グリーン・アイズ ~終世に現れしヒト~

 西暦二〇五〇年、人口が百億を超えた近未来。
 世界は、危機に直面していた。深刻な気候変動と食料難だ。
 
 それでも、飽くことなく、欲望を追求する人々。
 そんな人類を、未曾有の大災害が襲う。
 
 災厄は、それだけではなかった。
 漆黒の『ソレ』が現れ、次々と人々を襲っていった。

 築き上げてきた人類文明は、成す術も無く崩壊を遂げた。

 人類存亡の瀬戸際、知力や身体能力の極めて高い子供の出生が相次ぐ。
 彼らは、セイジと呼ばれた。

 セイジによって、少しずつ反撃の糸口を掴んでいく、人類。
 未曾有の災害から、二十四年――。

 日本北部の寂れた田舎街に、セイジの少年が住んでいた。
 裕福ではなかったが、幸せな生活を送っていた。

 突然、『ソレ』が街に現れ、少年を襲う――。

 人類の転換点。
 後に、そう呼ばれた時代が、ここに始まった。
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