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10.【番外編】続・文官と騎士、一人遊びの次の日 *
しおりを挟むリーヴァイは迷っていた。
入れて、と言われたので自分自身我慢がならずに挿入を始めてしまったが、一体どこまで入れて良いのだ。
先程自分の指ではいる所まではできる限りでほぐしたが、そこより先は……そもそも、指で広げることは難しい。
それでも、目の前で尻をあげるようにして股を開きリーヴァイを受け入れているルカの顔に苦しみはなさそうだ。
「ルカ、どこまで入れます……?」
「あ、ん、どこ、って、……」
「どこまで入れてしまって大丈夫です?」
ルカは、勝手に出てくる涙をそのまま流しながら、水の膜のはった美しい宝石のような瞳でリーヴァイを見つめてきた。
リーヴァイは慎重に少しずつ進む。ゆっくり進んで少し引く。また少し進んで、引く。引くときに、ルカがちいさく「あ」と声を出すのが好きだ。それを聞きたいがために小刻みに進むと言っても過言ではない。
「あ、あ、あ、あ、……もっと、りーゔぁ、い、っもっとだよ、……っ!」
「もっと、が、どこまで行っても大丈夫なものか……」
「ああぁ、ンあ!! リーヴァイ、ばかっ! わかって、る、んんんあ、あ、あ、くせに……! もっと、ちゃんと、さいごまで……! 僕のディルドじゃ届かないところ……! ソレで、突いて、突いてよ、足りない、突いてよ足りないよ……っ!」
少しだけ意地悪をしてしまっただろうか。リーヴァイとしては、一日でも日が空いたのだから、閉じてしまったであろう身体の奥を気遣ったつもりだったのだが……。だが、そう欲しがられては仕方ない。いや、入れて良いのなら、リーヴァイだって、昨日風呂場で根本をしごきながら「ココまで受け入れてくれる人なんていない」そう思ったばかりだったのだから、入れない理由なんてないのだ。
「はい、では」
その言葉を合図に、先程よりも速く、腸壁をこするように挿入していく。
挿入するごとに、ぎゅうぎゅうと締め付けられるのが気持ちがよくて、このまま止まっていたいとすら思うが……それをすると、悲しい涙をルカが流すことになってしまう。気持ちが良すぎて出てくる涙は良いが、それはよくない。
リーヴァイは腰を進める。半分を越えたあたり、自分の亀頭がくぷり、と何かに包まれるような感触を覚える。ここを貫くように押し進めると、ルカが身も世もなく喘ぎだすのをリーヴァイは知っている。ルカが大好きな場所だ。
「あぁ……!」
ルカは、期待に満ちた目でリーヴァイを見つめる。そこをリーヴァイの太くてかたいもので抜かれたときの快感を、ルカはすでに期待しているし、もちろん、リーヴァイも、それをわかっている。
「ルカ、……いきますよ」
「ん、んんんうん、うんうん、はや、くっ、きて、あ、あああああああああああああっ!」
ズッと腰を押し付けるようにして、最後まで挿入する。
亀頭は何かを押しのけるようにして滑り込み、その上でぎゅうぎゅうと包まれるものだから、根本まで入ったリーヴァイの陰茎は思わずこぼしてしまいそうに震えた。が。
「ああ、ああ、あああああああ、すご、すごい、すごい、とどいてる、りーゔぁ、い、とどいて、ああああ……っ!」
根本まで受け入れたルカの細い腰は前後へとガクガク動き、リーヴァイが動かなくとも快楽を自ら享受しているようだ。
ルカの小さくて形の良い陰茎からは、断続的に精液がしたたりおちていく。ぴゅ、ぴゅ、とこぼれるそれを見ていたら、なんだかリーヴァイはたまらない気持ちになってしまった。
先程アレを口にして、全てを吸い出したと思ったのに、いじましく勃ちあがりがんばって精液を出しているルカの小さな陰茎がかわいくて仕方がない。
ゆっくりと腰を使うように動きながら、リーヴァイは思わずルカの小さな陰茎を親指と人差指でつまんで上下に動かした。
「やっ!! や、あああああああ、出てるのに、出てる、一緒にされたら、あ、あ、あ、りーゔぁい、あ、あ、ぼく、なん、……っか……! あ、」
ルカは腰の動きを止める。
全てリーヴァイのやることに身を任せることにしたのかもしれなかった。
「ルカ、ルカ、その美しい指で、自分の乳首をつまむことはできますか……」
はくはく、と喘ぎながら、ルカはぼんやりとリーヴァイを見つめる。
リーヴァイはルカの胸に香油を垂らして、滑りをよくして言った。
「ほら、これで、乳首を弄ったら、きっともっと気持ちがいいですよ……」
「あ、……あ、ぬるぬる、……してる」
「そう、それで自分で弄るんです。できます?」
「ん、できる……」
◇◇◇◇
ルカは、気持ち良いことには貪欲な男だ。
長年自分自身を開発してきたため、性癖含め全てを知られているリーヴァイの前ではどこまでやっても構わないと思っている。
そのため、自分でここを弄って、と言われれば素直に言うことを聞いてしまう。
