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第一章
アレクセス城の魔王 2
しおりを挟む日々は、飛ぶように過ぎていく。
二日目に自分の境遇を受け入れてみれば、その後の一週間は旅行気分のまま過ぎ去り、その後はハンナさんのスパルタ教育によって、郷愁だとか寂しさなんて感じている暇が無かった。
剣道の朝錬はその内ライドによる騎士修行みたいになり、朝食はハンナさんによるテーブルマナーの教室になった。食後はジャスティンさんがグランディア王国の歴史や文化についてを教授してくれ、昼食もまたハンナさんのマナー教室、引き続いてハンナさんによる身だしなみや姿勢・立ち居振る舞いといった行儀・作法の勉強が始まる。時間にして3時、調度日本でのおやつの時間に休憩を一時間取る。時には中庭で、あるいは城内のサロンで、紅茶と菓子を頂きながらの長閑な時間――と思いきや、ティシアさんやジャスティンさんを相手にした会話のレッスン時間となる。それからは教官の忙しい時間帯に入るようで、夕食まではクリフさんを相手に当日の授業を復習する。夕飯後にもう一度騎士修行をして、浴場を使い、体力を使い果たして9時にはベッドの中だ。
教官の都合でこれらが全て一日の間に敢行される事もあれば、逆に一日中全く授業が開かれない事もあった。
ただそんなこんなで慌しい毎日を過ごしていたら、何時の間にか一ヶ月はあっという間に過ぎていた。
ハンナさんの予定では本当に一月で俺を一人前にするつもりだったようだが、基礎も何も、あまりにも世界観が違いすぎて、まるで赤子のように一から覚える必要があったから、予定通りには進まなかった。
ハンナさんの嘆きようも凄まじかったが、それ以上に俺も、愕然としてしまった。
一ヶ月経った、という事は――それだけ、ティシアさんの成人が近づいたという事だ。日付でいえばあと154日。155日目には成人のお祝いのパーティーが開かれて、その一月前後は準備で忙しくなる。ハンナさんになるともう今頃から、ティシアさんのドレスの用意だとか、招待客の選別だとか、という煩わしい業務が始まっているのだという。
ティシアさんの成人後、どれくらいの期間を置いて結婚をする気でいるのか、俺は聞く事が出来ない。すぐなのか、はたまた数年を要す気なのか、当初に比べてティシアさんも大分頭が醒めただろうからそもそも結婚自体を取り消してくれたら嬉しいのだが、そういった心境等も聞く事が出来ない。
こちらはちっとも帰る手立てを見つけていないのだ。
だからこそその事について言及してしまえば、今は曖昧にぼかせている全ての事が、現実になってしまうようで怖かった。
今はまだ、長い事ゲームの世界にどっぷり漬かっているような……そんな気分で、いられる。自分の中で渦巻いている不安や恐怖、懐郷全てに目を瞑って誤魔化していれば、まだこの世界に居られる。
日毎に現実味を帯びてくる異世界での生活から目を背けて、難しい事など考えずに笑っていれば、気丈に振舞ってもいられる。
最初は考えるまでも無かった許容範囲が狭まって、今はそれが細い一本の糸のようになってしまった。非現実を突きつけられる度に細く脆くなってしまった。
その糸が切れてしまったら、自分は多分、実感する。夢でもゲームでもない、今自分が生きているのは俺の世界には何の繋がりもない、異世界なのだと。そうして余裕をなくした心が、どうなってしまうかが予測出来ずにいる。絶望するのか、泣き叫ぶだけで済むのか、日本に帰るために立てた計画をぶち壊す事になりかねないか――。
世界に頼る者もなく、独り存在するという事が、こんなにも恐ろしいものだとは思っていなかった。
