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第一章

第15話 善意の足手纏い

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 辿り着いたのは頑強な高い塀に囲まれた庭付きの一軒家。

 この場所を用意してから定期的に管理していたが、たしか最後に在庫チェックしに来たのは半年くらい前だった。担当は持ち回りで、少なくとも俺では無かったがここが安全であることに違いは無いはずだ。

「武蔵、那奈、付いて来い。念のため、中の安全を確認しに行く。修司、ここは頼んだ」

 門を入ったところで車とバイクを停めて、三人だけで家のほうへと向かって歩き出した。一応、すでに門が開かれた形跡が無いことは確認済みだが、それでも万に一つの可能性はある。用心するに越したことは無い。

 鍵の掛かっていないドアを開ければ、籠っていた空気が鼻の奥を突いた。

「……埃っぽいが、おかげで誰も這入り込んでいないことがわかったな。だが、確認がてら各部屋のドアと窓を開けるぞ。俺は二階に行くから、二人は一階を頼んだ」

 部屋数は十分にある。しばらくの間はここで過ごせるだけの設備や蓄えはあるが、それはあくまでも急場しのぎ的なもの。備蓄は五人の大人が一週間を過ごせる分だけ。俺たちの人数では、車に積んである食料と合わせてギリギリ二週間は食い繋げる。だが、やはり安全な隔離施設に辿り着くことを第一に考えれば、この場に留まるのは三日程度にするべきだ。

 時刻は午後三時。昼食には遅いし、夕飯にしては早いがせっかく肉を大量に手に入れたんだ。明るいうちに楽しむとしよう。息抜きも必要だ。

 一階へと戻れば、二人は玄関で待ち構えていた。

「よし。武蔵は修司と一緒に外の倉庫にあるバーベキューセットを用意しろ。那奈は他の奴らを中に案内して寝床の準備。二階の部屋は自由に使っていい」

「わかった。あ、零士。この家さ、お風呂とか使える?」

「ああ。ここは自家発電だから水が出る限りは使える。あとで話すつもりだったが、この家にある物は好きに使っていい。服もあるし……子供たちの分もな」

 そう言うと、那奈は笑顔で車のほうへ駆けていった。

 風呂に入りたいってのは何も女性だけの気持ちでは無い。何より、清潔であることがそのまま生きることに繋がる世界だ。とはいえ、今はメシだ。

 その前に、俺は家の周りを囲む塀を確認しに行くとしよう。

 元よりゾンビの侵入を防ぐために頑強にした壁だ。ちょっとやそっとじゃ破壊することができない造りになっている。心配があるとすれば門だな。もちろん、鍵はあるし実際に来たときも南京錠を開けて入った。だが、数日前に幼稚園の門が破られた例もある。あの時の反省を踏まえた上で注意喚起は促すとして、こっちは時間稼ぎができればいい。

「なら――」

 無人になった軽トラの荷台から余っていた単管パイプを手に取って、それを門のつっかえとして横向きに差し込んだ。これが本当の用心棒ってやつだ。

 家のほうへ戻れば、バーベキューセットの準備をする武蔵と修司、折り畳み式のウッドテーブルとウッドチェアーを用意する美島がいた。

「戎崎くん、言われた通りに準備はしたが……バーベキューをするのかい?」

「ここまで準備させといて焚き火だったら驚きだな。炭に火を点けろ。スーパーで仕入れた肉・野菜・果物、今日は好きなだけ食っていい。美島、他の奴らを呼んできてくれ。メシにしよう」

「はいっ! すぐに呼んできます!」

 意気揚々と家の中へ駆けていった美島を見送って、こちらは食材をテーブルの上に載せた。

「じゃあ、俺が焼いていきます。戎崎さんと武蔵さんにはずっと負担を掛けっぱなしですし、座っていて下さい」

「……そうか。なら、甘えるとしよう」

 並べられた椅子の一つに腰を下ろすと、すぐ隣の椅子に武蔵がやってきて懐から出した煙草を銜えて火を点けた。まぁ、他人の嗜好品まで否定することはしない。何より、こんな世界ではストレスも多い。それが煙草で解消できるならそれに越したことは無い。

