142 / 234
第142話 前時代の武器
しおりを挟む
ニニムと共に――いつも通り書類整理をしていると『うん?』っと言う可愛らしい彼女の声と共にニニムの手が止まったので(何事か?)と思い彼女の顔の様子を伺うと
どうやら、ある目録に目が止まったようだ...
同時にニニムに目録の確認を求められたので確認する...
彼女が目を止めた目録は古ぼけてこそいたが書かれている――その内容から旧ユガン帝国時代に製造され同帝国軍が所有していた予備用軍備の在庫目録のようだ
試しに書かれている所を調べて見ると前ユガン帝国軍が装備していた辛うじて使える古いロングボウが30個出て来た
こんな古ぼけた武器でも今のケルダンでは大切な資産には違いない...
そんな訳だから新設した領軍に装備できるか?ヨルミネイトに相談した所――案の定
『練度も筋力も足りません!無理です!卿!』と言われてしまった...
それなら、それで構わない・・・何故なら答えは予想はしていたし――そのような答えが返って来たら【もう、どうするか?】は決めていたからだ
俺は錠前職人や大工などの職人や技術者を招集し行動に移った...
***
まず、矢の飛び出すチャンバーと矢を6本詰める弾倉を一体にした棒状のデバイスを矢の胴体部分であるシャフト中央に取り付ける(この時、矢はクリップ給弾方式なので装填した際はキッチリクリップを外す事を忘れてはいけない)
デバイスを取り付けた弓を通常と同じように引く(すると弓の弦がデバイス内に設置されている爪の部分に引っかかりバネの力で押し出された矢一本がチャンバー内にセットされる)
・・・そして弦を引き続ける事は大変な筋力を必要とするので矢を引いた際はデバイスに装着されているフォアグリップとシャフトを手でシッカリと握る事で弦が引っ張られ続ける動作を保持するのだ
発射する際はデバイス後部に設けた引き金を引けばいい...
デバイス内で弦を引っかけている爪が引き金を引く事で外れるからだ
活版印刷で印刷されるマニュアルに、こう書き記しながら苦笑する。如何にも自分が考えたように書いているが当然――自分のアイデアではない...
以前――ドイツのYou○uberが欧米のアーチェリー会社と作ったアイデアのパクリだからだ...
このデバイスのメリットは...
誰でも短時間で使えるので高等な教育を受けていない経験の浅い者でも戦力化できる事
中世近世レベルの技術力でも生産可能で工夫次第で可動部品を極力少なくする事が出来る事
そして連射が可能な事だ
当たり前だがメリットがあるからにはデメリットも存在する
まず普通の弓より構造が複雑になるので最前線での整備が困難になる事(後方での専門の職人による整備工場が必要になる)
通常のロングボウより連射が利くように弓本体だけでなく矢羽も3枚から2枚へと意図的に退化させているので弾道が安定しにくく射程に劣る事
通常の弓矢用の矢やクロスボウのボルトなどの矢と混同したり武器の特性上、矢を大量に消費する事から補給する上での不都合が生じる事などが挙げれる
構造もシンプルなので・・・有用性が知られればAK47の弓矢版としてコピー品も、すぐに多く出回ることだろう...
ゆえに違っても自分の改良した武器で自分や自分に親しい人間が殺されるような事態は防がなければならない...
デバイスの中身は、この世界の魔術なりゴーレムの技術なりを用いる事で分解しようと試みたら部品がバラバラに飛び散るなどしてブラック化しプロテクトを施す事で可能な限り技術を秘匿するつもりだ...
だが、この世に絶対に破られない秘密などない・・・他の国の天才が仕掛けを破る可能がもあるほか、その他にも鹵獲されたり国内の汚職で技術が流出する想定されるので製造法は信頼できる一部の技術者や生産者にのみ留め生産を許可するべきだろう...
その他の対策として武器ひとつ一つ全てに個別の番号を振って複式簿記《ふくしきぼき》などで汚職による横流しなどを防ぐなどの対策を講じる必要もある。
そこまでしなければ・・・武器や技術など容易に流出してしまう...
自分の改良した武器で自分や自分に親しい人間が殺されるなど本末転倒だ
だが当然、そこまで管理を徹底するとなるとニニムの他に簿記管理ができる人材が必要となってくるので現在――いろいろなツテを使って募集をかけている
軍備を行き渡らせる為にも、どうか良い人材が見つかりますように!
そう心の中で祈るしかないアユムであった...
どうやら、ある目録に目が止まったようだ...
