女の好きな場所とか知らないの?」
「……あ」
「もう、しっかりしなよ」
がっくりと肩を落としたボリスに、オルトンは恥ずかしげに頬を染めながらも意気込んだ。
「でも、でも! 俺が誘うならいつもと少し違う場所にも誘いたいなって」
「誘えばいいんじゃない? 兄貴の好きな所って?」
「……図書館」
「デートって雰囲気でもねーな」
でもまぁ、この人の仕事を考えるとそうなるような気がした。
ボリスの父は翻訳の仕事をしていて、オルトンも同じ仕事をしている。
最近はラン・カレイユからの書籍や、ジェームダルからの書籍も入ってくる。これら二国は古い本だとそれぞれの言語で書かれているので帝国の言葉に直さなければならない。それらを翻訳し、帝国の言葉に直すのが父と兄の仕事だ。
他にも古文書などは古語で書かれているため、翻訳が必要。
他にも原本を写本したり、古くなった装丁を直したりしている。
当然お勤めは帝国中央図書館だ。
「そのお相手の女性って、兄貴の仕事知ってるの?」
「知ってる」
「なんて?」
「真面目な貴方らしいわね。似合ってるわよって」
「へぇ、いいじゃん」
図書館勤務はもの凄く地味な仕事で、仕事が大変なわりに給料は安い。十分生活はできるが、贅沢ができるほどではないのが現状だ。
「俺が翻訳した本を見せたら、これをどうやって本にするのかって聞かれて。話したら、装丁に興味がある。綺麗な布張りも捨てがたいし、皮もいい。表の文字だって素敵なデザインがいいって」
「興味示したの! もう、兄貴その人捕まえておかないと! 金輪際もう現れないよそんなレア女性」
「俺もそう思う! 俺の仕事に興味を持ってくれた女性なんて初めてで。だから俺、彼女に告白したいんだ」
必死な兄の様子にボリスも真剣に悩んだ。話を聞くに今度の女性は悪くない。オルトンの口ぶりからもしっかりした女性そうだし。
例えこの彼女が過去の彼女のようなゴリ女性でも、この際は目を瞑ろう。何より食と筋トレ以外にも興味を示しているのがいい。同じゴリでも今の彼女は進化している。
ボリスは真面目に考えた。そして、ランチの後で美術館。その後買い物がてら古書店などを覗いて、最後はとっておきのディナーで告白というプランを提案した。
本の装丁に興味を示したなら、おそらく美術的な物は好きだろう。あと、女性は買い物とかが好きだと思う。例え買わなくても見ているだけでいいということが大いにある。母の買い物が長いのと同じだ。
オルトンはこのプランを受け入れ、具体的な店を選び始めた。
ここまでならよかった。だがヘタレ兄はとにかく自信がないのか、当日ボリスにこっそりついてきて欲しいと言い出したのだ。何かあったときのフォローに。
何が悲しくて他人のデートをこっそり盗み見るような事をしなければならないのか。そう言ったら、「そっちはフェオドールくんとデートしたらいいよ」と言われ…………乗ってしまった。
「こちら、建国祭記念デザートセットです」
「わぁ…………ボリス見て! 美味しそう」
「確かに可愛いよね」
フェオドールの前に出された皿には苺とメレンゲで作られた雪だるま、チョコレートで作られたお家、飴菓子の薔薇に、切り株を模して作られたブッシュドノエルがある。それらは薄らと粉砂糖の化粧をしていて、とても可愛らしいものだ。
一方ボリスの前には綺麗な正方形に小さな薔薇の砂糖菓子を乗せたガトーオペラがある。
「ボリスって、甘いの苦手だったか?」
ブッシュドノエルを一口大にしたフェオドールが問いかけるのに、ボリスは苦笑した。
「そういうわけじゃないけれど、食べ飽きるっていうか。苦い系の方が進むんだ」
「それ、苦手って言うんじゃないのか?」
そうなのかな? まぁ、確かに好んで食べるわけではないから、そうなのかもしれない。
「……今度、ガトーショコラ作ってみる」
一人で生活できるように頑張っているフェオドールは、最近料理の腕前も上げてきた。泊まりに行くと夕飯に色んな料理が出てくるようになって、キッチンには手書きのレシピ集が置かれるようになった。
「じゃ、今度期待しておく」
徐々に成長していくフェオドールがなんだか眩しいような、置いて行かれてしまいそうな、そんなちょっと苦い気持ちも含んだ笑みで、ボリスは目の前のケーキに口をつけた。
その後、あまりぴったりとついて行くと怪しまれるということでボリスはフェオドールを誘って建国祭の市を訪れた。美術館の側の公園にはいくつもの小さな出店が出ていて、ハンドメイドのお菓子や小物、アクセサリーや飾りが売っている。
フェオドールは案外こういう場所が好きなようで、目を輝かせている。
「帝国の建国祭は本当に煌びやかだな。こっちの飾り、キラキラして綺麗だ」
「好きだね、フェオドール」
「だって、見ているだけでワクワクしないか?」
白いコートを着た彼のほうがよほどキラキラしてみえる。雪の精だってできそうな、透き通る肌の色と綺麗な髪。
未だにこの子が自分の恋人だなんて信じられない時がある。
「ボリス?」
「なに?」
「何を考えているんだ」
「ん? フェオは可愛いなって」
「な!」
からかうように言ったボリスに、フェオドールは顔を赤くしてそっぽを向く。照れ顔、見たいかも。
「ねぇ、その顔見せてよ」
「嫌だ」
「可愛いよ」
「いーやーだー!」
頑なに振り向かないフェオドールだけれど、どんな顔してるかなんてバレバレ。だって、耳まで赤くなっているから。
「ごめん、拗ねないでよ。ほら、マーケット見るんでしょ?」
「うっ……顔、見るなよ」
「はいはい」
隣に並んだボリスはこっそりと横目でフェオドールを見る。やっぱり、ちょっとムスッとしながらも頬が赤い。その意地っ張りな顔、好きなんだけれどな。
フェオドールはあちこちの店を覗いては考え、綺麗な飾りやクッキーを買っている。楽しそうな顔をして、ちょっと無邪気。クシュナートにいた時はこんな顔なんて想像できなかった。
「ボリス、こっち!」
「ん? なに?」
「これ、可愛くないか?」
頬を愛らしく紅潮させながら手招きをするフェオドールの側に行く。そこは手作りの陶器を売る店で、フェオドールは素朴な白い陶器を指さしている。
よく見ると側面に二匹の猫のシルエットが、浮き彫りになって寄り添っている。
「これ、買わないか?」
「フェオドールの家に?」
「うん。私の家でお茶を飲むときにペアのが欲しいなって……だめかな?」
上目遣いにこちらを伺うフェオドールのくりっとした目。多分無意識だろうけれど、ずるいな。これで「ダメ?」なんて言われてダメなんて言える恋人、いないでしょ。
「いいよ」
「本当に! やった!」
「俺が出そうか?」
「いや、これは私が払う。建国祭の贈り物に」
すっかり買い物にも慣れた手つきでペアのティーカップを店主に差し出すフェオドールを、ボリスはなんだかとても眩しく見てしまった。
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