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第18話錬金術師ギルド

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オレはバールハイト氏の助言にしたがい錬金術師ギルドの前までやって来た。道中の人間に聞いたかぎりでは、この木造二階建ての建物でポーションを製造しているらしいのだ。

年季の入った建物の前でずっと棒立ちしていても、しょうがないので取り敢えず扉を開いて建物内に入る・・・

建物の中は暗く閑散としており、けっしてボロではないが寂れている・・・前向きに捉えるなら建物の外も中も哀愁漂う雰囲気だ。

正面には、こぢんまりとした木製の受付と何故か陶器で出来た試験管とフラスコがある。その受付には美人受付嬢――ではなく悲しいかな・・・そこには今にも死にそうな老婆が喫煙パイプ吹かしながら鎮座していた。

「なんだい……珍しいね。客には見えないね……冷やかしなら帰っておくれ 」

老婆は顔を歪めながら面倒くさそうな態度でコチラに応対してきた。

(うわぁ~ こんな所で本当にポーション作りなんて学べるのか~ 不安になって来たぞ・・・)

しかし、心象を良くする為にもここは笑顔で元気よく返事をするべきだろう・・・

「こんにちは。私はポーション作りに興味があり、あなたに弟子入りしたくて、ここに来ました。」

だが、オレが笑顔で元気よく言葉を発したにも関わらず老婆の態度は変わらないどころか――相変わらず喫煙パイプを吹かしているだけだ

笑顔を崩さずに(ああ・・・駄目かもしれん... これ...)と思いながら老婆の返答無言でを待つ・・・

しばらく引きつった笑顔で待っていると老婆は一冊の本を取り出し受付に置いたので、その本を手に取り覗き込んだ・・・

【簡単 初級回復ポーション】と言う名の本らしい。どうやら教えるのは面倒くさいからコレを見て勉強しろという事だろう...なんとゆう手抜きだろうか!!

教練用の本を流し読み……20~30十秒で読み終えパタンと本を閉じると、さっそく目の前の試験管とフラスコを手に取り調合室へと向かった

調合室には調合に必要な道具と材料が一式いっしき全部そろっておりオレは覚えた手順通り【初級回復ポーション】を調合していく・・・

まず、フラスコに水とすり鉢で丁寧によくすり潰したユラギ草を二枚入れ火にかける。中身が煮立ってきたら葉と煮汁と別々の容器に分け煮汁を蒸留器に移し替え蒸留する。すると不純物が取り除かれた濃縮エキスが試験管に蓄積されていく。最後に試験管のコルクの蓋を取り付ければ完成だ

完成したモノを「出来ました」と言いながら老婆のもとへ持っていく。

老婆は差し出されたポーションを取り出した一枚のレンズで見ると使い捨てのアイテムだったのか...レンズが『パリン!』と音をたてて破片の一片《いっぺん》 すら残さず砕け散った!

「ふむ...合格だね。初めての調合で初級回復ポーション(小・上等)とは珍しい...普通は(劣)か(微)・・・出来の悪い奴だと(粗悪)となるんだがねぇ…… 運が良かったのか?はたまた元々才能があったのか...」

「まぁ、いいだろう...小僧雇ってやるよ。アタシゃ薬師のラインスだ。独立して一人前になるまで師匠とお呼び。。。」

「はい、ラインス師匠。」と、すかさず返事をしておく

「今回は試験だったから材料や錬金部屋の使用料はとらないでおいてやるさね。次回からは・・・これをよく見ておくんだね。」

そう言って羊皮紙を差し出されたので目を通す・・・


――錬金術士の心得――

錬金術士は錬金術士ギルドに登録された者を指す。これは見習いも同等である。

錬金作業は法定により原則として屋内の錬金部屋にて行わねばならない!

追記:屋外での錬金は第一級の錬金師のみとし緊急事態以外で作業をおこなってはならない!

と要約すればこんな内容だった・・・

「ありがとうございます。ラインス師匠。」

「読み終わったかい。じゃー帰えんな!どうせ、そのなりじゃ登録料もまだ持ってないんだろう!自分で作ったポーションでも売ってきな!有能なアンタを見込んで明日まで待ってやるよ!買い叩かれるんじゃないよ!」

初見の印象と違って意外と親切な性格らしい・・・お言葉に甘えよう。

「わかりました。それでは、私はこれにて・・・」

オレは自分で作ったポーション2つを手にとっとラインスのギルドを後にした。
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