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4章 衝突する勢力
1話 成長
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「『血染めし大地』」
リベルトの背後から伸びる棘の生えた八本の赤い触手。
それらが縦横無尽に宙をクネクネと動きながら、ものすごい速度で京雅を狙う。
「悪くない。だが、最善じゃない」
腕を伸ばして指を鳴らす。透き通った音が何も無い空間内に反響する。
その音が過ぎ去ると赤色の触手は原型を留めることが出来ずに崩れていき、リベルト自身も苦しそうに頭を押さえていた。
「くっ……また"反術音衝"か。ずるいと思うぞ、それ」
「手加減はしている。本来ならばお前はヴァンパイアを保つことすらも難しい」
「でもやはり術を消して勝敗を決めるのはずるいぞ」
京雅は異空間を作っていた魔法を解除する。するとそこはリベルトたちの家の二階だった。京雅は持っていたタオルで汗を拭き取りながら、階段の踊り場に置いてあるリュックを背負う。
「でもまぁ、成長は感じられた。その調子で頑張れ」
「………言われぬともそうする」
京雅はそんなぶっきらぼうな言い方とは裏腹にとても嬉しそうな顔をしていた。
京雅はリベルトの顔を一瞥して階段を降り、リビングへと向かう。そこにはメイクの練習をするミリフィアとスマホを片手に指示を出す瑛翔の姿があった。
「そっちはもう少し時間が掛かりそうだな。俺はそろそろお暇するが、瑛翔はどうする?」
「あ、京雅。僕は今日お泊まりするよ。明日休みだしね」
「そうか?なら俺は帰ると──」
「京雅さんも泊まるのはどうです?」
そう言って京雅の方に振り向くミリフィア。だが、その顔を見た京雅は瞬時に顔を逸らして腕で顔を隠した。
その様子を不思議そうに見つめるミリフィア。だが、その後ろで瑛翔は声を出さないように必死に堪えながら笑っていた。
「もしかして……照れてます?」
「あ、いや………とりあえず鏡でも見てみろ」
「鏡ですか?」
ミリフィアは机の上で伏せて置いてある鏡を立てて自分の顔を確認すると、キッと瑛翔を睨む。
「あは、アハハハハハ……ホントごめんね?つい楽しくってさ」
その姿を見た瑛翔はついに声を上げて笑った。目尻には涙を浮かべるほど大笑いする。
瑛翔指示一つで鏡も使わずメイクをしていたミリフィアの顔は真っ白で、チークや口紅は大きくズレていた。
「瑛翔さん、ちょっと付いて来てください!」
「ホントごめんって!」
そう言って連行される瑛翔を横目に京雅は座布団の上で胡座をかいて座る。目の前には先程まで使われていた化粧品の数々。
「女性も大変なんだな」
一番近くに置いてあった口紅を手に持ち、それを眺めながら独り言を呟く。
「あの二人どこに行ったのだ?」
リベルトが辺りをキョロキョロと見渡しながらリビングに入ってくる。
京雅は一つ奥に詰めてリベルトを隣に座るように促した。
「この感じだとまた化粧に失敗したのだろう」
京雅の隣まで来ると、化粧品で散らかったテーブルを手慣れたように片付け始める。
「化粧などしなくても充分美しいと思うのだがな……京雅もそう思うだろ?」
「………まぁ、俺の人生で二番目と言ったところか」
京雅は遠い目をしながらそうボヤく。リベルトはその言葉に反応して一瞬だけ体の動きが止まる。だが、すぐさま片付けを再開した。
「ミリフィア様で二番目か。京雅が一番だと言う人物に是非会ってみたいものだな」
当たり障りのない言葉。リベルトは冗談めかしに言うが、京雅の顔はどこか暗い表情だ。
天井を眺めながら京雅は目を瞑った。過去の事を思い出すように意識を深く、深く沈み込ませる。
「…………もう、思い出すことも出来ない……遠い、遠い記憶だ」
誰に向けられたかも定かでない嘲笑い。京雅はそれだけを言ってリュックを持って立ち上がる。
「俺は帰る。あの二人によろしく伝えてくれ」
「む?そうか?ならば少しばかり見送りでもしてやろう」
リベルトも座布団から立ち上がり京雅の前を歩く。それに付いていくように京雅も進み始めた。
~~~~
~瑛翔視点~
「瑛翔さん、なにか言いたいことはありますか?」
「すみません」
化粧を落とし終わった愛衣ちゃんは頬をプクッと膨らませて上目遣いに僕を睨んでくる。でも、彼女の愛らしさのせいか全く怖くない。
