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新たなる道
結末
しおりを挟む500万という大金で俺は少女と契約した。
「ここがあいつらの会社か」
結構立派な建物だ。こうもっと、泥臭いかったり陰気臭かったりというのを想像していたが、全然そんな事はなかった。
「さて、襲撃して金取って妹を拐ってとっとと次に行こう」
妹の場所が分からない以上、正面から堂々と行く。だから俺は玄関をぶち壊したのであった。
そして近いドアから1つ、1つ壊していった。そして1階を全て確かめ2階に上がった。
1階には不思議な事に誰もいなかった。そして2階に上がった最初の部屋。そこは沢山の人の気配があった。そしてドア越しでも部屋の中が盛り上げっている事が伝わってきた
「強姦パーティーでもしてるのかし?」
戸をそっと開けて中を見てみると思った通りにパーティーをやっていた。しかし強姦というキーワードはそこには存在してなかった。普通に楽しげで一般的なパーティーだった。ただ男女の比は圧倒的に男の方が多いが。
「ん? あれ、妹じゃね?」
周りをおじさん、おばさんに囲まれる中、一際目立つ若い女の子がいた。歳は俺より下に見える。
「だけど、どう考えてもおかしい。妹は言わば人質の身。家康でもないのに、あんな状態で……ありえないな。……パーティーはまだ始まったばかりの様だし1度、家を全部探すか」
この後、俺は30分掛けて家の中を探し回ったが、妹らしき人物を発見する事は出来なかった。
「やっぱり、あれが妹か」
さっきと同じ様にドアの隙間から除き混む。
「ちゃちゃっと誘拐しに行こう」
ドアをさっと開けて俺は少女の所まで走る。そしてガシッと腕を掴む。
「キャァ!!」
「うるせぇ。黙ってついてこい」
そう腕を引っ張ったのだが、少女の予想外の踏ん張りで俺の足は急停止した。
「はなして!!」
クソ! このクソガキが!!
いたいけな少女のまで人を殺すのは少し抵抗があるが、仕方ない。
今の叫び声でその場にいた全員の目線がこちらに向いた。
「おらよ、永年にさよならだ」
激しく抵抗する少女の腹部を殴り気絶させた後、手に氷の球を生成した。
「誰だ、お前!! そいつを放しやが―――」
男の言葉は最後まで続かない。理由は簡単だ俺が止めたからだ。「永年にさよなら」それは少女ではなく目の前にいる50人以上の人に言ったものだ。
生成した氷の球から木の根の様に氷の鋭い棒が延びる。それが全てこの会場にいる奴の頭を通過したのだ。
会場の雰囲気は一瞬で変わった。血の海となり、静寂が包み込む。
「時間があったらもう少し違うやり方をしたかったんだがな」
こんな一瞬で終わるようなやり方は絶対にしない。それに金のありかも聞いてない。
俺はしぶしぶ少女を姉の所に連れていくのだった。
「お前の妹はこれで合ってるのか?」
家につきそう言うと姉は泣いて喜んでいた。ここまでは良かったのだ。しかし問題はこの後だった。
妹が意識を取り戻した時の話。
「ゲンロクさんは? みんなは?」
その言葉に姉は「え?」という表情を見せた。そんな姉の代わりに俺が言ってやった。
「全員殺した」
この後、妹が怒ったのは言うまでもない。泣きながら説明した。
彼らは悪い人じゃないと。
どうやら彼女達の父親の古い友人で、「借金の事は仕方がない。もう返さなくて良い。だけどこれからの生活に困らないために、一緒に生活しないか?」と誘っていたらしい。
この父の友人であるゲンロクという人物は自分が姉に嫌われていた事を知っていたので、妹の方から説得を頼んだそうだ。そしてその説得するための話し合いを今日のパーティーで行っていた。
妹は誘拐されたのではなく、招待されたのだ。ただ、ちょっとした手違いで、馬車の中に入っていく妹を見て姉が勝手に誘拐されたと思い込んだらしい。借金の期限は前々から言われてらしく、姉は勝手に「借金を返さないと妹を返さない」という解釈をしてしまった。
「……バカ過ぎるだろ」
この後、この2人がどうなったのかは俺が知るよしもない。ただ、俺の目的は金なので、誰もいなくなった借金会社で俺は1人、数時間かけて金を探しだした。現金で見つけたのは3000万。俺はそのうち、2000万を貰った。残りの1000万と価値のある物品は少女の家に届けてやった。
「分けた金の中に依頼料は込んであるから、もうあれだ。あれ。金は払った事になってる」
姉は微妙な顔をしてそれらを受け取った。どうせ、これが原因で妹と喧嘩したのだろう。喧嘩で済めば良い方だ。最悪の場合は殺し合になる。
俺は1人で勝手に昔の事を思い出していた。
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