「ふぅ~……戎崎くん、実際のところ今はどういう状況なんだい?」

「どういう? まぁ、悪くはない。ここに辿り着くのに少し時間は掛かったが、ここまで来ればあと数日で隔離施設に行くことができる。だから状況的には――まぁ、色々なことを措いといた上でだが――悪くはない」

 含みがあるというよりは、むしろそういう言い方しかできないのが現状だ。誰が悪いというわけでも無いが、元々のプランからは大幅に外れているわけで。

「それもあるが……奴らのことだ。あの日――隕石が落ちてきた日。降り注ぐ流星群の光で目を閉じると、次に瞼を開けたときには日が暮れていて、そこには奴らがいた。命からがら逃げ延びて隠れて朝を待てば……その時に、奴らは日の下を歩けないのだと気が付いた。あくまでもなんとなく、だが。同じように生き延びていたあいつらと共に幼稚園に隠れて、そこに君が来たことで確信に変わった……はずだった。それなのに――いったい、何が起きている?」

「……あらゆる事態を想定しているから仮説はある。だが、今はまだそれを話すつもりはない。現状で言えることがあるとすれば、隔離施設に辿り着くのは早いほうが良い、ってことだけだ」

「いや、仮説だとしても知っておいたほうが――」

 その時、美島に連れられた四人が出てきたことによって武蔵は口を噤んだ。子供に聞かせる話じゃあない。

 とはいえ、武蔵の言っていることは正しい。あくまでも最悪の想定を知っているのは俺だけでいい、というのが俺の考えだが、それでも一緒に行動している以上、知る権利はある。しかし、確かなことがわかっていない今は各々で最悪のシナリオを考えていくのが一番だ。そうでなければ、いざという時に動けない。

「さぁ、どんどん焼くから、どんどん食べてくれ! 戎崎さんも武蔵さんも遠慮なく!」

 渡された紙皿にはソーセージと厚く切られたベーコン、それにピーマンと玉ねぎと同じように軽く炙られたレモンが置かれていた。そういうことでは無かったんだが……まぁ、肉の上に搾れば同じことか。

 那奈と美島は二人の子供をそれぞれ膝に乗せ、久し振りの温かい食事を楽しんでいる。最後に見た時に比べれば、れなも格段に元気になったようだし、栄養を取って良く寝れば大丈夫だろう。美夏は――少し離れたところで焼かれた野菜を食べている。食欲があるなら良い。今は距離を置いていようとも。

 ちょっと考えてみよう。

 食欲――人間の三大欲求の一つで、映画や漫画などでゾンビが人を食う理由として位置付けられていることが多い。だが、現状で俺たちが相手取っているのゾンビもどきはこちらを食べることは無く、明らかに殺しに掛かってきている。つまり、そこにあるのは欲求ではなく殺意。前提として『噛まれれば感染して奴らの仲間になる』というのが無いことに加えて、それまで向かっていた相手が死ねばそれ以上に襲うことがないのは、これまでの動きを見ていればわかる。となれば――やはり殺意というのが正しい。

 脳を破壊すれば体は停止する。

 噛まれたところで感染しない。

 それらを踏まえると、これは病気であり原因をウイルス感染だと仮定して――ウイルスは脳細胞を変化させたと考えられる。そして、何故か俺たちは発症していない。潜伏期間があるのか、免疫があったのか。可能性としてはどちらも有り得るが、性別も違えば年齢も違う。……理由を調べるのは隔離施設に行くまでお預けだな。

「あ、戎崎さん! おかわりどうですか!?」

「いや、もう大丈夫だ。俺は少し家の中でやることがあるから、あとはお前らでゆっくり食え。ああ、そうだ。ついでに風呂も入れておくから、メシを食い終わったら美島と那奈で子供たちを入れてやれ」

 それだけ言って、テーブルに置かれていた鮭とばが載っていた皿を一つ手に取って家の中へと向かった。

 まずは風呂場で埃が被っている湯舟と浴室全体をシャワーで洗い流して、お湯張りボタンを押した。それから置いといた鮭とばを齧りつつキッチンへ向かい、床下収納の前でしゃがみ込んだ。

「よい――しょ、と」

 取り出したボストンバッグを開けば、替えの弾倉が二つと折り畳みナイフ、それに接近戦では最も得意なレザー警棒が入っていた。もしもの時のために催涙スプレーやスタンガンもあるが、これは対人用だな。あとは――これだ。

 こんな世界になってから改めて確認することは無かったが、今は携帯が使えない。通信基地局が破壊されていなかったとしても、人がいなければ機能しないから仕方が無い。とはいえ、そんなことは想定内だ。故に準備は怠っていない。

 この場所が隔離施設への中間地点というのには意味がある。それは、施設を中心としてトランシーバーの電波の範囲内ということだ。スイッチを入れてチャンネルを変えれば――聞こえてきた。

「――こちらは安全な施設です。生存者がいます。場所は経度――」

 自動メッセージが流れている。ということは少なくとも仲間の誰かはすでに施設にいるが、通信に割くだけの人員はいないってことだな。元々考えていた割振りでは俺たちの誰かが三人以上集まったところで二十四時間の通信監理をするはずだった。つまり、多くてもまだ三人ってことか。

「っ――」

 背後に気配を感じて取り出した拳銃を向ければ、火の点いていない煙草を銜えた武蔵が立っていた。

「仲間と連絡が取れたのか?」

「……いや。施設にいることは確認できたが、連絡が取れたわけじゃない」

 一息ついて拳銃を仕舞えば、安心したように近寄ってきた武蔵が床下収納を覗き込んだ。

「なるほど。準備は万全ってことか。そのトランシーバーはダイヤル周波か?」

「いや、単一だ」

「そうか……ダイヤルなら警察無線を傍受できるかもと思ったんだが」

 このトランシーバーは言ってみれば業務用で、決まった周波数で特定の親機と限られた数の子機でしかやり取りが出来ない。

「無線機を使えるのか?」

「ん、ああ。学生時代にアマチュア無線を齧ったことがあってね。昔取った杵柄、というやつだ」

「なら、使ってみるか? 仲間の中に無線機を使える奴がいるから一応は置いてあるんだ。俺には扱えないが……誰がここに辿り着くかわからないからな」

 そう言って向かったのは一階のリビングの奥にある畳の部屋。そこには古めかしい箪笥があり、その一番上の引き出しを開ければ据え置き型の無線機が入っていた。

「ほう! これは良い! すぐに使ってみよう!」

 何やらテンションの上がった武蔵だが、俺には何が良いのかさっぱりだ。

 無線機を持ってリビングに移動すると、コードやらを繋いで早速ダイヤルを回し始めた。俺にはその様子を見守ることしか出来ないのだが、その最中で風呂のお湯張りの完了を告げる音が聞こえてきた。

 時間的には――そろそろ日が暮れる。外にいる那奈たちを呼んでくるか。

「んっ、戎崎くん!」

 リビングを出て行こうとした時、ノイズ混じりの無線機から声が聞こえてきて武蔵に呼び戻された。

「だ――か、だれ――聞こえ、いるか――生存者が――助け、くれ――こ、は――の――察署だ。頼む! 誰でも良い! 助けを――ッ」

 ブツリッ、とそこで無線が切れた。

 激しいノイズ音と途切れ途切れの言葉だったが、伝えたいことはわかった。とはいえ、だ。

「さて……どうするかな」

「っ、今のは助けを求める声だっただろう! 助けに行かないわけが無い!」

「当たり前だ」

 唐突に何に対して声を荒げたのか知らないが、助けを求められれば助ける。俺が偽善者であることには変わりがない。

 眉間に指を立てて悩んでいる俺を眺める武蔵は、徐に口を開いた。

「じゃあ、どうする、というのは……?」

「それは――いや、とりあえずお前は外にいる六人を呼んで来い。話はそれからだ」

「……わかった」

 腑に落ちていないような武蔵だったが、話し合いをするのなら少なくとも修司と那奈と美島は一緒のほうが良い。

 生きることを望む者を助けるのは当然だ。俺がそのスタンスを崩すことは無い。だが、最悪の想定をするのなら、少し面倒な話し合いになりそうだ。

 目に浮かぶ――善意の足手纏いは、必要ない。
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