同時にニニムに目録の確認を求められたので確認する...
彼女が目を止めた目録は古ぼけてこそいたが書かれている――その内容から旧ユガン帝国時代に製造され同帝国軍が所有していた予備用軍備の在庫目録のようだ
試しに書かれている所を調べて見ると前ユガン帝国軍が装備していた辛うじて使える古いロングボウが30個出て来た
こんな古ぼけた武器でも今のケルダンでは大切な資産には違いない...
そんな訳だから新設した領軍に装備できるか?ヨルミネイトに相談した所――案の定
『練度も筋力も足りません!無理です!卿!』と言われてしまった...
それなら、それで構わない・・・何故なら答えは予想はしていたし――そのような答えが返って来たら【もう、どうするか?】は決めていたからだ
俺は錠前職人や大工などの職人や技術者を招集し行動に移った...
***
まず、矢の飛び出すチャンバーと矢を6本詰める弾倉を一体にした棒状のデバイスを矢の胴体部分であるシャフト中央に取り付ける(この時、矢はクリップ給弾方式なので装填した際はキッチリクリップを外す事を忘れてはいけない)
デバイスを取り付けた弓を通常と同じように引く(すると弓の弦がデバイス内に設置されている爪の部分に引っかかりバネの力で押し出された矢一本がチャンバー内にセットされる)
・・・そして弦を引き続ける事は大変な筋力を必要とするので矢を引いた際はデバイスに装着されているフォアグリップとシャフトを手でシッカリと握る事で弦が引っ張られ続ける動作を保持するのだ
発射する際はデバイス後部に設けた引き金を引けばいい...
デバイス内で弦を引っかけている爪が引き金を引く事で外れるからだ
活版印刷で印刷されるマニュアルに、こう書き記しながら苦笑する。如何にも自分が考えたように書いているが当然――自分のアイデアではない...
以前――ドイツのYou○uberが欧米のアーチェリー会社と作ったアイデアのパクリだからだ...
このデバイスのメリットは...
誰でも短時間で使えるので高等な教育を受けていない経験の浅い者でも戦力化できる事
中世近世レベルの技術力でも生産可能で工夫次第で可動部品を極力少なくする事が出来る事
そして連射が可能な事だ
当たり前だがメリットがあるからにはデメリットも存在する
まず普通の弓より構造が複雑になるので最前線での整備が困難になる事(後方での専門の職人による整備工場が必要になる)
通常のロングボウより連射が利くように弓本体だけでなく矢羽も3枚から2枚へと意図的に退化させているので弾道が安定しにくく射程に劣る事
通常の弓矢用の矢やクロスボウのボルトなどの矢と混同したり武器の特性上、矢を大量に消費する事から補給する上での不都合が生じる事などが挙げれる
構造もシンプルなので・・・有用性が知られればAK47の弓矢版としてコピー品も、すぐに多く出回ることだろう...
ゆえに違っても自分の改良した武器で自分や自分に親しい人間が殺されるような事態は防がなければならない...
デバイスの中身は、この世界の魔術なりゴーレムの技術なりを用いる事で分解しようと試みたら部品がバラバラに飛び散るなどしてブラック化しプロテクトを施す事で可能な限り技術を秘匿するつもりだ...
だが、この世に絶対に破られない秘密などない・・・他の国の天才が仕掛けを破る可能がもあるほか、その他にも鹵獲されたり国内の汚職で技術が流出する想定されるので製造法は信頼できる一部の技術者や生産者にのみ留め生産を許可するべきだろう...
その他の対策として武器ひとつ一つ全てに個別の番号を振って複式簿記《ふくしきぼき》などで汚職による横流しなどを防ぐなどの対策を講じる必要もある。
そこまでしなければ・・・武器や技術など容易に流出してしまう...
自分の改良した武器で自分や自分に親しい人間が殺されるなど本末転倒だ
だが当然、そこまで管理を徹底するとなるとニニムの他に簿記管理ができる人材が必要となってくるので現在――いろいろなツテを使って募集をかけている
軍備を行き渡らせる為にも、どうか良い人材が見つかりますように!
そう心の中で祈るしかないアユムであった...
0
お気に入りに追加
538
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
女を肉便器にするのに飽きた男、若返って生意気な女達を落とす悦びを求める【R18】
m t
ファンタジー
どんなに良い女でも肉便器にするとオナホと変わらない。
その真実に気付いた俺は若返って、生意気な女達を食い散らす事にする
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる