152 / 316
聖堂
しおりを挟む
精霊たちよ、聞き届けて欲しい。
婚約したルヴィアーレに力を貸して欲しい。私はこの国を蝕む王を倒す。そのためにはルヴィアーレの力が必要になるでしょう。私のためにルヴィアーレにあなたたちの力を分けて欲しい。
婚姻の予定はないが婚約により王族の配置換えが行われた。彼に力を貸して欲しい。
どうか私の祈りを、聞き届けてくれないだろうか。
跪き祈りを捧げ、フィルリーネは顔を上げた。マリオンネの女王を模した石板の彫刻に精霊の光が灯っている。光は瞬いているが集まっているのはルヴィアーレに陥落した精霊たちばかりだ。彼らが声を届けてくれるのか、頷いて聖堂から出ていく精霊がいた。
「フィルリーネ様は、ルヴィアーレ様との婚姻をそこまで心待ちにされておりましたか」
この聖堂を管理している司教はゆったりとした雰囲気で目を細めながら言った。司教であっても精霊を見ることはできないのだろう。天井にも集まっている精霊たちの瞬きを見ることなく、こちらに近付く。
「祈るのは当然ですわ。お父様の選んだ方ですもの。間違いはなくてよ」
もうどこから間違ってるのか分からないよね。思いながら立とうとすると司教は厚めの布を当てた手を差し出してきた。婚約の印が光るため布越しで手を引いてくれる。手を引く程度で不義があると認識するのを司教は知っているようだ。
昔からカサダリアにいる司教で年は七十近い。綺麗な白髪のぽっちゃりとした方で、キュッとしまった襟元が苦しそうだ。真っ白な衣装で裾や袖に金の刺繍がされているが、下品に見えない程度でよく似合っていた。
司教は王の婚約時も祈りにも立ち会ったと、懐かしそうに言った。
「フィルリーネ様のお母様はとても繊細な方で、祈ることも恐れ多いと震えながら精霊に祈りを届けておりましたよ」
「まあ、そうですの?」
母親と言っても三割り増し肖像画しか知らない。王から母親の話を聞いたこともない。叔父から人となりを聞いたことはあるが、何せ昔のことすぎてあまり覚えていなかった。
精霊に祈りを捧げるのにぶるぶる震える母親から自分ができるのも不思議だ。この聖堂でぶるぶる震えるなら、寒いか足が痺れたかとかしかなさそうである。
司教は丸い身体でゆっくりと歩きながら、広間から隠れた部屋にフィルリーネを連れる。どうやら世間話がしたいようだ。
カサダリアの聖堂にはまず来ないので、この司教とも何度会ったか程度だった。この司教、フィルリーネの噂を知らないのだろうか。王との繋がりが欲しい者以外、あまり自分とは話したがらないのだが。
部屋には豪華な彫り物がされた長机と椅子が並んでおり、そこが王族の休憩所だと分かる。王都の聖堂にも同じものがあるが、あそこで休憩したことはない。念の為作られている飾りのような部屋だ。ここも同じく殆ど使わないのではないだろうか。
促されて座った椅子はふんわりとしていたがとても冷たかった。部屋の中はやけに涼しい。いつも無人なのだろう。
「フィルリーネ様のお母様は精霊に敬意と畏怖をお持ちでいらっしゃいました。その力を得ている王にも」
精霊に畏怖を持つのはこの国では珍しい。母親は貴族だ。外の景色を見慣れている村人などは精霊の恩恵を感じることはあっても、貴族では殆どないだろう。敬意を示すのはあっても畏怖を持つことは珍しいのである。
「何故、畏怖などと。精霊に敬意を持つのは当然ですわ。けれど、恐るべきではないのではなくて?」
いや、精霊怖いこともあるよ。畏怖を持つとまではいかないけれど、そう感じる王族は多いだろう。ただ、貴族でそれを思うなら相当魔導の強い人だったのだろうか。
「そうですね。敬意を持つのは当然です。しかし畏怖も持っていらっしゃった。王族になることで精霊を遣うと言う行為に恐れを抱いていらっしゃったのだと思います」
貴族から王族に上がることによって、敬意を示す精霊を遣う立場になる。それが怖かったのではと司教は言う。しかし遣うと言う言葉は語弊がある。王族は精霊に願うだけだ。お願いして動いてもらう。遣うような偉さは王族にはない。
だが敬虔な者は恐れるのかもしれない。貴族から王族に上がるのは特別だろうから、そんな気持ちが生まれることはあるだろう。
余程小心者だったのだと言うには酷か。しかし恐れすぎではないだろうか。
「婚姻され、フィルリーネ様を身籠もられた頃には、よく悩んでいらっしゃいました。とても繊細な方だったのです。王妃として国を支え次の王族を身籠もられたことに、とても大きな不安を抱えていらっしゃった」
「まあ、お母様はそんな方でしたの? お身体が弱かったとは聞いておりますけれど」
母親は自分を産んですぐに亡くなっている。つまり精神的に病んでいたのだろう。死因は身体が弱かったと聞いていたが、そうではなかったのかもしれない。
「その時にお生まれになったフィルリーネ様は、ほとんど泣くことがなく、医師たち皆が心配したと言っておられました。しかし、元気な産声を上げずとも、このように立派になられて、私は嬉しく思います。フィルリーネ様。どうぞ、ルヴィアーレ様と末長くお幸せに。お母上様の分も」
司教はそう言って目元に涙を溜めた。母親がここで祈っていたとは初めて聞いたが、司教はその母親の心配事の相談者だったようだ。話を聞くに、祈っていたのは母親だけだったのではないだろうか。そうでなければ王がいながら司教に相談などできない。
そもそも母親は異国の人間ではなく、この国の人間だ。精霊の配置換えはなく、そこまで熱心に祈る必要はない。王族に入るため精霊に祈る必要はあるが、そこで精霊が拒否することはないのだ。マリオンネで婚姻を行えば、自動的に精霊が力を貸す。
それなのにそこまで熱心に祈っていたのならば、余程恐れがあったのかもしれない。
司教の様子から見るに相当まいっていたのだろう。精神面に弱い者が王族、しかもあの王の妃では、心配事が多いに決まっている。
「そうね。お母様の分も幸せにならなければ。明日早朝、ルヴィアーレ様とまた参りますわ」
「ええ、お待ち申し上げます」
司教はそっと涙を拭って立ち上がった。うーん。涙流しているところ本当に申し訳ないけれど、ルヴィアーレと婚姻とか、ないから。しないから。しても離縁だから。その涙、もっと流れちゃうかもしれない。申し訳ない。
心の中で謝るしかない。幸せにはなる気だけれど、婚姻はちょっとなあ。あと将来王族じゃなくなるかもしれません。ごめんね。もう謝るしかないね。
フィルリーネも立ち上がり部屋を出ようとすると、見慣れた男を囲んだ団体が入ってくるのが見えた。
わあ。間が悪すぎるのよ。
入り口からまさかのルヴィアーレがやって来たのだ。お祈りは明日の朝の話だよ。今日じゃないよ。
婚約したルヴィアーレに力を貸して欲しい。私はこの国を蝕む王を倒す。そのためにはルヴィアーレの力が必要になるでしょう。私のためにルヴィアーレにあなたたちの力を分けて欲しい。
婚姻の予定はないが婚約により王族の配置換えが行われた。彼に力を貸して欲しい。
どうか私の祈りを、聞き届けてくれないだろうか。
跪き祈りを捧げ、フィルリーネは顔を上げた。マリオンネの女王を模した石板の彫刻に精霊の光が灯っている。光は瞬いているが集まっているのはルヴィアーレに陥落した精霊たちばかりだ。彼らが声を届けてくれるのか、頷いて聖堂から出ていく精霊がいた。
「フィルリーネ様は、ルヴィアーレ様との婚姻をそこまで心待ちにされておりましたか」
この聖堂を管理している司教はゆったりとした雰囲気で目を細めながら言った。司教であっても精霊を見ることはできないのだろう。天井にも集まっている精霊たちの瞬きを見ることなく、こちらに近付く。
「祈るのは当然ですわ。お父様の選んだ方ですもの。間違いはなくてよ」
もうどこから間違ってるのか分からないよね。思いながら立とうとすると司教は厚めの布を当てた手を差し出してきた。婚約の印が光るため布越しで手を引いてくれる。手を引く程度で不義があると認識するのを司教は知っているようだ。
昔からカサダリアにいる司教で年は七十近い。綺麗な白髪のぽっちゃりとした方で、キュッとしまった襟元が苦しそうだ。真っ白な衣装で裾や袖に金の刺繍がされているが、下品に見えない程度でよく似合っていた。
司教は王の婚約時も祈りにも立ち会ったと、懐かしそうに言った。
「フィルリーネ様のお母様はとても繊細な方で、祈ることも恐れ多いと震えながら精霊に祈りを届けておりましたよ」
「まあ、そうですの?」
母親と言っても三割り増し肖像画しか知らない。王から母親の話を聞いたこともない。叔父から人となりを聞いたことはあるが、何せ昔のことすぎてあまり覚えていなかった。
精霊に祈りを捧げるのにぶるぶる震える母親から自分ができるのも不思議だ。この聖堂でぶるぶる震えるなら、寒いか足が痺れたかとかしかなさそうである。
司教は丸い身体でゆっくりと歩きながら、広間から隠れた部屋にフィルリーネを連れる。どうやら世間話がしたいようだ。
カサダリアの聖堂にはまず来ないので、この司教とも何度会ったか程度だった。この司教、フィルリーネの噂を知らないのだろうか。王との繋がりが欲しい者以外、あまり自分とは話したがらないのだが。
部屋には豪華な彫り物がされた長机と椅子が並んでおり、そこが王族の休憩所だと分かる。王都の聖堂にも同じものがあるが、あそこで休憩したことはない。念の為作られている飾りのような部屋だ。ここも同じく殆ど使わないのではないだろうか。
促されて座った椅子はふんわりとしていたがとても冷たかった。部屋の中はやけに涼しい。いつも無人なのだろう。
「フィルリーネ様のお母様は精霊に敬意と畏怖をお持ちでいらっしゃいました。その力を得ている王にも」
精霊に畏怖を持つのはこの国では珍しい。母親は貴族だ。外の景色を見慣れている村人などは精霊の恩恵を感じることはあっても、貴族では殆どないだろう。敬意を示すのはあっても畏怖を持つことは珍しいのである。
「何故、畏怖などと。精霊に敬意を持つのは当然ですわ。けれど、恐るべきではないのではなくて?」
いや、精霊怖いこともあるよ。畏怖を持つとまではいかないけれど、そう感じる王族は多いだろう。ただ、貴族でそれを思うなら相当魔導の強い人だったのだろうか。
「そうですね。敬意を持つのは当然です。しかし畏怖も持っていらっしゃった。王族になることで精霊を遣うと言う行為に恐れを抱いていらっしゃったのだと思います」
貴族から王族に上がることによって、敬意を示す精霊を遣う立場になる。それが怖かったのではと司教は言う。しかし遣うと言う言葉は語弊がある。王族は精霊に願うだけだ。お願いして動いてもらう。遣うような偉さは王族にはない。
だが敬虔な者は恐れるのかもしれない。貴族から王族に上がるのは特別だろうから、そんな気持ちが生まれることはあるだろう。
余程小心者だったのだと言うには酷か。しかし恐れすぎではないだろうか。
「婚姻され、フィルリーネ様を身籠もられた頃には、よく悩んでいらっしゃいました。とても繊細な方だったのです。王妃として国を支え次の王族を身籠もられたことに、とても大きな不安を抱えていらっしゃった」
「まあ、お母様はそんな方でしたの? お身体が弱かったとは聞いておりますけれど」
母親は自分を産んですぐに亡くなっている。つまり精神的に病んでいたのだろう。死因は身体が弱かったと聞いていたが、そうではなかったのかもしれない。
「その時にお生まれになったフィルリーネ様は、ほとんど泣くことがなく、医師たち皆が心配したと言っておられました。しかし、元気な産声を上げずとも、このように立派になられて、私は嬉しく思います。フィルリーネ様。どうぞ、ルヴィアーレ様と末長くお幸せに。お母上様の分も」
司教はそう言って目元に涙を溜めた。母親がここで祈っていたとは初めて聞いたが、司教はその母親の心配事の相談者だったようだ。話を聞くに、祈っていたのは母親だけだったのではないだろうか。そうでなければ王がいながら司教に相談などできない。
そもそも母親は異国の人間ではなく、この国の人間だ。精霊の配置換えはなく、そこまで熱心に祈る必要はない。王族に入るため精霊に祈る必要はあるが、そこで精霊が拒否することはないのだ。マリオンネで婚姻を行えば、自動的に精霊が力を貸す。
それなのにそこまで熱心に祈っていたのならば、余程恐れがあったのかもしれない。
司教の様子から見るに相当まいっていたのだろう。精神面に弱い者が王族、しかもあの王の妃では、心配事が多いに決まっている。
「そうね。お母様の分も幸せにならなければ。明日早朝、ルヴィアーレ様とまた参りますわ」
「ええ、お待ち申し上げます」
司教はそっと涙を拭って立ち上がった。うーん。涙流しているところ本当に申し訳ないけれど、ルヴィアーレと婚姻とか、ないから。しないから。しても離縁だから。その涙、もっと流れちゃうかもしれない。申し訳ない。
心の中で謝るしかない。幸せにはなる気だけれど、婚姻はちょっとなあ。あと将来王族じゃなくなるかもしれません。ごめんね。もう謝るしかないね。
フィルリーネも立ち上がり部屋を出ようとすると、見慣れた男を囲んだ団体が入ってくるのが見えた。
わあ。間が悪すぎるのよ。
入り口からまさかのルヴィアーレがやって来たのだ。お祈りは明日の朝の話だよ。今日じゃないよ。
15
お気に入りに追加
195
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる