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毒
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オルデバルトが毒により倒れたと報告を受け、急いでオルデバルトのいる部屋に向かった。
部屋ではオルデバルトは死人のように真っ白な顔をし、身動き一つせずシーツに身を埋めていた。
医師を帯同していたためすぐに処置をされていたが、地面に滴る血や割れたカップが起きたばかりの事件を物語っていた。
「状況を教えてちょうだい」
オルデバルトは意識がなく、真っ青な顔をして荒い息を繰り返している。それを横目にして、フィルリーネは跪いている警備や侍女たちを見遣った。
「オルデバルト王子は、ゆっくりしたいとおっしゃり、警備と侍女を部屋から出しました。我々は呼ばれるまで部屋の外で待機しておりましたが、突然割れ物の音がし部屋に突入したところ、地面に倒れられている王子を確認いたしました」
オルデバルトに付けていた警備の一人が頭を上げて発言する。
「飲み物を運んだ者は?」
「わ、わたくしでございます。毒の警戒を伺っておりましたので、専用のカップを使用しておりました」
侍女が震えながらもはっきりと警戒していた旨を告げる。落ちていたカップも間違いなく毒が分かるように銀食器が使われていた。
とは言え、それだけで毒が入っていないとは断言できない。
だが、彼らを疑う理由はない。彼らは信用できる者たちで、こちらを見つめる顔に怯えはなく、むしろ無実であることを表すように堂々としていた。
「彼らが外に出ていた間、一体何があったと言うの」
こちらの部下たちは皆部屋から出ていた。その間何が起きていたのか、オルデバルトが連れたキグリアヌンの男を見遣る。
確か名前はドナイトと言ったか。身長はあまり高くなく少し肉付きのいい小柄な男だ。おかっぱの灰色の毛をサラサラ揺らし、身体をびくりと震わせた。
どことなく冬の館の元領主を思い出させるのは、その体格からだろうか。
年は三十にも満たないはずだが、少々前屈みなのは足が悪いからと聞いた。そのせいか、グングナルドに必ず連れる割には、公の場にほとんど姿を表すことがない。
キグリアヌン国王に命じられて連れているだけなのかもしれない。
だからこうして真正面から見るのは初めてだ。
ドナイトは一重の黒目を怯えるように向けた。
「王子は、読書をしながらゆっくりしたいと仰られました。でしたので、私は隣の部屋で片付けをしており、王子はお一人でした」
ドナイトの瞳が左右に揺れる。嘘をついているのか、自分に怯えているのか、どちらにしてもオルデバルトは一人でおり、カップに口を付け毒を含んだようだ。
カップに毒を入れる者はいない。だとしたら自ら飲んだとしか言えないのだが。
キグリアヌンの医師だけでは心許ないと、グングナルドの医師を呼ばせたが、処置に問題はないと医師がこちらに頷く。
「毒の量は少なく命に別状はございません。すぐに目を覚まされるでしょう」
「それは良かったわ。これから医師を側に置いておきます。何かあっては困るわ。警備と侍女は部屋に入れてよ。オルデバルトに毒を飲ませた犯人は必ず捕らえさせましょう」
「し、しかし、何者に毒を入れられたか、分かりませんので」
有無は言わせない。そのまま踵を返そうとしたが、ドナイトは吃りながらもフィルリーネの言葉に反意を示した。
「あら、だからこそ、警備と医師を側に置いておくのでしょう。それとも、あなたはわたくしの部下たちが毒を入れたとでも仰るの!?」
「い、いえ。そのようなことは!」
少しばかり脅すように声を荒げると、ドナイトはすぐに身を引いて身体を縮こませた。
「ですが、フィルリーネ様も何者かに毒を飲まされそうになったと伺っております。犯人はフィルリーネ様にもオルデバルト様にも恨みを持っている者か、あるいは、お二人の接近を阻もうとしている者の仕業ではないかと」
「例えば、どのような?」
「た、例えば、前グングナルド王の部下や、…ルヴィアーレ王子など…。い、いえ、妄言でございます! どうぞご容赦くださいませ!」
聞き捨てならない。そう見えるように片眉を上げると、ドナイトは恐れるように膝を付きひれ伏した。
まだ何も言っていないのだが、わざとなのか本気で怯えているのか、こちらを見上げず頭を地面に押し付けたままだ。
「では、警備の数を増やしましょう。信用のある者よ。オルデバルトも安心して休めることでしょう」
「ご、ご配慮に感謝申し上げます…」
先程より警備を増やすわけだが、ドナイトは震える声を出し、ただ深々と頭を下げ感謝の言葉を述べた。