「まさか、あのような姿を京雅さんに見られてしまうとは……」
表情をコロコロと変えながら慌てるその姿を見て僕は思わず笑みを零す。
本人は気付いていないかもしれないけど、彼女は確実に京雅に惹かれている。まぁ、そんな事を言えばまた怒られそうだから言わないけどね。
ずっとこの姿を見ていても良いけど、静也との特訓もあるからどうにかしないと。
「大丈夫だよ。京雅も笑ってたし、どちらかと言えば好印象だよ」
「そ、そうでしょうか……?また嫌われた私、もう立ち直れませんよ?」
京雅が僕らと徹底的に距離を取っていた二週間。この期間、愛衣ちゃんは目に見えて寂しそうだった。明るく振舞ってはいたけど元気もなかった。
愛衣ちゃんは何で京雅が僕たちを避けていたのか、その理由を知らないから不安がっている。だからと言って今更その理由を言うつもりもないけど。
「取り敢えず僕がそれとなく聞いておくよ。愛衣ちゃんは他に京雅に聞きたいこととかある?」
「ほ、ほかにも……?」
「うん。何も無いなら良いんだけどさ」
実を言えばこういうポジションには興味があった。恋のキューピット的立ち位置で、二人の距離を裏からジワジワを詰める。今、僕がその立ち位置に居るという事実を受けて、ニヤけそうになるのを必死に我慢する。
「そう、ですね……や、やはり……女性のタイプ……?いやしかし……ここは無難に好きな物とか聞く方が自然では……?」
一人でブツブツと考え込み始めた。自分で聞くわけじゃないのに凄い真剣に悩んでる。
「じゃあ、僕が一通り聞いてみるよ」
「ほ、本当ですか?」
目をキラキラさせながら僕の顔を上目に見てくる。僕は顔に妙な熱を覚えながらもコクリと頷く。
「じゃあ待っててね。早ければ日曜日には伝えるよ」
「はい、お願いします!」
これからも色々な事があるだろうけど、今はこの状況だけで学校生活が更に楽しくなりそうだと、そう思えてやまない。
~~~~~~~~~~~~~~
4章が始まりました。3章が2章と1章よりもかなり短いなと思ったので、4章は出来るだけ引き伸ばしていこうかなと思ってます。5章は戦闘メインになるので今のうちに満足が行くまで4章に恋愛要素をつぎ込みます!
拙い所多々あると思いますが、これからも作品共々よろしくお願いします!
リベルトの背後から伸びる棘の生えた八本の赤い触手。
それらが縦横無尽に宙をクネクネと動きながら、ものすごい速度で京雅を狙う。
「悪くない。だが、最善じゃない」
腕を伸ばして指を鳴らす。透き通った音が何も無い空間内に反響する。
その音が過ぎ去ると赤色の触手は原型を留めることが出来ずに崩れていき、リベルト自身も苦しそうに頭を押さえていた。
「くっ……また"反術音衝"か。ずるいと思うぞ、それ」
「手加減はしている。本来ならばお前はヴァンパイアを保つことすらも難しい」
「でもやはり術を消して勝敗を決めるのはずるいぞ」
京雅は異空間を作っていた魔法を解除する。するとそこはリベルトたちの家の二階だった。京雅は持っていたタオルで汗を拭き取りながら、階段の踊り場に置いてあるリュックを背負う。
「でもまぁ、成長は感じられた。その調子で頑張れ」
「………言われぬともそうする」
京雅はそんなぶっきらぼうな言い方とは裏腹にとても嬉しそうな顔をしていた。
京雅はリベルトの顔を一瞥して階段を降り、リビングへと向かう。そこにはメイクの練習をするミリフィアとスマホを片手に指示を出す瑛翔の姿があった。
「そっちはもう少し時間が掛かりそうだな。俺はそろそろお暇するが、瑛翔はどうする?」
「あ、京雅。僕は今日お泊まりするよ。明日休みだしね」
「そうか?なら俺は帰ると──」
「京雅さんも泊まるのはどうです?」
そう言って京雅の方に振り向くミリフィア。だが、その顔を見た京雅は瞬時に顔を逸らして腕で顔を隠した。
その様子を不思議そうに見つめるミリフィア。だが、その後ろで瑛翔は声を出さないように必死に堪えながら笑っていた。
「もしかして……照れてます?」
「あ、いや………とりあえず鏡でも見てみろ」
「鏡ですか?」
ミリフィアは机の上で伏せて置いてある鏡を立てて自分の顔を確認すると、キッと瑛翔を睨む。
「あは、アハハハハハ……ホントごめんね?つい楽しくってさ」
その姿を見た瑛翔はついに声を上げて笑った。目尻には涙を浮かべるほど大笑いする。