そしてなまじ通じ合えるからこそ、親切懇意に接してもらえるからこそ、信頼が置けない。もし何もかもが自分の生活環境と違って言葉も通じない状態であれば、恐らくは無条件でティシアさん達を信じる事も出来ただろう。だって、そうするしか道が無い。全てを曝け出して、縋りつくしかない。その時々、差し伸べられた手を取るしか、ないのだ。
だって分からなければ、疑いようが無い。心の中を探っている余裕なんて無い。目に見えるものだけが全てだ。優しい言葉も、満面の笑みも、その影に凶悪な心が潜んでいるのではないか、策謀を抱いているのでは無いか、裏切るつもりか、利用するつもりか、疑いだしたら全てが疑わしく感じられてしまう。
この頃には初日より切実に、夜寝る度にこんな猜疑に囚われ、目覚めたら夢が醒めているように願った。そうして最早見慣れたベッドの天蓋を見上げて、無意識のため息が漏れ出た。
異世界から抜け出せなかった以上に、前夜に抱いた黒い感情を思い返せば、爽やかさの欠片も無い朝を迎える事になる。
夜は夜で煩悶し、朝は朝で苦悩する。
昨晩考えていた疑惑を愚かしいと感じ、そんな事を考えた自分が恥ずかしくなった。
人の優しさを疑うような自分が惨めで、悔しくて、泣きたくなった。
そんな気持ちを振り払うように、朝錬に励んでいた。
その日、ライドは朝錬にやって来なかった。昨夜から国王陛下の命令で城を離れているらしい、とクリフが言っていた。そのクリフは、俺付の兵士ではあるが、王家の修練場には下級兵士という身分上入って来れないのだという。王族と、騎士と、大公という身分の人間に許された場所という事だが、王族は国王陛下以外滅多に利用しないというから、驚きだ。ここ以外に東の端には騎士の宿舎と鍛錬場、西の端には兵士の宿舎と鍛錬場があるといい、また全部客用の屋敷だという俺が滞在しているコの字型の建物の中にも、専用の鍛錬場があるのだという。
では王の為だけといって過言でないこの修練場が、これだけ広いのは無駄でしか無いのではと思う。俺の実家の道場で、バスケットコートが二面入るくらいだ。ここはその五倍はある。
壁の二面は窓張りで、もう二面は片方が扉のある方。真正面が壁に色んな武器や装備品が飾られている。古めかしい盾や、槍。一式揃った甲冑は兜の部分が凝っていて、無駄だとしか思えない飾りがついている。仰々しい宝石をあしらった剣であったり、スピアーが交差されて壁にかかっていたりと、コレクターの部屋を見ているような気分になる。
それだけ広くても利用する者が少なければ、無用な面積だ。ちなみに俺も角の一角を使うぐらい。せいぜい試合を想定してバスケットコートの反面程度を利用している。
ライドが一緒の場合はルールも何もあったものでないので、たまに鬼ごっこみたいになってしまう事はあったが。
ただそんな広い部屋をたった一人で利用しているという状況に、中々慣れる事は出来ないのだけど。
でもこの部屋だけに限らず、どこもかしこも意匠の凝らされた部屋であったし、何もかもがいちいち高級感溢れていたから、王の城というのはこういうものなのかもしれない。
何セット目かの素振りをキリがいい所で終える。
時計はまだまだ、朝食の時間も程遠い。
ライドが居ないと、大体素振りだけになる。これが実家であれば走り込みプラス、案山子のようなハンドバックもどきを使っての打ち込みの練習も出来るが、ここには無い。
まず走り込みは、場所が無い。この城の中はスペースは幾らでもあるけれど、中庭や庭園を走るのは見っとも無いと却下された。この部屋の中をぐるぐる回っているのは、最初は武器のコレクションを見ながら何とか走れたが、もう見飽きてしまって無理だ。
部屋の外には利用の際だけ衛兵が待機しているから、流石に「面」とか「胴」とか叫びながら素振りをするのは止めている。一番最初に衛兵が慌てて駆け込んできて、「何事か」と問い質されて大変だった。
何時もの習慣から外れすぎている朝錬の内容も、ライドが居る時はまだマシだ。
