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新たなる道

【迷宮】戦争は続くよどこまでも

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 それは刹那だった。

 その言葉を言った僅か数秒後の事。

 「消えた!!」

 俺の姿が見えなくなりどよめくカスども。このクソハーレム野郎は能力に頼って自分を強く見せてる。その能力は俺にはどんな物か分からないけど、こいつの俺に対する対応で分かる事がある。それはこいつが凄く強い事だ。ただ強すぎるのだ。召喚者の特典であるチート能力を行使して…………だから知らない。行使して強くなったこのアホは知らないのだ。自分より遥かに格上と当たった時の対処法を。さらに強敵を倒した事のないこいつには威厳がないのだ。威厳が。場数が足りないとも言える。

 「これはお返しだ」

 誰にも俺の姿は捉えられない。

 エルフの耳を掴む。そして腕に力を入れたのだった。

 ―――

 「わ、私の耳が……耳がぁああ」

 地面に崩れ落ちるクソエルフ。耳があった場所を両手で押さえながら絶望に満ちた顔をしている。

 「エルフの耳ってのは、人と違って長いから、取れやすいんだな」

 クソエルフからとった耳をプランプランさせて見せびらかす。

 「これ、緑色のしたらゴブリンの耳と一緒になるんじゃね?」

 誰もその質問に答えない。

 「リーフ! しっかりしろリーフ!!」

 腰を落とし召喚者がその体を揺さぶる。

 効果はいまひとつだ。

 「クソッ! このクソヤローが!」

 リーフが戦闘不能になり、葵の言動が荒々しくなる。

 「先にやってきたのはそっちだ。自業自得だアホども。あ、自業自得って意味分かる?」

 その理不尽な怒りにムカつきバカにする様に言ってやった。

 「……殺してやる」

 クズが何か呟いた。

 「へ? なに? なんか言ったぁ?」

 クズは拳を固く握りしめるだけで、何も答えない。

 「も~しも~し、ニーハオ聞こえてま~すか~? アハハハ!!」

 
 自ギャグで笑ってしまう自分をどうかと、心の隅っこで思った。

 「殺す……って言ってんだよ!! このクズヤローが!!」

 ああ?

 「クズにクズとは言われたくねぇなぁ!! このクソチーターが!!」
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