そもそも、後孔の中、普通のディルドでは届かない場所、そのまた奥に真に気持ちの良い場所があるのだから……それを自ら見つけた時、ルカは歓喜したものだ。大きなディルドで突くと記憶が飛ぶほどに気持ちの良い場所がある、それを知ってからルカのコレクションはどんどんと大きくなっていった。
と、いう話は置いておいて。
――今。
今、目の前にいるルカの夫は、ディルドが届かない場所をやすやすとこじ開ける。
ルカはそこに入れられると、……端的にいうと、馬鹿になってしまう。頭が働かない。気持ちよすぎて、精液だってどれだけ我慢したって勝手に出ていってしまうほどに頭も身体も馬鹿になってしまう場所だ。
そこを優しく貫かれながら、ここを弄ろうね、と大好きなリーヴァイに言われた。だから弄った。
「ふ、あっ!」
背中が浮く。
奥まで貫かれ、リーヴァイの指で陰茎をいじられ、そして、香油を塗ったぬるぬるの乳首を弄るのは……。
「あああああああ、あ、すごい……っ! すごい、や、やだ、なんか、なんかすごいのきちゃう、すごい、りーゔぁい、たすけ、て……!」
あまりの気持ちよさに、助けを求めてしまったというのに、リーヴァイは大丈夫と言いながら腰を使う。
すっかり精液が出尽くしたような陰茎も触り続けている。陰茎はもぞもぞと気持ちよく、乳首はぴりぴりと背中に気持ちよさを伝える。
そうして、自分の腹は……。
「ここ、押さえ、ましょうか……っ? 押さえるの、お好きでしたね……っ」
腹は、リーヴァイが動くたびにリーヴァイの先端が良い場所にあたり、腹を押し上げてくる。そこを押されながら動かれると、すごい波に飲まれるのをルカは知っている。
「こわい、りーゔぁ、い、こわ、い、でも……っ」
「でも……?」
リーヴァイの腰と手は早くなる。
ルカの両手も、ぐにぐにぐねぐねと乳首をいじり続ける。
「でも、おし、て! 押して! そこで、だして、りーゔぁい、いちばん、おくで、ああああ、んぁ、あ、そこで、ああ、でる、でてる、あ、」
「はい、じゃあ、押します……、っ……そろそろ俺も……」
敬語が崩れ、腰つきが乱暴になる。空いていた手で、リーヴァイの亀頭でぼこりと浮き上がって居た場所をゆっくりと押された。
「あーーーーーーーーーーー……っ……!」
ルカは叫んだ。嬌声と呼べるほどかわいいものではなかったかもしれないが、とにかく、気持ちよすぎて叫んだ。
あまりに気持ちよすぎて、陰茎からは何かさらさらした液体がプシュ、プシュ、と飛び出す。それでもリーヴァイは手を止めてはくれないし、「あ、もう、出る」と宣言し、ぐ、っと腰を押し付けてきた。ルカは思わず、自身の乳首をひねった。どうしてそうしたのかはわからない。そうすると気持ちが良かったから、そうした。
腹の中の一部、そこにリーヴァイが亀頭をおしつけて射精している。それだけでルカは、背中が震える。何も出さずに再び絶頂を味わった瞬間だった。
リーヴァイは、騎士だ。目上の人には礼を尽くし、国に仕える立派な……立派な陰茎を持つ男だ。
そのリーヴァイが、事後の世話をしてくれている瞬間がルカは大好きだ。
全裸でルカを浴室へ運び、全裸でルカを洗ってくれる。
その間、ルカは、リーヴァイの顔と……それから、陰茎ばかりを見ている。だって好きだから。
「ルカ、ちょっと、かき出しますよ。尻をこちらに……」
ルカは素直に尻を預ける。リーヴァイの陰茎が見えなくなったのは残念だが、自分でやるより、リーヴァイにやってもらうのが好きだから、仕方ない。
リーヴァイの指は繊細に、器用に動く。ルカの腸壁を傷つけないようにきれいに整えられた指先で、中を開くようにして、自らが放ったものを出す。とろとろとこぼれおちてくる精液にルカは震える。その感触で……。
「あの、リーヴァイ……?」
「はい」
「僕は、明日、午前中休みをとったんだ……」
「……はい」
「だから……」
途端、真面目な顔でルカの後処理をしていたリーヴァイは立ち上がる。
立ち上がって、背中から抱きつくようにし、完全に勃ち上がったリーヴァイのものを尻の間に擦り付けてくる。
ルカはその滑り具合が気持ちよくて、うっとりとしながらリーヴァイを肩越しに振り返った。
「口づけを。君の舌をたくさん吸いたいと思っていたんだ。それから、……可能なら、今、ここで、また……」
「もちろんです、私のルカ」
大きく表情は変わらないリーヴァイだが、とてもうれしそうにしているのがルカにはわかる。
口づけるために下りてくるリーヴァイの顔を見つめながら、ルカは明日の昼まで一体どれだけのことができるだろうか、と算段を始めた。当然のことながら、寝る時間は考慮しない。新婚なのだから、しょうがない。
そんなことを考えながら、ルカは、リーヴァイの唇を受け止めたのだった。
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