上 下
47 / 50

43

しおりを挟む
 それから透子は少し休んだ。実質、野宿なので、寝台はない。外套をはおって大きな木の幹によりかかり、うとうとしただけだ。ちゃんと眠れるのは明日の朝以降だろう。
 紅霞は雲翔と騒いでいた。互いに自分の《四貴神》を競わせ、やれどっちが勝ったの負けたの、言い争っている。カードバトルに興奮する日本の小学生のようだ。

『闘鶏ではないのだがな…………』

 女神のお電話様がぼそっと、低い声で呟く。
 透子はかるく吹き出し、しきりにゆれる長い黒髪の動きを視線でずっと追いながら、先ほどの紅霞の言葉を思い返していた。

『ニホンに帰れ、透子』

 真剣な、それだけにくつがえりそうにない声音。

「すずさん…………ちょっといいですか?」

『なんだ。《仮枝》の交代の件か?』

「交代…………できるんですか?」

『すでにお前の中に根づいている以上、推奨はしない。が、地球にはお前以外にも何名か候補がいる。お前が帰国を望むなら、そちらから新たな《仮枝》を探す』

「つまり、可能だと」

 透子は理解した。
《世界樹》の《仮枝》としても、透子の存在は代替可能なのだ。
 この世界には、どうしても透子でならなければならない意義は、存在しないのかもしれない。

(でも、だったら、だからこそ――――…………)

 透子は己の手を見た。
 ぐっ、とにぎりしめる。

「もう一つ…………いえ、二つ三つ、確認したいのですが」

「ちゅん?」

 透子とスズメの会話は、紅霞達には届かない。
 一方、紅霞もまた暴れずにはいられなかった。
 透子に告げた言葉は嘘ではない。
 嘘ではないが、透子を失うのは、やはりつらい。我が儘を言いたくなる。
 一人なら、きっと前言を撤回していた。
 気持ちをぶつける手段四貴神相手雲翔がいて、本当に良かった。

お前雲翔がいてくれてよかった」

「ん?」

「まさか、お前相手にこんな台詞を言う日が来るなんてな」

「待て、今なんつった!?」

「なにも言ってねぇよ」

「いや、言っただろ! なんて言った!? なんか、すごくいい台詞だった気がする!!」

「言ってねぇ、つってんだろ!!」

「いーや、言った!!」

 そこから何度目かの小学生の喧嘩が再開する。
 旅人も通らぬ街道の脇で、青年達の怒鳴り声が夜空に吸い込まれていった。





 朝。東の空が白みはじめた頃。
 透子は「ちゅんちゅん」と、すずさんに頬をついばまれて目を覚ました。
 紅霞と雲翔はすでに起き、今日の予定を話し合っている。

「とりあえず、俺達は国境を越えて涼竹国に入る。《四姫神》の件があるんで、当面は艶梅国には戻れない。お前はどうする? 雲翔。涼竹国に行くわけにはいかないだろ? 街の外まで送るか?」

「そうだなぁ。顔は隠してたが、花街の連中を敵に回したし。このまま街を出て、露月にも誰にも何も言わないよう釘を刺したら、夕蓮に戻って担当区域を変更してもらうしかないな」

「言っとくが、お前の《白虎》も透子がいないと使えないからな。街に戻るなら、いったん透子と一緒に…………起きたか、透子」

「おはようございます、紅霞さん、雲翔さん」

 荷物から櫛を出して寝乱れた髪を梳いた透子は、紅霞と雲翔のもとに寄った。

「このあとのことなんだが」

 そう話し出した紅霞の言葉を「その前に」と手をあげてさえぎり、透子は切り出す。

「少しだけ。私から少しだけ、お話の時間をいただいていいですか? 紅霞さん」

「お、おう」

 透子の真剣な表情と口調に、紅霞は少し怯んだようだった。
 透子は深呼吸して、背の高い紅霞の顔を見あげる。

「あのですね、紅霞さん」

 透子は勢いに任せることにした。

「昨夜一晩、考えたんですけど」

「おう」

「私、やっぱり帰りません」

「え…………」

「帰らないというか、帰れません。紅霞さんはこんなに大変で生きづらくて、翠柳さんがいなくて、任せられる人もいなくて。それから仕事もないし、私も大した額のお金は残せないし、短気で喧嘩っ早くて大人気なくて、寂しいくせに人の好き嫌いが激しくて」

