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第33話;side:安琢磨

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(あの子かわいいな~)

安琢磨さだたくまは立ち寄った街中で女性を物色ぶっしょくしていた。この数日で支度金の中から沢山の女を買って童貞を卒業したが安に満足などしていなかった。金で股を開く女性を買った事で性欲こそ満たされたが征服感せいふくかんがなかったからだ・・・

不意に街中で女性を物色ぶっしょくしているさだ脳裏のうりに道中この街に立ち寄るまでの事がよぎる...


―――――――――――――――――――――――――――――――――


安の与えられた力は圧倒的あっとうてきだった...

ドン!と言う爆発音が平野を駆け抜ける!

「フハハハハ!!弱ぇー!チョー弱ぇ―!」

攻撃を仕掛けてくる魔物にさだは自身のスキルである【闇縮地】を使い変則的へんそくてきな動きで一人で魔物を圧倒あっとうしていた!自分は、もはやイジメられる弱い標的ではないと自信を持てる強さを手に入れた安の胸には魔物相手に無双する爽快感そうかいかん高揚感こうようかんが湧き上がり充足感じゅうそくかんというか満足感すら感じていた!

(もう誰もオレを下に見ることなど出来ない!オレを下に見る奴は、この力で潰す!)

と心の中で息巻いきまきながら【闇オーラ】で弱らせた獲物にトドメを刺すため【闇斬撃】をはなつとドス黒い三日月型の斬撃が魔物に飛んでいき――魔物は断末魔だんまつまと共に肉片にくへんとなって飛散ひさんした!

「オレさえ居れば、もうお前らナシで魔王軍に勝てるんじゃねぇ~?お前らが土下座で頼み込めばオレが何とかしてやってもいいぞ?アハハハハ!!!」

さだの調子の乗りようにクラスメイトたちは無視を貫いたり白い目で見て顔を合わせたり様々な反応をしたがクラスメイトたちの反応は彼にとって面白いモノではなかったのでさだはハラワタが煮えくり返るような怒りを感じ突然、激高げっこうし始めた!

「オレを無視するんじゃねぇー!!もっとオレを頼ってうやまえー!!最強のオレにひれ伏せよ!クソがぁー!」

アユムいわく〈彼を一言で表すなら“痛い奴”と言う言葉がシックリくる〉

実際、安は自身が周囲の人間に上だと認められないと極度の不安や苛立ちを覚える承認欲求しょうにんよっきゅうかたまりのような男だった。

当然この場にいる誰もが安の思いなど理解出来る訳もないのも無理からぬ事だったが、だがさだにしてみればクラスメイトたちの態度たいどが自身をバカにしているように感じたのだ

「ちょっと!アイツ...ヤバいって!」

「関わらない方が良いな...」

徐々にクラスメイトたちは被害妄想の激しいさだを避け始めた・・・


―――――――――――――――――――――――――――――――――


「クソがぁあああー!!!!どいつもこいつもバカにしやがってーーー!!」

胸クソ悪い事を思い出したさだは街中で吠えた!周囲の異世界人は(何事か?)とさだの方をを見るが、すぐにさだから興味を失い視線をす。

(クソ!クソ!クソ!どいつもこいつもバカにしやがって!・・・まぁ。いい...さっきの女で発散してやる!)

さだ先程さきほど目星めぼしをつけた女をバレないように後をつけた...
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