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4章 衝突する勢力
7話 接敵? 2
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~~ミリフィア視点~~
「……………」
京雅さんは今、一体何の勉強をしているんでしょうか?それなりにできると言ったは良いものの、これでもし私も解けなければ………。
「うぅ……私も中学生の問題をやるべきでしょうか?」
「急にどうしたの?俺で良ければ教えようか?」
「えっ?あっ、いえ。独り言ですので、気にしないでください」
「そう?まぁ、困ったことがあったら言ってね。それで、今週の土曜日にさ、みんなで遊ぼうって話をしてたんだけど、どうする?」
「そうですね……」
私はそう口にしながら、無意識に京雅さんの方へと視線を移動し見ていると、"もし、私が彼の前で他の男の子と遊んでいたらどんな気分になるのだろう"、という意地悪なものが心に浮かび上がってきました。
そんな邪なものを振り払うように顔を振って、深呼吸。
「……嬉しい提案ですけど、その日は予定がありまして……また誘っていただけますか?」
「うん。まぁ、急だったもんね。次遊ぶ時はもう少し早めに伝えるね」
「ありがとうございます」
特に予定はないので罪悪感はありますが……いえ、なら明日京雅さんを誘えば……。
………ここに来て最初の頃はこんなに京雅さんのことを気にすることは無かったはずなのに……いったい私はどうしてしまったのでしょうか?
「……ん?」
いつの間にか京雅さんの元に行っていたリベルトさんが何やら廊下を指して何か話しているようですが………。
「ッ……!」
まさか……あの可愛らしい方に呼ばれた、と言う訳ではありませんよね?
立ち上がった京雅さんを見つめながら、どうかあの子ではありませんように、とその場で祈ることしか出来ない自分に"あの時"と同じぐらいの無力感を感じてしまう……。
「…………」
私の祈りは届かず、京雅さんはその方の前で歩みを止めて話し始めました。私はその光景がどうも もどかしく、身体の底から何かが昇ってきている感覚を覚え、ただその場でそのやり取りを見つめるしかありませんでした。
「……ん?」
先程からソワソワしている京雅さん。時々視線を時計に向けている姿を見て、私は何故かホッとしてしまった。
京雅の意識が目の前にいるあの方には完全に向けられていない。その事実が私の心を軽くし、同時にそんな事を思ってしまう自分自身が醜いと思ってしまった。
「うっ……」
「あ、愛衣ちゃん?大丈夫?」
私はその場に居ることすら出来ず、席を立ってそのまま当てもなく教室を出て、遠ざかるようにと上を目指して走りだしていました。
無意識にあの場から遠ざかるように走っていると、いつの間にか私は見知らぬ階段へと着いており、目の前にはまだ上に続く階段がありました。
「私は……普通にはなれないのでしょうか?」
階段に座り込み、そんな事を考えてしまう。普通の女の子はこんな事を考えるのでしょうか?普通の女の子なら私のこの感情を表すことが出来るのでしょうか?
「………」
今日はもう帰ってしまいましょうか。今は一人で居たい気がしますし、きっと今の私は誰とも会話が出来ないかもしれない。
「今日はもう帰りましょうか」
私は自分に言い聞かせて、ザワつく心を修める。もう、大丈夫。今日一日京雅さんと話せないのは少し悲しいですけど、今は何を話せば良いかも分かりませんし、仕方がありませんよね。
そして私は荷物を教室に置いたまま昇降口を目指す。胸に一株の希望と期待を抱いたまま……。
「……………」
京雅さんは今、一体何の勉強をしているんでしょうか?それなりにできると言ったは良いものの、これでもし私も解けなければ………。
「うぅ……私も中学生の問題をやるべきでしょうか?」
「急にどうしたの?俺で良ければ教えようか?」
「えっ?あっ、いえ。独り言ですので、気にしないでください」
「そう?まぁ、困ったことがあったら言ってね。それで、今週の土曜日にさ、みんなで遊ぼうって話をしてたんだけど、どうする?」
「そうですね……」
私はそう口にしながら、無意識に京雅さんの方へと視線を移動し見ていると、"もし、私が彼の前で他の男の子と遊んでいたらどんな気分になるのだろう"、という意地悪なものが心に浮かび上がってきました。
そんな邪なものを振り払うように顔を振って、深呼吸。
「……嬉しい提案ですけど、その日は予定がありまして……また誘っていただけますか?」
「うん。まぁ、急だったもんね。次遊ぶ時はもう少し早めに伝えるね」
「ありがとうございます」
特に予定はないので罪悪感はありますが……いえ、なら明日京雅さんを誘えば……。
………ここに来て最初の頃はこんなに京雅さんのことを気にすることは無かったはずなのに……いったい私はどうしてしまったのでしょうか?
「……ん?」
いつの間にか京雅さんの元に行っていたリベルトさんが何やら廊下を指して何か話しているようですが………。
「ッ……!」
まさか……あの可愛らしい方に呼ばれた、と言う訳ではありませんよね?
立ち上がった京雅さんを見つめながら、どうかあの子ではありませんように、とその場で祈ることしか出来ない自分に"あの時"と同じぐらいの無力感を感じてしまう……。
「…………」
私の祈りは届かず、京雅さんはその方の前で歩みを止めて話し始めました。私はその光景がどうも もどかしく、身体の底から何かが昇ってきている感覚を覚え、ただその場でそのやり取りを見つめるしかありませんでした。
「……ん?」
先程からソワソワしている京雅さん。時々視線を時計に向けている姿を見て、私は何故かホッとしてしまった。
京雅の意識が目の前にいるあの方には完全に向けられていない。その事実が私の心を軽くし、同時にそんな事を思ってしまう自分自身が醜いと思ってしまった。
「うっ……」
「あ、愛衣ちゃん?大丈夫?」
私はその場に居ることすら出来ず、席を立ってそのまま当てもなく教室を出て、遠ざかるようにと上を目指して走りだしていました。
無意識にあの場から遠ざかるように走っていると、いつの間にか私は見知らぬ階段へと着いており、目の前にはまだ上に続く階段がありました。
「私は……普通にはなれないのでしょうか?」
階段に座り込み、そんな事を考えてしまう。普通の女の子はこんな事を考えるのでしょうか?普通の女の子なら私のこの感情を表すことが出来るのでしょうか?
「………」
今日はもう帰ってしまいましょうか。今は一人で居たい気がしますし、きっと今の私は誰とも会話が出来ないかもしれない。
「今日はもう帰りましょうか」
私は自分に言い聞かせて、ザワつく心を修める。もう、大丈夫。今日一日京雅さんと話せないのは少し悲しいですけど、今は何を話せば良いかも分かりませんし、仕方がありませんよね。
そして私は荷物を教室に置いたまま昇降口を目指す。胸に一株の希望と期待を抱いたまま……。
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