ライド相手では竹刀を模して作ってもらった模擬刀では無く、騎士用の純粋な西洋剣を使っての、打ち合いだ。これは繰り出される技に限りが無くて、面白い。
剣道と似通っているものだと単純に思っていたけれど、制約がない分、本人の身体的な優位と独創性でまさに多種多様の攻撃だった。剣道も基本は「面」「胴」「小手」だが、左右の打ち分け、片手か両手かなど細分化すれば幾つかにはなるけれど。
そして何より、テンポが全く違う。
しばらく慣れたら乗馬を教えてもらって、騎士のように馬上での戦いも教えてくれるというから、楽しみだ。
ニヤつきながら、竹刀を西洋剣に持ち変える。
グランディアで用意してもらった自分用の剣は、竹刀もどきと西洋剣が二つだ。一つは練習用の切れ味を鈍くしてある青銅剣で、若干重い。もう一つは柄から剣先、鞘に至るまで、細やかな装飾がされた儀礼用の剣だ。こちらは騎士が正装をする際に身に着けるものと同様らしいが、俺がそういう意味で使う事は無いだろう。
鞘から抜き放つと、窓から差し込む日の光りを浴びて、剣身が光る。鏡のように俺の姿を映すそれの素材は鉄。向うの歴史同様、剣は青銅器から鉄器時代に移ったようだ。
進みは遅いが、まるであちらの時代を追っているようだ。ジャスティンさんの授業を聞いて、こちらの紀元というものをあちらの紀元と同等と見ると、こちらは4021年が経過している。紀元が同じような状態であったとするなら、1600年前後には中世だったあちらに比べたら、こちらは4000年かかって中世ぐらいの成長しかしてないという事か。まあでもあちらの中世期には存在しなかった筈のものがこちらにあったりもするので、全部が全部一概にそうとはいえないけど。
手首を左右に振ると、握った剣に反射した光りが部屋の中で踊る。
『光りの反射した先に敵が居るものと思え』
ライドはそう言って、一人での訓練の仕方を教えてくれた。左上に反射した光りを追うように手首を返せば、当然のように光りの位置が変わる。左上の宙を切ってから、真正面中央を両手で突く。踏み出した足を更に移動させながら、ライドの教えに忠実に、剣が振るわれていく。
寝起きの陰鬱な気持ちが段々と晴れていた。
我ながら繊細なんだか単純なんだか良く分からない思考回路は、身体を動かしている間に一つに纏まる。
俺は出来れば、ティシアさん達を信頼したい。でも信頼できるだけの確証が無い。確証が無いなら確証を探せばいい。この世界の事や彼らの事を知る。疑う余地も無い位理解する。そうして自分が、ここに居られる理由を見つける。ティシアさんの結婚相手としてでなくて、雑用でも何でも、役目を見つける。
あと154日間。その間に帰る方法を見つけるか、役割を得る。その為に、与えられた事は全て身に着けよう。剣技しかり、マナーしかり。
そうは決めても、また悩む事もあるだろう。でもその度に、自分はこうやっていればいい。剣を振って、頭空っぽにして、また考え至ればいい。
爽やかな気分そのままに、剣を上から下へ払う。
その瞬間、エスカーダ大聖堂の朝を告げる大鐘が鳴り響いた。
「おはようございます!」
浴場で汗を流してから、部屋へ戻る。既に朝食の用意は万全で、テーブルマナーの教師・ハンナさんも部屋に姿を現していた。
約束の時間に少し遅れていたのだろう。腕を組んで厳しい顔つきをしたハンナさんが口を開きかけた瞬間、俺は大きな挨拶で遮った。
「……おはようございます」
僅かに眉を上げながら、ハンナさんは挨拶を返してくれる。その間に用意された席に腰をかけ、ナプキンを襟首に装着する。四角いナプキンの一角を襟に入れて、残りの三角形を形良く整える。
これらがまず、食事が運ばれてくる前に行う事。