毒は厄介だ。身体の傷に関しては癒しの力が使われ、元々の人の治癒の力を促進でき、軽い傷であれば完全な治療が可能だが、毒や病は話が違う。
病や毒はその根本となる原因を取り除かなければならない。癒しの力で毒が体内を蝕むのを遅らせることができても、それは治癒にはならないのだ。
取り除いた上で癒しを行うことはできるが、取り除かず癒しを行っても治療にならないのである。
癒しの力は万全なものではない。オルデバルトの毒の成分が分かれば解毒させ、その後癒しを与えることになるだろう。
それにしても、毒を与えたのが前王の関係者か、ルヴィアーレとは。
「笑わせてくれるわ」
小さく呟くと、フィルリーネは拳を強く握った。
「自作自演ではないのか」
ルヴィアーレは容赦無く言い放ち、こちらに冷ややかな顔を向けた。
怒っているのか、おそらくオルデバルトの面倒さにだろうが、不機嫌顔をしたいのはこちらである。
「そうだとしても、こちらの責を問うてくるでしょう」
「あの男には会ったのか?」
「会ったわ。眠っていたけれどね」
事件性はないと断定したいところだが、オルデバルトが毒を含んだことは事実だ。自作自演だとしても、フィルリーネが毒殺されそうになったことを鑑みれば、今後オルデバルトは犯人を共通の敵であると示すだろう。
それが前王の部下か、ルヴィアーレか。オルデバルトはルヴィアーレの仕業ではないかと噂するかもしれない。
それが分かっているか、ルヴィアーレは珍しく腕を組むと指を上下に動かした。
「勝手に毒を飲む者を守るには無理がある」
ルヴィアーレはオルデバルトが自ら毒を口に含んだと思っているようだ。だがその証拠を探すのは難しい。
毒の種類はフィルリーネを狙った物と同じ。しっかり全てを飲み切っていれば、内臓をやられて起き上がれないほどになったかもしれない。
ただし、一口でも含み、のんびりその毒が染み込みのを待てば、軽い服毒で済む。
「容体は軽くとも毒を盛られた事実を得た。どう対処する気だ?」
「警備や侍女たちから毒の所有は認められなかった。こちらは無実であると言い続けるしかないわね。オルデバルトの部下がどうやって毒を手に入れたかを調べさせているわ。この国で得たのではなく、キグリアヌン国で得ていたならば、どうにもならない。ただ、この国で暗殺されかけたと言うならば、危険を回避できなかったと非難されても、この国が安全ではないと追い出すことは可能よ」
「君の印象だけが悪くなるだけで、利も得られず、一方的に借りを与えられただけだな」
「太々しく補償を求めてくるでしょう。ただ帰国する気はないでしょうから、この国で再び何かあっても大きく出てはこれないわね。ただ一つ、難点があるとすれば…」
「城から出て安全な場所に移動したい」
ルヴィアーレは予想していることを先に発言した。自分が想定できればルヴィアーレも想定するか、フィルリーネはうんざりしながら首を縦に振った。
「オルデバルトの友人の元へ行きたいと、駄々をこねてくる可能性はあるわ。もしくは、王城に留めておくのは危険だと、口添えしてくる者がいるかもしれない」
「確かに、それは有り得るな」
前王の部下がオルデバルトを必要と思うのならば、監視の目を逃れるために自分の屋敷に呼ぶだろう。
「前王を奪還するのに、キグリアヌンの王子を使う気か…? 君は世間からすればイムレスやガルネーゼに担がれた頭の悪い王女。オルデバルトは王を助け、末はこの国の王かもな」
それをオルデバルトが本当に考えていそうで恐ろしい。
フィルリーネの役目はただの繋ぎだ。グングナルド王国の王族であること。それが病で寝たきりだろうが、大怪我をして動けなかろうが、どうでもいい。その存在だけあれば。
ただ、オルデバルトが英雄になるには、邪魔な者がいる。
ルヴィアーレとコニアサスだ。
「コニアサスはまだ幼い。何とでもなるだろう。さすれば、不安定なのは私の存在だ」
「…毒には気を付けてちょうだい。これ以上ラータニアに借りを作るのはお断りだわ」
「元々想定していたことだ。今更だな」
当たり前のように反論されて口籠もりたくなるが、実際ルヴィアーレはこの国に来た時から毒殺も注意してきただろう。
残念ながら、ルヴィアーレの状況は変わっていない。前王より冷遇されることがなくなっただけで、前王派がルヴィアーレを狙ってもおかしくないのだ。
「君も同じだろう。処処に敵が多いのはお互い様だ。あれ以降何もないのか?」
「ないわよ。問題ない。大元の犯人は調査中。調べを待つしかないわ」
ルヴィアーレは疑わしそうに睨んでくるが、こればかりは待つしかない。相手も只者ではないのだから、簡単にはいかない。
肩を竦めるとルヴィアーレは、そう言う意味ではない、と首を振った。
「気を付けてほしいと言っているのだ。君は時折適当なところがあるからな。自らを餌にすることに慣れすぎている。自分を大事にしたらどうだ」
「は?」
突然慣れないことを言ってくるので、ルヴィアーレを凝視してしまった。とぼけた声が気に食わないと、眉間に皺を寄せてくる。
部屋ではオルデバルトは死人のように真っ白な顔をし、身動き一つせずシーツに身を埋めていた。
医師を帯同していたためすぐに処置をされていたが、地面に滴る血や割れたカップが起きたばかりの事件を物語っていた。
「状況を教えてちょうだい」
オルデバルトは意識がなく、真っ青な顔をして荒い息を繰り返している。それを横目にして、フィルリーネは跪いている警備や侍女たちを見遣った。
「オルデバルト王子は、ゆっくりしたいとおっしゃり、警備と侍女を部屋から出しました。我々は呼ばれるまで部屋の外で待機しておりましたが、突然割れ物の音がし部屋に突入したところ、地面に倒れられている王子を確認いたしました」
オルデバルトに付けていた警備の一人が頭を上げて発言する。
「飲み物を運んだ者は?」
「わ、わたくしでございます。毒の警戒を伺っておりましたので、専用のカップを使用しておりました」
侍女が震えながらもはっきりと警戒していた旨を告げる。落ちていたカップも間違いなく毒が分かるように銀食器が使われていた。
とは言え、それだけで毒が入っていないとは断言できない。
だが、彼らを疑う理由はない。彼らは信用できる者たちで、こちらを見つめる顔に怯えはなく、むしろ無実であることを表すように堂々としていた。
「彼らが外に出ていた間、一体何があったと言うの」
こちらの部下たちは皆部屋から出ていた。その間何が起きていたのか、オルデバルトが連れたキグリアヌンの男を見遣る。
確か名前はドナイトと言ったか。身長はあまり高くなく少し肉付きのいい小柄な男だ。おかっぱの灰色の毛をサラサラ揺らし、身体をびくりと震わせた。
どことなく冬の館の元領主を思い出させるのは、その体格からだろうか。
年は三十にも満たないはずだが、少々前屈みなのは足が悪いからと聞いた。そのせいか、グングナルドに必ず連れる割には、公の場にほとんど姿を表すことがない。
キグリアヌン国王に命じられて連れているだけなのかもしれない。
だからこうして真正面から見るのは初めてだ。
ドナイトは一重の黒目を怯えるように向けた。
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カップに毒を入れる者はいない。だとしたら自ら飲んだとしか言えないのだが。
キグリアヌンの医師だけでは心許ないと、グングナルドの医師を呼ばせたが、処置に問題はないと医師がこちらに頷く。
「毒の量は少なく命に別状はございません。すぐに目を覚まされるでしょう」
「それは良かったわ。これから医師を側に置いておきます。何かあっては困るわ。警備と侍女は部屋に入れてよ。オルデバルトに毒を飲ませた犯人は必ず捕らえさせましょう」
「し、しかし、何者に毒を入れられたか、分かりませんので」
有無は言わせない。そのまま踵を返そうとしたが、ドナイトは吃りながらもフィルリーネの言葉に反意を示した。
「あら、だからこそ、警備と医師を側に置いておくのでしょう。それとも、あなたはわたくしの部下たちが毒を入れたとでも仰るの!?」
「い、いえ。そのようなことは!」
少しばかり脅すように声を荒げると、ドナイトはすぐに身を引いて身体を縮こませた。
「ですが、フィルリーネ様も何者かに毒を飲まされそうになったと伺っております。犯人はフィルリーネ様にもオルデバルト様にも恨みを持っている者か、あるいは、お二人の接近を阻もうとしている者の仕業ではないかと」
「例えば、どのような?」
「た、例えば、前グングナルド王の部下や、…ルヴィアーレ王子など…。い、いえ、妄言でございます! どうぞご容赦くださいませ!」
聞き捨てならない。そう見えるように片眉を上げると、ドナイトは恐れるように膝を付きひれ伏した。
まだ何も言っていないのだが、わざとなのか本気で怯えているのか、こちらを見上げず頭を地面に押し付けたままだ。
「では、警備の数を増やしましょう。信用のある者よ。オルデバルトも安心して休めることでしょう」
「ご、ご配慮に感謝申し上げます…」
先程より警備を増やすわけだが、ドナイトは震える声を出し、ただ深々と頭を下げ感謝の言葉を述べた。
毒は厄介だ。身体の傷に関しては癒しの力が使われ、元々の人の治癒の力を促進でき、軽い傷であれば完全な治療が可能だが、毒や病は話が違う。
病や毒はその根本となる原因を取り除かなければならない。癒しの力で毒が体内を蝕むのを遅らせることができても、それは治癒にはならないのだ。
取り除いた上で癒しを行うことはできるが、取り除かず癒しを行っても治療にならないのである。
癒しの力は万全なものではない。オルデバルトの毒の成分が分かれば解毒させ、その後癒しを与えることになるだろう。
それにしても、毒を与えたのが前王の関係者か、ルヴィアーレとは。
「笑わせてくれるわ」
小さく呟くと、フィルリーネは拳を強く握った。
「自作自演ではないのか」
ルヴィアーレは容赦無く言い放ち、こちらに冷ややかな顔を向けた。
怒っているのか、おそらくオルデバルトの面倒さにだろうが、不機嫌顔をしたいのはこちらである。
「そうだとしても、こちらの責を問うてくるでしょう」
「あの男には会ったのか?」
「会ったわ。眠っていたけれどね」
事件性はないと断定したいところだが、オルデバルトが毒を含んだことは事実だ。自作自演だとしても、フィルリーネが毒殺されそうになったことを鑑みれば、今後オルデバルトは犯人を共通の敵であると示すだろう。
それが前王の部下か、ルヴィアーレか。オルデバルトはルヴィアーレの仕業ではないかと噂するかもしれない。
それが分かっているか、ルヴィアーレは珍しく腕を組むと指を上下に動かした。
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ルヴィアーレはオルデバルトが自ら毒を口に含んだと思っているようだ。だがその証拠を探すのは難しい。
毒の種類はフィルリーネを狙った物と同じ。しっかり全てを飲み切っていれば、内臓をやられて起き上がれないほどになったかもしれない。
ただし、一口でも含み、のんびりその毒が染み込みのを待てば、軽い服毒で済む。
「容体は軽くとも毒を盛られた事実を得た。どう対処する気だ?」
「警備や侍女たちから毒の所有は認められなかった。こちらは無実であると言い続けるしかないわね。オルデバルトの部下がどうやって毒を手に入れたかを調べさせているわ。この国で得たのではなく、キグリアヌン国で得ていたならば、どうにもならない。ただ、この国で暗殺されかけたと言うならば、危険を回避できなかったと非難されても、この国が安全ではないと追い出すことは可能よ」
「君の印象だけが悪くなるだけで、利も得られず、一方的に借りを与えられただけだな」
「太々しく補償を求めてくるでしょう。ただ帰国する気はないでしょうから、この国で再び何かあっても大きく出てはこれないわね。ただ一つ、難点があるとすれば…」
「城から出て安全な場所に移動したい」
ルヴィアーレは予想していることを先に発言した。自分が想定できればルヴィアーレも想定するか、フィルリーネはうんざりしながら首を縦に振った。
「オルデバルトの友人の元へ行きたいと、駄々をこねてくる可能性はあるわ。もしくは、王城に留めておくのは危険だと、口添えしてくる者がいるかもしれない」
「確かに、それは有り得るな」
前王の部下がオルデバルトを必要と思うのならば、監視の目を逃れるために自分の屋敷に呼ぶだろう。
「前王を奪還するのに、キグリアヌンの王子を使う気か…? 君は世間からすればイムレスやガルネーゼに担がれた頭の悪い王女。オルデバルトは王を助け、末はこの国の王かもな」
それをオルデバルトが本当に考えていそうで恐ろしい。
フィルリーネの役目はただの繋ぎだ。グングナルド王国の王族であること。それが病で寝たきりだろうが、大怪我をして動けなかろうが、どうでもいい。その存在だけあれば。
ただ、オルデバルトが英雄になるには、邪魔な者がいる。
ルヴィアーレとコニアサスだ。
「コニアサスはまだ幼い。何とでもなるだろう。さすれば、不安定なのは私の存在だ」
「…毒には気を付けてちょうだい。これ以上ラータニアに借りを作るのはお断りだわ」
「元々想定していたことだ。今更だな」
当たり前のように反論されて口籠もりたくなるが、実際ルヴィアーレはこの国に来た時から毒殺も注意してきただろう。
残念ながら、ルヴィアーレの状況は変わっていない。前王より冷遇されることがなくなっただけで、前王派がルヴィアーレを狙ってもおかしくないのだ。
「君も同じだろう。処処に敵が多いのはお互い様だ。あれ以降何もないのか?」
「ないわよ。問題ない。大元の犯人は調査中。調べを待つしかないわ」
ルヴィアーレは疑わしそうに睨んでくるが、こればかりは待つしかない。相手も只者ではないのだから、簡単にはいかない。
肩を竦めるとルヴィアーレは、そう言う意味ではない、と首を振った。
「気を付けてほしいと言っているのだ。君は時折適当なところがあるからな。自らを餌にすることに慣れすぎている。自分を大事にしたらどうだ」
「は?」
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