瑛翔指示一つで鏡も使わずメイクをしていたミリフィアの顔は真っ白で、チークや口紅は大きくズレていた。
「瑛翔さん、ちょっと付いて来てください!」
「ホントごめんって!」
そう言って連行される瑛翔を横目に京雅は座布団の上で胡座をかいて座る。目の前には先程まで使われていた化粧品の数々。
「女性も大変なんだな」
一番近くに置いてあった口紅を手に持ち、それを眺めながら独り言を呟く。
「あの二人どこに行ったのだ?」
リベルトが辺りをキョロキョロと見渡しながらリビングに入ってくる。
京雅は一つ奥に詰めてリベルトを隣に座るように促した。
「この感じだとまた化粧に失敗したのだろう」
京雅の隣まで来ると、化粧品で散らかったテーブルを手慣れたように片付け始める。
「化粧などしなくても充分美しいと思うのだがな……京雅もそう思うだろ?」
「………まぁ、俺の人生で二番目と言ったところか」
京雅は遠い目をしながらそうボヤく。リベルトはその言葉に反応して一瞬だけ体の動きが止まる。だが、すぐさま片付けを再開した。
「ミリフィア様で二番目か。京雅が一番だと言う人物に是非会ってみたいものだな」
当たり障りのない言葉。リベルトは冗談めかしに言うが、京雅の顔はどこか暗い表情だ。
天井を眺めながら京雅は目を瞑った。過去の事を思い出すように意識を深く、深く沈み込ませる。
「…………もう、思い出すことも出来ない……遠い、遠い記憶だ」
誰に向けられたかも定かでない嘲笑い。京雅はそれだけを言ってリュックを持って立ち上がる。
「俺は帰る。あの二人によろしく伝えてくれ」
「む?そうか?ならば少しばかり見送りでもしてやろう」
リベルトも座布団から立ち上がり京雅の前を歩く。それに付いていくように京雅も進み始めた。
~~~~
~瑛翔視点~
「瑛翔さん、なにか言いたいことはありますか?」
「すみません」
化粧を落とし終わった愛衣ちゃんは頬をプクッと膨らませて上目遣いに僕を睨んでくる。でも、彼女の愛らしさのせいか全く怖くない。
「まさか、あのような姿を京雅さんに見られてしまうとは……」
表情をコロコロと変えながら慌てるその姿を見て僕は思わず笑みを零す。
本人は気付いていないかもしれないけど、彼女は確実に京雅に惹かれている。まぁ、そんな事を言えばまた怒られそうだから言わないけどね。
ずっとこの姿を見ていても良いけど、静也との特訓もあるからどうにかしないと。
「大丈夫だよ。京雅も笑ってたし、どちらかと言えば好印象だよ」
「そ、そうでしょうか……?また嫌われた私、もう立ち直れませんよ?」
京雅が僕らと徹底的に距離を取っていた二週間。この期間、愛衣ちゃんは目に見えて寂しそうだった。明るく振舞ってはいたけど元気もなかった。
愛衣ちゃんは何で京雅が僕たちを避けていたのか、その理由を知らないから不安がっている。だからと言って今更その理由を言うつもりもないけど。
「取り敢えず僕がそれとなく聞いておくよ。愛衣ちゃんは他に京雅に聞きたいこととかある?」
「ほ、ほかにも……?」
「うん。何も無いなら良いんだけどさ」
実を言えばこういうポジションには興味があった。恋のキューピット的立ち位置で、二人の距離を裏からジワジワを詰める。今、僕がその立ち位置に居るという事実を受けて、ニヤけそうになるのを必死に我慢する。
「そう、ですね……や、やはり……女性のタイプ……?いやしかし……ここは無難に好きな物とか聞く方が自然では……?」
一人でブツブツと考え込み始めた。自分で聞くわけじゃないのに凄い真剣に悩んでる。
「じゃあ、僕が一通り聞いてみるよ」
「ほ、本当ですか?」
目をキラキラさせながら僕の顔を上目に見てくる。僕は顔に妙な熱を覚えながらもコクリと頷く。
「じゃあ待っててね。早ければ日曜日には伝えるよ」
「はい、お願いします!」
これからも色々な事があるだろうけど、今はこの状況だけで学校生活が更に楽しくなりそうだと、そう思えてやまない。
~~~~~~~~~~~~~~
4章が始まりました。3章が2章と1章よりもかなり短いなと思ったので、4章は出来るだけ引き伸ばしていこうかなと思ってます。5章は戦闘メインになるので今のうちに満足が行くまで4章に恋愛要素をつぎ込みます!
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