ちなみに上着を着ている時は、寒くてもそれを脱ぐのがマナー。この場合の上着というのはダウンやコートという防寒着という事では無く、シャツとベストの上に着るジャケットの事だ。寒ければジャケットの下のシャツ等を厚手のものにする。もしくは食事時ようのジャケット――というのがあるそうだ――を着る。これを怠ったままだと何時までも食事が運ばれてこない。
マナー授業だからハンナさんも一緒に食事を摂るので、紳士の嗜みだろうと彼女の椅子を引いて座ってもらおうとした事もあったのだが、給仕や執事が存在する場ではその必要は無いとの事で、さっさと着席するよう促された。
だから今日はお小言を言われる前にそれらを済ませ、満面の笑みでハンナさんを見上げた。
赤味を帯びたチョコレート色の瞳が瞬いた後、彼女は首を捻りながらも頷いて、着席する。
二人の準備が整えば、パンとスープがまず運ばれてくる。水の入った足の細いグラスは端に控えめに用意された。
パンはそのまま銜えず千切って食べる、スープはカチャカチャ音を立てずにスプーンで食べる、というの恐らくあちらと共通だ。あまり洋食を食べる事がないのでうろ覚えだが、小中学校の給食やら家庭科の授業で習った記憶がある。
スープを食べ終わるとサラダだ。その後がやっとメイン。朝だと魚やベーコンエッグもどきが多い。一個一個食べきらないと次が出てこないのが、残念だ。あっちを食べたりこっちを食べたり、という風にしたいのに。
食べ残す場合は用意された別のナプキンで口を拭う仕草をする。この場合と完食した場合に皿が回収される。
食事中はあまり喋らない。特にメイン料理は全員が一口つけてから、という。
慣れないナイフを使ってまず一切れ。今日はシャケっぽい魚のムニエル。猫背にならないように気をつけて、それを咀嚼しきるとハンナさんが話しかけてくる。
「今日は、随分動きが良いですね。ナイフの使い方以外はとても綺麗です」
「ありがとうございますっ」
「……もう少し、静かに」
食事のマナーが問題なければ、ティシアさんと食事を一緒することも出来る。つまり、雑談する時間が取れる。そうすればもう少し、ティシアさんを理解も出来よう。
そう考えたら、昨日までは恐ろしかった授業も嬉々として受け入れられるものに変わった。注意されても、気にならない。
「ツカサ様は手首が固いのですよね……。強張り過ぎかと思うのですが」
危なっかしい俺の手つきを見て、ハンナさんがこうです、と実演してくれるのだが、どうもナイフは滑らかに動いてくれない。手首が固いと言われてお互いを比べてみれば俺の方は力が入っている事が一目瞭然だった。手首どころか肘まで違和感がある。
「肘はもう少し下でも大丈夫です。肘をつくのはみっとものうございますが、逆にテーブルに乗せて頂いて問題ありません。調度中腹で腕を支えて、手首だけを動かすのです」
始めはそうすると肩の位置が下がって姿勢が悪くなる、と言っていたハンナさんも妥協点を見つけたようだ。これに関しては、姿勢命の剣道を習っていたせいか、多少崩れても見栄えがいいからだという。
「慣れるまではその形を覚えて下さいまし」
言われた通りの姿勢を心がける。
「ナイフの使い方は、グライナやバイオリン等の弦楽器の演奏に共通するものがございます。ピアノやグライナは貴族の嗜みですから、その内ツカサ様にも覚えて頂きましょう。ティシア様とご結婚されれば弾かれる機会もございましょうから」
時々あちらと共通する単語が出てくるのが不思議な所だ。しかしそのお陰で大体の物の推測も出来るわけで、グライナというのもバイオリンと同じ弦のある楽器なのだなと理解しながら頷いた。
満足がいったのかハンナさんが口角を上げて、食事を再開する。
意外な事に今日の朝食で注意されたのはナイフと、食後に二点程だけだった。
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