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第13話カビ臭い牢屋

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「うぅ・・・ あっ!痛たぁぁ・・・」

突き飛ばされた時に頭を強打したらしい・・・タンコブが出来ていた。出来たタンコブをさすりながら辺りを見渡す・・・

部屋は薄暗く硬い石畳だ……鉄格子が張られている!どうやら牢屋のようだ。牢屋はカビ臭く鉄格子が備え付けられた部屋の隅には苔が生えている・・・

「あ~ くそ! なんてこった...」

足には移動しづらいように鎖で繋がれた鉄球・・・・・・詰まるところの足枷あしかせがハメられていた。

「気絶している間に付けやがったな・・・」

窓はなく前には鉄格子!足には囚人用の足枷・・・逃げようにも逃げられそにない!絶望的状況だ!

どうする事も出来ないので仕方なく――もう一眠りする事にする。床は硬い石畳だが休めるのは今のうちしかないだろう

寝息を掻き始めて気持ちよく寝ていると怒鳴り声で突然叩き起こされた!睡眠を妨げられ不愉快な気分で起き上がると審問官らしき人の姿をすぐに捉えることが出来た

「こんな状況で寝られるとは流石、下賤げせんな賊は図太いな! 自身の罪を悔いていないと見える。魔物の手引きに虚言きょげん・・・おまけにアーティファクトの検査では窃盗か。盗人が!」

審問官が侮蔑ぶべつな言葉で捲し立てきたので、すかさず反論する

「お待ち下さい! 審問官さま! わたしが牢などに繋がれるなど何かの間違いでございます! わたしは虚言など一切ろうしておりません! 窃盗も冤罪でございます! 」

と言って思い出す・・・・・・まさか廃村で放棄されたモノを利用したのが引っかかったのか

「ええいぃーい!! 黙れぇー!この盗人が! わたしが騙されると思っているのかー!! 貴様のように犯罪者は皆、『身の覚えがない』と無実を訴えるのだ!! この阿呆あほうがぁああ!!現に貴様が盗人だという証拠もある!」

審問官は自信満々にあるモノを取り出した!

「見ろ! 貴様が持っていた、これが何よりの証拠だ! この洗練された高度の刺繍と高度な縫製!! 貴族様のお召モノに違いない!! 金目のモノだと思って盗んだのがろうが、すぐに手放さなったのは間違いだったな!! この極悪人が!!」

「いや! それ俺の学生服じゃん! それは私の私物でございます!! お返し下さい!」

思わず素っ頓狂な声でツッコミを入れるほどビックリした!まさか俺の制服が犯罪の証拠とは!コレ如何に・・・・・・まことに複雑怪奇である!

「黙れ!! 貴様のような、どこぞの馬の骨とも分からんヤツが、このような高価そうなモノを持っている時点で怪しいにもほどがある!! 言い逃れなど最早もはや出来ぬと知れ!」

駄目だ!まったくコチラの言い分を聞いてくれない!取り付く島がないとは、まさにこのことか・・・審問官は一方的に、そう言い捨てると牢屋から去っていった

「そんな馬鹿な・・・・・・ ありえん・・・ありえんぞ・・・」

理解を上回る展開に俺の声が牢屋にむなしくひびいた



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



牢に繋がれて、はや一週間くらい経っただろか?この一週間で分かったが、ここのメシは何故かそれほど悪くないカビの生えたパンはカビをぎ落とせば、ちゃんと食べられるし薄味とは言えジャガイモらしきモノが数個入ったスープも出るのだ。

てっきり『囚人にメシなど出さん! そこらへんで這っている虫でも食え!』と言うもっと酷いモノを想像していたのだが・・・・・・

オレはメシが出ることを喜んでいたが

後日、ちゃんとメシが出る理由をオレは知る事になった・・・
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