「…………」

 紅霞が本気で傷ついた表情になる。
「ぷっ」と背後で吹き出す声がしたと思ったら、「ちゅんっ」と甲高い声までつづいた。

「でも、私はそういう紅霞さんのそばにいたいんです。紅霞さんの力になって、紅霞さんと一緒に生きていきたい。昨日、さんざん思い知ったんです。私の居場所とか存在理由は、この世界にもあちらの世界にもたいしてなくて、だから私は、私自身の手でしっかりつかまえておかないと、あっという間に失ってしまう。『ここにいてくれ』と、世界に求められるのを待っていたら、一生呼ばれないまま終わってしまうんです。だから私は、私の生きる場所や理由は自分で決めて、自分でつかみたい」

 見おろす自分の手は、十歳若返ってはいるけど、やっぱり頼りないまま。
 けれどそれは、あきらめる理由にはならなくて。

「だから私は、ここにいます。この世界にいて、紅霞さんと一緒に生きたいんです。いさせてください。だからですね、ええと、つまり…………」

 うまい話の着地点が見つからない。言葉がわからない。

「ええと…………」

 透子は勢いのままに吐き出した。

「結婚してください、紅霞さん! 結婚しましょう! そうしたら、一緒にいられます!!」

「…………っ」

 紅霞が目をみはる。
 頬がみるみる紅潮していくのが、明けていく空の下でもわかる。絶対、朝陽の色ではない。

「あ、でも翠柳さんを忘れてほしいとか、そういう意味ではなく、そちらはそちらで覚えていてくださって、全然かまわないのですが…………」

(もう、なにを言ってるのか、自分でわからない…………)

 透子は額が汗ばんでいることに気づいて、拭う。
 紅霞から返答はない。
 お断りだろうか。
 おそるおそる顔をあげてみると、紅霞は真っ赤になったまま、嬉しいような困ったような苦しいような、複雑な表情を浮かべていた。

「俺は…………透子を幸せにできるか、わからない」

「紅霞さん」

「金を持っていないとか無職とか、そういうことじゃないんだ。仕事はこれから探せばいい。けど…………俺は透子を抱けるか、わからない」

「試してみるか」と紅霞に言われた夜を思い出す。

「透子が残ってくれても、透子を幸せにできるかわからない。普通の家庭を与えてやれるか、わからない。最悪、俺は透子に『産まず女』の不名誉を負わせることになる」

「別に、子供は他の夫に任せればいいだろ?」

 口をはさんだのは雲翔だ。こちらは一妻多夫制なので自然な発想だ。
 しかし。

「俺が透子に、他の男に触れてほしくない!!」

 叫ぶように紅霞は断言した。

「その…………俺の母だって四人の夫がいたし、父だって母の夫の一人だったし、今の世の中、そういうもんだと、頭では理解している。けど…………俺は翠柳一人で、それが幸せで当たり前と思っていたから…………今さら透子だけ他のやつらと共有なんて、無理なんだよ」

 真っ赤な、それでいて泣き出しそうな顔で、紅霞は視線をそらす。
 透子は熱で胸がいっぱいになる。
 そうだ。本来、紅霞は独占欲の強い人なのだ。
 紅霞の自分に対する欲を感じて、透子はめまいのような幸福感に襲われる。
 もうこれ以上、どんな言葉も必要ないと思えるほどに。

「いいじゃないですか、紅霞さん。それでも」

 透子は自分の出した結論を、大事な人に伝えた。自信を持って。

「人には人の数だけ、形があります。私達には、私達だけの形がありますよ、きっと。普通の人達が当たり前に手に入れられるものが、私達には手に入らないかもしれません。でも、かわりに普通の人達が手に入らないものを、私達は当たり前につかめるはずなんです。私はそれを、紅霞さんと手に入れたいんです」

 一歩、踏み出す。
 紅霞の大きな手を透子の小さな手がとった。
 見あげた透子の視線が、紅霞のそれとまっすぐ重なり合う。

「一緒にいてください、紅霞さん。私、紅霞さんが好きです。世界を捨てて新しい世界に行きたくなるほど、あなたと一緒にいたいんです」

「…………っ」

 紅霞は声がふるえた。

「透子は、家族がいる。家族のもとに戻って金を手に入れて、母親の病気を治さないといけないのに…………」

「それは昨日、すずさんに調べてもらいました」

「ちゅんっ」

 女神の電話が透子の肩で胸をはる。

「簡単に言うと私の場合、子供がいないので遺産の三分の一を両親が、三分の二を夫が相続するそうです。で、さらに調べてもらうと、母と甥の治療費は、その三分の一以内でおさまるそうです。だから私があちらに帰らず、死亡扱いになっても…………母達は助かるんです。私がいなくても…………」

 透子はいったんうつむき、唾を飲んで呼吸を整える。

「母達は大丈夫。私の家族は大丈夫なんです」

 透子は笑った。泣き笑いの表情だった。
 紅霞は喉がふるえた。感激からか罪悪感からか、自分でも区別がつかない。

「透子は…………それでいいのか? あんなに帰りたがっていたのに、本当にそれで…………」

「なんだ、はっきりしない男だなぁ」

 いっそ雰囲気をぶち壊すほどあっけらかんとした声音で、雲翔が割り込んだ。

「お前ってやつは本当に、ここぞという時は情けない。翠柳の時もぐだぐだ迷った末に、大事なことは全部あいつに先に言われて、今回も同じくりかえしか。一度くらい、ばしっと自分の意志で決めてみせる度胸はないんか、情けない」

 紅霞が灼熱の視線で雲翔をにらみつけるが、雲翔はどこ吹く風。

「ちゅんっ」

 すずさんにまで咎めるように鳴かれて、紅霞は透子の肩を恨めし気に見おろした。
 が、表情が変わる。
 紅霞は透子の肩をつかんだ。すずさんが透子の肩から雲翔の頭に移動する。

「それでいいのか?」

 紅霞はまっすぐ透子を見つめてきた。

「もう二度と、家族に会えないかもしれない。俺といても、普通に幸せにはなれないかもしれない。普通の家族も持てないかもしれない。それでも後悔しないか?
帰りたくならないか?」

「帰りたいとは、ずっと考えると思います。これからも、何度も。でもそれ以上に、紅霞さんと一緒に、二人で人生を歩んでいきたいんです」

 がばっ、と、おおいかぶさるように紅霞に抱きしめられた。透子は広い胸に閉じ込められて、前が見えなくなる。

「だったら離さない」

 紅霞が言いきった。

「二度と、絶対に離さない。『帰れ』と言わない。帰りたくなっても――――帰さない。だから一緒にいてくれ、透子。俺は――――透子が好きなんだ、愛している」

「――――はい」

 透子も断言した。

「私も紅霞さんが好きです。愛している」

 金色の光が射し込んで、太陽が地平の彼方から姿を現す。
 陽光の中に紅霞の、透子の笑顔が照らされ、にじむ涙がきらりと光る。
 朝陽の中、気遣って離れる一人と一羽を背に、透子は初めて紅霞と唇を重ねた。





「あ、そうだ」

 長い長いキスのあと。
 紅霞は「今思い出した」というように、透子に告げた。

「昨日から、言おうと思ってたんだ。その服、似合っている。やっぱり女物も可愛いな」

 髪はとうに解いて梳き直し、注した紅も薄れていたけれど。
 昨日、オークション前に着替えさせられた透子の女物の薄紫色の衣装を見て、紅霞は笑った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します

みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが…… 余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。 皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。 作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨ あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。 やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。 この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。

迷子の会社員、異世界で契約取ったら騎士さまに溺愛されました!?

ふゆ
恋愛
気づいたら見知らぬ土地にいた。 衣食住を得るため偽の婚約者として契約獲得! だけど……? ※過去作の改稿・完全版です。 内容が一部大幅に変更されたため、新規投稿しています。保管用。

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~

柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。 その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!  この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!? ※シリアス展開もわりとあります。

婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです

青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。 しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。 婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。 さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。 失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。 目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。 二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。 一方、義妹は仕事でミスばかり。 闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。 挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。 ※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます! ※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。

処理中です...